リスキリングとリカレントの違いは?5つの軸でやさしく解説

リスキリングとリカレントの違いは?
リスキリングとリカレントどちらがキャリアに響くのかなぁ…

「採用の激化」や「ビジネス競争力の確保」などを実現するべく、リスキリングとリカレントは注目を集めています。どちらも将来必要なスキルを獲得して需要のある人材を目指せる取り組みですが、違いがわからない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、リスキリングとリカレントの違いやキャリアアップの活かし方を解説します。ぜひご一読ください。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。

また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。

参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました

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目次

そもそもリスキリングとリカレント教育とは?

そもそもリスキリングとリカレント教育とは?

リスキリングとリカレント教育とは何か解説します。違いを知り理解を深めることで、今後取り組む時の参考にしてください。

なお、リスキリングとリカレントの教育については以下の2つにわけて紹介します。

1つずつ紹介します。

リスキリングとは

リスキリングとは、働き方の変化によって今後新たに発生する業務で役立つスキルや習得を目的に勉強を行うことで、スキルの向上と新しく学び直すための取り組みです。

海外ではすでにリスキリングは浸透しつつありますが、日本では政府がリスキリングへの取り組みを呼びかけている最中です。

また、近年では特にデジタル化と同時に生まれる新しい職業や、仕事の進め方が大幅に変わるであろう職業につくためのスキル習得を指すことが増えています。そのため、今後はリスキリングによって能力やスキルを伸ばしていく人が増える傾向にあります。

リスキリングについては下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。

リスキリングとは?メリット・デメリット含めわかりやすく解説!
更新日:2024年9月24日

リカレント教育とは

リカレントは「再発する」「循環する」といった意味があり、リカレント教育は学校教育を終えた社会人が生涯にわたって学び続け、学習と就労のサイクルを繰り返す取り組みです。

リカレントが注目される背景として技術革新の進化と日本人の平均寿命が伸びていることが大きく、今までは学校で勉強した後に就職し定年退職するなどの流れが普通とされていました。

しかし、技術革新が進み平均寿命が伸びた現代では、社会に出た後も会社を休職して留学する、定年後も新たな仕事を始めるなど、キャリアチェンジする傾向にあるためリカレントの取り組みが注目されています。

なお、リカレントで学習する内容は以下がおすすめです。

  • 外国語
  • 資格取得系科目
  • ビジネス系科目
  • プログラミングスキル

上記のスキルは、技術革新が進んでいく現代で需要が高い傾向のあるスキルのためおすすめです。ぜひ、自分に合いそうなスキルを学習しましょう。

リスキリングとリカレント教育の違い5つ

リスキリングとリカレント教育の違い5つ

リスキリングとリカレント教育の違いを5つ紹介します。違いを比べて、取り組んでいく時の参考にしてください。

なお、リスキリングとリカレント教育の違いは以下の5つにわけて紹介します。

1つずつ紹介します。

実施目的

次のように、リスキリングとリカレント教育では目的に大きな違いがあります。

  • リスキリング:新しい職種への転換
  • リカレント教育:スキルの更新・拡張

リスキリングは、技術革新などにより現在の職種がなくなるリスクに直面している労働者が、全く新しいスキルや職種に適応するための教育を指します。つまり、雇用の継続性やキャリアの転換を目的として、新たなスキル習得に重点を置いています。

一方で、リカレント教育はすでに持っているスキルの更新や拡張、さらには新しい知識の習得を通じて、個人のキャリアアップや生涯学習を促進することを目的としています。これは、現在の職業においても、将来的に他の職業に移る場合においても継続的な学習と成長を支援することを意図しています。

このように、リスキリングとリカレント教育は、個人のキャリアや学習ニーズに応じた異なる目的を持っています。

学習内容

リスキリングとリカレント教育では対象となるスキルに大きな違いがあります。

学習内容
リスキリング・デジタル技術
・データ分析
・市場に対応するためのスキル
リカレント教育・専門知識の更新と拡張
・コミュニケーション能力
・問題解決能力
・ソフトスキル

リスキリングは、現在の職業や職務に不可欠なスキルが陳腐化した際に、新たな職種や業界で求められるスキルを身につけることに焦点を当てています。主に、デジタル技術やデータ分析など、急速に進化する市場に追いつくためのスキルが対象となります。

一方、リカレント教育は、個人のキャリア全体を通じて学習を継続することを目的としており、専門知識の更新や拡張だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力などのソフトスキルの向上も含まれます。

これにより、現在の仕事におけるパフォーマンスの向上や、長期的なキャリア形成のサポートが可能です。

このように、リスキリングは急速な市場変動に対応するための「技術的・専門的スキル」の獲得に焦点を当てているのに対し、リカレント教育は「継続的な学習」を通じて、幅広いスキルセットを身につけることを目指しています。

実施方法

実施方法
実施方法

リスキリングとリカレント教育では、その実施方法と形式に大きな違いが見られます。

特徴目的形式対象
リスキリング新しいスキルの習得オンラインコース、短期集中講座技術革新対応
リカレント教育一生涯学習通信教育、夜間講座キャリア発展、社会適応

リスキリングは、技術革新などによって必要とされる新しいスキルセットを身につけることが目的です。そのため、オンラインコースや短期集中講座など、効率的に特定のスキルを習得できるプログラムが多く設けられています。

