この記事では、年齢別の難易度も交え、未経験からシステムエンジニアに転職する方法を解説します。
未経験からシステムエンジニアに転職することは可能?
未経験からいきなりシステムエンジニアに転職するのはきつい?
IT産業の需要拡大にともない、システムエンジニアに興味を持つ人は増えています。しかし「未経験からシステムエンジニアへの転職はきつい」という声もあり、不安を抱えている人も多くいますよね。
そこで、この記事では未経験からシステムエンジニアになる方法を、必要なスキルや大切なポイントも交えて紹介します。この記事を読めば、システムエンジニアになるイメージが明確になりますよ。
- 未経験からでもシステムエンジニアへの転職は可能
- 20代と30代以降で転職のハードルは異なる
- 未経験からシステムエンジニアになるには計画的な行動が必須
未経験からシステムエンジニアへの転職は可能
結論から言えば、未経験者でもシステムエンジニアに転職することは可能です。ソフトウェアのもとになる仕様や設計をつくるシステムエンジニアは需要が高く、多くのIT企業が人材を求めています。
実際のところ「未経験OK」のシステムエンジニア求人は、求人検索エンジン「求人ボックス」にて35万件以上、「indeed」では7万件以上もヒット(2024年10月時点)。求人ボックスでは当日だけでも1万件を超える求人が追加されており、需要の高さがうかがえます。
AIの普及などによりIT人材の需要が高まっています。その一方で供給は追い付いておらず、人手不足に悩むIT企業が少なくありません。なかでもシステムエンジニアは需要が高いため、未経験でも必要とされやすいのです。
未経験者がいきなり活躍するのは困難
システムエンジニアへの転職をゴールとするなら、未経験でもチャンスはあるでしょう。しかし、あくまで転職までの話です。現実的には、未経験者がいきなりシステムエンジニアに転職しても、活躍するのは困難といえます。
なぜなら、システムエンジニアに必要なスキルを、すべて実務経験なしで身につけるのは難しいためです。未経験OKの求人なら、社内研修である程度は学べる場合がありますが、実務経験まではカバーしきれません。
高品質なプログラムを設計するうえで、システムエンジニアには実務レベルのプログラミングスキルが必要です。それ以外のスキル(詳細は後述)も、実務経験を通して得られるものが多いといえます。
また、システムエンジニアはチームを引っ張る立場となることが多く、責任を感じやすい仕事です。スキルも経験も不十分なまま重要な仕事を任されても、上手くいかずに心が折れてしまいかねません。
よってシステムエンジニアになるなら、まずはプログラマーとして現場で実務経験を積み、そこからキャリアアップするのが賢明です。実務経験がない点を独学だけでカバーすることは、現実的ではありません。
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未経験からでは「きつい」といった声もある
未経験からシステムエンジニアへの転職は「きつい」と言われることが少なくありません。その理由は、業務範囲の広さにあります。下記のように、システム開発に必要となるプロセス全般に関わることになるのです。
要件定義 | 顧客の要望をヒアリングして、業務のどの部分をシステム化するか、どんなシステムを作るのか、どんな機能が必要かを明確にする。 |
設計 | 要件定義をもとに、システムの実現方法を具体化する。たとえば、どのような機器構成がよいか、どのような画面構成にするか、どんな表示・操作にするかなど。 |
コーディング | 要件定義や設計の内容をもとに、システムを実現するためのプログラム(コード)を作成する。 |
テスト | 形になったシステムを実際に動かして、想定通りになっているか確認する。 |
運用・保守 | 完成したシステムを、顧客が稼働させるための支援を行う。必要に応じて、システムのアップデートや障害対応なども実施する。 |
システムエンジニアがメインで担当するのは、要件定義や設計といった「上流工程」です。しかし開発チームの状況によっては、コーディングやテストといった「下流工程」や、システム納品後の運用・保守も行うことになります。
未経験の人が、これらすべてを実務レベルでこなすことは現実的に難しいでしょう。また、顧客やチームメンバーとの円滑なやり取りも求められます。求められるレベルが高いために、未経験では「きつい」となってしまうのです。
ただし、未経験でも確かなスキルを身につけられれば、システムエンジニアとして活躍できる可能性があります。キャリアアップによって年収アップも狙えるため、難しくても目指す価値は十分ある仕事といえます。
システムエンジニアが「きつい」と言われる理由をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
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20代と30代以降では転職の難易度が変わる
