最近は働き方改革が実施されるなど、新しい働き方に注目が集まっています。
Web・IT関連のエンジニアはパソコンがあれば業務ができるので、フリーランスとして働く人が増加傾向。なかでもフロントエンドのエンジニアは常駐しなくても業務を遂行しやすいため、フリーランスエンジニアを希望する人が増えています。
しかしフロントエンジニアになりたいけど、
失敗はしたくないな……
このような疑問や不安をお持ちではないでしょうか?そこでこの記事では、フロントエンドエンジニアのフリーランスの現状を紹介しつつ、以下の3点についてご紹介します。
フロントエンドフリーランスエンジニアの単価の相場は
いざフロントエンドのフリーランスエンジニアになって生活しようと考えたとき、真っ先に思うのは「いったいいくらくらい稼げるのか?」ということです。現在は個人でもきれいなホームページを簡単制作できるツールが多く出てきているので、フロントエンドではフリーランスで生活していくには難しいのではと考える人も少なくないでしょう。
ここでは、実際のフロントエンドフリーランスエンジニアの単価相場がいくらなのか、解説します。
フロントエンド案件の単価について
フロントエンドフリーランスが月に稼げるのはいくらなのか、その単価はフリーランス案件を探すサイトにうよって違うため一概には言えませんが、およそ50~70万円程度だと言えます。
例えば、Crowdtechでは案件数が900件あり、ほとんどが40、50万円以上です。中には月100万円という単価の案件もあります。またMidworksは案件数は76件ですが、こちらも40、50万円以上の単価ばかりです。
会社に正社員として働いている人には、びっくりするような金額だと思います。ただこれらは、ほとんどが3ヶ月程度の短期間であるということを認識しておいてください。この案件が終われば次の案件を探す必要があり、とても大変です。単価が高いのには理由があり、フロントエンドのフリーランスで生活するにも一筋縄ではいかないということです。
バックエンドとどちらが高い?
フロントエンドの対比として、バックエンドのフリーランス案件もあります。フロントエンドが人の目に見える部分を担当するなら、バックエンドは人の目に移らないサーバーとのやり取りを担当します。
バックエンドフリーランスの単価を調べると、およそ60~90万円(Crowdtech調べ)となります。フロントエンドの単価より約20万円ほど高くなります。これだとバックエンドフリーランスの方が良いのではと思うかもしれません。ただバックエンドの案件は、より実績のある経験者を求める傾向が強いです。
そのため、いきなりフリーランスになった人が案件に応募しても仕事はなかなか取れません。まずはフロントエンドフリーランスで実績を重ねた後に目指すと良いでしょう。
フロントエンドフリーランスエンジニアの需要は伸び続ける
フロントエンジニアのフリーランスになっても、安定的に仕事を獲得することができるのかは不安ですよね。そこでここからは、フロントエンドエンジニアの今後の需要について紹介していきます。
結論としては、需要はまだまだ伸びています。したがって将来性も高い領域です。この理由について深掘りしてみましょう。
もっとも多く使われている言語はJavaScript
Stack Overflowが行った2019年の調査「Stack Overflow Developer Survey 2019」では、フロントエンドの開発で欠かせないJavaScriptが不動の1位となっていました。
フロントエンジニアならほぼ全員が利用するであろうJavaScriptが、やはり最も利用されているフロントエンド言語という結果です。
WebサービスやWebアプリケーションを制作する際は必ずフロントエンドの開発がありますね。そのため、フロントエンドエンジニアの需要はまだしばらく高いだろうと予測されます。今後もインターネットサービスが拡大していくことが予想されているため、将来性も高い領域です。
WebサイトやWebアプリ制作は今後も需要あり
理由の二つめは、今後もWebサイトやWebアプリ制作の需要があるためです。スマートフォンの普及と共に、インターネットサービスが急拡大し、Webサービスなどの需要が高まりました。しかしまだまだIT化が進んでいない領域も多いです。今後はその領域の拡大と比例して仕事も生まれていくでしょう。
さらに、今後登場するサービスのほとんどがインターネットを使わざるを得ないため、今後も需要が伸び続けるといえます。
高単価フロントエンドのフリーランスになるために必要なスキル
おおよその収入と将来性についてわかったけど、実際に高単価のフロントエンドのフリーランスになるためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか? ここではフロントエンドのフリーランスになるために最低限必要なスキルから、市場価値の高いかつ高単価案件を獲得するために必要なスキルについて紹介します。
最低限必要な言語はHTML/CSS/JavaScript
必要最低限のスキルとしては、フロントエンドの業務で外すことのできない、以下の2つの言語でコーディングができれば、フリーランスとして案件を獲得できます。
- HTML/CSS
- JavaScript
主に、Webサイト制作やランディングページのコーディング案件がメインです。しかしコーディングだけの場合、単価が低いことが多いので、高単価の案件を獲得するにはこれから紹介するスキルセットが必要になります。
