自然言語処理を独学で習得するステップとオススメのオンラインコースを解説

自然言語処理は、機械学習や人工知能の分野で重要な技術となっています。独学で自然言語処理を学ぶためには、まず基本的な概念から始めることが重要です。

自然言語処理を独学で学びたくても以下のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

自然言語処理を独学で学ぶ方法は?
自然言語処理を独学で習得するためのおすすめの講座はどれ?
自然言語処理を独学で学ぶのに最適な本は?

そこでこの記事では、自然言語処理を独学で身につけたい方に向けて以下の内容を解説します。

自然言語処理を独学で学び、スキルを向上させることで、テキストデータの分析や自然言語生成ができるようになり、革新的な技術やサービスを開発できるようになります。

ぜひ、参考にしてみてください。

目次

自然言語処理(NLP)とは

自然言語処理(Natural Language Processing, NLP)とは、人間が日常的に使用する自然言語(英語、日本語など)をコンピューターで処理する技術のことです。

主な目的は、人間の言語をコンピュータが理解し、解釈し、生成することです。具体的には、以下のようなタスクが含まれます。

  • 1. 機械翻訳:言語間の翻訳を行う
  • 2. 感情分析:文章や文書から感情や態度を抽出する
  • 3. 文書分類:文章や文書をカテゴリに分類する
  • 4. 情報抽出:文章から重要な情報を抽出する
  • 5. 対話システム:自然な会話を行うためのシステムを開発する

自然言語処理は機械学習や深層学習などの技術を駆使して行われます。

近年、特に深層学習の発展により、より高度な自然言語処理タスクの実現が可能になっています。自然言語処理の進歩は、自動翻訳や音声認識、質問応答システム、スマートアシスタントなど、多くの分野で革新的な変化をもたらしています。

自然言語処理を独学で学ぶ方法

自然言語処理を独学で学ぶ方法

自然言語処理を独学で学ぶことは、非常に魅力的で成長のある選択肢です。

自然言語処理は、人間の言語をコンピュータが理解し、処理する技術であり、機械学習や深層学習などの分野が組み合わさっています。この分野でスキルを磨くためには、次のようないくつかのステップがあります。

それぞれ説明していきます。

基本概念の理解

自然言語処理を独学で学ぶ上で重要な一歩は、基本概念を理解することです。

まず、自然言語処理がどのように機能し、どのような問題を解決するのかを理解することが重要です。例えば、単語や文のトークン化(分割)、形態素解析、品詞タグ付け、構文解析などの基本的な概念を学びます。

次に、機械学習や深層学習の基本的な概念を学び、自然言語処理にどのように応用されるかを理解します。例えば、単語のベクトル表現(Word Embeddings)、リカレントニューラルネットワーク(RNN)、長短期記憶(LSTM)などがあります。

さらに、実際のプロジェクトやコンペティションに取り組むことで、理論を実践に落とし込むことが重要です。

公開されているデータセットやオープンソースのツールを使用して、自然言語処理の実際の問題に取り組むことで、より深い理解を得ることができます。

プログラミング言語の学習

自然言語処理を独学で学ぶ際には、プログラミング言語の学習が重要です。主にPythonが一般的に使用されており、自然言語処理のライブラリやフレームワーク(例えば、NLTK、spaCy、TensorFlow、PyTorchなど)が豊富に存在します。

まずはPythonの基本的な文法やデータ構造を学び、その後に自然言語処理ライブラリを使ったプログラミングに取り組むことがおすすめです。また、データ処理や可視化のためのライブラリ(例えば、NumPy、Pandas、Matplotlibなど)も重要です。

これらのライブラリを使うことで、自然言語処理で使用するデータの前処理や解析がより効率的に行えます。

プログラミング言語の学習には、オンラインの無料コースやチュートリアル、書籍、または参考になるオープンソースのプロジェクトが豊富にあります。

自分の学習スタイルや目標に合わせて、適切な学習リソースを選択し、継続的に学習を進めていくことが重要です。

数学の基礎の学習

数学の基礎の学習
数学の基礎の学習

自然言語処理を独学で学ぶ際には、数学の基礎を学ぶことも重要です。特に、確率・統計、線形代数、微積分などの数学的知識が役立ちます。

確率・統計は自然言語のデータ解析やモデリングに欠かせず、線形代数は機械学習アルゴリズムやニューラルネットワークの理解に役立ちます。微積分は、関数の最適化や微分方程式の解析に役立ちます。

