この記事では、20代・未経験からデータサイエンティストに転職する手順を解説します。
未経験の20代からでもデータサイエンティストになれる?
どう目指せばいいのかイメージが湧かない…
国内におけるIT人材不足の深刻化などを背景に、データサイエンティストが高い報酬を設けるケースも増えてきました。dodaが2023年に実施した「仕事満足度ランキング」で1位に選ばれるなど、データサイエンティストは「就いてよかった仕事」としても高い支持を得ています。
こうした将来性の高さから、データサイエンティストに転身しようと考えている20代の方は多いですよね。
2007年10月に施行された「雇用対策法改正」で、求人募集や採用時に年齢制限を設けることは原則禁止されたため、未経験から異業種への転身は目指しやすい状況が整えられているといえます。
ただ、実際に今からどうデータサイエンティストを目指せばいいのか、そもそもなれるのかイメージが湧かず不安な人もいるはず。
そこでこの記事では具体的な目指し方も交え、未経験の20代からデータサイエンティストになる方法を解説します。この記事を読めば、20代の今からデータサイエンティストを目指す具体的なイメージが持てますよ。
- 20代未経験からのデータサイエンティスト転職は絶好の機会
- 20代未経験から転職するにはスキルを付けて資格を取得するのが最適
- プログラミングスクールを利用して学習することで実践スキルが身につく
20代未経験からデータサイエンティストへの転職は絶好の機会

結論、20代未経験からのデータサイエンティスト転職は絶好の機会といえます。現在の転職市場は、20代・未経験者がデータサイエンティストを目指しやすい現状にあるからです。
ここからは転職市場の現状を踏まえ、20代未経験からのデータサイエンティスト転職が絶好の機会である理由を解説します。
85%の企業で人材が不足している
冒頭でも触れましたが現在、多くの日本企業がIT人材の不足に悩まされています。
事実、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が2024年に発表した「DX人材の動向調査」によると、日本企業の約85%がDX推進に必要な人材の不足を感じていると回答しています。
とくに、データサイエンティストは「デジタル社会の中核を担う人材」と位置づけられており、AI活用・業務効率化・マーケティング戦略など、あらゆる分野での活躍が期待されている職種です。
企業のDXを支える重要なポジションでありながら、人材の供給が需要に追いついていないのが実情です。だからこそ、これからスキルを身につけようとする20代・未経験者にとっては、非常に大きなチャンスだといえます。
人材不足という課題は、裏を返せば「未経験者を育てながら採用したい」という企業ニーズが高まっている証拠でもあるのです。
年齢を経るにつれ転職の難易度は増す
「転職の難易度」という観点でも、20代未経験からのデータサイエンティスト転職は絶好の機会だといえます。次のような理由から、年齢を経るにつれ、転職の難易度は増すためです。
- 年齢が高い未経験人材は教育にコストがかかるため
- 若年層よりも学習スピードが劣る可能性があるため
- 30代の給与水準とスキルのバランスが保てないため
まず理由の一つとして、年齢を重ねるにつれて、未経験からの転職におけるハードルが徐々に高くなる傾向があることが挙げられます。
主な背景として第一に挙げられるのは、「企業が人材育成に割ける期間やリソースに限りがある」という点です。データサイエンティストは、高度な専門知識と実務経験が求められる職種であり、学習フェーズに十分な時間を確保できる若年層のほうが採用されやすい傾向にあります。
加えて、未経験かつ30代以降の場合、企業側は「学習スピードへの懸念」や「給与水準とのバランス」などの観点から、採用に慎重になるケースが少なくありません。実際に、30代でデータサイエンティストへの転職を目指す人の中には、書類選考の段階で苦戦を強いられるケースも見受けられます。
このような状況を踏まえると、柔軟な学習力と将来性をより評価されやすい20代のうちに行動を起こすことが、キャリア成功への近道であるといえるでしょう。
20代未経験からデータサイエンティストになる3つの方法

