この記事では、ITエンジニアの種類をカオスマップも交えて紹介します。
ITエンジニアにはどれくらいの種類があるの?
自分はどのエンジニアに向いているだろうか……
ITエンジニアになりたいけれど「どんな種類があるのか」「自分に向いている職種は何か」知りたいという方も多いです。
ITエンジニアの種類はさまざまで、仕事内容も異なります。
この記事では、ITエンジニアの種類や必要なスキル・平均年収のほか、どんな人が向いているのかを解説します。IT業界のエンジニアカオスマップも参考に、全体像を把握しましょう。
- ITエンジニアの種類は所属企業や仕事内容で枝分かれしている
- 未経験から目指すならプログラマーがおすすめ
- 細かい作業が得意な人はITエンジニアに向いている
ITエンジニアの職種・カオスマップ
IT業界の中にも、さまざまな企業やプロジェクトが存在します。
企業やプロジェクトによって、ITエンジニアの種類は細分化できます。
下図のとおり、ITエンジニアの種類は「プログラマー」や「システムエンジニア」、「インフラエンジニア」や「セキュリティエンジニア」など、開発で担当する分野によっても細分化されます。
以降では、業界別にITエンジニアの種類を詳しく解説します。
また、この記事を読んでいる人のなかにはITエンジニアになりたい気持ちはあるものの、どの職種が自分にあうのかわからない人もいますよね。そんな人は「ITキャリア診断」をお試しください。
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自分にあう職種が明確になれば、ITエンジニアとして働くイメージも湧きやすくなりますよ。
【 IT業界共通】ITエンジニアの種類
続いて、IT業界の主なエンジニアの種類をピックアップして、就職・転職の難度や必要なスキル、関連資格や平均年収をひとつずつ解説します。
なお、国税庁「平均給与」によると、日本の平均年収は465万円となっています。
プロジェクトマネージャー
基本的にプロジェクトには、限られたヒト・モノ・カネ、時間のなかで進行していきます。。これらをうまくやりくりしながら、プロジェクトを「納品」または「リリース」というゴールまで推進するのがプロジェクトリーダーのミッションです。
開発メンバーの進捗管理やケア、クライアント対応を行うため、リーダーシップスキルやコミュニケーションスキルが求められます。
難度
★★★★☆
システムエンジニアやプロジェクトリーダーを十分に経験した後に担当することが一般的です。開発全般に関する知識に加えてマネジメントスキルも重要なため、難度としては高めです。
必要なスキル
- 開発全般に関するスキル
- マネジメントスキル
- コミュニケーションスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、プロジェクトマネージャーの平均年収は約627万円です。
これは、ITエンジニアの中でもかなり高いカテゴリに入ります。大規模プロジェクト、難度が高いプロジェクトのプロジェクトマネージャーであれば、年収1,000万円も夢ではありません。
プロジェクトリーダー
プロジェクトリーダーとは、プロジェクトを推進していく役割を持った職種です。名前がプロジェクトマネージャーと似ていますね。
プロジェクトマネージャーはクライアントを中心とした「自社外」のやり取りが中心です。プロジェクトリーダーは、自社内メンバーの管理が主な役割となります。
IT業界において、プロジェクトリーダーは「現場監督」のようなものだといわれることもあります。企業やプロジェクトによっても異なりますし、場合によってはプロジェクトマネージャーとプロジェクトリーダーを兼務することもあります。
難度
★★★★☆
プロジェクトリーダーは、システムエンジニアを経験した後に担当することが多いです。プロジェクトマネージャー同様に、開発全般のスキルやマネジメントスキルも重要なため、難度は高めです。
必要なスキル
- 開発全般に関するスキル
- マネジメントスキル
- コミュニケーションスキル
関連資格
平均年収
求人ボックスを参照すると、プロジェクトマネージャーには年収900万円以上の求人があります。
マネジメントのポジションを委任されることも多く、スキルや経験によっては高年収を期待できます。
システムエンジニア
システムエンジニアは、開発で要件定義や外部設計などの上流工程と呼ばれる部分を担当します。
要件定義とは、クライアントからヒアリングした「こういうものをつくりたい」という結果をもとに、システムの実現範囲の機能要件や非機能要件を決定します。外部設計とは、要件定義で決定した内容に対して、システムでどのように実現するかを検討し、必要な機能・画面・操作方法など具体的な機能の設計をしていく作業です。