未経験からシステムエンジニアへの転職を目指す場合、年齢も考慮すべきポイントです。特に、20代と30代以降では転職のハードルが変わることを知っておきましょう。
20代なら実務経験が少ないのが普通であり、それほど期待値が高くありません。伸びしろに期待されての「ポテンシャル採用」も十分あるでしょう。未経験OKの求人なら、社内研修で最低限のスキルを学べる場合もあります。
一方で、30代以上になると即戦力レベルを期待されることが多いです。30代、40代と年齢が上がるにつれて求められるレベルも上がり、転職のハードルは高くなります。年齢制限が設けられている求人も少なくありません。
このように、年齢が高い人ほど未経験からのシステムエンジニア転職は難しくなります。また、20代で転職できたとしても、必要なスキルがないと実務についていけず挫折するリスクがあります。
システムエンジニアとして成功したいなら、年齢にかかわらず未経験から脱却することを考えましょう。
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未経験からシステムエンジニアに転職する3つの方法
正しい方法を知らなければ、未経験からのシステムエンジニア転職は果たせません。そこで、ここからは未経験からシステムエンジニアに転職する方法を、3つにまとめて紹介します。
方法1:プログラマーからキャリアアップする
最も確実な方法は、まずプログラマーへ転職してからシステムエンジニアへキャリアアップすることです。プログラマーで実務経験を積み重ねることで、システムエンジニアになるための可能性を高められます。
プログラマーは、システムエンジニアがつくった仕様や設計をもとにプログラムを書く仕事です。システムエンジニアと比べて転職のハードルが低いため、未経験でも転職活動で挫折するリスクは低いといえます。
デメリットは、システムエンジニアになるまでに数年スパンで時間がかかることです。個人の適性や職場にもよりますが、早くても3~5年程度はかかるでしょう。スピードを重視するなら、別の方法を考える必要があります。
なお、プログラマーからキャリアアップする具体的な方法は、後ほど紹介します。
方法2:転職エージェントを利用する
いきなりシステムエンジニアを目指す場合は、エージェントが転職活動を支援する「転職エージェント」の利用も1つの選択肢です。転職エージェントなら、未経験でも成功しやすい求人を紹介してもらえる可能性があります。
「マイナビITエージェント」といった転職エージェントでは、書類添削や面接対策といった支援も受けられます。基本的には無料で利用できるため、転職活動に不安がある人は利用すると良いでしょう。
ただし、スキルの習得まではサポートしてもらえません。システムエンジニアへの転職後に活躍するためには、独学でスキルを身につけなければならないのがデメリットです。独学に不安がある場合は別の方法を考えましょう。
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方法3:転職支援のあるプログラミングスクールを活用する
スピード面で優れた方法は、転職支援のあるプログラミングスクールを利用することです。スキル習得から転職活動までをトータルサポートしてもらえるため、いきなりシステムエンジニアとして活躍できるチャンスもあります。
多くのスクールでは、現役エンジニアが学習をサポートします。不明点があってもすぐに質問できるため、挫折しにくいのがメリットです。
また、スクールの転職支援では書類添削や面接対策に加えて、スキルを証明できる「ポートフォリオ(詳細は後述)」の作成もサポートしてくれます。高品質なポートフォリオを活かすことで、転職成功がぐっと近づくでしょう。
デメリットは、独学と比べてコストがかかることです。ただし最近では、補助金を活用して大幅に受講費用をカットできるスクールも増えています。コストを抑えつつ短期間でシステムエンジニアになりたいなら、こうしたスクールの活用を考えるのもおすすめです。
なお、システムエンジニアへの転職を見据え、独学でスキル習得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
侍エンジニアでは、現役エンジニアから指導を受けつつ、転職活動のサポートが受けられます。転職活動に失敗したとしても、受講料が全額返金される「保証制度」もあるため、費用を無駄にする心配はありません。
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未経験からシステムエンジニアになるための7ステップ
未経験からシステムエンジニアになるなら、まずはプログラマーとして現場で実務経験を積むのが最も確実です。プログラマーを経てシステムエンジニアを目指す場合の手順として、次の7ステップをおすすめします。
- ステップ1:なりたいシステムエンジニア像を明確にする
- ステップ2:学ぶプログラミング言語を決める
- ステップ3:必要なスキルを身につける
- ステップ4:オリジナルのポートフォリオを作成する
- ステップ5:転職するための準備を行う
