【PythonとPHPを比較】人気度/難易度/年収別にどっちがいいか検証

この記事では、PythonとPHPの違いについて

  • 人気度
  • 学習難易度
  • できること
  • 年収相場

などを比較しながら、どちらを選べばいいか解説します。

PythonとPHPの違いが知りたい方や、PythonとPHPのどちらを学習しようか迷っている方にぴったりの内容になっていますので、ぜひ参考にしてくださいね。

目次

【PythonとPHP】どっちを選んだらいい?

【比較内容】 Python PHP
人気度
学習難易度
できること AI開発
機械学習
データ分析
Webアプリケーション開発
組み込みアプリケーション開発
Webサイト作成
CMS作成
SNS作成
Webサービス開発
Webアプリケーション開発
年収相場 AIエンジニア:約599万円
データサイエンティスト:約697万円
Webエンジニア:約589万円
Webデザイナー:約450万円
メリット コードの読みやすさ
コンパイルが不要
ライブラリが充実
難易度が低め
情報が充実している
多くのサーバーで対応している
デメリット 実行速度が遅い
インデントが必要
自由度が高くバグが起きやすい
比較的セキュリティ面が甘い
将来性 期待できる やや期待できる

結論からいうと、将来性、年収や今後の需要を見越してAIなどの先端分野の開発をしたいならPythonがおすすめです。

PythonはAI開発や機械学習など、将来が期待できる技術に使用されているため将来的にも需要は高いと予想されています。また専門性の高い開発も多いですが、Python自体の難易度はそこまで高くないため初心者でも学習できます。

一方、難易度が低めでWeb開発中心で考えているならPHPがおすすめです。

PHPはアプリケーション開発やWebサイト開発に使用されるので、Web業界で働きたい人にも向いています。また難易度も低めなので、初心者でも習得しやすいです。

ただWeb開発を行うならPHPだけでは若干心もとないので、Web開発をするならJavaScritpやHTML/CSSなどフロントエンド側の言語も学んでおくと良いでしょう。

とはいえ、PythonとPHPはそれぞれ特徴が異なるので、自分がやりたい開発内容や目指すエンジニア像、働き方に合わせて言語を選択すると良いです。

この後は、比較内容に挙げた項目別に詳しくPythonとPHPを比較検討していきます。

PythonとPHP「人気」があるのはどっち?

どちらが人気があるかは見方や人によって異なりますが、人気言語のランキングを発表している「TIOBE index」のデータによると2021年8月現在、Pythonは全体2位、PHPは全体8位となっておりPythonの方が人気が高いとされています。

Pythonの人気が高いのは、AIや機械学習など最新技術に関連していることから需要が高まっていると予想できます。

一方でPHPは8位ではありますが、上位言語の知名度が高いことを考慮すると、人気がないわけではなく需要はあるといえるでしょう。ただ、PHPについてはRubyなど代替となる言語が登場しつつあるので、今後の人気については不安点を指摘している人もいます。

どちらの人気が高いかで決める人はあまりいないかもしれませんが、今現在の需要を知る上でも人気ランキングをチェックしておくと良いでしょう。

なお、PythonとPHPそれぞれの評判や人気度については次の記事に詳しくまとめていますので、参考にしてみてください。

PythonとPHP「学習難易度」を比較

「学習難易度」を比較

PythonとPHPの難易度はほとんど変わらず、両方とも難易度は低めの言語です。

文法が簡単でコードを短くすることができる特徴はどちらの言語も共通しているため、どちらを選択しても初心者には学習しやすいでしょう。

Pythonは単体だけでも開発現場で活躍できますが、AI開発やデータ分析などで活躍するにはそれ以外にネットワーク・サーバー・クラウド・機械学習などを学習する必要があります。一方PHPも単体で使用することは少なく、HTML/CSS・JavaScriptなどを併用することが多いので、PHPと合わせて学習した方が良いです。

こうして言語を比較すると、言語単体の難易度はほとんど変わりませんが、実際に必要なスキルや実務レベルの技術を習得する難易度はPythonの方が少し高いといえます。とはいえ懸念する程の差ではないため、PythonとPHPに関しては難易度はあまり気にしすぎる必要はないでしょう。

それぞれの言語ごとの学習難易度は下記記事にまとめていますので、あわせて読んでみてください。

PythonとPHP「できること」を比較

「できること」を比較

PythonとPHPで大きく異なるのが、「できること」です。ここからは、それぞれのできることを比較し、どういう開発に向いているのかを確認します。

Pythonのできること

Pythonを使ってできることは、下記のとおりです。

  • AI開発
  • 機械学習
  • データ分析
  • Webアプリケーション開発
  • 組み込みアプリケーション開発

PythonはAI開発や機械学習の開発に使用されることは有名ですが、それ以外にデータ分析やWebアプリケーション開発にも使用されることがあります。

また組み込みアプリケーション開発にも使用されることがあり、意外に汎用性は高い言語です。Pythonにはそれぞれの開発に便利なフレームワークやライブラリなどが豊富なため、多くの開発に使用されています。

