この記事では、エンジニアがマーケティングを学ぶメリットや学習法を解説します。
エンジニアがマーケティングを学ぶとどういうメリットがあるの?
マーケティングに必要なスキルって具体的に何で、どう勉強すればいいの?
エンジニアにとってマーケティングスキルがあったほうが良いと聞いた人は、上記のような疑問をお持ちではないで。しょうか。
この記事では、4万5,000名を超えるプログラミング指導実績を持つ当社が監修し、 エンジニアとマーケティングの関係についてエンジニアに必要なマーケティングスキルや勉強方法などをまとめました。
本記事を読んでいただくことで、エンジニアとマーケティングの関係性を具体的に理解し、よりなぜ求められているのかがわかります。
- 顧客が求めるシステムの開発にはマーケティングスキルが必要
- ITエンジニアはマーケティングを学ぶことで市場価値が高まる
- ITエンジニアは市場調査力やチームを指揮する力を身につけるのがおすすめ
エンジニアにもマーケティングスキルが求められる背景
最近のアプリケーション開発において、エンジニアにもマーケティングスキルが求められています。
AWSやAzure、GCPなどのクラウドサービスが充実してきたことを背景に、システムの開発から稼働までのスピードが速くなってきています。
そのなかでクライアントから求められている内容や品質のシステムを作り上げるためには、開発するシステムの背景や本当に欲しているものの理解が必要です。本当に欲しているものを理解することができれば、どういった機能が必要なのか、使い方を想定した画面の作成などを考慮できます。
クライアントの背景や状況などを理解するために、マーケティングスキルが求められるようになりました。
エンジニアがマーケティングを勉強する3つのメリット
エンジニアにマーケティングスキルが求められる背景は、理解いただけたかと思います。
エンジニアがマーケティングスキルを勉強することで得られるメリットとして、先ほど紹介した「本当に欲しがっているものを理解する」という点を含めて、下記の3点を紹介します。
- サービスへの理解が深まる
- 仕事効率が高まる
- 市場価値が高まる
1つずつ詳しく解説します。
サービスへの理解が深まる
1つ目のメリットは、求められる背景でも紹介した「サービスへの理解が深まる点」です。クライアントの
- 本当に欲しいと思っているもの
- 課題になっていること
を開発メンバーが理解することで、その部分を意識しながらシステムを作ることができます。
システムの設計やコーディングを行う際に、課題部分を意識する場合としない場合とでは、表面的な解決に終わるのか、本質的に解決できるのかが変わります。またシステム全体として何を解決したいのかが明確になるため、より高い視点でシステム開発に携わることが可能です。
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仕事効率が高まる
2つ目のメリットは、「仕事効率が高まる点」です。
システムの開発において、マーケターやディレクターとのコミュニケーションは必ず発生します。しかし担当している分野が違っているため、お互いの認識にズレが発生することがあります。
認識のズレを解消するには、時間をかけて認識を合わせることが必要です。
そういった場合にエンジニアにマーケティングスキルがあれば、お互いの意見の認識合わせに時間をかけることなく話ができ、仕事の効率を上げられます。
市場価値が高まる
3つ目のメリットは、「市場価値が高まる点」です。
従来は受け持つ領域の違いによってフロントエンド、バックエンド、インフラエンジニアなどの区分けがありました。
最近はクラウドサービスの発達により、複数の領域を受け持つエンジニアが増加しています。
また、エンジニア+αのスキルを持つことで市場価値を高めているエンジニアも出てきています。(データサイエンティスト:エンジニア+統計学)
エンジニア+マーケティングも同様のことが言えます。0からシステムを作り出せるエンジニアが市場のニーズを掴むことができれば、顧客のニーズにあったシステムを開発できるようになります。
そのようなスキルがあれば、どんな企業でも欲しがる人材となることは間違いないでしょう。
エンジニアに求められるマーケティングスキル8選
ここからは、具体的にマーケティングスキルとしてどういったスキルが求められるか説明していきます。
エンジニアが覚えていくべきマーケティングスキルは、こちらの8つです。
- 市場調査スキル
- 仮説構築・検証スキル
- コミュニケーションスキル
- 情報収集スキル
- 情報発信スキル
- Webマーケティングスキル
- アイデアを生み出すスキル
- チームを指揮するスキル
上記8つのスキルはマーケティングの基本的なスキルのため、ぜひ1つずつ習得していってください。詳細を説明していきます。
