これからWebエンジニアを目指そうと思われる方は、RubyやJavaScript、HTMLなどのプログラミング言語を学ばれる方が多いと思います。
WebエンジニアになるにはRubyが向いているの?
RubyってWeb開発においてどんな特徴があるの?
Web業界でRubyのスキルって需要がある?
このようにRubyを学習することによって、ちゃんとWebエンジニアになることに直結するのか不安に思われる方もいるでしょう。
Webエンジニアになる為には、Ruby以外のプログラミング言語(PHP、Javaなど)を習得してもなることができます。しかしそのなかでもRubyは初学者に非常にオススメで、比較的習得しやすい言語です。
本記事を読む事で、RubyがWebエンジニアになるには最適な言語である理由や、特徴、現在のRubyの市場価値などが分かるので、これからWebエンジニアを目指す方は安心してRubyの学習に専念できるでしょう!
WEBエンジニアを目指す初学者にRubyを薦める理由
冒頭でもお伝えしたように、Webエンジニアを目指すには、Ruby以外のプログラミング言語を取得してもなる事ができます。しかし、Rubyには他のプログラミング言語にはない特徴を持っており、初学者には非常にオススメできる言語です。
WEBエンジニアを目指す初学者にRubyを薦める理由は以下の3つです。
- 記述量が少ないため初学者でも学習しやすい
- 日本語の情報サイトや書籍が多い
- 汎用性が高く多くのシステムを開発できる
記述量が少ないため初学者でも学習しやすい
まず始めに、Rubyは他のプログラミング言語と比べて、記述量が非常に少ない事が挙げられます。例えば、PHPで10行書いて実装したプログラムが、Rubyで書くと5行で済んでしまうこともあります。
初心者の方はプログラミング言語と聞くと、非常に複雑で長い文字列が並んでいるイメージがありますが、Rubyは非常にシンプルな記述法です。
Rubyの記述例を挙げると、このような感じで、非常にシンプルで見やすい事が分かります。
日本語の情報サイトや書籍が多い
Rubyは元々、日本人の「まつもとゆきひろ」によって開発された言語であり、日本人のユーザーが非常に多いです。そのため日本語でRubyの解説をしているサイトが多かったり、参考書籍も非常に豊富です。
Pythonなど、日本であまり普及していないプログラミング言語を学ぶとなると、英語のサイトで勉強したり、日本語の情報があまりなく、学習に躓いてしまう場合があります。
しかし、Rubyの学習においては、調べれば必ずと言っていいほど適切な情報が出てくるので、エラーなどにハマったとしてもすぐに解決でき、挫折する事なく学習を進める事ができます。
汎用性が高く多くのシステムを開発できる
Rubyは非常に汎用性の高い言語で、WebにおけるほとんどのシステムやサービスをRubyで開発する事ができます。つまり、Rubyを習得すればWebエンジニアとして幅広いシステム開発に携わる事ができます。
Rubyでは以下のようなシステム開発をする事ができます。
- Webサイト
- ショッピングサイト(ECサイト)
- SNS
- Webアプリケーション
- スマホアプリ
- チャットボット
このようなシステムを開発する事ができて、日本でも有名なクックパッド、食べログ、AirbnbもRubyで開発されています。
Rubyの特徴
Rubyの最も大きな特徴として、非常に少ない工数でサービスを簡単に作れてしまうことです。
なぜ、これほど簡単にサービス開発が可能になったかと言うと、以下の3つの特徴があるからです。
- インタプリタ方式
- オブジェクト指向言語
- 記述の自由度が高い
インタプリタ方式
まず始めにRubyはインタプリタ方式を取り入れているプログラミング言語です。インタプリタ方式とは、「書かれたプログラムを1行ずつ機械語に解釈しながら実行していく方式のこと。」を言います。
プログラミング言語を書いたとしても、コンピュータは理解する事ができず、一度機械語に翻訳する必要があります。
インタプリタ方式を用いると、プログラム処理を書いた時に機械語に翻訳し、実行してくれるので、エラーが起こった時点ですぐに対処することができ、開発の効率が良くなります。PythonやPHPなどもインタプリタ方式のプログラミング言語です。
オブジェクト指向言語
簡単にサービス開発が可能な理由として、Rubyはオブジェクト指向言語である事が挙げられます。
オブジェクト指向を用いると、複数の関連性の深いプログラムを1つの大きなまとまり(=オブジェクト)にして、様々なオブジェクトを組み合わせる事により、大規模なシステム開発を効率よく行えます。
- 大規模な開発を効率よくできる
- 後から修正やメンテナンスが簡単にできる
- すでに書いたコードを再利用しやすい