- ステップ6:転職したい求人に応募する
- ステップ7:実務経験を積みシステムエンジニアになる
1ステップずつ、順番に解説します。
ステップ1:なりたいシステムエンジニア像を明確にする
どんなシステムエンジニアを目指すか、なりたいSE像を明確にしましょう。そうすることで、モチベーションを維持しやすくなる上に、何を重点的に学ぶべきかも見えてきます。少なくとも、この2つは明確にすべきです。
- 業務形態(社内SE/客先SE/在宅SE)
- 開発分野(Web系/スマホ系/業務系/組み込み系など……)
システムエンジニアの業務形態は、大まかに3種類あります。所属企業内で働く「社内SE」、さまざまな企業に常駐働く「客先SE」、主に自宅で働く「在宅SE」です。
また、システムエンジニアが携わる開発分野も、Web系やスマホ系、業務系、組み込み系など多岐にわたります。どのような分野の開発を行いたいかも決めておきましょう。
ステップ2:学ぶプログラミング言語を決める
プログラマーを目指すなら、少なくとも1種類以上のプログラミング言語を扱えるスキルが求められます。プログラミング言語の種類はとても多いため、自分が学びたい言語をよく考えて決めましょう。
業務形態や開発分野が明確になると、それらに適したプログラミング言語がある程度は絞られます。その中でも言語によって習得難易度や需要、平均年収などが変わるため、しっかり比較して選ぶことが重要となります。
「1つの開発分野に絞りたくない」という場合は「Java」がおすすめです。Javaは習得難易度がやや高いものの汎用性がとても高く、需要も高いため転職先を探しやすいでしょう。
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ステップ3:必要なスキルを身につける
プログラミング言語を選んだら、必要なスキルを身につけるために学習を進めましょう。独学なら教材選びや学習計画、進捗管理まで自分で行う必要があります。
プログラミング言語の基礎学習はもちろん、実務でプログラムを書けるように実践学習も必要です。プログラミング以外にも、前述した必要スキルで不足しているものがあれば、参考書などで学びましょう。
また、自分が選んだ業務形態や開発分野に合わせた知識も身につける必要があります。たとえば、在宅SEならオンラインでやり取りするためのノウハウ、Web系ならネットワークやデータベースの知識が必要でしょう。
プログラミングスキル
「システムエンジニアにプログラミングスキルはいらない」という噂もありますが、そのようなことはありません。システムエンジニアが主に担当するのは上流工程ですが、プログラミングスキルは必要です。
下流工程のプログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書に沿ってコーディングします。プログラムを作ることまで十分に想定した設計書でないと、プログラマーが混乱したり、技術的な問題が後から判明したりすることも。
実現性の高いプログラムを設計するためには、システムエンジニアがプログラムについて熟知している必要があるのです。コーディングを手伝うことになる場合もあるため、プログラムを実際に書くスキルも必要となります。
なお、プログラミングの世界には何百種類もの言語が存在し、開発現場に合わせた言語のスキルが必要です。システムエンジニアにおすすめのプログラミング言語を知りたい人は、次の記事をお読みください。
コミュニケーションスキル
「ITエンジニアにはコミュニケーションスキルが不要」と思われがちですが、そのようなことはありません。ITエンジニアには開発チームとのやり取りが欠かせないため、コミュニケーションスキルが必須です。
特に、社内外の人と関わるシステムエンジニアにとっては、より重要なスキルとなります。プログラマーやテスター(テスト担当者)のフォローはもちろん、顧客とのシステムに関する認識合わせも大切な役割です。
顧客と情報交換しながら認識の差異をなくし、システムのあるべき姿を明確にしていきます。双方向のコミュニケーションが上手く行えないと、顧客が本当に求めるシステムの仕様にはたどり着きません。
誤解なくスムーズに相手と意思疎通するために、コミュニケーションスキルが欠かせないのです。
マネジメントスキル
システムエンジニアがチームを成功に導く上で、マネジメントスキルも重要となります。
システム開発のプロジェクトには、必ず納期があります。納期までにシステムを納品するためには、システムエンジニアがメンバーの作業進捗をしっかり管理できなければなりません。
また、プロジェクトで問題が発生した時には率先して解決にあたったり、顧客と交渉したりするのもシステムエンジニアの役割です。自分のことだけではなく、チーム全体を見て動ける能力が求められます。
論理的思考能力
ハイクオリティな要件定義や設計を実現するためには、「論理的思考能力」も必要です。論理的思考能力とは、筋道を立てて論理的に物事を考えるスキルのこと。