ここからは20代未経験からデータサイエンティストになる方法を、3つにまとめて解説します。
方法1:未経験者OKの求人に応募する
もっとも現実的な方法のひとつが、「未経験者歓迎」の求人に応募することです。実際、求人ボックスで「未経験 データサイエンティスト」と検索すると、2025年4月時点で2万6,000件以上の求人がヒットします。
その中でも多くの求人が20代や第二新卒を対象としており、業界として若手のポテンシャル採用に積極的であることがわかります。

未経験歓迎の求人では、ITや統計の実務経験がなくても「学習意欲」や「論理的思考力」をアピールできれば採用されるケースも少なくありません。
とくに営業やマーケティングなど分析系の職種での経験がある人は評価されやすく、未経験でも採用されやすい傾向が強いです。事実、求人ボックスの未経験向けデータサイエンティストの求人では、何かしらデータ収集や分析をした経験がある人を条件としている求人もあります。

未経験でもアピール次第で転職できるチャンスはあるため、まずは積極的に応募し、実務の現場でスキルを磨くことが第一歩です。
方法2:エージェントサービス経由で転職する
エージェントサービス経由で転職するメリット | ・キャリアコンサルタントが希望に合った求人を紹介してくれる ・専門家の目線から書類添削や面接対策をしてくれる ・未経験や若手の転職を専門に扱うサービスもある |
エージェントサービス経由で転職するデメリット | ・必ず転職できるわけではない ・エージェントから転職を急かされるケースもある |
こんな人におすすめ | ・いち早くデータサイエンティストの経験を積みたい人 ・専門スキルを独学できる人 |
エージェントサービス経由での転職も、20代未経験からデータサイエンティストに転身する方法の1つです。
転職エージェントは企業と求職者の間に立ち、あなたの希望やスキルに合った求人を提案してくれるため、異業種・異職種からのチャレンジではとくに頼れる存在です。
転職エージェントには「20代」「未経験歓迎」「ポテンシャル採用」などの若手や未経験向けのサービスも多く、学習意欲や将来性を重視する企業の求人を効率的に紹介してくれます。なかにはデータ分析職やIT系職種に特化したエージェントもあり、キャリアチェンジを前提とした支援を行ってくれます。
さらに転職エージェントは、あなた自身も気づいていない強みや経験を言語化してくれます。加えて、履歴書や職務経歴書の添削、企業ごとの選考傾向に合わせた面接対策など、自己応募では得られない手厚いサポートを受けることも可能です。
データサイエンティスト職では「学習内容」や「キャリアの目的」が重視されるため、志望動機の整理などでもエージェントの支援が大きな助けになるでしょう。
スキルの独学は必要になるものの、上手に活用すれば未経験でも採用されるケースはあるため、いち早くデータサイエンティストに転職したい人にはとくにおすすめです。
初めての転職や未経験職種への挑戦に不安を感じる人こそ、一人で抱え込まず、プロの力を借りてより確実な一歩を踏み出すことが重要です。
方法3:データサイエンススクール経由で転職する
データサイエンススクール経由で転職するメリット | ・実務に即した専門スキルを習得できる ・スキル習得をしながらキャリアコンサルタントからの転職支援を受けられる ・カリキュラムを通じて作成したシステムをポートフォリオとして利用できる |
データサイエンススクール経由で転職するデメリット | ・講座費用がかかる ・学習を完了するまで努力が必要 |
こんな人におすすめ | ・スキル習得したうえで転職したい人 ・独学に不安がある人 |
未経験から本気でデータサイエンティストを目指す際には、データサイエンススクールの活用もおすすめです。
データサイエンススクールでは、プログラミング・統計学・機械学習などの基礎から、実務に即した応用スキルまでを体系的に学べるカリキュラムが整っており、学習の方向性に迷うことなくスキルを習得できます。
さらに、多くのスクールでは転職支援も充実しており、専任のキャリアアドバイザーが履歴書の添削や面接対策、企業紹介まで徹底サポートしてくれます。そのため、スキル習得だけでなく「転職成功までを見据えた学習環境」が整っているのが大きな特徴です。
独学が苦手な人でもスキル習得を目指せるだけでなく、専門スキルを持ったうえで選考を受けられるので自信を持って転職活動に臨めます。
実際に、スクール経由でデータサイエンティストとして就職・転職を果たす人も年々増加しています。即戦力に近いスキルと実績として示せる成果物の両方を手に入れられる方法として、非常に実用的かつ効率的な方法です。
選び方も交え、データサイエンティストが目指せるおすすめスクールを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