JavaScriptフレームワークを使った開発経験
JavaScriptには、多くのフレームワークやライブラリがあります。そのためフレームワークやライブラリを使った開発経験があると、高単価案件の獲得に繋がります。
市場ニーズの高いJavaScriptフレームワーク・ライブラリとサービスを紹介しているサービスは以下の通りです。
- React.js Facebook、Instagram
- Vue.js マネーフォワード
- Angular グノシー、Pairs
この3つのフレームワーク・ライブラリは近年人気が高く、モダンなWebサービス開発を実施する企業で需要が高くなっています。どれかを使いこなせるようになっておきましょう。
Webアプリケーション開発経験
Webサービスやアプリケーションの要件定義や基本設計など、上流工程の視点を持ってサービスに落とし込めるエンジニアは報酬が高くなります。上流の設計からサービスや技術に落とし込めるエンジニアが少ないということもありますが、要件定義や基本設計ができるエンジニアは技術水準も高いと判断され、高単価を獲得することが可能です。
CMSの知見
Web制作の現場では、WordPressのようなCMSを利用していることがほとんどです。実際、世界のWebサイトの約25%がWordPressによって作られています。そのため、Web制作をCMSで実施する場合はWordPressの知識が必要になります。
Webサイトのフロント開発を行う場合に、CMSの知識があると開発をスムーズにできるだけでなく、報酬のアップも狙えるでしょう。
UI/UX設計
最近のWebサービスでは、ユーザーがストレスなく使うことができるデザイン設計や、ユーザーの満足度を高めるデザイン設定が求められます。
ユーザーが満足するサイトを作ることで、再利用の可能性を高めたり、ブランドイメージにもつながるためです。加えて、ボタンの位置を少しでも変更することで、売上が大きく変わる場合もあります。そのため、売上につながるデザイン設計スキルは重宝されます。
サーバーサイドの知見
フロントエンジニアの場合でも、サーバーサイドの知識を持っていると重宝されます。Webサービスの開発では、サーバー側での処理が必要な場合が多くあります。 そのためサーバーサイドの言語知識を有していたり扱うことができれば、市場価値の高い人材となり報酬を上げることができます。
フロントエンドのフリーランスに必要なスキルを学ぶには
上記でフロントエンドのフリーランスに必要なスキルを解説しましたが、その肝心のスキルはどのように身に付ければよいのでしょうか? ここではフロントエンドのスキルを身に付ける学習方法について紹介します。
オンライン学習サイトで学ぶ
1つは、オンラインの学習サイトでフロントエンドのスキルを学習する方法です。インターネットが主流となり、プログラミング学習の人気も高まってさまざまなサイトがあります。
paizaラーニング
「paizaラーニング」は、プログラミングの学習と問題演習のサイトです。HTML、CSS、JavaScriptの学習項目以外にWebサイト制作などの項目もあるため、フロントエンドのスキルを学習するのにあっています。
スキルチェック問題はS、A、B、C、Dとランクごとに問題が分かれており、解答するごとに自身のレベルがどの程度が把握できます。また美少女と一緒にプログラミング問題に挑戦していくアプリケーションゲームもあるので、飽きることなく楽しく問題に挑戦できるでしょう。
ドットインストール
こちらも、動画を見ながら学習を進めていくサイトになります。
paizaと違うのは、自身のPCでプログラミングできるよう環境構築も最初に解説してくれる点。HTML、CSS、JavaScript単体の学習項目からWebサイトを1から制作する項目もあるため、1通りこなすとフロントエンドのスキルを習得できること間違いなしです。
プログラミング参考書で学ぶ
「自分のペースで、好きな場所から学習していきたい」「重要な個所のみ集中して勉強したい」という人は、参考書で学習すると良いでしょう。参考書でしたら自身の気になっている部分をさっと調べ、制作中のWebサイトで分からないことを解決する辞書的な役割で使用することもできます。
またフロントエンドフリーランスとして案件を獲得した後も、あなたをサポートしてくれる大きな武器になります。以下のサイトで、フロントエンドのフリーランスになるためにおすすめの参考書を紹介しています。ぜひご覧になってください。
プログラミングスクールで学ぶ
「1人で学習するのが難しい」「いつでも質問できてサポートしてくれる人と二人三脚で学習したい」という人は、プログラミングスクールで学習するのが適切です。
1番のおすすめは、あなたに最適な学習プランを提供する「侍エンジニア」で学ぶこと。無料体験も行っていますので、ぜひ1度相談してみてはいかがでしょうか? 無料体験では、以下の4つのメリットが得られます。
- あなたにあったプログラミング学習プランがわかる
- あなたが学ぶべきプログラミング言語がわかる
- 未経験からエンジニアに転職する方法がわかる
- IT業界に関する知識や現状がわかる
無料体験への申し込みは、以下のサイトからどうぞ。
フロントエンドのフリーランスが仕事獲得を目指す前に準備すべきこと
