この記事ではできない時の対処法も交え、TensorFlowのインストール方法を解説します。
TensorFlowはどうやってインストールするの?
TensorFlowがインストールできない時はどうすればいいんだろう…
AI(人工知能)の開発や機械学習に挑戦するにあたって、TensorFlow(テンソルフロー)の活用は有力な選択肢です。しかし、TensorFlowのインストール方法がわからず、不安に感じている人も多いですよね。
そこでこの記事では初心者に向け、TensorFlowのインストール方法を解説します。インストールできない場合の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- TensorFlowはpipやAnacondaを用いてインストールできる
- CPU版とGPU版のどちらをインストールするか選ぶ必要がある
- インストール不要なTensorFlow活用方法を試すのもあり
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TensorFlowのインストールに必要な前提知識

TensorFlowをインストールする前の準備作業として、基本的な知識を押さえておきましょう。まずは、次の2つの前提知識について、初心者にもわかりやすく解説します。
TensorFlow(テンソルフロー)とは
TensorFlow(テンソルフロー)とは、Google社が提供する機械学習ライブラリです。機械学習とは、AI(人工知能)に大量のデータから規則性やパターンを学習させ、予測や分析といった能力を持たせる手法を指します。
機械学習では、AIモデル(AIに特定のタスクを行わせる仕組み)の構築が欠かせません。しかし、AIモデルのプログラムをゼロから実装するのは大変です。そこで、TensorFlowが役立ちます。
TensorFlowは、機械学習におけるAIモデルの構築に役立つライブラリが豊富です。TensorFlowに含まれるライブラリを活用すると、たとえば次のタスクを行うAIモデルを効率よく実装できます。
- 画像認識:画像の中に何が写っているかを把握する
- 音声認識:音声の意味を把握したり、テキストデータに変換したりする
- 自然言語処理:与えられた言葉の意味や文脈を把握する
また、AIの学習や精度アップには次のような作業も必要です。TensorFlowにはAIモデルの構築だけでなく、こうした作業を効率化するライブラリも含まれています。
- データ収集:Webデータやセンサーデータなどの収集を効率化
- データ加工:異常データの排除、データ形式の変換などを効率化
- AIモデルの評価:AIモデルの精度や性能を可視化し、改善作業を効率化
このように、TensorFlowには豊富な機能があり、AI開発・機械学習における幅広いプロセスを効率化できます。TensorFlowとは何かについて詳しくは、次の記事を参考にしてください。

TensorFlowの対応OS
TensorFlowは、次のOSを搭載したパソコンに対応しています。パソコンやOSバージョンによっては正しく利用できないケースがあるため、注意が必要です。
※公式ドキュメントの内容をもとに記載しています。
これからTensorFlowで機械学習を実践する場合は、いずれかに対応したパソコンを用意しておきましょう。
TensorFlowの活用に必要なもの
TensorFlowの活用には、パソコンだけでなく次の2つも必要です。具体的な手順は後ほど紹介しますが、必要なものを把握しておきましょう。
必要なもの | 説明 |
---|---|
Python | AI開発・機械学習を得意とするプログラミング言語 |
pip | Pythonのパッケージ(ライブラリ)を管理するためのツール |
TensorFlowでAIモデルを構築する際には、Pythonでコードを記述します。また、TensorFlow自体や関連ライブラリのインストールにはpipが必要です。
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インストールできるTensorFlowの種類

TensorFlow(テンソルフロー)には、大まかに次の2種類があります。それぞれの概要とメリット・デメリットを表にまとめました。なお「CPU」と「GPU」については後述します。
CPU版
CPU版TensorFlowは、あらゆるパソコンに搭載された「CPU(Central Processing Unit)」を機械学習に用います。CPUは汎用性が高いプロセッサ(コンピューターの頭脳)で、幅広いタスクに対応可能です。
しかし、処理速度は後述するGPUと比べて遅く、大規模なAIモデルの機械学習では時間がかかってしまいます。小規模なAIモデルを構築する場合、機械学習の速度を重視しない場合は、CPU版でも問題ないでしょう。
GPU版
GPU版TensorFlowは、画像処理に特化したプロセッサ「GPU(Graphics Processing Unit)」を機械学習に用います。GPUは並列処理能力に優れており、大量のデータを効率よくスピーディーに処理可能です。
ただし、GPU非搭載のパソコンにはインストールできません。GPUの処理能力を最大限に活かすためには、専用のハードウェアが必要です。OSに合わせた画面や操作により、GPUの有無を必ずチェックしましょう。
- Windows:タスクマネージャー > パフォーマンス
- macOS:Appleメニュー > このMacについて > グラフィックス
- Linux:ターミナルで”lspci | grep -i vga”を実行
なお、TensorFlow公式はNVIDIA製のGPUを推奨していますが、ほかのGPUでも利用は可能です。
大規模なAIモデルを構築したい場合、機械学習の速度を重視する場合は、GPU版TensorFlowが適しています。特に、人間の脳を模した高度な「ニューラルネットワーク」を用いる「深層学習」におすすめです。
TensorFlowのインストール方法2つ