20代未経験からデータサイエンティストになるロードマップ

ここからは20代未経験からデータサイエンティストを目指すロードマップを、4つのステップにまとめて解説します。
- STEP1:学習方法を決める
- STEP2:必要なスキルを習得する
- STEP3:就業に役立つ資格を取得する
- STEP4.:経験者向けの求人に応募する
未経験からデータサイエンティストを目指す具体的な手順を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

STEP1:学習方法を決める
はじめに、データサイエンティストに必要なスキルを身につける学習方法を決めましょう。自分に合う学習方法を選択することで、スキル習得を効率的に行えます。
ここではおすすめの学習方法を3つ紹介します。
本を使って学習する
本で学習するメリット | ・基礎知識を体系的に学べる ・自分のペースで進められる |
本で学習するデメリット | ・実践が少なく理解が抽象的になりやすい ・継続力が必要 |
こんな人におすすめ | ・地道な学習が得意な人 ・まずは理論を重視したい人 |
おすすめ書籍
書籍を使った学習は内容が体系的にまとまっているため、基礎理論からじっくり学習が可能です。持ち運びにも便利なため、移動中などの隙間時間が学習を進められるメリットがあります。
一方で、手を動かす機会が少ないため、実践力を養うには別の方法との併用が望ましいでしょう。学習に対するモチベ-ションも自分で管理しなければならないため、自走力が求められます。
コツコツ自習が得意で、基礎理論からじっくりと身に付けて行きたい人におすすめの方法です。データサイエンスが学べるおすすめ本をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。

学習サイトを利用する
サイトで学習するメリット | ・実践的な内容が多く、手を動かしながら学べる ・始めるハードルが低く、初心者でも始めやすい ・動画教材を利用すれば視覚的に理解しやすい |
サイトで学習するデメリット | ・継続が自己管理が必要 ・疑問点を自分で解消しなければならない ・内容の質に差がある場合も |
こんな人におすすめ | ・自主的に学習を進められる人 ・スキマ時間を活用したい人 |
おすすめサイト | ・Progate:プログラミングの基礎学習ができる ・Udemy:あらゆる分野の動画教材を販売 ・Kaggle:エンジニア向けのコンペに参加できる |
オンライン学習サイトは、初心者でも気軽に始められる手軽さと実践的な内容が魅力です。動画やインタラクティブな演習を通じて、Pythonや機械学習の基礎を効率よく学べるため、初心者でも始めやすいです。
例えば「Kaggle」では実際のデータを使ったコンペに参加でき、実務に近い経験が積めます。「Progate」や「Udemy」では、段階的に学べるカリキュラムが用意されており、スキマ時間にも学習しやすいです。
一方で、カリキュラムの選定や進捗管理は自己責任のため、自律的に学べる人に向いています。疑問点を自分で解決する必要もあるため、問題解決力も求められます。
データサイエンスが学べるおすすめの学習サイトをより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

