転職するなら、どんな働き方で年収はどのくらいなのか知りたい!
インターネットで様々なことができる時代、ITエンジニアの需要は拡大し続けています。未経験だけれど、IT業界で何かサイトを作ってみたいと漠然と考えている方もいるのではないでしょうか。
サイトの構築から運営、保守までを担うのが「Webエンジニア」、Web上や色々な環境で動作するアプリケーションを作るのが「アプリエンジニア」です。
この記事ではWebエンジニアとアプリエンジニアの違いを、仕事の内容、必要なスキル、平均年収から解説します。未経験から転職する方法もステップ式でご紹介しますので、何から始めたらいいか迷っている方は参考にしてみてくださいね。
Webエンジニアとは
Webエンジニアとは、Webブラウザを介して利用できるFacebookやTwitterなどのサービスやAmazonなどのECサイト、Googleなどのポータルサイトに使われている、アプリケーションを開発するエンジニアです。
「Webブラウザ」とは、Webサイトを閲覧するためのソフトウェアのことで、Google chromeやIE(インターネットエクスプローラー)などが有名です。
URLの情報からサーバーのHTMLファイルや画像などのデータを集めて、人の見れる形にしてWebサイトを表示させるソフトウェアです。
Webエンジニアの仕事内容
Webエンジニアは大きく分けてフロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニアに分けられ、仕事内容も必要スキルも異なります。
フロントエンドエンジニア
フロントエンドエンジニアは、HTMLやCSS、JavaScript、画像ファイルなどを組み合わせて、Webデザイン含むサイトの見た目やユーザが実際に操作する部分を構築する仕事です。
Webデザイナーとコーダーを分けて、コーダーだけのことを指す場合もあります。
バックエンドエンジニア
バックエンドエンジニアは、Webサイトの目に見えない操作部分を構築したり、LinuxやPHP、Perl、Rubyなどを使い、サーバー及びデータベースの構築やセキュリティ対策をする仕事です。
ちなみに、資金や人員に余裕のない小さなプロジェクトでは、両者を兼任する場合もあります。ただ、フロントエンドとバックエンドでは異なるセンスを求められるため、プロジェクトの規模が大きくなるほど業務が細分化されることがほとんどです。
Webエンジニアに必要なスキルとは
Webエンジニアには以下のようなスキルが求められます。
フロントエンドエンジニアは、コーディングを担当する場合はHTMLやCSS、JavaScriptが基本スキルで、デザインまで担当するならPhotoshopやillustratorも必要になります。
コーディングからデザインまでできるとWebエンジニアとしての仕事の幅も広げられるため、仕事内容にとらわれずスキルを磨くのがおすすめです。
一方バックエンドエンジニアはWebサイトの動作の処理や、データベースやサーバー側の処理システムまで開発するため、LinuxやApache、MySQLなどのミドルウェア、PHP、Perl、Rubyなどの習得が必要です。
また、最近では処理の早いインタプリタ言語をバックエンドの開発でも使用する傾向があるため、フロントエンドで多用されるJavaScriptも習得しておくと役立つでしょう。
双方包括すると、Webエンジニアには担当する役割ごとの開発言語のほかにも、クライアントと円滑にコミュニケーションを取りながら仕事をしていくためのコミュニケーション能力も必要スキルと言えます。
Webエンジニアとしてのスキルは実務の中でも磨かれますが、参考書を読んで独学したり、必要に応じてスクールに通うこともスキルアップの近道になります。
仕事をしながら独学も進めるとなると心が折れてしまうことも多いのですが、スクールなら講師に励まされてモチベーションを保てるという利点もありますよ。
年収
それでは、気になるWebエンジニアの年収について見てみましょう。求人情報サイトによるとWebエンジニアの中でもWebプログラマの平均年収は456万円ですが、HTMLコーダー及びデザイナーに限定すると平均年収は373万円です。
Webエンジニア・Webプログラマ参考値
Webデザイナー・HTMLコーダー参考値
つまり、広義のWebエンジニアの中でもデザインのみ、HTMLでのコーディングのみをするエンジニアよりは、JavaScriptやPHP、Perl、Pythonなど様々な言語での開発ができるエンジニアの方が約80万円も年収が高いことになります。
これだけでも多様な言語を習得することに大きなメリットがあることがわかりますね。
また、Webエンジニアの技術革新のスピードはとても速いため、現在のスキルでできる仕事だけに甘んじているといつの間にか時代に取り残され、できる仕事の幅を狭めてしまうことになります。
長くWebエンジニアを続けるためにも、今後役立ちそうな言語の習得は必要になってくるでしょう。
アプリエンジニアとは
まず、アプリ(アプリケーション)は広義で「Web上で動作するソフトウェア」のことを指します。ソーシャルゲームやTwitterなどもアプリになりますし、会社の勤怠システムなども業務系のアプリに分類されます。
アプリエンジニアはシステムエンジニアの分類の一つで、特にアプリの開発をするエンジニアの総称です。アプリエンジニアと聞くと、スマートフォンにダウンロードして遊ぶゲームアプリをイメージされる方も多いと思いますが、一口にアプリと言ってもこれだけの種類に分けられます。
- Webアプリエンジニア