数学の基礎を学ぶためには、オンラインの無料コースや教材、参考書を利用すると良いでしょう。また、数学の理論を自然言語処理の実践的な問題に適用することで、理論と実務を結びつけることが大切です。

自然言語処理の分野では、数学的な知識を活かしてデータを解析し、問題を解決する能力が求められるため、しっかりとした数学の基礎があると有利です。

オンラインコースや書籍を利用して学習

自然言語処理を独学で学ぶ際には、オンラインコースや書籍を利用することが有益です。

オンラインコースは、自分のペースで学習できるため、仕事や学業と両立しながら効率的に学ぶことができます。また、専門家による講義や実践的な課題が豊富に用意されているため、実践的なスキルを身につけることができます。

書籍も重要な学習資料です。初心者向けから上級者向けまで様々なレベルやテーマの書籍がありますので、自分のレベルや興味に合わせて選ぶことができます。

書籍は、体系的な知識を得ることができるため、理論やアルゴリズムの理解を深めるのに役立ちます。

ただし、自己学習は途中で挫折してしまうこともあるため、継続するためのモチベーション管理が重要です。定期的な学習スケジュールを立てることや、学習グループやコミュニティに参加することで、モチベーションを維持しやすくなります。

実践プロジェクト

自然言語処理を独学で学ぶ上で、実践プロジェクトに取り組むことは非常に有益です。実践プロジェクトでは、学んだ知識を実際のデータや問題に適用することで、理解を深めることができます。

まず、興味や関心を持っているテーマや問題を選びます。例えば、テキスト分類や感情分析、機械翻訳など、自然言語処理の応用範囲は広いので、自分の興味に合ったテーマを選ぶと取り組みやすくなります。

次に、プロジェクトの目標やスコープを設定します。具体的に何を達成したいのか、どのようなデータを使用するのか、どのようなモデルやアルゴリズムを適用するのかを明確にします。

そして、データの収集や前処理、モデルの構築や評価、結果の解釈など、プロジェクト全体の流れを確立します。この過程で、実際の問題に直面し、それを解決するための工夫や技術を身につけることができます。

最後に、プロジェクトの成果をまとめて報告し、他の人と共有することで、自分の学びを確認すると共に、他者との意見交換やフィードバックを得ることができます。

自然言語処理を学べるオンラインスクール5選

自然言語処理を学ぶためのオンラインスクールは数多く存在し、自宅や自分のペースで学習を進めることができます。

ここでは、初心者から上級者まで幅広いニーズに対応した5つのオンラインスクールを紹介します。それぞれの特徴やカリキュラム、料金などを比較しながら、自分に最適な学習環境を見つける手助けとなる情報を提供します。

侍テラコヤ

侍テラコヤ
出典:侍テラコヤ

侍テラコヤは、日本のプログラミング教育プラットフォームで、初心者から上級者まで幅広いレベルの学習者に対応しています。

自然言語処理に関しては、Pythonの基礎やデータ分析、機械学習などの教材が充実しており、実践的なスキルを身につけることができます。

現役エンジニアとのマンツーマンレッスンやQ&A掲示板で質問し放題なので、学習のサポートも万全です。

さらに、柔軟なスケジュールで学習できるため、仕事や学業と両立しながら自然言語処理を学ぶことが可能です。

侍テラコヤでは、無料体験も実施しているので、気軽に試してみることができます。

自然言語処理の魅力や可能性を知り、スキルアップに役立てましょう。

項目概要
学習サイト名侍テラコヤ
特徴・日本最安級のサブスク型オンラインITスクール
・50種類以上の教材が学び放題
・Python、Java、Ruby、PHP、C言語、JavaScriptなどの言語や、Webデザイン、ゲーム開発、AWSなどの分野を学べる
・現役エンジニアとのマンツーマンレッスンやQ&A掲示板で質問し放題
・全額返金保証に対応
・転職・就職サポート
対象レベル初心者〜
費用月額0円〜(有料プランは税込2,980円〜)
公式サイトで詳細を見る

Aidemy

Aidemy
引用:Aidemy

Aidemyは、AIプログラミングを10秒で始められる学習サービスで、自然言語処理の基礎から応用まで幅広く学べます。

自然言語処理コースでは、Pythonの基礎やデータ分析、機械学習などの教材が用意されており、実践的なスキルを身につけられます。また、Aidemy Premium Planでは、個別のメンタリングやチャットサポートが受けられ、自然言語処理を利用した株価予測などの応用課題に挑戦できます。

