前回の章で、オリジナルWebアプリの企画についてご紹介しました。
このように、気合を入れて考えている人もいるかと思います。
ですが、オリジナルWebアプリを開発する前にサンプル作成をして実際に手を動かして感覚を掴んでからオリジナルWebアプリを開発することをオススメします。
勢いよくWebアプリ開発を行うのはいいのですが、一度エラーなどでつまずいてしまうと「こんなはずじゃなかった」と、勢いがある分このように思ってしまう可能性が高くあります。その結果、挫折してしまったら本末転倒です。
なので、この記事では
- サンプルアプリを作る重要性
- サンプルアプリの作成方法
この2つをご紹介します。
なぜサンプルアプリを作るのか?
先程もお伝えしたように、サンプルアプリを作る目的は「Webアプリ開発の感覚を掴む」ということです。
サンプルアプリは、参考とするアプリがありそれを真似して作ります。なので、エラーによる挫折率も大幅に下げることが可能であり、Webアプリを開発する感覚を掴む上でとても重要です。
いきなり自分が思い描くオリジナルWebアプリを作成するのもいいのですが、開発手順や開発方法などを間違えてしまえばそこから修正する事はとても大変です。
なので、サンプルアプリを作り、どのような手順で開発されているのかをしっかり確認した上で、自分のオリジナルWebアプリを開発する準備をしましょう。
サンプルアプリを開発する
サンプルアプリを開発する方法もいくつかあります。
- もとからあるWebアプリを真似して作る
- 教材などに載っているサンプルを作成する
などです。この中で、効率的にサンプルアプリを作る方法は「教材などに載っているサンプルアプリを作成する」こちらの方法です。
メルカリや食べログなどのもとからあるWebアプリを真似してサンプルを作るのもいいですが、開発手順がわかりません。なので、教材でサンプルアプリを作ることをオススメします。
教材にあるサンプルは、1から開発手順を紹介していて1つのアプリが完成する内容になっているので、Webアプリ開発の感覚を掴むには最適と言えます。
サンプルアプリを作る教材は「Ruby on Rails Tutorial」がおすすめ
Ruby on Railsチュートリアル(通称、Railsチュートリアル)は、SNSのTwitterを題材にした無料の大型チュートリアルです。Ruby on Railsは、有名なプログラミング言語Rubyで書かれたWebフレームワークです。
Railsチュートリアルを読めば、Ruby on Railsを使ったWebアプリの開発方法を学べます。
Railsチュートリアルの魅力
思いのほか楽しい
Railsチュートリアルでは、Ruby on Railsを使って「Twitterにとてもよく似たWebアプリを作る」という明確なゴールが設定されています。Railsチュートリアルを進めるとWebアプリが完成していくため、思いのほか楽しく、モチベーションも維持しやすいでしょう。
体系的に学べる
「Twitterにとてもよく似たWebアプリ」の開発を体験しながら、以下のような知識を体系的に学べます。
- Webアプリの開発とインターネットへの公開
- ヘルプページなど静的ページの作成
- ソースコードのバージョン管理(Git)
- Rubyの基礎
- BootstrapフレームワークのRailsへの組み込み
- ユーザー情報と記事の保存(データベース)
- ユーザー認証(メール認証、ログイン、セッション、パスワードの変更)
- 記事の投稿
Webアプリ開発やIT起業家を目指す方にとって、素晴らしい情報源と言えるでしょう。
基礎力が身につく
Railsの中心となっている、以下のような技術をまとめて学べます。
- MVC(Model、View、Controller)
- REST(Representational State Transfer)
- ジェネレータ
- マイグレーション
- ルーティング
- ERB(Embedded Ruby)
これらの専門用語は、Webアプリを開発する上では基本的な知識です。今の段階ではまるで呪文のように感じると思いますが、Railsチュートリアルを最後まで終えれば、この専門用語を理解できます。
さらに、Railsチュートリアル以外の高度な内容の書籍やブログであっても、読み解けるぐらいの基礎力が身に付きます。
応用力も身につく
他言語のフレームワークを使いこなすための知識は、Railsを使いこなすための知識とほぼ同じです。たとえばサッカーのルールを伝えるときに、英語と日本語では異なる表現になったとしても、サッカーのルールや(相手を傷つけないといった)考え方は変わりません。
これと同じで、Webアプリを開発するときに、Ruby+RailsとPython+Djangoでは異なる表現になったとしても、Webアプリを開発するための知識や考え方は変わらないのです。
したがって、Railsチュートリアルを終わらせてWebアプリを開発するための知識や考え方を身に付ければ、以下のようなフレームワークも容易に使いこなせるようになるでしょう。
- Python+Django
- PHP+Laravel
- Java+Play Framework
各章が終わった状態のソースコードをダウンロードできる
Railsチュートリアルの翻訳に最も協力している人の一人である安川要平(@yasulab)さんが用意したGitHubリポジトリがあります。このGitHubリポジトリからは、Railsチュートリアルの各章が終わった状態のソースコードをダウンロードできます。
Railsチュートリアルの2週目をやりたいときは、このリポジトリを活用すれば、どの章からもスムーズに始められるでしょう。
参考:https://github.com/yasslab/sample_apps
この記事の復習
この記事では、
- サンプルアプリを作る重要性
- サンプルアプリの作成方法
について解説してきました。初心者がゼロからアプリ開発をするのはほぼ不可のです。そのためまずはあるものを真似ることから始めましょう。