Pythonでできることのなかでも、データ分析やAI開発といった最新技術に関わる分野は需要が高まっており注目されている点は押さえておくと良いでしょう。

なお、Pythonのできることは次の記事で詳しく解説しています。

Pythonでできることは?初心者向けにわかりやすく紹介【具体例あり】
更新日:2024年11月7日

PHPのできること

PHPは主にWeb系開発で活躍する言語で、下記のような開発に使用されます。

  • Webサイト作成
  • CMS作成
  • SNS作成
  • Webサービス開発
  • Webアプリケーション開発

PHPは主にWebアプリケーション・Webサイト・Webサービスなど、Web開発に活用される言語です。WordPressなどCMSもPHPで作成されているものがあり、テーマやプラグインなども作成できます。

またTwitterやFacebookといったSNSの機能を作成することも可能で、例えばユーザーの登録や削除、データの更新、メッセージのやりとり、ログイン機能などの実装にも使用されます。

Web系開発を中心に考えている人は、PHPが選択肢になるでしょう。

なお、PHPのできることは次の記事で詳しく解説しています。

PHPでできることとは?具体例を用いてわかりやすく解説
更新日:2024年11月7日

PythonとPHP「年収相場」を比較

PythonとPHPのどちらを選ぶかにおいて、年収も判断基準になります。ここからは、それぞれの年収相場を比較して傾向をご紹介します。

なお言語別の明確な年収はデータがないため、PythonはAIエンジニア・データサイエンティスト、PHPはWebエンジニア・Webデザイナーとして比較することとします。

また、今回は「求人ボックス給料ナビ」のデータを引用し年収相場を比較します。

Pythonの年収相場

まずは、AIエンジニアの年収相場から見ていきましょう。

AI開発をメインに仕事を行うAIエンジニアの年収相場は正社員で545万円で、Pythonのスキル以外にもネットワークや機械学習、データ分析の知識などが必要になるのでその分報酬は高めです。

高いスキル力が求められるので、初心者がいきなり年収相場を稼ぐのは難しいかもしれませんが、将来的な目標やモチベーションにはつながるでしょう。

次は、データサイエンティストの年収相場です。

データサイエンティストの年収相場は正社員で697万円となっており、AIエンジニアに比べても高い水準となっています。

データ分析の需要が高まっていることや統計・プログラミングスキルなど専門スキルが必要なこともあり、高い報酬が設定されていると予想されます。

このように、Pythonを扱うエンジニアの年収は平均に比べても高い傾向にあり、約600~700万円が目安です。最新技術で使用されていることを考えれば2021年以降の需要も期待できるので、高スキルがあればさらなる高年収も狙いやすい言語といえるでしょう。

PHPの年収相場

PHPはWeb開発全般で使用されていますが、まずはWebエンジニアの年収相場を見ていきます。

WebエンジニアはPHPやJavaScript、HTML/CSSなどを使用してWebサイトやWebサービス、アプリケーションなどを開発する仕事ですが、年収相場は正社員で約573万円です。

Webエンジニアは平均年収よりは高く、Pythonを扱うエンジニアと比べても同じくらいの年収ですが、最もボリュームがある年収分布を見るとWebエンジニアはPythonを扱うエンジニアに若干劣ります。

次は、Webデザイナーの年収相場をご紹介します。

Webデザイナーも、実はPHPを扱うことがあります。

WebデザイナーがPHPを習得しておくことでデザインがイメージしやすくなりますし、CMSを使ってサイト作成する際に必要です。

年収相場は正社員で約450万円と、一般的な会社員の年収とほぼ同じ金額といえます。Webデザイナーの仕事はHTML/CSS・PHP・JavaScriptなどのプログラミングスキルとデザインスキルが必要ですが、比較的難易度が低めなこともあり年収は低めに設定されています。

また、最近ではCMSが普及し比較的簡単にWebデザインができる点も年収が高くなりにくい理由といえるでしょう。

PHPを扱うエンジニアの選択肢はいくつかありますが、高年収を狙うのであれば他の言語を習得してWebサービスやアプリケーション開発などを中心に活動する方が効率が良いです。

Pythonのメリット・デメリット

Pythonのメリット・デメリット

PythonとPHPの比較をするうえで知っておきたいのが、メリット・デメリットです。まずは、Pythonのメリット・デメリットから解説します。

Pythonのメリットは、下記の3つです。

  • コードの読みやすさ
  • コンパイルが不要
  • ライブラリが充実

Pythonは文法がシンプルでコードが短くて済むため、読みやすく書きやすい点が魅力です。初心者でも理解しやすく学習を始めやすいので、初心者におすすめの言語に選ばれることもあります。