システムエンジニアの作業は主に上記のようなものですが、企業やプロジェクトによっては「プログラマー」を兼務することもあります。
経験を積んだシステムエンジニアは、プロジェクトマネージャーやプロジェクトリーダーのフォローをすることもあります。
難度
★★★☆☆
プログラマーとして一定期間経験を積んだエンジニアが、ステップアップとしてシステムエンジニアになるケースが一般的です。
必要なスキル
- 開発作業全般(設計・プログラミングなど)のスキル
- コミュニケーションスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、システムエンジニアの平均年収は約514万円ということです。
日本の平均と比較すると、高めの年収といえます。スキルによっては、さらに高い平均年収を狙えます。
プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアが設計した内容をもとにプログラミングを行うことで、システムを作り出していくのが主な仕事です。
一般的に「ITエンジニア」と聞いたとき持つイメージに最も近い職種です。
「設計書をもとにプログラミングしていくだけなので、簡単な作業なんでしょ?」と考える方も少なくありません。たしかに「設計書どおりに動く」ことだけが目的であれば、難度が高い作業ではありません。
しかし、優れたプログラマーは以下のような点を意識してプログラミングしてます。
- 誰が見てもわかりやすいコードにする
- バグが発生しにくくする
- メンテナンス性を高める
ほか、細部にこだわりを持つプログラムを作成します。
なお日本のIT業界では、新人や若手はプログラマーとして数年働き、その後システムエンジニアにキャリアアップするという流れが一般的です。
難度
★★☆☆☆
必要なスキル
- プログラミングスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、プログラマーの平均年収は約431万円とのことです。日本の平均年収と比較すると、やや低い結果となりました。
プログラマーの年収は、スキルや携わる仕事によって幅があります。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、ネットワークの設計・構築・保守管理などを担当します。
主な業務は下記のとおりです。
- ネットワーク設計
- ネットワーク構築
- ネットワークの運用管理
ネットワーク全般に加えて、セキュリティマネジメントの知識が必要です。ほかにも、クライアントから要望を聞くヒアリング力や、設計・提案力も求められます。
またネットワーク構築後も安定したネットワークを維持するための、管理能力も求められます。
難度
★★★☆☆
必要なスキル
- ネットワークを中心としたインフラ全般のスキル
- コミュニケーションスキル
関連資格
平均年収
転職サイトdoda(デューダ)の職種図鑑によれば、ネットワークエンジニアの平均年収は約451万円で、日本の平均年収をやや上回っています。
サーバーエンジニア
サーバーエンジニアとは、サーバーの設計・構築・運用・保守するエンジニアです。
サーバーはパソコンやスマートフォンなどで利用するさまざまなアプリケーションソフトに情報やサービスを提供するコンピューターです。
サーバーエンジニアは、システムに合わせたサーバーの設計を行います。OSやデータベース・ミドルウェアなどのインストールから各種設定・チューニングを行い、システムの稼働に必要なリソースを構築します。
サーバーの運用・保守も重要な仕事です。問題や障害が発生したときは原因を突き止め、復旧作業を行います。
難度
★★★☆☆
必要なスキル
- サーバー(Windows、Linuxなど)に関するスキル
関連資格
平均年収
転職サイトdoda(デューダ)の職種図鑑によれば、サーバーエンジニアの平均年収は約467万円で、日本の平均年収をやや上回っています。
サーバーエンジニアとネットワークエンジニアの平均年収は、ほぼ同じであることが分かります。
データベースエンジニア
皆さんがパソコンやスマートフォン、あるいは街角で目にするディスプレイで表示される情報のほとんどは、サーバのデータベースシステムで保管管理されています。
システムが必要とするデータを正しく効率的に利用できるように、データベースの設計・構築・管理を行うのがデータベースエンジニアの役割です。
近年では、ビッグデータを取り扱うシステムが増えています。またAI開発においても膨大なデータを必要とするため、データベースエンジニアの活躍範囲は広がりつつあります。
難度
★★★★☆
必要なスキル
- データベースに関する知識
- コミュニケーション能力
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、データベースエンジニアの平均年収は約558万円で、日本の平均年収を上回っています。
