この記事では、仕事内容や平均年収も交え、データエンジニアとデータサイエンティストの違いを解説します。
データエンジニアとデータサイエンティストって似てるけど、何が違うんだろう?
どっちの道に進むべきか、ちゃんと知ってから決めたい。
AIやデータサイエンスといった言葉をよく耳にするようになり、データ関連の職種に興味を持つ方も増えてきています。
しかし、データエンジニアとデータサイエンティストの違いがよくわからない、どちらの職種が自分に向いているのか判断できない、という声も多く聞かれます。年収や将来性も気になるところですよね。
そこで本記事では、仕事内容や平均年収などもトピック別に両職種の違いを解説します。どちらを目指すべきかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- データエンジニアは効率的なデータ管理を目指す職種
- データサイエンティストはデータを分析しビジネスに貢献する役割を持つ
- データエンジニアは論理的思考が、データサイエンティストは問題解決に興味がある人におすすめ
データエンジニアとデータサイエンティストの違い
データエンジニアとデータサイエンティストはどちらもデータに関する職種ですが、どのような違いがあるのでしょうか。
ここでは、下記の7つのポイントからデータエンジニアとデータサイエンティストの違いを紹介します。
仕事内容
目的や役割が異なる点で、データエンジニアとデータサイエンティストの仕事内容には違いがあります。
データエンジニアは、ビッグデータの収集や管理、最適化を実現することが主な仕事内容です。対してデータサイエンティストは、データの収集や分析などを専門としています。
データエンジニアはデータの収集・管理を行うためのシステム構築を行います。言い換えれば、データ管理の基盤を作ることが主な仕事です。
近年はWebがマーケティングの主戦場となっているため、多くの企業がビジネスにデータを活用しています。膨大な量のデータを活用するには、データ管理の基盤を整えなければなりません。
データエンジニアは、企業がビジネスでデータを活用するための体制を整えているのです。
一方、データサイエンティストは、エンジニアが構築したシステムを利用してデータを収集・分析することを主な仕事としています。ビジネスシーンにおけるデータ活用において欠かせない存在である点では、データエンジニアと共通しています。
ただし、データサイエンティストは、膨大なデータをビジネスに活かすための画策を行う立場です。データの基盤を整理するデータエンジニアとは、仕事の目的や取り扱う範囲が異なります。
データサイエンティストがデータを活用するために、データエンジニアが整理するといった関係です。
なお、データサイエンティストの仕事内容をより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
平均収入
データサイエンティストの平均収入はデータエンジニアよりも高い傾向にあります。
データ業界は、高給与が期待できる分野として注目を集めています。特にデータサイエンティストは、平均年収は700万円近い高待遇です。
同じデータのプロフェッショナルであるデータエンジニアと比べても、平均年収には約100万円ほどの差があります。
この収入の違いは、求められるスキルの専門性が反映されています。データサイエンティストには、統計学や機械学習の専門知識に加え、ビジネス課題を解決する能力が必要です。このため、報酬はより高い傾向です。
ただし、経験やスキルレベル、勤務する企業や地域によって、実際の収入は異なります。将来のキャリアプランを考える際は、単純な平均収入の比較だけでなく、自分の適性や興味も考慮に入れることをおすすめします。
求められるスキル
下表のように、データエンジニアとデータサイエンティストでは求められるスキルにも違いがあります。
また、データエンジニアにはシステム開発に関する知識や情報セキュリティに関するリテラシーが欠かせません。分析をもとにアイデアを提案するデータサイエンティストは、数学や統計に関する知識や分析対象についての知見が必要になります。
いずれにしても、データ分析やシステム開発に関する一定以上の知識や経験は身につけるべきでしょう。
なお、データサイエンティストに必要なスキルをより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。
需要・将来性
データエンジニアとデータサイエンティストはいずれも需要のある職種です。
今やビジネスシーンにおいてデータの活用は欠かせません。宣伝効果を最大化するには、データを活用してユーザーのニーズに沿った訴求を行うことが重要です。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の調査によると、DX に取組んでいる企業の割合は2021年度の55.8%から2023年度では73.7%に増加しており、ビジネスにおけるデータの活用は今後さらに加速することが予測されます。
