この記事では、無料でリスキリングする方法を紹介します。
無料でリスキリングする方法はある?
リスキリングにおすすめの無料講座はどれだろう?
お金をかけずにリスキリングへ取り組みたいと考えている人は多いですよね。
職場で求められる能力の研鑽や新しいスキルの習得を促すため、政府はリカレント教育(社会人の学び)やリスキリング(学び直し)に注力しています。補助金や助成金など、政府がリスキリングを後押しする給付制度を開始したことで、無料講座といった費用をかけずにスキルアップできる民間サービスも増えてきました。
とはいえ、数ある講座からどれを選べばいいか迷う人もいるはず。
そこで、この記事ではおすすめの無料講座・サービスも交え、お金をかけずにリスキリングする方法を解説します。無料でリスキリングする際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 無料講座・学習サイトを使えば無料でリスキリングできる
- 無料講座は学習内容やサポート体制が限られる点は注意が必要
- リスキリングではITスキルを学ぶのがおすすめ
無料でリスキリングする方法
実のところ、お金をかけず無料でリスキリングに取り組むのは可能です。
最近ではリスキリングを推進するために、団体・企業・国が無料のリスキリング講座を提供しています。プログラミングやWebデザインなどのITスキルだけでなく、経営学や金融知識など幅広いスキルを学べるのです。
ここでは、無料でリスキリングする具体的な方法を、2つにまとめて紹介します。
無料学習サイトを活用する
無料学習サイトを活用すれば、費用をかけずにリスキリングが可能です。
自分のペースで学習したい場合、次のような無料学習サイトを活用すれば費用がかかりません。
無料学習サイトは学習内容が限られるものの、各分野の基礎スキルが学べます。初心者の利用を想定しているため、イラストや動画などでわかりやすく解説されているのも特徴です。たとえば、侍テラコヤであれば、プログラミングの基礎知識や文法などのスキルを身につけられます。
また無料学習サイトのなかには、有料プランを用意しているケースも。無料プランで学習してみてさらに学びたくなったときは課金を検討可能です。無料学習サイトは手軽に利用できるため、お金をかけずお試しでリスキリングをはじめたい人に向いています。
なお、次の記事ではプログラミングやWebデザインが学べるおすすめの無料学習サイトを紹介しています。ITスキルを学びたい人はぜひ参考にしてください。
無料講座を活用する
無料講座を活用すれば、費用をかけずにリスキリングが実現可能です。
無料講座の数は多くありませんが、国や地方自治体、企業・団体が提供しています。
実務レベルのスキルを無料講座で学ぶのは難しいものの、各分野の基礎知識は学べます。また多くの講座が動画教材でも学習のため、仕事と学習の両立もしやすいです。必要なスキルだけ学べるため、少しずつリスキリングを進めたい人にも向いている学習方法といえます。
なお、下の記事ではプログラミングやWebデザインが学べるリスキリング向けのおすすめ講座を紹介しているので、あわせて参考にしてください。
リスキリングにおすすめの無料講座・サービス7選
ここからは、リスキリングにおすすめの無料講座・サービスを、厳選して7つ紹介します。
侍テラコヤ
学べるスキル | ・ITリテラシー ・業務効率化 ・IT系の資格取得 ・プログラミング ・Webデザイン ・AI/データサイエンス など |
おすすめ講座 | ・ITリテラシーコース ・業務自動化コース ・ITパスポートコース ・Webサイト制作コース ・Webデザインコース |
活用条件 | 会員登録 |
登録無料で50種類以上の教材が学べる侍テラコヤは、
- 回答率100%のQ&A掲示板
- 必要に応じて受けられるオンラインレッスン
といったサポート体制を整えているため、学習中に出てきた不明点を解決しながらWebデザインスキルが習得可能です。また「学習ログ」で勉強の進み具合やこれまでの学習時間を確認しながら、自分のペースで学習を進められます。
なお、侍テラコヤは入会金不要・いつでも退会OKに加え、利用から1ヵ月の間は「全額返金保証制度」が適用されるので「他のサービスを選べばよかった」と後悔する心配もありません。
コスパよく効率的にWebデザインスキルを習得したい方は、ぜひ侍テラコヤをお試しください。
\ 現役エンジニアとレッスン可能 /
日本リスキリングコンソーシアム
学べるスキル | ・Python基礎スキル ・AI活用スキル ・Illustratorを活用したデザインスキル ・ChatGPTの活用スキル など |