また、コンパイルが不要でコーディング直後にプログラムを実行できるのも便利です。

さらに、ライブラリも充実しているので、最適なライブラリを選択することで効率よく開発を進められます。

次に、Pythonのデメリットは下記の2つです。

  • 実行速度の遅さ
  • インデントが必要

Pythonは実行速度が遅く、速度が求められるシステムに使いにくい点がデメリットです。実行速度が求められるシステムなどの開発には、ほとんど使用されません。

ただ、Pythonのライブラリを有効活用することで、多少は処理速度を改善できます。とはいえ、高速処理が得意ではないのは確かでしょう。

また、細かい点でいうとインデントが必要な点もデメリットです。Pythonはコーディング時に先頭にインデントを入れる必要があり、インデントを忘れるとエラーが発生します。

Pythonのメリット・デメリットを詳しく知りたい人は、下記の記事を参考にしてみてください。

Pythonのメリット・デメリットを簡潔にまとめてみた【初心者必見】
更新日:2024年11月7日

PHPのメリット・デメリット

PHPのメリット・デメリット

次は、PHPのメリット・デメリットを解説します。PHPのメリットは下記の3点です。

  • 難易度が低め
  • 情報が充実している
  • 多くのサーバーで対応している

PHPは文法がシンプルで分かりやすいので難易度が低く、初心者でも十分習得可能です。PHPに関するネット上の情報や関連書籍なども豊富なので、学習中に分からないことがあってもたいていの内容は解決できます。

また、PHPでWebサイトやWebサービスを開発する場合はサーバーが必要ですが、PHPは多くのレンタルサーバーで対応しているので公開時に困りにくいです。

次は、PHPのデメリットとして下記の2点を解説します。

  • 自由度が高すぎてバグが起こりやすい
  • 比較的セキュリティが甘い

PHPは記述方法のルールが緩く自由度が高いですが、その分思わぬところでバグが起こることがあります。ある程度間違っていても実行できてしまうので、後でエラーが出たときに原因を見つけるのが難しいというデメリットがあります。

また、比較的セキュリティが甘い点も注意が必要です。バージョンアップが行われ定期的にセキュリティが強化されていますが、PHPは他の言語に比べると脆弱性が見つかりやすいといわれています。

PHPを使用する場合は、定期的なバージョンアップやセキュリティ面も注意する必要があるでしょう。

PHPのメリット・デメリットは下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。

PHPのメリット・デメリットとフレームワークの利便性【現役エンジニアが解説】
更新日:2024年10月31日

PythonとPHP「将来性」を比較

「将来性」を比較

プログラミング言語の将来性は簡単には判断できませんが、技術的な需要や業界全体の動向を見ることである程度予測することは可能です。

ここからは、PythonとPHPの将来性を比較していきます。

Pythonの将来性

PythonはAI開発や機械学習、データ分析などに使用されることが多いですが、これらの技術は現在大注目の技術でもあり、さまざまな業界で活用が促進されています。

例えば自動運転車やAI搭載家電、工場で稼働するAIロボットなど私たちの身近な機器や産業分野でも活用がスタートしています。

このことから、Pythonの需要は今後も高まると予測できます。もちろん、Pythonより優れた言語が開発される可能性もあるため一概にはいえませんが、これから最新開発分野で開発したいならおすすめの言語です。

PHPの将来性

PHPは主にWebサイト・Webサービス・WebアプリケーションなどWeb開発をメインに使用されており、2021年現在では人気がある言語で、Web開発で多く使用されるので需要がある言語です。

ただ一方で、他の言語に取って代わられるという意見もあります。例えば、同じくアプリケーション開発などWeb開発でシェアが増えているRubyなどに、近年PHPから切り替える開発現場も出てきています。

とはいえ、今すぐ需要が無くなる言語ではないので心配しすぎる必要はありませんが、客観的にPythonとPHPを比較すると若干Pythonの方が将来性が期待できるといえるでしょう。

この記事のおさらい

PythonとPHPを比較すると、どちらも初心者でも学習しやすく、さまざまな開発で活用できる言語だと分かりました。どちらを選ぶかは目的や個人の考え方によるので、自分に合う言語を選択してくださいね。

PythonとPHPのできることはどう違う?

PythonはAI開発・機械学習・データ分析など、比較的最新技術を使った開発に向いています。一方、PHPはWebサイト・Webサービス開発など、Web開発全般に向いている言語です。

PythonとPHPのどちらを選べばいい?

目的や考え方によって変わりますが、目安としては将来性や年収を気にする人や最新技術を使って開発をしたい人はPythonがおすすめです。Web開発をメインに考えているなら、PHPが良いでしょう。

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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