市場調査スキル
1つ目は、「市場調査スキル」です。
クライアントやクライアントのその先の顧客が何を欲しがっているかは、企画を立案・実施していくうえで重要になります。行っていく企画の効果を高めるためには、市場調査を行ってニーズを拾い上げることが必要です。
市場調査スキルを高めていくには、常日頃からSNSやニュースなどの情報へ意識的に触れて、情報収集をしていくことが重要になります。
仮説構築・検証スキル
2つ目は、「仮説構築・検証スキル」です。
市場調査を行いデータが集まったとしても、問題解決や売上向上につながりません。
市場の動向を正しく把握するためには、市場調査の結果から得られた情報を分析する必要があります。具体的にはこちらの2つの作業を行います。
- 調査結果からどういったことが言えるのか(仮説構築)
- 仮説が適切かを検証(仮説検証)
この結果導き出された仮説をもとに、商品やサービスを改良して改善を行っていきます。
より消費者に満足してもらうことができる商品/サービスを提供するために、仮説構築と検証は重要なスキルです。
コミュニケーションスキル
3つ目は、「コミュニケーションスキル」です。
商品やサービスを開発するためには、事前にクライアントが抱えている課題や要望を正しく汲み取る必要があります。またその課題や要望を開発メンバーへ理解させ、同じ目標を目指すチームを作ることが重要です。
そのためには、相手の話を理解したり、自分が考えていることを正しく伝えるコミュニケーションスキルが求められます。また企画立案時には意見が対立することもあるので、意見の整理や落とし所を見つける調整力も必要になってきます。
情報収集スキル
4つ目は、「情報収集スキル」です。
場面に応じて、必要な情報を素早く正確に集められる技術もまた必須のスキルと言えます。
たとえばWebマーケティングで必要になるSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)は、定期的にアルゴリズムの変更が行われます。アルゴリズム変更はGoogleが行いますが、このアルゴリズムは公開されていないため、自分たちで情報を収集し対策を考えることが必要です。
例えば、どういったキーワードを使ってアクセスしているか等を調査するSearchConsole(サーチコンソール)を使い、
- どのページの順位が落ちているのか
- どんな種類のキーワードの順位が落ちているのか
などを調査するのはもちろん、SEOの専門サイトやTwitterなどのSNSを使いわけ、素早く正確に収集する必要があるのです。
情報発信スキル
5つ目は「情報発信スキル」です。
良い商品や需要があるサービスを作ったとしても、それを欲しがっている人に届けることができなければ物は売れません。欲しがっている人へ情報を届けるために、下記のような手段を使いこなせるスキルが必要になりあす。
それぞれの手段で情報を届けられる年齢や性別などが違っており、届けたい人によって使い分けが求められます。
そのため、それぞれの特性を理解したうえで、どこで情報発信するのが適切なのかを判断します。
Webマーケティングスキル
6つ目は、「Webマーケティングスキル」です。
WebサイトやWebアプリの制作に関わることが多いエンジニアは、Webマーケティングの知識が必須です。
先ほども触れたSEOの基礎知識はもちろん、下記スキルが重要になります。
- WebサイトにおけるSEOの内部対策
- ページ遷移やユーザーの動きをわかるようにするタグの設置
- ページのどこがよくクリックのか把握するためのヒートマップ
- Webサイトのアクセス数や端末などを把握するための分析(GoogleAnalytics)
- どういったキーワードでアクセスされているかを把握する(サーチコンソール)
これらは定番ツールであり、これらを使いこなすための知識は必須です。
アイデアを生み出すスキル
7つ目は、「アイデアを生み出すスキル」です。
世の中に存在する商品やサービスに似ているものを作り出しても、市場に受け入られず、使われないまま終わることが多いことでしょう。これを避けるためには、アイデアを組み合わせて新しい機能や切り口を作り出す創造力を使い、世の中にないオリジナルの商品やサービスを作り出す必要があります。
そのため、たくさんのアイデアを生み出すための柔軟な思考や、組み合わせるための知識などが重要です。
チームを指揮するスキル
8つ目に、「チームを指揮するスキル」です。
新しい商品やサービスを作り出すときは、マーケティングによって方向性や指標を定め、チームで開発を進めていきます。その方向性や指標を変えずスムーズに開発を進めるためには、チームを指揮するスキルが欠かせません。