おすすめ講座 | ・【ChatGPTを活用しよう】プロンプトエンジニアリング入門講座 ・データサイエンティスト基礎講座 ・Adobe Illustratorことはじめオンライン講座 |
活用条件 | 会員登録 |
日本リスキリングコンソーシアムの特徴
- 企業/団体/国が提供するサービス
- 登録無料で誰でも利用可能
- ITスキルを学べる講座が豊富
「日本リスキリングコンソーシアム」は、企業・団体・国が協力して提供するリスキリング講座です。
有料講座のほか、一部講座は無料で公開されています。たとえば、プロンプトエンジニアリングの基礎が学べる講座や、Illustratorを活用したデザインスキルが学べる講座などITスキルを学べる講座が豊富です。さらに提供されている講座は企業が実施しているため、実務現場で必要な知識・スキルが学べます。
無料講座は基礎スキルの学習にとどまるケースが多いものの、リスキリングのスタートには適した内容といえます。利用条件は会員登録をすることのみであるため、誰でも利用できます。
本格的にリスキリングをする前にお試し学習がしたい人や、気軽にスタートしたい人におすすめの講座です。
JMOOC
学べるスキル | ・統計学 ・データサイエンス ・ビジネス/経営学 ・AI活用スキル ・クラウド環境の構築方法 など |
おすすめ講座 | ・クラウドのアーキテクチャ ・Webで学ぶJavascript 2024 ・企画・マーケティング、営業・販売・サービスで活用されるAI |
活用条件 | 無料登録&受講登録 |
JMOOCの特徴
- ITスキルを中心に幅広いスキルを学べる
- 受講登録だけで手軽にはじめられる
- 小テストでスキルを確認できる
「JMOOC」は、ITスキルを中心に幅広いスキルが学べる講座です。
利用条件はなく、会員登録と各講座の受講登録で利用できます。学べるスキルは、AI活用スキルやデータサイエンスなどの需要が高い分野を中心に開講など多岐にわたります。
また講座は1週間程度で学べる内容であり、働きながらでも取り組みやすいです。座学に加えて小テストも実施されるため、学んだスキルをおさらいできます。
ITスキルや、ビジネスで活かせる実用的なスキルを身につけたい人におすすめの講座です。
マナビDX
学べるスキル | ・ChatGPTの使い方 ・G検定対策 ・Pythonの基礎スキル ・DX基礎知識 ・統計学 ・AI開発スキル など |
おすすめ講座 | ・ChatGPTの基本的な使い方を学ぼう ・G検定対策テスト ・はじめてのPython |
活用条件 | 会員登録 |
マナビDXの特徴
- 経済産業省とIPAが運営するサービス
- 審査に合格した講座のみ提供
- 将来性が高いITスキルが学べる
「マナビDX」は、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構 (IPA)が提供するサービスです。
利用できる講座は事前に審査されており、基準を満たした信頼できる講座のみ掲載されています。ITスキルを学べる講座が多く、オンライン上でリスキリングが可能です。具体的には、ChatGPTの活用方法やデータ分析、AI開発など、将来性が高いスキルを学べる講座が多いといえるでしょう。
現職の仕事で必要なITスキルを学びたい人や、有料講座のお試しで学習してみたい人におすすめです。
UTokyo OCW
学べるスキル | ・医療/介護 ・哲学 ・歴史学 ・ビッグデータ/人工知能 ・芸術 ・情報学 ・データ分析 など |
おすすめ講座 | ・データマイニング入門 ・統計データ解析 I ・「世界史」の世界史(学術俯瞰講義) |
UTokyo OCWの特徴
- 東京大学の正規講義資料で学習できる
- 幅広い分野の講座が開講されている
- 動画教材で効率的に学べる
「UTokyo OCW」は、東京大学の正規講義でスキルを学べるサービスです。
実際の講義動画が提供されており、各分野の専門家から幅広いスキルを学べます。たとえば、医療・介護やビッグデータ・人工知能などを学べる講座が提供されています。
また動画のどの部分で解説されているかわかりやすいように、キーワード別で秒数が記載されています。
自分が学びたい部分だけ視聴できるので、効率的にリスキリングを進められます。東京大学の専門的な抗議が学びたい人におすすめのサービスです。
gacco
学べるスキル | ・DX/AI活用スキル ・データサイエンスの基礎知識 ・哲学/歴史 ・心理学 ・不動産投資の知識 など |