データエンジニアやデータサイエンティストの需要は、今後も一定以上の水準を保つと考えられ、将来性は高いといえるでしょう。
なお、データサイエンティストの将来性をより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
未経験からの目指しやすさ
データエンジニアはIT未経験者が目指すには難易度が高い職種です。
データエンジニアの仕事は、データベースに関するシステムの開発・設計や運用保守です。業務に取り組むには、ITやシステム開発に関する知識とスキルが欠かせません。
同様に、データサイエンティストの仕事も完全な未経験からは目指しにくいと言えます。データの分析を行うためには、統計学や数学にまつわる専門知識のほかに、データベースの操作スキルやPythonをはじめとしたプログラミングの知識が必要です。
いずれの職種も、未経験で目指すことは不可能ではありませんが、決して簡単ではありません。
なお、未経験からデータサイエンティストになる方法を詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。
キャリアパス
データエンジニアとデータサイエンティストは、データ活用の重要性が高まる中で、どちらも将来性の高い職種として注目されています。
両職種のキャリアパスの共通点は、以下の2つが挙げられます。
- 職種間の移行が容易
- 管理職や上流工程に携われるポジションを目指せる
データサそれぞれ、基礎となる知識やスキルが共通しているため、職種間の移行が比較的容易です。キャリアチェンジにより、複数の専門性を持つことでキャリアの幅が広がり、年収アップも期待できます。
また、異なる視点や経験を得ることで、より総合的な判断が可能になり、プロジェクトリーダーやマネージャーとしての道も開けます。継続的なスキルアップにより、市場価値を高めることができる魅力的なキャリアパスといえるでしょう。
データエンジニアとデータサイエンティストはどちらを目指すべき?
データにまつわる職種として若干違いのあるデータエンジニアとデータサイエンティストですが、どちらを目指すべきなのでしょうか。
ここでは、それぞれの職種がどのような人におすすめなのかを紹介します。
データエンジニアはこんな人におすすめ
下記のような人は、データエンジニアが向いているといえます。
- 論理的思考や問題解決能力が高い人
- プログラミングやデータ処理に興味がある人
- 既存のシステムの改善や最適化に積極的に取り組める人
- チャレンジ精神旺盛な人
データエンジニアは、データに強い関心を持ち、論理的思考や問題解決能力が高い人に向いています。
また、プログラミングやデータ処理に興味があり、チームでのコラボレーションが得意な人も適しているでしょう。データにまつわる仕事の中でも、システム開発やITを活用した仕事に就きたいと考えている人におすすめの職種です。
さらには技術の進化に対する強い好奇心も重要です。クラウドコンピューティング、ビッグデータ処理、セキュリティなど、常に新しい技術が登場する分野であり、継続的な学習意欲が欠かせません。
既存のシステムの改善や最適化にも積極的に取り組める、チャレンジ精神旺盛な人材が求められます。
データサイエンティストはこんな人におすすめ
次のような人は、データサイエンティストが向いているといえます。
- データ分析や解釈に興味があり、高い分析能力を持っている人
- プログラミングや機械学習に興味がある人
- クライアントとコミュニケーションを重ねることに抵抗がない人
- 経営層の視点を理解し、データに基づいた戦略的提案ができる人
データサイエンティストは、数学や統計学に強い関心を持ち、データを分析し解釈する能力が高い人に向いています。プログラミングや機械学習に興味があり、データを活かして問題解決に導きたい人におすすめです。
また、業務の中でクライアントとコミュニケーションを重ねることもあるため、人と接することが得意な人や、やり取りを苦に感じない人に適した職種でしょう。
ビジネスセンスと分析力の両方を持ち合わせていることも重要です。単にデータを分析するだけでなく、そこから得られた洞察をビジネスの文脈で解釈し、具体的な施策として提案できる能力が求められます。
経営層の視点を理解し、データに基づいた戦略的な提案ができる人材が重宝されています。
データサイエンティストに向いている人の特徴をより詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。
データエンジニアやデータサイエンティストに関するよくある質問
データエンジニアやデータサイエンティストに関するよくある質問について回答します。
データエンジニアやデータサイエンティストになるにはどうしたらいい?