Aidemyは、無料体験も実施しているので、気軽に試してみることができます。自然言語処理の魅力や可能性を知り、スキルアップに役立てましょう。

項目概要
学習サイト名Aidemy
特徴・AI技術に特化したオンライン学習プラットフォーム
・実践的なプロジェクト
・専門家による動画講義や実践的な演習問題
・個別の学習コース+定期的に開催されるライブセッション
・初心者から上級者までの幅広いレベルに対応
対象レベル初心者〜
費用0円〜(有料プランは298,000円〜)
公式サイトで詳細を見る

Udemy

Udemy
出典:Udemy

Udemyは、世界最大級のオンライン学習プラットフォームで、自然言語処理の実践的なコースを多数用意しています。

「自然言語処理とチャットボット: AIによる文章生成と会話エンジン開発」では、PythonとKerasを使って、夏目漱石や宮沢賢治風のテキストや対話文の自動生成を行う方法を学べます。「【初心者向け】自然言語処理をPythonで学ぼう!形態素解析、tf-idf、WordVec、Doc2Vecを実装!」では、古典的な自然言語処理のアプローチを学び、MeCabで形態素解析や単語・文章のベクトル化を行えるようになります。

Udemyのコースは、動画や資料、クイズなどで学習でき、受講生同士や講師とのコミュニケーションも可能です。また、受講料は一律で、一度購入すればいつでもアクセスできます。

項目概要
学習サイト名Udemy
特徴・世界最大級のオンライン学習プラットフォーム
・視聴期限のない買い切り型の動画講座
・200,000以上の講座
・動画の好きなタイミングに“メモ”を残すことが可能
・ブラウザ版だけでなくアプリ版もあり、隙間時間にスマホで閲覧可能
対象レベル初心者〜
費用0円〜(有料プランは税込1200〜27800円)
公式サイトで詳細を見る

DMM WEBCAMP

DMM WEBCAMP
引用:DMM WEBCAMP

DMM WEBCAMPは、未経験者向けのNo.1プログラミングスクールです。

現役エンジニアの講師が専属でマンツーマン指導し、未経験から成功への転職をサポートしています。転職成功率は98.8%で、キャリアサポート満足度は93.4%です。

自然言語処理に興味がある方にはAIコースがおすすめです。AIの歴史や概要、実際の活用事例を学び、自然言語処理や画像解析などのスキルを身につけることができます。

さらに、DMM WEBCAMPはリスキリング補助金を活用して受講料を最大70%OFFで受講できます。

項目概要
学習サイト名DMM WEBCAMP
特徴・チーム開発ができる
・現役エンジニアのサポートとキャリアサポート
・厚生労働省の専門実践教育訓練給付制度講座に認定されており、給付金を受けながら学習可能
対象レベル初心者〜
費用15,500円(税込)/月〜
公式サイトで詳細を見る

TechAcademy

TechAcademy
引用:TechAcademy

TechAcademyは、自然言語処理をオンラインで学べるオンラインプログラミングスクールです。

Tech AcademyのLLM(大規模言語モデル)アプリ開発コースでは、Pythonの基本文法を学びつつ、LLMを使用したアプリケーション開発を学ぶことができます。

このコースでは、Pythonの基本文法から始めて、OpenAI APIの活用、外部データとツールの利用、実践的な言語モデルの適用などを学びます。最終的には、期間内でLLMを使用したアプリケーションを開発し、実践的なスキルを身につけることができます

また、実務に近い形で学習し、社会で通用するスキルを身につけることができます。

TechAcademyは、AIエンジニアを目指す未経験者から、スキルアップを図りたい経験者まで、幅広いニーズに応える講座を提供しています。

項目概要
学習サイト名TechAcademy
特徴・オンライン完結型のプログラミングスクール
・多様なプログラミングコース
・現役エンジニアによるパーソナルメンター制度
・週2回のビデオチャットでマンツーマンメンタルサポート
・副業や転職サポートが充実
・初心者から学べる専用コースあり
対象レベル初心者〜
費用149,600円(税込)〜
公式サイトで詳細を見る

自然言語処理を学ぶのにオススメの本5選

自然言語処理を学ぶための本は、初学者から上級者まで幅広いニーズに応える情報が豊富に揃っています。

ここでは、自然言語処理の基礎から応用までをカバーするオススメの本5選を紹介します。これらの本は、理論と実践を組み合わせたアプローチで、自然言語処理の理解を深めるのに役立ちます。