オブジェクト指向はこのようなメリットがあり、Web開発と非常に相性の良い概念です。
記述の自由度が高い
Rubyはコード記述の自由度が高く、他の言語と比べてきちっとした型が無く、開発のスピードを早くする事ができます。
Rubyは動的型付の言語で、変数に型宣言が不要です。プログラム処理を行う際には、一般的に変数(箱)と呼ばれるものを用いて、数字や文字列を変数に格納します。
その際に、格納する文字列を型宣言(これは整数です、これはテキストですなど指定)する必要がありますが、Rubyは自動的に数字や文字列を認識してくれるので、開発の工数を削減する事ができます。
RubyのWEB開発にはRailsが必須
Web開発を行う際には、Rubyでは無くRuby on Railsと呼ばれる、Rubyのフレームワークを使う事が一般的です。フレームワークを簡単にいうと、開発を簡単によりスピーディーに行うための道具です。
Ruby on Railsとは何か、特徴、Railsでの開発について詳しく解説します。
Ruby on Railsとは
Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)はRubyのフレームワークであり、Rubyでの開発効率を良くするためのものです。フレームワークは他のプログラミング言語にも存在し、例えばPHPであれば「Laravel」や「CakePHP」と呼ばれるフレームワークがあります。
RailsはRubyで開発を行うよりも、効率よく開発する事ができて、Rubyではプログラム処理を書いて実装していたシステムが、コマンド一つで実装できたりします。
Ruby on Railsの特徴
Ruby on Railsの特徴としては、以下のことが挙げられます。
- Rubyよりも少ないコードで開発ができる
- 書き方やルールがあるので、チームでの開発にも適してる
- コマンド一つで、テンプレートファイルを作れる
Rubyでは、比較的自由に開発を進めることができて、コードの記述方法が個人によって差があったりします。
しかし、Railsを用いると、ある程度の枠組みやルールがあるので、大規模な開発をチームで行う際には、記述ルールを統一して進めることができます。
Rubyの開発案件にはRailsが用いられる
Rubyだけで、システムやサービス開発を行うことは少なく、ほとんどRailsを用いて開発されています。先ほどご紹介した、クックパッドやAirbnbもRuby on Railsで開発されています。
Rubyだけを習得しても、実際の開発案件ではRailsを用いることがほとんどなので、Rubyを学習する際にはRailsの使い方も同時に学んでおきましょう。
WEB業界におけるRubyの需要
Web業界ではRubyの需要はどうなのでしょうか? 現在のRubyの求人数、年収、将来性を元にWeb業界におけるRubyの需要を解説します。
Rubyの求人数
Rubyは他のWeb開発ができるプログラミング言語と比べると求人数は少ないです。
2019年10月現在のRubyの求人数は10,460件となっており、他のWeb系の開発言語である、Java(43,000件)、PHP(31,000件)よりも少ない件数となっています。
Rubyの求人が多いのは、すぐにサービス開発ができてスピード感が重視されるベンチャー企業に集まっています。
Rubyの平均年収
2018年における、プログラミング言語における年収のランキングを見てみると、Rubyは7位となっており、中央値は550万円となっています。
Web系の言語であるJavaやPHPよりも年収に関しては高いので、Webエンジニアとして年収を上げたい方であればRubyはオススメだと言えます。
Rubyの将来性
最後にRubyの将来性はどうなのかを見て見ましょう。
TIOBE Indexという世界中で支持されている言語ランキングにおいて、2018年では12位となっていますが、2019年になると15位に下がっており、Rubyの将来性は低いことが分かります。
世界的には、PythonやGoが人気を集めていますが、Rubyは日本国産の言語ということもあり、日本ではまだまだ需要のある言語です。
日本や世界で有名なサービスもRubyで開発された事例も数多くあるので、将来的に見ても一定数の需要はあるでしょう。
まとめ
RubyがWebエンジニアになるには最適な言語である理由を解説しました。
RubyはWeb開発が非常に効率よく行える言語であり、日本市場でWebエンジニアを目指すのであれば、習得難易度も低いのでオススメできます。
Rubyの需要は世界的には下がりつつあるものの、日本のベンチャー企業では幅広く使われているので、Webエンジニアとして活躍したい方はRubyを習得してみてはいかがでしょうか!