TensorFlow(テンソルフロー)のインストール方法には、主に次の2つがあります。
方法1:pipを用いたインストール
Pythonのパッケージ管理ツールであるpipを使うことで、TensorFlowのインストールが可能です。pipで、TensorFlowのインストールコマンドを入力するだけで済みます。
この記事の後半では、pipを用いたインストール方法を紹介します。pipとは何かについて詳しくは、次の記事を参考にしてください。

方法2:Anacondaを用いたインストール
TensorFlowには「Anaconda」を用いたインストール方法もあります。Anacondaとは、Pythonで機械学習やデータ分析を行うために便利なツールをまとめた環境のことです。
Anacondaには、専用画面でPython環境を構築・管理できるツール「Anaconda Navigator」があります。Anacondaをインストールし、Anaconda Navigatorを使えば、TensorFlowのインストールが可能です。
なお、AnacondaにはPythonが含まれるため、AnacondaがあればPythonの単体インストールは不要です。Anacondaを用いた具体的なインストール方法は次の記事で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

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TensorFlowのインストール手順【4ステップ】

ここからは、pipを用いたTensorFlow(テンソルフロー)のインストール手順を見ていきましょう。TensorFlowのインストール手順は、大まかに次の4ステップです。
- ステップ1:Pythonをインストールする
- ステップ2:pipのインストール状況を確認する
- ステップ3:TensorFlowをインストールする
- ステップ4:TensorFlowのインストール状況を確認する
ステップ1:Pythonをインストールする
まずは、Pythonをインストールしましょう。CPU版TensorFlowを使う場合も、GPU版TensorFlowを使う場合も、Pythonは必須です。
WindowsやmacOSの場合、公式サイトからインストーラをダウンロードできます。「Downloads」からお使いのOSを選択しましょう。すると、バージョン別にダウンロード可能なインストーラ名が表示されます。

公式ドキュメント(2025年1月時点)によると、TensorFlowの利用に必要なPythonのバージョンは3.6〜3.9です。対応バージョンの範囲内で、最も新しいインストーラをダウンロードすると良いでしょう。
あとはインストーラを実行し、画面の指示に従ってインストールを進めればOKです。また、Linux(Ubuntu)の場合は、ターミナルで次のコマンドを実行すればPythonをインストールできます(xはバージョンに置換)。
sudo apt-get install python3.x
Pythonのインストール方法については、次の記事でOS別に詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

ステップ2:pipのインストール状況を確認する
次に、Pythonのパッケージを管理するpipのインストール状況を確認しましょう。pipはPythonに同梱されているため、Pythonをインストールすれば自動的にインストールされるはずです。
Windowsのコマンドプロンプト、またはmacOSやLinuxのターミナルで、次のコマンドを実行しましょう。
pip --version
公式ドキュメント(2025年1月時点)によると、TensorFlowの利用に必要なpipのバージョンは19.0以降(macOSの場合は20.3以降)です。
pipのバージョンが古い、あるいは正しくインストールされていない場合は、次のコマンドを実行しましょう。これで、最新バージョンのpipがインストールされます。
pip install --upgrade pip
ステップ3:TensorFlowをインストールする
続いて、TensorFlowをインストールしましょう。Windowsのコマンドプロンプト、またはmacOSやLinuxのターミナルでpipコマンドを実行します。CPU版とGPU版でコマンドが変わる点に注意が必要です。
CPU版TensorFlowをインストールする場合は、次のコマンドを実行しましょう。
pip install tensorflow
GPU版TensorFlowをインストールする場合は、次のコマンドを実行してください。
pip install tensorflow-gpu
コマンドを実行すると、TensorFlowのインストールが始まります。インストールには数分かかるケースがあるため、完了までしばらく待ちましょう。