特にデータベースに関する深い知識が必要な大規模プロジェクトに携われば、高収入を期待できます。
インフラエンジニア
インフラとは、システムが稼働するのに必要な機器やネットワークなどのシステム基盤を指します。
インフラエンジニアは、主にサーバーやデータベース、ネットワークなどITインフラの設計・構築・メンテナンスなどを担当します。
最近では、クラウド環境を活用したシステム開発も増えています。このような新しい基盤環境に対する知見も必要です。
難度
★★★★☆
必要なスキル
- インフラ全般に関するスキル
- コミュニケーションスキル
関連資格
※ ネットワークエンジニア、サーバーエンジニア、データベースエンジニアと同一の資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、インフラエンジニアの平均年収は約545万円で、日本の平均年収を上回っています。
【組み込み業界】ITエンジニアの種類
続いて、組み込み業界(ハードウェア業界)におけるITエンジニアの種類をご説明いたします。
組み込みエンジニア
組み込みエンジニアは、家電製品・車・工場の生産装置などの機器に組み込まれるプログラムの開発が仕事です。
通常の画面表示ではなく、センサーや機器の制御を行うプログラムが対象となるため、機械工学的な知識が必要な場合もあります。
プログラムミスによってたったひとつのエラーが発生しただけでも事故に発展する可能性があるため、注意深さが求められる職種です。
難度
★★★★☆
必要なスキル
- プログラミングスキル(特にC言語系、Javaなど)
- 対象の機器に関するスキル
関連資格
平均年収
転職サイトdoda(デューダ)の職種図鑑によれば、組み込みエンジニアの平均年収は約480万円で、日本の平均年収をやや上回っています。
現在、さまざまな機器がインターネットとつながるIoT化が進んでおり、組み込みエンジニアが活躍するフィールドも広がりつつあります。
人工知能開発エンジニア
人工知能開発(AI)エンジニアは、その名前の通りAIのプログラムを開発するエンジニアです。
人工知能開発(AI)の需要とともに、人工知能開発エンジニアの需要も高まります。しかし日本に人工知能開発(AI)エンジニアは、まだまだ少ないのが現状です。
- 数学の専門的な知識
- 統計学に関する知識
- AIの専門的な知識
などを必要とするため、IT業界の中でも難度が高い職種です。
難度
★★★★★
必要なスキル
- 機械学習、ディープラーニングなどAIに関するスキル
- 数学、統計学に関する知識
- Pythonに関するスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、AIエンジニアの平均年収は約599万円と、高年収であることがわかります。
今後も人工知能開発(AI)エンジニアの需要は継続する見込みであり、年収も高水準を維持すると予想されます。
【Web業界】ITエンジニアの種類
Web業界は、IT業界の中でも人気が高く勢いがある業界です。続いて、Web業界で働くITエンジニアの種類を見ていきましょう。
Webディレクター
WebディレクターのWebサイト制作における仕事は、主に下記の3つです。
- 仕様方針の決定
- メンバーの編成
- 進捗の管理
また関係各所との調整、クライアントとの折衝なども担当します。いわば、Webサイト制作のまとめ役的なポジションです。
難度
★★★☆☆
必要なスキル
- Webサイトに関するスキル
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、Webディレクターの平均年収は約500万円です。日本の平均年収を上回っていますが、ほかのWeb系の職種と比較するとやや低い印象です。
しかしディレクションのほか、Web開発のスキルがある、といった付加価値をつければ高年収を狙えるでしょう。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、Webブラウザ側のフロントエンドの開発が主な業務です。
WebサイトやWebアプリケーションの中で、ユーザーが見える部分(ユーザーインターフェース)を「フロントエンド」と呼びます。
メインで使用する言語はHTML・CSS・JavaScriptです。フロントエンドエンジニアには、言語のスキルのほか、ユーザーの視覚に訴えるデザインセンスが求められます。
難度
★★★☆☆
必要なスキル
- HTML・CSS・JavaScriptに関するスキル
- コミュニケーションスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、フロントエンドエンジニアの平均年収は約584万円です。ITエンジニアの中では高い部類に入るといえます。