システムの構想を練るとき、顧客に言われたことをただシステムに入れるだけでは、うまく行きません。性能やコストなど多くの要素を考慮して、最適なシステムとして練り上げる必要があります。
そこで論理的思考能力があれば、複雑に絡み合う要素を論理的に整理して考えられます。その結果、無駄や矛盾のない良質なシステムの構想を練ることが可能となるのです。
また、下の記事ではシステムエンジニアに必要なスキルを習得する方法も交えて解説しているので、あわせて参考にしてください。
ステップ4:オリジナルのポートフォリオを作成する
未経験からプログラマーになるなら、オリジナルの「ポートフォリオ」を作成しましょう。ポートフォリオとは、自分のスキルや経験をアピールするためのプログラム作品集や資料のことです。
「スキルを身につけました」と主張しても、実務未経験では説得力がありません。その点、独自性の高い良質なポートフォリオがあれば、IT企業にわかりやすくアピールできます。
身につけたプログラミングスキルをフル活用しつつ、前述した開発プロセスに沿ってポートフォリオの作成を進めましょう。「何を作るか」から自分で考えて、既存サービスの模倣にとどまらないプログラムを作成してください。
Web系言語ならWebサイト、それ以外の言語ならパソコンで動かせるアプリがおすすめ。複雑な環境構築が必要なポートフォリオだと、採用担当者に見てもらえない場合があるため注意が必要です。
エンジニア向けポートフォリオの作り方を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
ステップ5:転職するための準備を行う
転職に向けて、ポートフォリオ以外にも下記3つの準備を行いましょう。なお、前述の転職エージェントや転職支援のあるスクールを活用すれば、これらの準備をサポートしてくれます。
- 求人探し
- 職務経歴書作成
- 面接対策
まずは、自分のスキルに合った求人を探します。未経験なら、いくつかの候補を決めておきましょう。求人探しには「Forkwell Jobs」のように、IT系に特化した求人サイトがおすすめです。
応募したい求人が決まったら、職務経歴書の作成や面接対策も行いましょう。職務経歴書には、自分のスキルや経験をできる限り詳細に記載することが大切です。
面接の受け答えは、ある程度は使い回せるようにパターン化しても問題ありません。ただし志望動機などは、応募する企業に合わせて最適な受け答えを考えておきましょう。以降では、おすすめの求人サイトを紹介します。
マイナビIT AGENT
「マイナビIT AGENT」は、IT・Webエンジニアに特化した転職エージェント・求人サイトです。非公開求人が豊富にあり、他のサービスでは扱っていない仕事に出会える魅力があります。
転職エージェントとして利用する場合、専属のキャリアアドバイザーが丁寧にサポートしてくれるため、未経験でも安心です。自分の強みを活かした自己PRの提案から、採用担当者との交渉まで幅広いサポートが受けられます。
求人サイトとして利用する場合、「社内SE」といった細かい職種で絞り込んで探せるのが魅力です。職種ごとのメリットやポイントも紹介しているため、あわせて参考にすると良いでしょう。
セルプロモート
「セルプロモート」は、システムエンジニアといったITエンジニアへの就職・転職を支援する20代・未経験向けのエージェントサービスです。
履歴書・職務経歴書の作成や面接対策など、これまで2万1,000名以上をサポートしてきたキャリアアドバイザーから就業に必要な準備を包括的にサポートしてもらえます。中小やベンチャー企業・大手企業など、条件に適した就業先を紹介してくれるため、紹介企業とのミスマッチが起こる心配はありません。
また、就業支援だけでなくITエンジニアに必要なスキルの習得をサポートしてくれるのも、セルフプロモートの大きな特徴です。ITの知見がない未経験者でも就業活動と並行しながら、2ヶ月で実務を想定したスキルが身につけられます。
セルプロモートは、就業支援を受けながらITエンジニアに必要なスキルを習得したい人におすすめです。
社内SE転職ナビ
「社内SE転職ナビ」はその名の通り、企業の情報システム部門に所属して働く「社内SE」に特化した転職エージェント・求人サイトです。社内SEは勤務場所が変わらずに済む、残業が比較的少ないなどの魅力があります。
転職エージェント・求人サイトを問わず、Web系や業務系といった幅広い社内SE求人を探せるのが強みです。オンライン面談も受けられるため、社内SEを目指す人は気軽に利用してみると良いでしょう。
WORKPORT
「WORKPORT」は、IT業界に限らず幅広く使える転職エージェント・求人サイトです。転職決定人数ナンバー1の実績(2023年9月時点)があり、転職エージェントなら専属のコンシェルジュが丁寧にサポートしてくれます。
求人サイトとして使う場合、職種や勤務地、年齢など細かい条件で探せるのが魅力です。未経験者向けの求人を多く扱っているため、別業種からの転職にも適しています。
無料の書類作成ツールも提供しているため、有効活用すると良いでしょう。
ステップ6:転職したい求人に応募する