一方でリカレント教育は、一生涯にわたる学習を推進するための教育です。個人のキャリア発展や、社会的な変化への適応を目指しています。通信教育、夜間講座、オープン大学など、柔軟な学習方法が提供されていることが特徴です。

このように、リスキリングとリカレント教育はそれぞれ異なる目的と形式を持ち、キャリアアップやスキル習得において重要な役割を果たします。

対象者

リスキリングとリカレント教育では、対象者とその需要に大きな違いがあります。

対象者
リスキリング技術革新や市場の変化により新たなスキルが必要となる人々
リカレント教育自身のスキルや知識を更新し、キャリアアップを目指す就業者

リスキリングを必要とするのは、主に技術革新や市場の変化によって、現在持っているスキルが陳腐化したり、職を失う可能性がある人々です。これらの人々は、新しい分野や業務に移るために必要なスキルを身につける必要があります。リスキリングの需要は、特に急速に変化する業界や職種で高まっています。

一方で、リカレント教育は、既に就業している人々が自身のスキルや知識を更新し、キャリアアップやキャリアチェンジを目指したい人が対象です。リカレント教育の対象者は、職場で更なる成長を望む全ての労働者と言えます。これは、個人の将来性を高めるだけでなく、企業の競争力維持にも貢献します。

以上から、両者の最大の違いは、対象者の現在の職業やスキルレベル、およびそれぞれが抱える需要が異なるという点にあります。

実施効果

リスキリングとリカレント教育の効果と成果は、それぞれの目的に沿って異なります。

項目効果成果
リスキリング新たな業界や職種への転職を可能にする雇用機会の拡大、収入向上の可能性
リカレント教育専門性を高め、現職での昇進を促す職場でのポジション向上、充実感の増大

リスキリングの効果は、新たな職業や業界への転職を可能にすることです。これにより、個人は技術革新によって陳腐化した旧来のスキルから脱却し、新しいスキルを身につけることができます。成果としては、雇用の機会が拡大し、より高い収入を得られる可能性があります。

一方、リカレント教育の主な効果は、既存の職において専門性を高めることです。これにより、現在の職場内での昇進やキャリアの拡大が期待できます。

成果としては、仕事の充実感が高まり、職場でのポジションが向上することが挙げられます。これらの違いを理解することで、個々人が自身のキャリアプランに合わせた適切な教育形態を選択することができます。

リスキリング・リカレントをキャリアアップに活かす方法

リスキリング・リカレントをキャリアアップに活かす方法

リスキリング・リカレントをキャリアアップに活かす方法を紹介します。リスキリングとリカレントの理解を深めることでキャリアアップに活かせるため、ぜひ、参考にしてください。

なお、リスキリング・リカレントをキャリアアップに活かす方法は以下の2つにわけて紹介します。

1つずつ紹介します。

リスキリングの活かし方

多くの人がリスキリングを受けると市場価値の高い人材になるため、選択肢が広がります。せっかく受けたリスキリングを無駄にしないためにも、リスキリングの活かし方を把握しておきましょう。

また、リスキリングの活かし方は以下のとおりです。

  • 市場価値の向上
  • キャリアの再定義
  • 新しい分野への転職

まず、リスキリングを通して市場価値が向上するため、より高い給料やより良い職務条件を得るチャンスが得られます。

在籍している会社で給料アップなどが見込めない場合は、リスキリングで学んだスキルを活かせる場所へ転職するのもいいでしょう。スキルアップしているため転職も成功しやすく、収入も多く得られる可能性が高いです。

また、リスキリングは、キャリアの再定義や人生の新たな章を始める機会を提供します。新しい興味や情熱を追求することで、仕事に対する満足度や幸福感を高めることができるため、学んだことを存分に活かすことを考えて行動していくと、あなたの理想の仕事に近づけます。

リカレント教育の活かし方

リカレント教育は、個人のキャリア全体を通じて学習を継続することを目的としているため

、最終的に専門知識を得られる可能性が高いです。そのため、リカレント教育で学んだことをしっかり把握して活かせるように行動しましょう。

また、リカレント教育の活かし方は以下のとおりです。

  • 専門性の強化
  • キャリアの柔軟性を高める
  • ネットワーキングとパーソナルブランディング

まず、現在の職業領域内で最新の知識や技術を学び続けることで、専門性を深め、その分野でのリーダーシップを確立することができます。これにより、昇進やより給料アップを見込めます。

職業生活における変化や不確実性に対応する能力を高めることができ、リカレント教育により、現在の職業内での異動や新しいプロジェクトへの参加が容易になるのもメリットの1つです。

また、継続的な学習過程で得られる新しい接点や知識は、自身のネットワークを広げ、プロフェッショナルとしてのブランドを構築するのに役立つため、キャリアアップの機会を拡大していくことが可能です。