年収高騰の理由として、Webアプリケーション開発の需要が増加していることが挙げられます。
マークアップエンジニア
マークアップエンジニアは、Webサイトのページを作成するエンジニアです。マークアップエンジニアはHTMLやCSSなどのマークアップ言語を扱って、Webページを作成します。
「タイトル」「見出し」「強調」などといったHTMLタグの意味を理解したうえで最適な文書構造を実現するのも、マークアップエンジニアの大事な仕事です。
一般的に、
- 1.マークアップエンジニアはHTMLおよびCSSのみ
- 2.フロントエンドエンジニアはHTML・CSSに加えてJavaScriptのようなプログラミング言語
を扱うエンジニアを指します。
企業によっては、マークアップエンジニアとフロントエンドエンジニアとは区別がないこともあります。
難度
★☆☆☆☆
必要なスキル
- HTML、CSSに関するスキル
関連資格
平均年収
求人ボックスを参照すると、マークアップエンジニアには年収300万~500万円の求人があります。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、WebサイトやWebアプリケーションにおいて、バックエンドの開発を担当するエンジニアです。
サーバー側の処理とは、ユーザーが入力したデータをデータベースに格納したり、表示するためにデータベースから取得したりすることです。
アプリケーション部分からインフラ部分まで担当領域があるため、幅広い技術知識やスキルを必要とします。そのためスペシャリストというより、ユーティリティープレイヤーという立場に近いです。
難度
★★★☆☆
必要なスキル
- プログラミングスキル (Java・PHP・Ruby・Pythonといったプログラミング言語)
- インフラに関するスキル
- コミュニケーションスキル
関連資格
- Oracle社主催 Java SE 認定資格
- 一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会主催 Python 3 エンジニア認定基礎試験
- PHP技術者認定機構主催 PHP技術者認定
- ※ そのほか、インフラ系のエンジニアと同一の資格
平均年収
求人情報・転職サイトdoda(デューダ)を参照すると、バックエンドエンジニアの平均年収は400万~800万円と幅があるのがわかります。
オフィス機能やゲームなど、開発するものによっても年収は変わります。
【特化型】ITエンジニアの種類
ITエンジニアには、ある領域に特化した専門性が高い仕事を行う特化型のエンジニアがいます。
続いて、特化型のITエンジニアの種類をみていきましょう。
ITコンサルタント
ITコンサルタントの業務は主に下記の2つです。
- 1.クライアントの経営戦略にそったIT計画の提案
- 2.クライアントが抱えているIT関連の課題を検出・分析し解決策を検討
多くのITエンジニアは、開発の工程が中心となります。ITコンサルタントは開発のさらに前段階である、企画や戦略策定という段階に携わります。
またITコンサルタントはクライアントの経営層といった上層部を相手にすることが多いため、経営に関する知識も必要です。
難度
★★★★★
必要なスキル
- ITに関する幅広いスキル
- 経営に関する知識
- 提案スキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、ITコンサルタントの平均年収は約647万円ということです。ITエンジニアの中でもかなり高い部類に入ります。
グロースハッカー
グロースハッカーは2010年にショーン・エリスによって、アメリカのシリコンバレーで提唱された職種です。会社・製品・サービスの成長(グロース)を加速させることが主な業務となります。
グロースハッカーは製品やサービスを成長させるために、Webサイトの閲覧履歴・検索履歴やユーザーのアンケートなどの情報を分析します。その分析結果をもとに、さらに成長を加速させるための仮説をたて、検証するという作業を繰り返します。
場合によっては検証対象がWebサイトやWebアプリケーションの開発・改修などもにもおよぶため、開発に関するスキルも必要です。
難度
★★★★★
必要なスキル
- マーケティングスキル
- 分析力、検証力、推進力
- IT全般のスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス には、約800万~1,200万円の高年収を提示するグロースハッカーの求人があります。
仕事内容は新規サービスのマーケティング戦略から、数値分析・施策の実施までの一連の流れを担当することで、高度なスキルを求められます。
テストエンジニア
