【C++入門】stringstreamで文字列を操作する方法

C++には、文字列を操作するためのクラスが用意されています。stringstreamクラスを使うことで、文字列から数値を取り出したり、桁を揃えたりできます。

今回は、stringstreamクラスについて、

  • stringstreamとは
  • stringstreamで文字列や数値を追加する
  • stringstreamで文字列を抜き出す
  • stringstreamで文字列を空白で区切る
  • stringstreamで文字列から数値を取り出す
  • getlineで1行ごとに文字列を取得
  • ignoreで文字列を読み飛ばす
  • 0埋めなどの書式を変更する
  • 0埋めなどの書式を変更する

などの基本的な内容から、応用的な使い方についても解説します。

目次

stringstreamとは

stringstreamは、文字列から数値を抜き出す、文字列を空白で区切る、0埋めなど書式の変更などを行うために使います。stringstreamを使うには、sstreamというライブラリーをインクルードします。

stringstreamの使い方

stringstreamクラスの変数を使うためには、以下のように宣言します。

std::stringstream ss;

また、文字列を取得するときは、以下のようにstr関数を使います。

ss.str();

文字列や数値を追加する

stringstreamクラスの変数に、文字列や数値を変更するには以下のようにします。

ss << "samurai";

これは以下のようにいくつもつなげることができます。

ss << "samurai" << 11;

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>

int main() {
    std::stringstream ss;
    std::string str = "samurai, ";
    int num = 2018;

    ss << str << num;

    std::cout << ss.str() << "n";

    return 0;
}

実行結果:

samurai, 2018

文字列を抜き出す

逆に追加した文字列を取り出すときは、

std::string str
ss  >> str;

のように使います。

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>

int main() {
    std::stringstream ss;

    std::string str = "samurai";
    int num = 10;

    std::string output;

    ss << str << num;

    ss >> output;

    std::cout << output << 'n';

    return 0;
}

実行結果:

samurai10

文字列を空白で区切る

stringstreamから文字列を取り出すときには、空白や改行で区切られます。

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>

int main() {
    std::stringstream ss;

    std::string str = "samurai engineer programmer";

    std::string output;

    ss << str;

    ss >> output;

    std::cout << "元の文字列:" << str << "n";
    std::cout << "抽出:" << output << "n";

    return 0;
}

実行結果:

元の文字列:samurai engineer programmer
抽出:samurai

文字列から数値を取り出す

stringstreamを使うと、簡単に文字列から数値のみを取り出すことができます

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>

int main() {
    std::stringstream ss;

    std::string str = "18 years old.";

    int outputNum;

    ss << str;

    ss >> outputNum;

    std::cout << "元の文字列:" << str << "n";
    std::cout << "抽出:" << outputNum << "n";

    return 0;
}

実行結果:

元の文字列:18 years old.
抽出:18

getlineで1行ごとに文字列を取得

stringstreamは空白ごとに値を取り出していきます。

1行ごとに文字列を取得したい場合は、getline関数を使います。

以下のように使います。

std::getline(stringstream型の変数,文字列);

getline関数を使うには、iostreamというライブラリをインクルードします。

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>

int main() {
    std::stringstream ss;

    std::string str = "samurai engineer programmernhello world";

    std::string output;

    ss << str;

    std::getline(ss, output);

    std::cout << "元の文字列:n" << str << "n";
    std::cout << "抽出:" << output << "n";

    return 0;
}

実行結果:

元の文字列:
samurai engineer programmer
hello world
抽出:samurai engineer programmer

ignoreで文字列を読み飛ばす

文字列を1つ読み飛ばしたいときには、ignore関数を使います。

以下のように使います。

stringstream型.ignore(読み飛ばす数, 区切り文字);

また引数を入れない場合は、1文字を読み飛ばします。

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>

int main() {
    std::stringstream ss;

    std::string str = "2018/05";

    int year;
    int month;

    ss << str;

    ss >> year;

    ss.ignore();

    ss >> month;

    std::cout << "元の文字列:" << str << "nn";
    std::cout << "年:" << year << "n";
    std::cout << "月:" << month << "n";
    return 0;
}

実行結果:

元の文字列:2018/05

年:2018
月:5

0埋めなどの書式を変更する

stringstreamを使うと、書式を簡単に変更することができます。書式を変更するためには、iomanipというライブラリをインクルードする必要があります。

文字の幅を設定する

iomanipライブラリのsetw関数を使うと、数値の桁を揃えることができます。

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>
#include <iomanip>

int main() {
    std::stringstream ss;

    int year = 1999;
    int month = 5;

    ss << "年:" << std::setw(4) << year << "n";
    ss << "月:" << std::setw(4) << month;

    std::cout << ss.str() << "n";

    return 0;
}

実行結果:

年:1999
月:   5

文字で埋める

setfill関数を使うことで、setw関数で指定した文字の幅に合わせ桁を揃えるために文字を埋めることができます。

これを使うと4桁に合わせ、残りを0を埋めることができます。

setfill関数で指定した場合は、その効果が続きます。

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>
#include <iomanip>

int main() {
    std::stringstream ss;

    int year = 1999;
    int month = 5;

    ss << "年:" << std::setw(4) << std::setfill('0') << year << "n";
    ss << "月:" << std::setw(4) << month;

    std::cout << ss.str() << "n";

    return 0;
}

実行結果:

年:1999
月:0005

16進数で出力する

stringstreamを使うと、10進数の数値を16進数の文字列で出力することができます。

16進数を使うためにはhexという変数を使います。

次のプログラムで確認してみましょう。

#include <iostream>
#include <string>
#include <sstream>
#include <iomanip>

int main() {
    std::stringstream ss;

    int decimal = 2018;

    ss << "10進数:" << decimal << "n";
    ss << "16進数:0x" << std::hex << decimal;

    std::cout << ss.str() << "n";

    return 0;
}

実行結果:

10進数:2018
16進数:0x7e2

まとめ

いかがだったでしょうか?

今回はstringstreamを使って文字列を操作する方法を解説しました。文字列から数値を取り出したいときやや、数値の桁を揃えたいときなどに使ってみてください。

もし、文字列から検索する方法を忘れてしまったらこの記事を確認してください。

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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