- スマホアプリエンジニア
- 業務系システムアプリエンジニア
アプリエンジニアの仕事内容
アプリエンジニアの仕事内容を、種類ごとに説明していきます。
Webアプリエンジニア
Webアプリは主にWebブラウザ上で動作するもので、SNSをプラットフォームにして遊ぶソーシャルゲーム、TwitterやInstagramなどのSNSや、楽天市場やAmazonなどのECサイト、GmailなどのオンラインメールサービスもWebアプリに含まれます。
Webアプリエンジニアの仕事は、アプリを実装するサイトの目的を理解し、サイトのユーザーが使いやすいように設計、開発することです。開発だけでなくマーケティングや営業サポートも行う場合もあり、幅広い対応が求められます。
スマホアプリエンジニア
iOSやAndroidなどのスマートフォンにダウンロードして使用する、いわゆるスマホアプリの開発をする仕事です。ゲームアプリの他にも病院やレストランの予約アプリやカメラアプリ、クーポンアプリなどもはや私たちの生活にスマホアプリは欠かせないものになりつつあります。
スマホアプリエンジニアの仕事は、スマホアプリの企画から設計、テスト、運用と保守までです。企業のみならず個人で開発してリリースするケースも多く存在します。
業務系システムアプリエンジニア
業務系アプリとは主に企業内のイントラネット内で使用されるアプリで、従業員の勤怠管理や顧客情報の管理などが業務系アプリになることが多く、企業の要望をヒアリングして仕様書に落とし込み、開発を進めます。
企業によってはアプリ開発の規模が大きくなるため、大規模なプロジェクトとなることもあります。それだけ顧客に対しての責任もやりがいも大きくなる仕事です。
必要なスキル
アプリエンジニアの分野ごとの必要スキルは以下の通りです。
まず、Webアプリエンジニアが開発でよく使用する言語は、オブジェクト言語のPHPやRubyです。C系言語も使われますが、処理の速さや言語のわかりやすさからPHPやRubyの人気が高くなっています。
いずれも習得しやすい言語で使用人口も多いため、わからないことがあってもすぐに誰かに聞けるメリットがあります。
次にスマホアプリエンジニアはiOS用とAndroid用で開発言語が異なり、iOS用アプリの開発言語ではswiftを、Androidの開発ではJavaを用いることがほとんどです。また、ハイブリッドアプリの開発をするのならHTML5やCSS、JavaScriptなどのスキルが必要になります。
他には2017年にKotlinがAndroid公式の開発言語に追加され、Kotlinで開発するケースも増えてきましたが依然としてJavaでの開発が王道になっています。
最後に、業務系アプリエンジニアに開発で多く使われている言語は、JavaやC、C++、C+などのC系言語です。その中でもJavaのアプリはOSなどの環境に左右されることなく安定した動作で、レスポンスも早いため信頼感が強く人気があります。
アプリ開発全般で言うと、開発を依頼する顧客の要望を的確にとらえ、顧客を納得させる企画力と提案力が必要です。常に最新の技術情報にアンテナを張り、色々な技術専門書を読むなどしてアイディアの引き出しを増やすことが重要になります。
年収
アプリエンジニアの平均年収は549万円で、一般的な正社員サラリーマンの年収が460~530万円なので若干高水準になっています。ただしアプリエンジニア全体としては320~881万円と幅が広く、スキルや経験によって差が開いているようです。
Webエンジニアとアプリケーションエンジニアの違い
Webエンジニアとアプリエンジニアの違いは以下の通りです。a
- WebエンジニアはWebシステムの開発、アプリエンジニアはアプリの開発に特化。
- Webエンジニアはフロントエンドかバックエンドかで、アプリエンジニアはアプリの稼働環境によって必要な言語が異なる
- Webエンジニアの平均年収は456万円、アプリエンジニアの平均年収は549万円
WebエンジニアはWebサイト全体の構築~保守、デザインなどを広く担当するエンジニアなのに対し、アプリエンジニアはWebのみならず企業のシステム内やスマホで動作するアプリケーションの開発全般になり、プロジェクトによって活躍する舞台に違いが出てきます。
そしてWebエンジニアとアプリエンジニアの平均年収を比べるとアプリエンジニアがやや高くなっていますが、近年需要が急増していることも理由の一つとして挙げられます。
逆にWebエンジニアでもより需要の高い開発言語をマスターしていれば、年収は平均よりも高くなる傾向にあります。
転職やスキルチェンジを考えたとき、自分がやりたい分野はあくまでもWeb上のものなのか、それともWeb上だけでなく色んな場面でのシステムの開発なのか熟考してから行動に移すことが大切です。
まとめ
Webエンジニアとアプリエンジニアの違いを、仕事の内容、必要なスキル、平均年収から解説しました。
一見するとほぼ同じように見えるWebエンジニアとアプリエンジニアですが、活躍する舞台や使用するプログラム言語、平均年収にもかなりの違いがあることがわかりますね。
この違いをよくわからないまま転職活動や学習を進めてしまうと、今後のキャリアプランをしっかり立てられずに頓挫してしまいます。
自分がなりたいエンジニアの方向性が決まったら、さっそく必要な言語の勉強も開始しましょう! 独学でも自分に合った参考書を選べばある程度はマスターできますが、短期間で即戦力を目指すのならプログラミングスクールでしっかり教えてもらうのがおすすめです。
この記事が、どんなエンジニアを目指すのか考える手助けになれば幸いです。