プログラミングスクールに通う
スクールで学ぶメリット | ・専門的なカリキュラムで学べるため学習効率が高い ・キャリアアドバイザーからの転職支援やスクールと提携している企業の求人紹介あり ・プロエンジニアにスキルやキャリアの質問ができる |
スクールで学ぶデメリット | ・学習にかかる費用が高め ・直接指導の場合はスケジュール調整が必要 |
こんな人におすすめ | ・本気で転職を目指す人 ・自己管理が苦手な人 ・短期間で習得したい人 |
未経験からデータサイエンティストを目指すうえで、効率的かつ確実性の高い方法がプログラミングスクールの活用です。とくに短期間でスキルを習得し、転職まで一気に進めたい方にとっては、おすすめの選択肢といえます。
スクールの最大のメリットは、現役エンジニアからの個別指導を受けながら、実践的なカリキュラムで学べる点です。履歴書添削や面接対策、求人紹介といった転職支援もセットで受けられるため、学習から就職までを一貫してサポートしてもらえるのが魅力です。
一方で費用は比較的高く、カリキュラムに沿って学習する必要があるため、自由なスケジュールで学びたい人にはやや不向きかもしれません。しかし、「自己管理に自信がない」「最短で転職したい」「確実に成果を出したい」という人にとっては、その費用に見合う価値が十分にあります。
なお、数あるスクールのなかでも未経験から挫折なくデータサイエンティストを目指すなら侍エンジニアの「AIデータサイエンスコース」がおすすめです。
AIデータサイエンスコースでは、Pythonや機械学習の基礎から、データクレンジング・深層学習・Kaggle活用・実務に近い課題解決演習まで、実践重視のカリキュラムで段階的にスキルを習得できます。
なお、侍エンジニアでは現役エンジニアと学習コーチの2名体制で学習をサポート。就業活動もIT企業で人事経験のあるキャリアアドバイザーから支援が受けられます。
これまで4万5,000名以上の受講生を指導し「転職成功率99%」の実績を誇る侍エンジニアなら、未経験からでも挫折なくデータサイエンティストへの転職が実現できますよ。
STEP2:必要なスキルを習得する
学習方法を決めたら、必要なスキルを習得しましょう。データサイエンティストには最低限、つぎにあげる3つのスキルが必要です。
それぞれ詳しく解説します。
プログラミングスキル
言語名 | 特徴 |
---|---|
Python | ・文法がシンプルで学びやすい ・データ処理や機械学習・AI開発まで広く利用されている ・実務で利用される豊富なライブラリがある |
R | ・統計分析に強く、金融や医療分野で利用される ・統計に特化した機能が充実しているため、特定分野で需要が高い |
SQL | ・データベースにアクセスして、データを抽出する言語 ・分析に必要なデータ抽出に使用される |
データサイエンティストを目指すうえで、プログラミングスキルは最も基本かつ重要なスキルです。なぜなら、データの収集・加工・分析・可視化・モデリングなど、ほぼすべての工程でコードを書く作業が発生するからです。
Pythonは文法がシンプルで初心者にも学びやすく、データ処理から機械学習・AI開発まで幅広く対応できる万能型の言語です。PandasやNumPyなど、実務で使われる豊富なライブラリが整備されており、多くの企業で標準的に採用されています。
一方、Rは統計解析に強く、アカデミックな領域や金融・医療分野で活用されることが多いです。グラフ作成や回帰分析など、統計に特化した機能が充実しており、特定業界では今でも根強い需要があります。
また、SQLのスキルも必須です。SQLはデータベースにアクセスし、必要な情報を抽出するための言語です。実務では「SQLでデータを取り出し、Pythonで処理・分析する」という流れが一般的です。
そのため、プログラミングの学習は単なる文法の理解にとどまらず、ツール間の連携やデータ分析の一連の流れを意識しながら進めることが大切になります。
プログラミングは最初こそ難しく感じるかもしれませんが、手を動かしてコードを書き、失敗と試行錯誤を繰り返すことが成長への近道です。焦らず着実に、データサイエンティストへの一歩を踏み出していきましょう。
なお、次の記事では初心者がR言語とPythonのどちらを学ぶべきかについて詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。