リスキリング・リカレントに活用できる給付金の例

リスキリングとリカレントに活用できる助成金や補助金制度を紹介します。助成金や補助金制度を知ることで、コスト負担を下げてリスキリングとリカレンに取り組むことができます。

なお、リスキリング・リカレントに活用できる給付金の例は以下の3つです。

1つずつ紹介します。

教育訓練給付制度

教育訓練給付制度は働く人の主体的なスキル習得やキャリア形成を支援し、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した人には、ハローワークから受講費用の一部が支給されます。リスキリングやリカレントに取り組む人も対象の制度です。

また、教育訓練給付制度の特徴は以下のとおりです。

  • 受講料が最大50%支給される
  • 対象となる講座は約16,000種類と豊富
  • 厚生労働省が行っている支援制度のため安心感がある

講座数は16,000種類あるので自分が身につけたいスキルを選択することが可能です。また、厚生労働省が行っている支援制度のため安心して支援制度を受けれるのも特徴の1つです。

教育訓練給付制度は以下の3つに分類されており、それぞれ給付率が異なります。

分類支給額対象者
一般教育
訓練給付金
受講料の20%(上限10万円)雇用保険の加入期間が1年以上
特定一般教育
訓練給付金
受講料の40%(上限20万円)雇用保険の加入期間が1年以上
専門実践教育
訓練給付金
受講料の50%(年間上限40万)雇用保険の加入期間が2年以上

対象の場合に限りますが、より専門的なスキルを身につけたい場合は「専門実践教育訓練給付金」を受けることをおすすめします。

キャリアアップ支援事業

キャリアアップ支援事業は経済産業省が展開しており、リスキリングが対象となる支援制度です。

キャリアアップ支援事業を活用すれば、キャリア相談・スキル修得・転職対策までサポートを受けられます。そのため、リスキリングを検討している人にはおすすめの支援制度です。

また、キャリアアップ支援事業の特徴は以下の通りです。

  • 費用の最大70%が支給される
  • 転職志望の在職者であれば活用可能
  • 全84社から目的のリスキリング講座が受けられる

上限は40万円までになりますが、最大で費用の70%が支給されるのがキャリアアップ支援事業の魅力です。また、転職志望在籍者であれば使用できるため条件もゆるく、全84社から目的のリスキリングを選ぶことが可能です。

会社に在籍していて、転職希望の人は積極的にキャリアアップ支援制度を選びましょう。

キャリアップ支援制度に関しては以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひ、ご覧ください。

リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業とは?活用条件や利点も紹介
更新日:2024年9月24日

人材開発支援助成金

厚生労働省
出典:厚生労働省

人材開発支援助成金は、人材育成や労働者の職業能力開発を促進する目的の支援制度です。従業員の人材育成やスキルアップに活用できる制度のため、人材育成を行える余裕のない事業主にとってはありがたい制度でしょう。

また、キャリアアップ支援事業の特徴は以下の通りです。

  • 高度人材の育成ができる
  • 計画的に人材育成ができる
  • 人材育成を行いながら助成を受けられる

人材開発支援助成金のコースには「事業展開等リスキリング支援コース」を選択できるため、専門的なスキルを身につけることが可能なリスキリングを受けられます。助成金は返済不要で労働者のスキルアップに関わる費用を補填してくれるため、経済的な負担を抑え人材育成を行えるメリットがあります。

また、人材開発支援助成金を受給するためには、計練計画の立案が必要のため、自然に計画的な人材育成を実現可能です。

リスキリング・リカレント教育にはIT系のスキルがおすすめ

リスキリングとリカレント教育にはIT系のスキルがおすすめです。理由として、IT系の分野は需要があるにも関わらず、スキルを身につけている人が少なく人材不足だからです。

経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、IT人材の需要は以下のデータのように予測されています。

2030年には、日本国内で約41万人から79万人ものIT人材が不足すると予測されているため、将来的にITスキルを身につけておいて損はありません。

なお、IT系のスキルは次のものがおすすめです。

  • データ分析
  • マーケティングスキル
  • コミュニケーションスキル
  • プログラミングやIT関係のスキル

上記のスキルの中でもプログラミングスキルは覚えるのは大変ですが、市場価値の高い人材になれる可能性が高いため、おすすめです。もしもプログラミングスキル獲得に興味がある人は、以下から無料カウンセリングを受けてはいかがでしょうか。

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なお、プログラミングやプログラマーについての需要に関しては以下の記事で解説しているので、ぜひ、ご覧ください。

プログラマーに今後の需要や将来性はない?実態から真相を徹底検証
更新日:2024年10月3日

まとめ

今回はリスキリングとリカレントの違いについて徹底解説しました。

リスキリングとリカレントに取り組むとスキルアップが可能になり、最終的には市場価値の向上に繋がります。今回紹介した内容をもとにリスキリングとリカレントを検討するのはいかがでしょうか。

また、リスキリングとリカレントでITスキルを身につけたい人は、キャリアアップ支援事業を行っている侍エンジニアがおすすめです。受講料が最大で70%になるこの機会に、ぜひ、ご検討ください。

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この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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