フロントエンドの知識も得て、スキルも学び、さあこれからフリーランスになって稼ぐぞと思ったあなた。少々お待ちください。フリーランスとして仕事を獲得するには、まだやらなければならない準備があります。
ここでは、フロントエンドのフリーランスが仕事を獲得するために準備すべきことを解説します。
応募前にポートフォリオを準備する
フリーランスがWebサイト制作などフロントエンドの仕事を獲得するのに重要となるのが、フリーランスの心臓とも言うべき「ポートフォリオ」です。ポートフォリオの形式はいろいろありますが、代表的なのは以下の2つ。
- パンフレット形式
- Webサイト形式
おすすめは、ネットワークにつながっていればどこでも見られるWebサイト形式。内容には、以下の3点を盛り込むようにしましょう。
- 使用できるプログラミング言語
- これまの制作物紹介
- どの分野が得意か
①と②は分かると思います。③に関しては、例えば「企業などのコーポレートサイト制作が得意である」「ECサイトのデザインが得意である」という風にです。このように分野を絞っておくと、「この案件はこの人に任せたらよいな」とクライアントが判断し、仕事の依頼がきやすくなります。
制作物を準備する
習得したフロントエンドのスキルであるHTML、CSS、JavaScriptを使用して、自身のオリジナルWebサイトを数個制作しておくことも重要です。具体的なものを提示したほうが、あなたのスキルをクライアントに客観的に説明できるので、案件を獲得しやすくなります。
制作するWebサイトのテーマは何でもよいですが、できるなら分野を絞ると良いでしょう。例えば「コーポレートサイトを主体にする」などです。
スキル証明の資格を取得する
スキル証明のためにIT系の資格を取得するのも有効です。ただし何でも良いわけではなく、案件獲得のために武器となる資格でないといけません。例えば、以下の3つなど。
基本情報技術者試験は、言うまでもなくIT系の登竜門的な資格です。LPICやJavaSilverはフロントエンドにあまり関係ありませんが、IT系としては非常に強力な資格になるので、取得しておくとフリーランス活動を続けていく上で有効に働くでしょう。
1つ覚えておいて欲しいのは、資格を取得しまくるマニアにはならない方が良いということ。資格は、あくまでフロントエンドフリーランスとして案件を獲得するための武器です。必要なものを取得したら、後は案件にどんどん応募して仕事を獲得しましょう。
フロントエンドのフリーランス仕事獲得方法は?
ここからは一番気になるフリーランスが仕事を獲得する方法について紹介します。フロントエンジニアがフリーランスとして仕事を獲得する方法は、以下の3つがメインです。
- エージェントを利用する
- 知人からの紹介・直接営業する
- クラウドソーシングを利用する
フリーランス案件紹介のエージェントを利用する
フリーランス案件を紹介してくれるエージェントを通じて案件を紹介してもらうことで、継続的に案件に関われるのがメリットです。フリーランスとして独立したばかりのときは、継続的に案件が獲得できるか不安な部分もありますよね……。
スキルには自信があるけど、フリーランスとしての経験がなく、実績を作りたいと思っている方にはオススメです。有名なフリーランスエンジニア向けのエージェントは
などがあります。エージェントと面談しながら希望に応じて案件を紹介してくれるので、フリーランスのフロントエンドエンジニアとして活躍したいなら登録しておくのがおすすめです。
知人からの紹介、直営業をする
次にフリーランスとして仕事を獲得する方法として、知人からの紹介や直接企業に募集していないか営業する方法があります。知人や直接営業をするメリットは、仲介業者を通さないので高単価で仕事を獲得できるところです。
一方で紹介してもらう場合は、人脈によって案件を貰えるかどうかが決まります。会社員として働いている間に人脈を作っておくと良いでしょう。これから作りたい人は、勉強会やエンジニア向けのサロンに参加すると良い人脈が作れます。
また、企業と直接契約する場合は後々のトラブルを避けるためにも、労働時間や単価・契約期間などの諸条件をしっかりと確認し合意した上で仕事をするようにしましょう。
クラウドソーシングを利用して案件獲得
最後に紹介するフリーランスとしての仕事獲得方法は、ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングを通じて獲得する方法です。
クラウドサービスのメリットは、自分のやりたい仕事を手軽に見つけられるところです。契約もプロジェクト方式で、あらかじめ契約期間が決められているものから、中長期的に契約できるなどの案件があるため、柔軟性を持った働き方がしたい場合にはオススメです。
しかしクラウドサービスの場合、エージェントや直接契約する場合と比べて単価が低い傾向にあるので、最初の実績作りとして利用しながら、徐々にエージェントや知人の紹介を通じて案件を獲得する方がオススメです。
まとめ
いかがでしょうか? 本記事ではフロントエンドのフリーランスの紹介から、なるための方法などを解説しました。
正社員で働くよりも高い報酬を得ることができ、自身のスキルと実績のみで生活します。やりがいもありますが、全て自分の力で乗り切る必要もあるためとても大変です。この記事が、フロントエンドのフリーランスを目指す方の、一助となれば幸いですので、ぜひ参考にしてください。