開発したアプリケーションやシステムが仕様通りに動くか、不具合が発生する箇所はないかを検出するのがテストエンジニアの仕事です。
開発における最終段階の工程であり、テストで不具合を見逃すと、アプリケーションやシステムはそのまま世の中にリリースされることとなります。
そのため、下記のようにさまざまな観点でテストを行い、品質の担保を行います。
テストの名称 | 目的 |
単体テスト | 細分化された機能について、問題が無いか確認を行う。 |
結合テスト | 細分化された機能を結合した際に、問題がないか確認を行う。 |
セキュリティテスト | 悪意を持った第三者からの攻撃や、アプリケーションにぜい弱性が潜んでいないか確認を行う。 |
性能テスト | 開発したアプリケーションやシステムが、あらかじめ定義した性能を満たしているか確認を行う。 |
負荷テスト | 大量データ処理や、短時間に大量アクセスが発生した場合など、高負荷状態でもアプリケーションやシステムが動作するか確認を行う。 |
テストエンジニアには、検証能力やプログラミングスキルに加えて、アプリケーションやシステムの知識が必要です。
難度
★★☆☆☆
必要なスキル
- ITに関するスキル全般
- テストスキル
関連資格
平均年収
転職サイトdoda(デューダ)の職種図鑑によれば、テストエンジニアの平均年収は約360万円と平均より低めです。
日本のIT企業では、プログラマーになる前の新人や若手にテストを担当させるケースが多いため、このような結果となっていると推測できます。
ただし昨今アプリケーションやシステムの不具合により、社会的なニュースとなるケースが多く、改めてテスト工程の重要性が見直されつつあります。またテストを専門とするIT企業であれば、より高い年収を期待できます。
セールスエンジニア
セールスエンジニアは、技術営業とも呼ばれます。自社製品の導入提案から導入後のサポートまで行い、業務の幅が広いのが特徴です。
技術的な対応を行うという点で、一般的な営業職と異なっています。
開発現場で数年~10年活躍したエンジニアが、キャリアアップでセールスエンジニアに転身するケースも多いです。
難度
★★★☆☆
必要なスキル
- ITに関する知識。特に自社製品に対する深い知識
- コミュニケーションスキル
- 問題解決能力
関連資格
- IPA主催 基本情報技術者試験
- 特定非営利活動法人 セールスコーチング協会主催 セールススキル検定
- ※ その他、各企業の製品に関する検定、資格など
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、セールスエンジニアの平均年収は約521万円です。ITエンジニアの中では、やや高い部類になります。
年収を上げたいのであればプロジェクトマネージャーや、ITコンサルタントなどといった上位職を目指しましょう。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、コンピューターへの不正アクセス・ぜい弱性などを起点にした個人情報漏洩のセキュリティ事故や、機密性の高いデータの悪用を防ぐために活躍します。
具体的な仕事内容は、セキュリティに配慮したシステムの設計・構築および運用管理です。サイバー攻撃の動向を調査して、セキュリティ手法の改善も行います。
また模擬的に対象のWebアプリケーションやシステムを攻撃し、セキュリティの穴がないか検証も行います。
インターネットが発達した現在、Webサイト、Webアプリケーション、そして企業のシステムは常に攻撃の脅威にさらされています。ここ数年でも「ドコモ口座」や「7Pay」など不正アクセスによる社会的な問題をはじめ、個人情報が漏洩したという報道をよく耳にします。
こういった背景もあり、セキュリティエンジニアの需要が高まっているのです。
難度
★★★★☆
必要なスキル
- セキュリティに関する専門的なスキル
- IT全般のスキル
- インフラ関連のスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、セキュリティエンジニアの平均年収は約571万円です。ITエンジニアの中では高い部類に入ります。
Webアプリケーションやシステムが社会のインフラとして普及していく一方で、悪意を持った第三者の攻撃も年々複雑化、高度化しています。そのような情勢もあり、優秀なセキュリティエンジニアは常に不足している状態です。
セキュリティに関する高度なスキルを習得すれば、平均年収1,000万円も狙えるでしょう。
社内SE
企業のIT化を促進するためにシステムやインフラの構築、保守運用を行い、社内のIT全般を管理して社員の業務が安定稼働するよう務めるのが社内SEの仕事です。社内SEは、パソコンなど、ITリソースに関するヘルプデスクのような役割を担当することもあります。