画像のように、次のコマンドを受け付ける状態になればインストールは完了です。エラーが出ていなければ、インストールは成功しているでしょう。

なお、pipのバージョンが最新でないと上のように警告が出ることがありますが、pipのバージョン要件を満たしていれば問題ありません。
ステップ4:TensorFlowのインストール状況を確認する
最後に、TensorFlowのインストール状況を確認しましょう。Windowsのコマンドプロンプト、またはmacOSやLinuxのターミナルで、次のコマンドを実行してください。
python -c "import tensorflow as tf; print(tf.__version__)"
「TensorFlowのライブラリをインポートし、そのバージョン情報を出力するPythonコード」の実行コマンドです。インストールしたTensorFlowのバージョンが表示されれば、インストールは問題ありません。

これで、TensorFlowを問題なくインストールできました。あとは、次のコードをPythonファイルに記述すれば、tf.関数名()といった形でTensorFlowが持つ機能を手軽に利用できます。
import tensorflow as tf
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TensorFlowがインストールできない場合の対処法

TensorFlow(テンソルフロー)がインストールできない場合、次の対処法を試してみてください。
Pythonとpipのバージョンを確認する
まずは、Pythonとpipのバージョンを確認しましょう。バージョン要件に合わないPythonやpipがインストールされていると、TensorFlowをインストールできない場合があります。
2025年1月時点で、TensorFlowの利用に必要なPythonおよびpipのバージョンを再掲します。対応バージョンは変更されるケースがあるため、必ず公式ドキュメントも参照しましょう。
- Python:3.6〜3.9
- pip:19.0以降(macOSの場合は20.3以降)
また、Pythonやpipのバージョンを確認するコマンドは次のとおりです。Windowsのコマンドプロンプト、またはmacOSやLinuxのターミナルで実行し、バージョンに問題がないか確認してください。
# Pythonのバージョン確認
python --version
# pipのバージョン確認
pip --version
バージョンが問題なくても正しく動作しない場合は、バージョンを変えて再インストールしてみるのも1つの手です。
インストール不要なTensorFlowの活用方法を試す
インストール不要なTensorFlowの活用方法を試してみるのも良いでしょう。具体的には、Google社が提供する「Google Colaboratory(Colab)」を活用することでもTensorFlowを利用できます。
Colabは、クラウド上でPythonコードを記述・実行できるサービスです。TensorFlowがプリインストールされています。まずは、公式サイトにアクセスして「ノートブックを新規作成」をクリックしましょう。

すると、コードを記述するスペースが表示されます。ここに、TensorFlowを使うためのPythonコードを記述し、三角形マークのボタンを押せば実行が可能です。

しばらく待つと、コード下部に実行結果が表示されます。先ほどと同様のバージョン確認用のPythonコードを実行した結果、次のようにTensorFlowバージョンが正しく表示されました。

TensorFlowがインストールできず困っている場合は、Colabを使ってみましょう。
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TensorFlowを学んで機械学習エンジニアになるには
ビジネスでの活用が進んでいるAIの開発において、機械学習は欠かせない手法となっています。そのため、機械学習を扱えるエンジニアへの需要は、ますます高まっていくでしょう。
機械学習エンジニアを目指すにあたって、人気が高いTensorFlowを学ぶことは有用です。ただし、TensorFlowを使いこなすためには、機械学習やPythonの学習も欠かせません。
しかし、機械学習やPythonをいざ学び始めると、
不明点やエラーを解決できない
モチベーションが続かない
といった問題に直面し、挫折してしまう人が多いです。事実、弊社の調査では87.5%がプログラミングの学習途中で「挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。

調査概要:プログラミング学習の挫折に関するアンケート
調査対象:10代〜80代の男女298名
調査期間:2019年8月13日~8月20日
調査方法:インターネット調査
掲載元:PR TIMES
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公式サイトで詳細を見るまとめ
今回は「TensorFlowのインストール方法」をテーマに、次の5点についてお伝えしました。
TensorFlowは、AIや機械学習を扱ううえで有用なライブラリです。しかし環境構築がうまくいかず、挫折する人も少なくありません。この記事の内容を参考に、TensorFlowをインストールしてみてください。
また、TensorFlowを使いこなすためには機械学習やPythonの学習も欠かせません。独学で挫折しないか不安な人は、プログラミングスクールの利用も検討しましょう。[
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者

フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。