フリーランスになるために必要な準備って何?
最近、会社員からフリーランスに転向するエンジニアが増えていることをご存じですか?近年日本でもフリーランスという働き方が普及し始めており、ランサーズの調査によると労働人口の17%がフリーランスとして働いています。
しかし、いざフリーランスになると、
- フリーランスになったらカードが作れない
- 収入が不安定過ぎる
などの問題が発生します。
そこで今回は、フリーランスになる前に「どんな準備が必要か」についてご紹介します。これからフリーランスを目指す方には必ず役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。
- フリーランスになるにはスキルの棚卸し&スキルアップが必須
- 案件の獲得前にポートフォリオは作成しておくのがおすすめ
- フリーランスになる前に年金や保険・確定申告の準備もしておこう
フリーランスとは?
フリーランスとは、雇用関係を持たずに個人で仕事を請け負う人のことを指します。
会社員と比べたフリーランスの特徴は次の通りです。
- 労働時間の制約がない
- 最低賃金が適用されない
- 休日は好きに設定できる
- 有給休暇がない
フリーランスは企業と業務委託と呼ばれるアウトプットに対して、報酬が支払われる契約を行います。そのため、契約内容によっては、働く場所や時間に制限がなく、自分で自由に選ぶことが可能です。
一方で企業との雇用関係がないため、契約がなくなると収入がゼロになってしまいます。そのため、「フリーランスは収入が不安定になるのでは」とよくいわれます。
フリーランスになる前にやるべき3つの準備
フリーランスになるためには、それなりの準備が必要です。フリーランスになる前に、下記の準備をしておきましょう。
- スキルを棚卸しする
- スキルアップする
- 各種契約を見直す
それぞれ詳しく解説します。
スキルを棚卸しする
まず、現在自分が持つスキルを棚卸ししましょう。フリーランスは、仕事で使うスキルを持っていることが前提となります。そのため現在の状況を整理することが非常に大切です。
スキルを棚卸しするポイントは、次の3つです。
- 仕事を獲得できるようなスキルは何か
- もう少しで仕事を獲得できそうなスキルは何か
- 自分の得意・不得意な分野は何か
スキルアップする
棚卸ししたスキルで、もう少しで仕事を獲得できそうなモノはスキルアップします。仕事が獲得できそうなスキルがなくても、得意なことから仕事を獲得できないか検討してみましょう。
また、フリーランスでは実績が重視されます。未経験の分野でフリーランスとして働きたい場合は、副業でクラウドソーシングサービスなどを利用して、実績を積むのも1つの手段です。
各種契約を見直す
フリーランスになる前に、次のような契約を見直しましょう。
- 仕事用のクレジットカードを契約する
- 仕事用口座を開設する
- 不動産の賃貸契約を見直す
これらは必ずしも必須ではありませんが、事業用のクレジットカードや口座を開設しておくことで収支の管理がしやすくなる、といったメリットがあります。
仕事用のクレジットカードを契約する
フリーランスという働き方は、まだまだ社会に普及していません。収入が安定しないという点から、クレジットカードの審査に通りにくいという問題があります。
クレジットカードは報酬の振込が遅れたときなど、金銭面で予期せぬトラブルが発生したときに役に立ちます。企業に勤めているうちに作成しておきましょう。
仕事用口座を開設する
フリーランスは経理を自分で行う必要がありますので、仕事用口座を開設しておくと便利です。
私用の口座を利用すると、フリーランス関連の出納管理と切り分ける手間が発生します。仕事用口座を用意するとフリーランス関連の出納管理が楽になるので、おすすめです。
不動産の賃貸契約を見直す
フリーランスを始めて間もないときは収入が不安定なため、生活の固定費は見直しましょう。特に家賃は固定費の大きな割合を占めます。
クレジットカードと同様で、フリーランスになると不動産の賃貸契約審査が通りづらくなります。そのため、会社員の内に見直しておいた方がよいでしょう。
フリーランスが案件を獲得するために必要な4つの準備
フリーランスが案件を獲得するために必要な準備が4つあります。
- ポートフォリオを公開する
- 履歴書・職務経歴書を用意する
- 求人サービスに登録する
- SNSやブログで独立を告知する
それぞれ詳しく解説します。
フリーランスエンジニアの営業成功のコツを知りたい方は、こちらの記事をご参考にしてください。
ポートフォリオを公開する
ポートフォリオとは、自分の実績やスキルをアピールするために成果物をまとめたモノです。
今まで自分がどのようなことをやっていたか、ポートフォリオという形式で公開します。今までやってきた実績を公開することで、自分ができること・持っているスキルをアピールしましょう。
エンジニア・デザイナーのフリーランスは、 今まで携わったシステムのスクリーンショットやURLをポートフォリオとして公開します。
なお、お客様に収めた実績は公開できないことがほとんどです。お客様に公開の許可をもらってから公開しましょう。
履歴書・職務経歴書を用意する
次に履歴書・職務経歴書を用意しましょう。
履歴書・職務経歴書には過去の経歴や実績、キャリアをアピールする目的があります。
求人サービスに登録する
フリーランスとして仕事を獲得するために、エージェントやクラウドソーシングサイトへ登録しましょう。近年ではフリーランス専門のエージェントやクラウドソーシングサイトで、仕事のツテがなくてもフリーランスの仕事を探せるようになりました。
有名なサービスは、次のとおりです。
フリーランス専門のエージェントサービス | ・レバテックフリーランス ・フォスターフリーランス |
クラウドソーシングサービス | ・クラウドワークス ・ランサーズ |