未経験からデータエンジニアやデータサイエンティストを目指すなら、専門的な内容の学習に取り組む必要があります。
それぞれに共通する求められるスキルは、プログラミングスキルやデータベースに関するスキルなどです。しかし、いずれも初学者には難易度が高く、挫折しやすい点が特徴の一つといえます。
データエンジニアやデータサイエンティストになるための学習を始めるなら、それらの内容を専門的に取り扱うスクールの受講をおすすめします。
「侍エンジニア」は、日本初のマンツーマン専門のプログラミングスクールです。挫折者の多いと言われるプログラミングの習得において、専任講師による「マンツーマン」に特化したレッスンを提供しており、自分のペースで学べます。
また、いつでも質問相談ができる環境が整っているため、分からないことが原因によるモチベーションの低下を防げます。転職保証コースではキャリアアドバイザーによるサポートを受けられるので、達成したい目標に向かって効率的に学習できるでしょう。
データエンジニアやデータサイエンティストになりたい人は、侍エンジニアで学習に取り組んでみてはいかがでしょうか?
データを扱う職業はつまらないって噂は本当?
データを扱う職業を「つまらない」と感じる人もいるかもしれません。しかし、データはさまざまなビジネスの発展に役立てられています。
データベースの設計や開発、データを用いた分析は、単純作業を繰り返す淡泊な仕事であるとイメージされることも多いです。しかし、データエンジニアやデータサイエンティストは、さまざまなスキルと知識を駆使して日々の仕事に取り組んでいます。
データサイエンティストやデータエンジニアは、常に新しい課題に取り組み、データから意味深いインサイトを見つけ出すことに情熱を傾けます。データをもとに分析されたアイデアは、ビジネスに新たな風を巻き起こしているのです。
このため、データを扱う職業は、社会に大きな影響を与えるやりがいのある職業の一つといえます。
未経験からでもデータ関連の仕事に就ける?
未経験からデータ関連の仕事に就いた事例は多数あります。
例えば、元事務職のゆずさんは独学でPythonを習得し、その後プログラミングスクールで実践的なスキルを磨き、データエンジニアとして活躍しています。
成功のカギは、体系的な学習と実践的なプロジェクト経験の積み重ねです。多くの転職成功者は、基礎知識の習得だけでなく、実際のデータを使った分析プロジェクトやポートフォリオの作成に力を入れています。
ゆずさんの事例を詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
文系からデータを扱う職業に転職できる?
文系出身者のデータ職への転職は十分に可能です。実際に、データサイエンティストの中には文系出身者も多く、その論理的思考力や課題解決能力を活かして活躍しています。
コミュニケーション能力や物事を多角的に見る視点など、文系特有の強みは、データ分析の現場でも大いに役立ちます。
転職成功の鍵は、基礎からの着実な学習と実践です。プログラミングや統計学などの技術的なスキルは、オンラインスクールや独学で習得できます。
多くの文系出身者は、まずPythonなどのプログラミング言語の基礎を学び、その後データ分析や機械学習の学習に進んでいます。
まとめ
データエンジニアとデータサイエンティスト、両者はデータを扱うプロフェッショナルですが、その役割は大きく異なります。
データエンジニアはデータ基盤の構築と運用を担当し、年収は約592万円。一方、データサイエンティストはデータ分析と課題解決を主務とし、年収は約696万円とより高待遇です。
どちらも未経験からの参入は可能ですが、相応の学習と準備が必要です。データエンジニアはIT・システム開発の知識が、データサイエンティストは統計学とビジネス理解が重要です。文系出身者でも、プログラミングスクールなどで必要なスキルを習得できます。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。