現代社会では、ほとんどの企業がさまざまな業務をITで効率化しています。もはや、IT化は企業が厳しい競争を生き抜いていくために最低限の条件であり、IT化に乗り遅れた企業は淘汰されるのを待つしかない、といっても過言ではありません。
社内SEは、IT企業よりも商社やメーカーといった事業会社の、「情報システム部(いわゆる情シス)」などといった部署をフィールドとして活動します。
難度
★★★☆☆
必要なスキル
- IT全般のスキル
- インフラ関連のスキル
- コミュニケーションスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、社内SEの平均年収は約495万円です。
機械学習エンジニア
機械学習エンジニアも、ITエンジニアの種類の中では比較的新しい職種のひとつです。AIを実現するための技術要素に「機械学習」というものがあります。
機械学習とは、大量のデータを元にデータを適切な形式に加工し、AIに学習させます。AIが何らかの出力を行った結果を分析し、改めてデータ加工・学習という一連のサイクルを繰り返すことで、AIの判定精度をあげていきます。
これを担当するのが機械学習エンジニアです。AIが普及しつつある現在、需要も高まりを見せている職種のひとつです。
難度
★★★★★
必要なスキル
- 機械学習などAIに関するスキル
- 数学、統計学に関する知識
- Pythonに関するスキル
関連資格
平均年収
比較的高年収が期待できる機械学習エンジニアですが、開発するプロダクトによって変わります。
例として、求人ボックスを参照すると、AIとSaaSの技術を使ったプロダクト開発で、バックエンド(機械学習・自然言語処理)の検証を担当する機械学習エンジニアの求人では年収650万円~1,050万円が提示されています。
データサイエンティスト
データサイエンティストとは、ビッグデータを分析し、ビジネスに活用するための知見・情報を引き出すエンジニアです。
現代社会において「データ」は重要な資産であり、競合他社に勝ち抜くための武器でもあります。GoogleやAmazonといったグローバルなプレイヤーはもちろん、日本でもLINEやヤフーといったIT企業は膨大な「データ」を保持しています。
このようなデータは、ただ保持しているだけでは何の価値もありません。データを収集し、分析することで、人間の目では発見できなかったさまざまな秩序やパターンを発見します。
そしてその秩序やパターンを、ビジネスに活用していくのです。これを行うのがデータサイエンティストです。
難度
★★★★★
必要なスキル
- 機械学習などに関するスキル
- 数学、統計学に関する知識
- Python、Rなどといったプログラミング言語に関するスキル
- データ分析に必要となるツールのスキル
関連資格
平均年収
求人ボックス 給料ナビによれば、データサイエンティストの平均年収は約696万円です。これは今回ご紹介したITエンジニアに関する職種の中で最高額になります。
求められるスキルは非常に高いですが、高い年収を期待できます。数学や統計学が好きなエンジニアはチャレンジする価値があります。
※年収はすべて、2021年6月現在の情報です。
ITエンジニアに向いている人の特徴
ここからは、ITエンジニアに向いている人の特徴を説明します。
なおITエンジニアに向いている人、向いていない人の特徴は、以下の記事でも詳しく説明しています。ぜひ一度お読みください。
IT技術への好奇心がある人
ITエンジニアは、「新しい技術を知りたい」という好奇心がある人が向いています。
IT業界は新しい技術が次々に出てきます。そのため、常に新しい技術を学習しつづける必要があります。
その際に「勉強ばかりでつらい」と感じる方は、仕事を継続するのが困難になる場合があります。新しいIT技術に対して「面白そうだ」「ちょっと使ってみよう」と好奇心を刺激される方であれば、キャリアアップを目指せます。
物事の効率化を追求する人
物事の効率化を追求する人も、ITエンジニアに向いています。慣習や前例にとらわれることなく、常に「もっと楽にできないか」「もっと簡単にできるはずだ」と日頃から考えている方は、ITエンジニアに適性があります。
開発作業においても生産性が向上するツールを導入したり、適切なものがない場合自らツールを開発したりできる人は活躍できます。
地道な作業が好きな人
地道な作業が好きな人も、ITエンジニアに向いています。
ITエンジニアと聞くと、クリエイティブで華やかなイメージを持つ方がいらっしゃるかもしれません。しかしITエンジニアの仕事は下記のとおり、地道な作業の積み重ねです。
- クライアントからヒアリングを行う
- 要件を明確にし、設計書にまとめる
- プログラミングをする
目の前の作業をコツコツとこなせる人が、ITエンジニアにふさわしいといえます。
未経験におすすめのITエンジニアは?