方向性や指標がブレたり変わったりすると、できあがるものが変わってしまいます。また、議論を行うときに方向性や指標を意識しないまま進めると、結論が違う方向に向いてしまうことはよくあります。
こうしたさまざまな場面において、チームを指揮する能力が求められるのです。
エンジニア向けマーケティングの入門勉強法3選
具体的にマーケティングを勉強していく方法は、次の3つがあります。
- 本で独学する
- 現役マーケッターから学ぶ
- ブログやSNSを運用してみる
特徴を確認して、自分に合った勉強方法を選び勉強していってください。詳細を説明していきます。
本で独学する
マーケティングに関する本は数多く出版されており、マーケティング全体を学べるものから、一部分に特化した本などさまざまです。
多くの学習書はテーマに対して網羅的に解説しているため、1冊で体系的に幅広い知識を得られるのがメリットです。
ちなみに、マーケティングを学び始める方におすすめの本は下記3冊です。
- マンガでわかるWebマーケティング 改訂版
- 沈黙のWebマーケティング
- 企画からプロモーション、分析、マネタイズまで 事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87
マンガでわかるWebマーケティング 改訂版
侍エンジニア編集部コメント
「マンガでわかるWebマーケティング 改訂版」は、Webマーケティングの全体像について解説しているため、ざっと読んで全体像を掴みたい方におすすめの書籍です。
実際の企業へ取材を行って実行された施策が書かれているため、具体的でわかりやすいのが特徴。また、中身がマンガで書かれていて読みやすくなっているため、マーケティング入門本としておすすめです。
沈黙のWebマーケティング
侍エンジニア編集部コメント
「沈黙のWebマーケティング」は、Webマーケティングで有名な株式会社ウェブライダーが出版している本です。
本の中では、Webマーケティングは何を目的に行っているのか、どういったことを実際に行っていくのかということを、オーダー家具の販売会社の事例を使って解説しています。
本の中はマンガで書かれていてとっつきやすくなっていますが、しっかりと作り込まれており、Webマーケターに必要なスキルが十分に学べる内容です。
企画からプロモーション、分析、マネタイズまで 事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87
侍エンジニア編集部コメント
「企画からプロモーション、分析、マネタイズまで 事例に学ぶスマホアプリマーケティングの鉄則87」は、スマートフォンアプリのマーケティングについて詳しく書かれている本になります。
本を書いている会社が出したアプリを題材にして、アプリのマーケティングを細かく解説しています。
アプリ開発の本は数多く出ていますが、アプリのマーケティングの手法についてまとめた本はあまりありません。自身や自社にスマートフォンアプリがあり、そのアプリ開発者であれば読んでおいて欲しい1冊です。
現役マーケッターから学ぶ
一定レベルの基礎知識が身についたら、次は現役マーケッターから学ぶことがおすすめです。
本で勉強できることは、一般的な知識です。一歩踏み込んでみて分かるような内容や、具体的なノウハウについては本には載っていません。
そういった生きた情報はセミナーやSNSで、現役のマーケターから直接教わりましょう。実際の業務の場で必要とされる知識を効率良く身につけられます。
ブログやSNSを運用してみる
自分で実践して、マーケティングスキルを養うこともおすすめです。
具体的な方法は次の方法です。
- SEO:ブログを運用して検索エンジンからの集客方法を学ぶ
- SNS:エンジニアと相性の良いSNS(Twitterなど)を活用し、フォロワー数を増やす、シェア数を増やす
実践してみることで、より自分ごととして体験ができるだけでなく、うまくいく方法やうまくいかない方法を肌で知ることができます。
実体験から身についたスキルは他者にはない独自のノウハウとなるだけでなく、自分自身に最適化されたスキルとなります。
まとめ
今回は「エンジニアに必要なマーケティングスキル」を中心に、次の内容を解説しました。
- エンジニアにマーケティングが求められる背景
- 必要なマーケティングスキル8つ
- マーケティングスキルの学習方法
エンジニアのスキルに加えてマーケティングスキルを身に付け、市場価値の高い人材になることを目指しましょう。
この記事のおさらい
次の3つが、具体的なメリットです。
・サービスへの理解が深まる
・仕事効率が高まる
・市場価値が高まる
以下8つが求められます。
・市場調査スキル
・仮説構築・検証スキル
・コミュニケーションスキル
・情報収集スキル
・情報発信スキル
・Webマーケティングスキル
・アイデアを生み出すスキル
・チームを指揮するスキル