統計学スキル
データサイエンティストにとって、統計学はデータを正しく読むための土台となるスキルです。どれだけたくさんのデータがあっても、正しく意味を読み取れなければビジネスに役立てることはできません。
統計学では、具体的に次のような考え方を学びます。
- 平均・中央値・標準偏差などの基本的なデータの特徴のとらえ方
- 「この差に意味があるのか?」を判断するための仮説検定や検定手法
- 売上の増減など、変化の関係性を読み取る回帰分析や相関分析
これらはデータに隠れた傾向やルールを見つけ、「なぜそうなっているのか」「どうすれば良くなるのか」を導き出すために使われます。例えば、広告費と売上にどんな関係があるかを分析する際には、回帰分析が役立ちます。
また、将来の予測に欠かせない「確率」や「統計的推測」も重要です。これらはAIモデルや機械学習を使うときの判断の裏付けにもなります。
最初は少しとっつきにくいかもしれませんが、数値の意味が「感覚」で分かるようになると、データ分析がグッと楽しくなります。統計学は難しい専門分野ではなく、「データに納得するための道具」として着実に身につけていきましょう。
AI・機械学習のスキル
データサイエンティストとして一歩先を目指すなら、AI(人工知能)や機械学習のスキルは避けて通れません。AIや機械学習は大量のデータからパターンを学び、未来を予測や物事を自動で分類・判断する技術です。
例えば、機械学習の代表的な手法には以下のようなものがあります。
- 線形回帰:数値の予測(例:売上予測)
- ロジスティック回帰:物事の分類(例:スパムメールかどうか)
- 決定木・ランダムフォレスト:複雑なルールの自動化
- サポートベクターマシン(SVM):境界線を引いて分類する高度な手法
上記のアルゴリズムはただ覚えるだけでなく、「どんなデータにどの手法が適しているか」を判断できることが重要です。
最初は複雑に思えるかもしれませんが「自動で予測する仕組み」を理解し始めると、データサイエンスの楽しさが一気に広がります。
AI・機械学習は、企業の意思決定や業務改善に大きなインパクトを与える技術です。実務に直結する武器として、ぜひ基礎から学んでおきましょう。
STEP3:就業に役立つ資格を取得する
スキル習得と並行しながら、データサイエンティストへの転職に役立つ資格を取得しましょう。数ある資格のなかでも下記は、転職時のスキル証明に役立ちます。
各資格の特徴や取得難易度などを詳しく解説します。
データサイエンティストにおける資格の重要性を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

Python3エンジニア認定基礎試験
開催元 | 一般社団法人 Pythonエンジニア育成推進協会 |
特徴 | Pythonの基礎文法・データ構造・関数・制御文などの理解度を問う試験 |
取得するメリット | ・データサイエンスの基礎スキル証明になる ・転職時にアピールしやすい |
受験費用 | 一般:1万1,000円 学生:5,500円 |
受験期間 | 通年(全国のテストセンターで随時受験可能) |
2025年4月時点の税込み価格を掲載しています。
Python3エンジニア認定基礎試験は、データサイエンティストを目指す人にとって、最初に挑戦しやすいPython系資格です。
この試験では、Pythonの基本的な構文やリストや辞書といったデータ構造、関数や条件分岐など実務で必ず使う基礎知識の理解が問われます。そのため、試験対策を通じてデータ処理や分析を行う上で必要なスキルを自然と身につけられます。
また、未経験であってもこの資格を取得しておくことで、「Pythonの基礎をしっかり習得している」という証明になり、転職時のスキルアピールとして非常に有効です。
「データサイエンティストになりたいけど、何から始めればいいかわからない」という人にこそ、最初のステップとしておすすめの資格です。
統計検定