続いて、特にエンジニアの実務未経験の方におすすめのITエンジニアの種類をご紹介します。
プログラマー
ひとつ目のおすすめ職種は「プログラマー」です。
求人ボックスで「プログラマー×東京都」の求人を検索すると、約2万件の求人情報にヒットします。これより、プログラマーの需要が高いことがわかります。
もうひとつの理由は、ほかのITエンジニアと比較すると、比較的求められるスキルが少なく、難度も低めである点です。
日本に存在する多くのIT企業では、プログラマー→システムエンジニアというキャリアパスが設定されています。最近では上級プログラマーというプログラミングを極めた職種を用意している企業もあります。
需要が高いプログラマーであれば、未経験であっても雇用されるチャンスは高いといえます。
マークアップエンジニア
ふたつ目のおすすめ職種は「マークアップエンジニア」です。
こちらも求められるスキルがHTMLおよびCSSで、ほかのITエンジニアと比較すると求められるスキルが少ないのが特徴です。
そのため、プログラミングスクールや独学でHTMLやCSSのスキルを身に付けておけば、マークアップエンジニアになれるチャンスは高まります。
ただし高い年収を狙うのであれば、JavaScriptやその他のプログラミング言語を習得し、フロントエンドエンジニアやWebエンジニアを目指しましょう。
テストエンジニア
みっつ目のオススメ職種は「テストエンジニア」です。求人ボックスを「テストエンジニア×東京都」で検索すると約3万件の求人情報にヒットします。
前述のとおり、日本のIT企業では比較的年次が浅いエンジニアがテストを担当することが多く、求められるスキルも高くありません。そのためまずはテストエンジニアとして働き、スキルを身に付けた上でシステムエンジニアを目指しましょう。
なお、独学でITエンジニアを目指せるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
侍エンジニアでは、現役エンジニアから指導を受けつつ、就業活動のサポートが受けられます。
「累計受講者数4万5,000名以上」「転職成功率99%」を誇る侍エンジニアなら、未経験からでもスムーズにITエンジニアへの就業が実現できますよ。
ITエンジニアを目指すなら
この記事を読んで、
ITエンジニアに興味が出てきたけど、何から始めればいいか分からない…
ITエンジニアになりたいけど、何が向いているんだろう…
と悩まれている方は、SAMURAIのプログラミング学習プランの診断をご利用ください。最短1分の簡単なアンケートに答えるだけで、あなたにおすすめの学習プランを提示してくれます。
プログラミング学習をはじめた後であっても、軌道修正はいくらでも可能です。大事なのは「初めの一歩」を踏み出すことです。
まとめ
ITエンジニアの職種は明確な定義がありませんが、開発分野・業務・企業・プロジェクトによって、種類に分けることが可能です。
身につけたいスキルや理想の年収など、キャリアビジョンを明確にして活躍できる職種に挑戦しましょう。
この記事のおさらい
ITエンジニアの種類は「プログラマー」や「システムエンジニア」、「インフラエンジニア」や「セキュリティエンジニア」など、開発で担当する分野やつくるものによって細分化されます。
ITエンジニアに向いている人の特徴としてIT技術への好奇心がある、物事の効率化を追求する、地道な作業が好きといった点が挙げられます。
高年収を期待できるITエンジニアの種類として、データサイエンティスト、プロジェクトマネージャー、人工知能開発エンジニア(AIエンジニア)が挙げられます。
未経験者におすすめのITエンジニアの種類は、「プログラマー」「マークアップエンジニア」「テストエンジニア」の3つです。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
株式会社SAMURAI
独学でプログラミング学習を始めるも挫折。プログラミングスクール「SAMURAI ENGINEER」を受講し、Web制作を学ぶ。副業でWeb制作を行いつつ、「初心者がプログラミングで挫折しないためのコンテンツ制作」をモットーにWebライターとして侍エンジニアブログ編集部に従事。