おすすめ講座 | ・DXとAI活用 ・AI・データサイエンス基礎 ・高めようマネーリテラシー 身につけておきたい不動産投資の知識 |
活用条件 | 受講登録 |
gaccoの特徴
- NTTドコモグループが運営するオンライン動画学習サービス
- ビジネススキルから教養まで学べる
- 課題やディスカッションなど参加型の講座がある
「gacco」は、NTTドコモグループが運営するオンライン動画学習サービスです。
ビジネススキルから教養まで学べる講座が用意されています。たとえば、データサイエンスやDX・AIの活用方法、不動産投資の知識など幅広い選択肢があります。動画視聴だけでなく対面授業やディスカッション、相互採点レポートなどアウトプットの機会がある講座もあるため、スキルを習得しやすいです。
講座で指導を担当する講師は各分野の専門家であり、専門知識を学べます。動画教材での自習だけでなく、課題やディスカッションなどの手段で学びを深めたい人におすすめです。
ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)
学べるスキル | ・Web開発 ・Webデザイン ・建築CAD ・オフィス製品の操作スキル ・簿記 ・介護職員初任者研修 など |
おすすめ講座 | ・ITエンジニア科 ・CAD/機械加工科 ・WEBデザイナー養成科 |
活用条件 | 1.公共職業訓練(離職者訓練) ・雇用保険を受給している求職者 2.求職者支援訓練 ・雇用保険を受給できない求職者(受給が終わった方も含む。) ※1.2は面接や筆記試験へ合格すれば受講可能 |
ハロートレーニングの特徴
- 求職者を対象とした無料の職業訓練講座
- 全国のハローワークで相談可能
- 学べるスキルが豊富
「ハロートレーニング」は、厚生労働省が実施する求職者向けの職業訓練講座です。
雇用保険を受給している人が対象の「公共職業訓練(離職者訓練)」、雇用保険を受給できない人が対象の「求職者支援訓練」をまとめてハロートレーニングと呼ばれています。
開講されている講座は地域ごとに差があるものの、プログラミングや事務スキル、建築・介護など人手不足が深刻な分野のスキルが学べます。開催時期や定員数に注意は必要ですが、自分の学びたいスキルが選びやすいのは魅力です。
なお、ハロートレーニングは利用条件があり、ハローワークへの相談後に面接や筆記試験に合格しなければ講座を受講できません。利用する場合は講座を受講できない可能性も考慮し、早めにハローワークへ相談してください。
無料でリスキリングする際の注意点
ここからは、無料でリスキリングする際の注意点を、3つにまとめて紹介します。
注意点1:学べる内容には限りがある
無料でリスキリングする場合、学べる内容に限りがあります。
無料学習サイトや無料講座を利用する場合、カリキュラム内容は基礎スキルにとどまるケースが多いです。たとえば、プログラミングを学ぶときは文法や簡単なコーディングは学べます。
しかし、ほとんどは実践を想定した模擬開発やポートフォリオ作成に必要なノウハウは学べない学習内容です。エラーの解消法やチーム開発を想定したコーディングスキルなど、実践スキルが身につきにくいのです。
反対に有料講座であれば、卒業後に実務で活躍できるレベルのスキルが身につきます。基礎スキルだけ身につけたい場合は問題ありませんが、異業種に転職するなどの目的であれば有料講座の利用も検討しましょう。
注意点2:受けられるサポートは限定的
無料学習サイト・講座でリスキリングを目指す場合、受けられるサポートは限定的です。
有料講座であれば講師との定期的なレッスンや質問対応、キャリアサポートなどが受けられます。一方、多くの無料学習サイト・講座では、学習サポートやキャリア支援が提供されていません。
サポートが少ない点を理解せず無料でリスキリングを目指すと、学習を続けられず挫折するリスクが高いです。さらにキャリア支援がなければ、希望のキャリアを実現できない可能性も。
無料でリスキリングを目指す場合、利用する学習サイトや講座のサポート体制を確認しましょう。もしリスキリングを続ける自信がなければ、有料講座に切り替えるかメンターを見つけてサポートしてもらうのがおすすめです。
注意点3:独学が不安な人は有料講座もおすすめ
独学でのリスキリングに不安な人や挫折経験がある人には、有料講座の活用がおすすめです。
前述のとおり、有料講座では講師の学習サポートやキャリア支援が受けられます。受講料はかかるものの、未経験からでも効率的にスキルを学べるのがメリットです。
とはいえ、受講料が理由で決断できない人もいるはず。費用が気になる人は、次のリスキリング向け補助金が利用できる講座を受講するのがおすすめです。
- リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業
- 教育訓練給付金
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は、転職を目的に講座を受講する人が対象の補助金です。正社員だけでなく、アルバイトやパートなども補助金対象で、条件を満たせば受講料の最大70%が給付されます。
教育訓練給付金は、転職に限らず昇進・昇格などのためにスキルアップしたい人が対象の補助金です。補助金額は受講する講座の分野によって差があり、20~80%が支給されます。
補助金を活用すれば、実質負担を抑えてリスキリングが可能です。補助金対象のおすすめ講座を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
無料でのリスキリングによくある疑問
最後に、無料でのリスキリングでよくある疑問へまとめて回答します。
リスキリングは何を学べばいいですか?
これからリスキリングを行うなら、プログラミングやWebデザインなどITスキルがおすすめです。
前提としてIT業界の需要は年々高まっています。しかし、需要に対してITスキルのある人材が不足しているため、実務で通用するスキルがある人は活躍できる可能性が高いです。
とくにAIやデータ分析、システムのクラウド化技術などの最先端技術を扱う人材は不足しています。リスキリングで将来性が期待できるITスキルを身につけることで、ITエンジニアへのキャリアチェンジを目指せます。
なお、リスキリングにITスキルがおすすめな理由をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
また、リスキリングで何を学べないいのか決められない人は、次の記事を参考にしてください。
40・50代からのリスキリングは遅いですか?
40・50代からのリスキリングでも遅くはありません。
リスキリングに年齢制限はないため、何歳からでもチャレンジできます。もちろん、年齢の低いうちにリスキリングすれば、40・50代以降のキャリア選択肢は増えるはずです。しかし、40・50代でリスキリングするメリットもたくさんあります。
たとえば、40・50代でリスキリングして新しいスキルを身につければ、定年後の再雇用や転職に役立ちます。足りないスキルを習得することで、若手社員に負けずに継続して活躍できるはずです。また経営知識や行動力がある人は、副業・フリーランスとして稼ぐことや、起業してビジネスで成功することもできます。
年齢で諦めるのはもったいないため、40・50代でもリスキリングの意欲があるのであれば積極的にチャレンジすると良いでしょう。40・50代からリスキリングする手順を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
主婦でもリスキリングはできますか?
主婦でもリスキリングは可能です。
主婦をしながらリスキリングするにあたり、次の点に不安を感じる人は多いはずです。
- 主婦の仕事とリスキリングを両立できるか
- スキル学習をしたことがないが挫折しないか
独学であれば難しさを感じるケースもありますが、リスキリング講座を利用すれば主婦でも無理なく取り組めます。たとえば、侍エンジニアであれば、オンラインでレッスンが実施されるため、家事・育児などのスキマ時間に学習しやすいです。
またスキル学習に慣れていない人でも、手厚い講師サポートやわかりやすい教材があれば挫折しにくいです。さらに講座によっては、主婦や女性の卒業生が多いところもあり、過去の体験談を参考に行動できるケースもあります。
主婦でもリスキリングは十分可能なので、諦めず挑戦すると良いでしょう。主婦がリスキリングする具体的な方法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
ここでは、リスキリングを無料で実施する方法を紹介しました。
無料学習サイトや無料講座を活用すれば、費用をかけずに独学でリスキリングが可能です。しかし、なかには独学に苦戦してリスキリングが進まない人もいます。無料である点はメリットですが、挫折した場合は有料講座の利用も検討すべきです。
独学と有料講座を検討しつつ、自分に合う方法でリスキリングを目指してください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
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