開催元 | 一般財団法人 統計質保証推進協会 |
特徴 | 統計学に関する基礎的〜応用的な知識・理論の理解度を測る検定 |
取得するメリット | ・統計スキルを客観的に証明できる ・データ分析力の基礎が身につく |
受験費用 | 3級 一般:6,000円 学割:4,000円 2級 一般:7,000円 学割:5,000円 |
受験期間 | 2級と3級はCBT方式での随時受験可能 |
2025年4月時点の税込み価格を掲載しています。
統計検定は、統計学の理解度を客観的に測ることができる公的資格で、データサイエンティストとしての土台を固めたい人に最適な検定です。
データ分析の場面では平均や分散といった基本的な考え方だけでなく、「この差に意味があるのか」「予測に使えるか」など、統計的に正しく判断する力が求められます。
統計検定では初歩の3級・2級レベルで記述統計や推測統計の基礎をカバーしており、Pythonなどの技術スキルだけでなく「理論面の理解」を補完できるのが大きな強みです。
とくに未経験者は2級までの取得を目標にすることで、履歴書でアピールできる信頼性ある知識の証明になります。
E検定
開催元 | 一般社団法人 日本ディープラーニング協会(JDLA) |
特徴 | ディープラーニング技術の実装力・理論理解を問うエンジニア向け資格 |
取得するメリット | ・AI実装スキルを証明できる ・実務レベルの機械学習知識が身につく |
受験費用 | 一般:3万3,000円 学生:2万2,000円 会員:2万7,500円 |
受験期間 | 年2回(例年2月・8月) |
受験条件 | JDLA認定プログラムを修了していること |
E資格は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する、ディープラーニング技術の実装スキルを問う実務者向けの資格です。AI・機械学習分野への理解を深めたいエンジニアやデータサイエンティストにとって、技術力を客観的に証明できる数少ない検定のひとつです。
同じJDLA主催の「G検定」がAIの概論やビジネス活用の知識を問うのに対し、E資格はより実装・アルゴリズム・数学的理解に重きを置いています。
そのため、「手を動かしてモデルを構築したい」「エンジニア寄りのデータサイエンティストになりたい」という人には、G検定よりもE資格のほうが実務に直結しやすいといえます。
なお、E資格は認定講座の受講が受験の条件となるため、独学だけでの取得はできません。一方で、認定講座ではディープラーニングの基礎から実装スキルまで体系的に学べるため、確実にスキルアップしながら資格取得を目指せる点が大きなメリットです。
将来、AI開発や高度なデータ分析に携わりたいなら、E資格の取得は大きなキャリア資産となります。Pythonや機械学習の基礎を習得したあと、さらなる専門性を深めたい人に特におすすめのステップです。
STEP4.未経験者向けの求人に応募する
Pythonや統計学などのスキル習得や資格取得を通して、データサイエンティストとしての土台は十分に整ってきたはずです。いよいよ最後のステップとして未経験者向けの求人に応募し、実務経験を積むチャンスをつかみにいきましょう。
先述のとおり、データサイエンティスト職の求人は増加傾向にあり、「未経験OK」「ポテンシャル採用」と記載された求人も多いです。とくに20代は「吸収力の高さ」や「将来性」に期待して採用されやすいため、スキルや資格があれば未経験でも十分勝負できます。
また、これまでに学んだ内容をポートフォリオとしてまとめることで、応募時のアピール材料になります。具体的には次のような成果物が効果的です。
- Pythonで行ったデータ分析プロジェクト(Kaggleなど)
- 統計検定やPython認定試験の合格証
- 機械学習モデルの構築経験(簡単な分類モデルや予測モデル)
- QiitaやGitHubへのコード投稿
加えて、転職エージェントやプログラミングスクールのキャリア支援を活用することで、企業とのマッチングの精度も高まります。サポートを受けながらの応募は、面接対策や履歴書添削などの面でも安心です。
未経験であることに引け目を感じる必要はありません。今の日本ではデータサイエンティスト人材が深刻に不足しており、育成前提で採用したい企業も多数存在します。
これまで積み重ねてきた学びを信じて、一歩を踏み出しましょう。
まとめ
データサイエンティストは、データの分析を通じてビジネス課題を解決し、企業の成長に貢献する重要な役割を担います。
現在は多くの企業でIT人材が不足しているため、ポテンシャルの高さなどをアピールできれば未経験からでも採用される可能性が十分高いです。
未経験からデータサイエンティストになる方法はさまざまありますが、最もおすすめな方法はプログラミングスクールに通う方法です。
専門家からマンツーマン指導を受けながらスキルを身につけ、資格も取得できれば、より確実にデータサイエンティストへの転職を成功できるでしょう。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者

フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。