SNSやブログで独立を告知する
SNSやブログで独立することを告知しましょう。SNSやブログで告知することで、以前一緒に仕事をしていた人が仕事を依頼してくれる可能性があります。
また、同じフリーランス仲間に出会えたり人脈が広がったりする可能性もあるので、積極的にSNSやブログを利用することをおすすめします。
フリーランスに必要な3つの手続き
フリーランスで働くと企業との雇用契約がないため、自分自身で保険や税金対策を行う必要があります。
具体的には次の3つの手続きが必要です。
- 国民健康保険・国民年金への切り替えをする
- 開業届を提出する
- 青色申告承認申請を手続きする
国民健康保険・国民年金に異動する
フリーランスと企業の間には、雇用契約がありません。そのため自分自身で国民健康保険と国民年金への切り替えをしましょう。
手続きは、お住まいの市町村役場で行えます。手続きの際は次の持ち物が必要です。
国民健康保険 | ・退職を証明できる書類(離職票、健康保険喪失証明書、退職証明書など) ・世帯主と加入する人の全員分のマイナンバーが確認できるもの ・身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード) |
国民年金 | ・退職を証明できる書類(離職票、健康保険喪失証明書、退職証明書など) ・身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード) ・年金手帳 ・印鑑 |
開業届を提出する
次に開業届を提出しましょう。開業届を提出すると次のようなメリットがあります。
- 最大65万円の青色申告特別控除に必要な申請ができる
- 赤字の繰越し・繰戻しができる
開業届はお近くの税務署に提出します。提出時に必要なものは下記の通りです。
- 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)※税務提出用と本人控えの2部
- マイナンバーカード または マイナンバーが確認できるものと身分証明書
- 印鑑
フリーランスが支払う税金について詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
青色申告承認申請を手続きする
最大65万円の控除を受けるには、青色申告承認申請を行う必要があります。青色申告承認申請の提出先は、開業届と同様にお近くの税務署です。
開業届が必須なので、青色申告承認申請と同じタイミングまたは事前に提出しましょう。
フリーランスになるまでの準備期間とお金
フリーランスになるまでの準備期間は、経験者は3カ月以上、未経験者は1年以上を考えた方がよいでしょう。理由は次の通りです。
経験者 | 勤めている仕事の後任を探すのに通常1~2カ月かかるその後1カ月ほど引継ぎを行うことが多いため |
未経験者 | スキルアップと実績作りに1年以上かかるため |
未経験者の方は、フリーランスになるまで時間がかかります。そのため、本業を続けつつ副業で実績を作ったり、会社を転職したりするのがおすすめです。
フリーランスとして独立後のお金は、「初期費用+3カ月の経費・生活費」以上を用意しましょう。
順調に仕事が見つかっても支払いが2カ月後というところもあります。そのため、3カ月ほど無収入でも生活できるぐらいのお金があると安心です。
フリーランスの準備に役立つ本3選
フリーランスと会社員では、仕事の始め方や税金の納め方が違います。ここでは、契約の仕方や税金対策に役立つ本を3冊紹介します。
フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。
青色申告の方法や年金・インボイス導入による影響など、クリエイティブ職のフリーランスが知っておきたいお金の知識を解説した一冊です。帳簿の書き方などを対話形式でまとめているので、簿記の知識がない人でもわかりやすいです。
また作者が漫画家のため、四コマ漫画やイラストでわかりやすく解説しています。青色申告の方法に不安がある方は、ぜひお手に取ってみてください。
デザイナーとして起業した(い)君へ。成功するためのアドバイス
海外でフリーのグラフィックデザイナーとして活動している著者が、独立時に知りたかったことをまとめた一冊です。フリーランスの心構えや自身の成功例、失敗例を紹介しています。
海外と日本では考え方や商習慣が異なるところがあり、本の内容をすべて参考にするというのは難しいです。しかし、人と一緒に仕事をする上で必要なことには世界の中でも共通点があり、気付かされることも多くあります。
Webデザイナーとして働こうとする方にはぜひ読んでください。
これ1冊でわかる 契約書の読み方・つくり方
IT・Webサイト開発の契約書の読み方・作り方を解説しています。IT関連の仕事では著作権法・消費者契約法など、さまざまな法律への配慮が必要となります。
数少ないIT分野の契約を題材とし、IT関連の契約をする際の大切な考え方や全体像を俯瞰できる良書です。また、付録にIT契約書のひな形が収録されています。
契約を学びつつ、契約書を作成するときの参考としても使えるので、お得な一冊といえます。
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フリーランスになる前に、事前準備をしっかりしましょう。特にお金に関する準備は入念に行わないと、生活に困る事態になります。
本記事を参考にして、フリーランスになる準備を万全にしましょう。
次の5つの準備があります。
・スキルを棚卸しする
・スキルアップする
・仕事用のクレジットカードを契約する
・仕事用口座を開設する
・不動産の賃貸契約を見直す
次の4つの準備があります。
・ポートフォリオを公開する
・履歴書・職務経歴書を用意する
・エージェント・クラウドソーシングサービスに登録する
・SNSやブログで独立を告知する