自然言語処理の基本と技術

「自然言語処理の基本と技術」は、著者グラム・ニュービッグ氏と萩原正人氏による自然言語処理の入門書です。

本書は、自然言語処理の基本的な理論から応用までを網羅しており、初心者にもわかりやすく書かれています。具体的なアルゴリズムや手法だけでなく、その背後にある理論や概念にも焦点を当てている点が特徴です。

また、実際の応用例やプロジェクトを通じて、理論を実践にどう活かすかを示しています。さらに、最新の研究動向や技術にも触れながら、自然言語処理の基礎から最新のトピックまで幅広くカバーしています。

自然言語処理に興味を持つ初学者や実務者、研究者にとって、非常に役立つ参考書となるでしょう。

機械学習・深層学習による自然言語処理入門 ~scikit-learnとTensorFlowを使った実践プログラミング~

「機械学習・深層学習による自然言語処理入門」は、自然言語処理の基本から応用までを網羅した実践的な一冊です。著者の中山光樹氏は、自然言語処理の専門家であり、本書ではscikit-learnやTensorFlowを使ったプログラミングに焦点を当てています。

初めて自然言語処理に触れる人でも理解しやすいよう、丁寧な解説と具体的なコード例が豊富に用意されています。また、実践的なプロジェクトや応用事例を通じて、理論を実際の問題にどう適用するかを学ぶことができます。

この書籍は、機械学習や深層学習に興味がある初学者から中級者まで幅広い層に役立つ一冊です。

作ってわかる! 自然言語処理AI〜BERT・GPT2・NLPプログラミング入門

「作ってわかる! 自然言語処理AI〜BERT・GPT2・NLPプログラミング入門」は、坂本俊之氏による著書です。本書では、自然言語処理の基礎から応用まで、BERTやGPT-2などの最新技術を使ったプログラミングに焦点を当てています。

読者は、実際に手を動かしながら、自然言語処理AIの仕組みや開発手法を理解することができます。

BERTやGPT-2の基本的な概念から始まり、実際のプログラミングに役立つコード例や事例、さらには応用案まで、幅広い情報が網羅されています。

初心者から中級者向けの内容となっており、プログラミング経験の有無に関わらず、自然言語処理AIに興味がある読者にとって価値のある一冊と言えます。

BERTによる自然言語処理入門

「BERTによる自然言語処理入門」は、ストックマーク株式会社編集による、近江崇宏氏、金田健太郎氏、森長誠氏、江間見亜利氏の共著書です。

本書では、最先端の自然言語処理技術であるBERT(Bidirectional Encoder Representations from Transformers)を使った実践プログラミングを紹介しています。BERTは、Googleが開発した自然言語処理モデルであり、その高い性能と汎用性から広く使われています。

本書では、BERTの基本原理から始まり、実際のコーディング例や応用事例までを丁寧に解説しています。また、Transformerアーキテクチャについても詳細に説明しており、BERTを理解する上で必要な知識を提供しています。

本書は、BERTを使った自然言語処理に興味を持つエンジニアや研究者にとって、非常に有益な一冊となるでしょう。

機械学習エンジニアのためのTransformers ―最先端の自然言語処理ライブラリによるモデル開発

「機械学習エンジニアのためのTransformers」は、最先端の自然言語処理ライブラリであるTransformersを利用したモデル開発に焦点を当てた書籍です。Lewis Tunstall氏、Leandro von Werra氏、Thomas Wolf氏によって執筆され、実務でのTransformerモデルの活用方法を詳細に解説しています。

本書では、自然言語処理の基礎から始まり、TransformerアーキテクチャやBERT、GPT、T5などの最新モデルについて深く掘り下げています。

さらに、Transformersライブラリの使い方や実装方法、ハイパーパラメータのチューニング、モデルの評価とデプロイメントに関するベストプラクティスまで幅広くカバーしています。

自然言語処理の独学には基礎知識が重要

自然言語処理を独学で学ぶ際には、基礎から応用まで段階を踏んで学習することが重要です。

自然言語処理を独学で習得するためのステップとして、まずは基本的なプログラミングスキルや数学の知識を身につけることが重要です。またオンラインコースを活用することで、専門知識を効率的に学び、実践的なスキルを身につけることができます。

自然言語処理は、AIや機械学習の分野で非常に重要な技術となっています。

独学で学ぶことは、自己成長やキャリアアップに大きく寄与することができるでしょう。ぜひ、自然言語処理の世界に飛び込み、新たなスキルを身につけてみてください。

公式サイトで詳細を見る

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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