こんにちは!フリーエンジニアのヤマシタです。
Swiftでは他のプログラミング言語同様にクラス(class)を定義して共通の処理を記述することができます。
この記事では、
・クラス(class)とは
・クラスの基本的な使い方
というクラスの基本的な解説から、
・クラス関数を実行する
・イニシャライザを使う(init)
・クラス名を取得する方法
などの応用的な使い方に関しても解説していきます。
今回はそんなクラス(class)の使い方についてわかりやすく解説します!
※この記事ではSwift3.1を使用しています。
クラス(class)とは
クラス(class)とは同じような処理を集めた箱のようなものを指します。
クラスの中には変数や関数などの処理がまとめて記述され、クラスを使用するためには、クラスの外からクラスにアクセスするためのインスタンスを生成して使用します。
クラスの書き方:
class クラス名 { //・・・処理・・・ }
クラスを簡単に書くと、上記のようになります。
クラス名には「TestClass」のようにアッパーキャメルケース(単語の先頭と単語間の区切りの最初の文字を大文字にする)で記述することが推奨されています。
クラス名のあとは波括弧{}を記述し、その中にクラスの処理(変数やメソッド)を記述していきます。
クラスの使い方
ここでは実際にクラスの使い方について見ていきましょう。
クラスの基本的な使い方
クラスを使用するためには、前述したようにクラスのインスタンスを生成して、インスタンスから変数や関数にアクセスする必要があります。
たとえば「class SampleClass { …処理…}」を記述しただけでは、クラスは実体を持たず使用することができません。
以下にクラスを定義して、クラスの外からインスタンスを生成してクラスの変数にアクセスする簡単なサンプルを紹介します。
サンプルプログラム1
//クラスを定義 class SampleClass { //定数の定義 let str1 = "Samurai" let str2 = "Engineer" } //クラスの定数を参照 print(SampleClass().str1) print(SampleClass().str2)
実行結果:
Samurai Engineer
インスタンスは「SampleClass()」のようにクラス名()とすることでインスタンスが生成できます。
クラスの変数にアクセスするには「クラス名().変数名」とすることで、そのクラスの変数にアクセスすることができます。
しかし、クラスを使用するには、上記で説明したサンプルのようにインスタンスをクラス()のように使用する方法は、あまり行われません。
クラスのインスタンスは、以下のようにインスタンスを変数や定数に代入してから使用する方法が一般的です。
サンプルプログラム2
//クラスを定義 class SampleClass { //定数の定義 let str1 = "Samurai" let str2 = "Engineer" } //インスタンスを生成 let cl = SampleClass() //クラスの定数を参照 print(cl.str1) print(cl.str2)
実行結果:
Samurai Engineer
基本的にクラスのインスタンスを生成して使用するには、上記のような方法となりますので使い方は理解しておきましょう!
クラス関数を実行する
クラスに定義している関数を実行するには、先に解説した変数にアクセスする方法と同様にインスタンスを生成して、インスタンスから「インスタンス名.関数名()」のように記述してアクセスします。
サンプルプログラム1
//クラスを定義 class SampleClass { //定数の定義 let num1 = 100 let num2 = 200 //関数の定義 func calc(){ let sum = num1 + num2; print("sum:\(sum)") } } //インスタンスを生成 let cl = SampleClass() //クラスの関数を参照 cl.calc()
実行結果:
sum:300
引数ありの関数にアクセスするには、以下のように記述します。
サンプルプログラム2
//クラスを定義 class SampleClass { //関数の定義 func calc(num1: Int, num2: Int){ let sum = num1 + num2; print("sum:\(sum)") } } //インスタンスを生成 let cl = SampleClass() //クラスの関数を参照 cl.calc(num1:100, num2:200)
実行結果:
sum:300
イニシャライザを使う(init)
イニシャライザ(initializer)とは、コンストラクタのようにインスタンス生成時に自動で呼び出されるメソッドのことです。
イニシャライザはクラス変数を初期化するときによく使われます。
Swiftではイニシャライザを使用するにはinit()を指定します。
以下にイニシャライザ(init)を使用して、クラスの変数を設定するサンプルを紹介します。
サンプルプログラム
//クラスを定義 class SampleClass { //変数の定義 var num = 0 var str1 = "" var str2 = "" //イニシャライザ init(){ self.num = 100 self.str1 = "Samurai" self.str2 = "Engineer" } } //インスタンスを生成 let cl = SampleClass() //クラスの変数を参照 print(cl.num) print(cl.str1) print(cl.str2)
実行結果:
100 Samurai Engineer
このようにクラスの変数などをまとめて初期化したいときは、イニシャライザを使うと便利です。
init内で自クラスの変数にアクセスするためには「self.変数名」のように指定します。
イニシャライザについては以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね!
クラス名を取得する方法
今どのクラスの処理をしているか、クラス名を取得してコンソールに出力したいことはよくあります。
クラス名を取得するには、以下のようにクラス内から取得する方法と、インスタンスを生成して取得するパターンがあります。
サンプルプログラム
//クラスを定義 class SampleClass { //…処理… //イニシャライザ init(){ //…処理… print("クラス内部から取得:\(String(describing: SampleClass.self))") } } //インスタンスを生成 let cl = SampleClass() print("インスタンスから取得:\(String(describing: type(of: cl)))")
実行結果:
クラス内部から取得:SampleClass インスタンスから取得:SampleClass
まとめ
ここではSwiftのクラスについて、
・クラス(class)とは
・クラスの基本的な使い方
・クラス関数を実行する
・イニシャライザを使う(init)
・クラス名を取得する方法
などについて解説しました。
クラスはプログラミングを行う上で基本的な処理と言えますので、使い方はよく覚えておきましょう。
もしクラスの使い方を忘れてしまったら、この記事を思い出してくださいね!