転職の準備ができたら、転職したいプログラマーの求人に応募しましょう。
未経験だと1社で決まる確率は高くないため、現実的には複数の求人に応募するのが賢明です。ただし、同時に応募する求人を増やしすぎると、1社あたりに費やせる時間が減るため注意してください。
自分だけで転職活動する場合、上手くいかないこともあるでしょう。不採用だったとしても、失敗の原因を振り返って次の採用選考に活かすことが大切です。
ステップ7:実務経験を積みシステムエンジニアになる
IT企業から内定がもらえたら、プログラマーとして実務経験を積んでいきましょう。
システムエンジニアへのキャリアアップは一朝一夕にはいかず、前述のように早くても数年はかかると考えてください。長い道のりですが、システムエンジニアを見据えて着実にスキル・実績を重ねていくことが大切です。
「少しでも早くシステムエンジニアになりたい」という人には、次に紹介するキャリアアップのポイントが役に立ちます。
未経験からシステムエンジニアになるためのポイント4つ
プログラマーからキャリアアップを目指す場合でも、いきなりシステムエンジニアを目指す場合でも、ポイントを押さえることが大切です。少しでも早くシステムエンジニアになりたいなら、下記のポイントを押さえましょう。
それぞれについて、詳しく解説します。
ポイント1:志望動機を明確にする
システムエンジニアやプログラマーの求人面接では、高確率で志望動機を聞かれます。しっかり答えられるように、志望動機を明確にしましょう。面接官の印象アップはもちろん、キャリアアップへのモチベーションにもなります。
特に、未経験からシステムエンジニアをいきなり目指すのはマイナーです。面接では、必ずと言っていいほど「なぜ目指そうと思ったのか」を質問されるでしょう。上手く回答できないと、面接官の印象を悪くしてしまいます。
そのため、志望動機を明確にするだけでなく、スムーズにアウトプットできるように練習しましょう。また前述のとおり、応募する企業に合わせて志望動機の受け答え内容を調整することも大切です。
志望動機の書き方を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
ポイント2:資格を取得してスキルを証明する
キャリアアップにつながりやすい資格を取得するのがおすすめです。
資格があるとスキルを客観的に証明できるため、社内評価アップが期待できます。社内評価を高めることで、キャリアアップのチャンスが増えるでしょう。IT企業によっては、資格手当がもらえる場合もあります。
システムエンジニアにおすすめの資格は、大まかに次の2種類です。
- 情報処理技術者試験
- ベンダー資格
「情報処理技術者試験」は、IT系の幅広い知識・スキルを証明できる資格です。国家資格のため知名度が高く、システムエンジニアに求められる豊富な知識のアピールにつながりやすいでしょう。
「ベンダー資格」とは、IT製品・サービスを提供する企業(ベンダー)が運営・認定する資格のことです。開発現場で使われるIT製品・サービスのベンダー資格を取得することで、実務的なスキルを証明できます。
たとえばネットワーク機器を扱う現場なら、シスコシステムズ社が認定する「シスコ技術者認定」がおすすめです。システムエンジニアにおすすめの資格を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
ポイント3:プログラミング以外のスキルもアピールする
プログラミングスキルは高くても、ほかのスキルが不足していればシステムエンジニアは務まりません。上流工程も任せてもらえるように、プログラミング以外のスキルが高いこともアピールしましょう。
特に、人と関わるコミュニケーションスキルやマネジメントスキルは重要です。下記のような点に気をつけて、これらのスキルに問題がないことを示しましょう。
- 報告・連絡・相談をおろそかにしない
- 自分はもちろん、チーム全体の状況もしっかり把握する
- 困っているチームメンバーへ積極的に働きかける
システムエンジニアは開発チームをまとめる役割のため、プログラミング以外のスキルも重要となるのです。
ポイント4:先輩SEから上流工程を学ぶ
プログラマーとして開発チームで働くなら、先輩SEが近くにいるはずです。先輩SEの働きぶりを見て、上流工程を積極的に学びましょう。
システムエンジニアが主に担当する上流工程のコツは、座学だけでは自分の中に定着しません。「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、実際に目で見て学べることのほうが大きいのです。
できるなら、顧客との打ち合わせにサポート役として参加させてもらうのも良いでしょう。提案したり交渉したりするときのコツがわかり、システムエンジニアに向けての大きな学びになります。
目指す前に確認すべきシステムエンジニアの基礎知識
ここからは、次のトピック別で、目指す前におさえておきたいシステムエンジニアの基礎知識を紹介します。
仕事内容
システムエンジニア(SE)は、システム開発の上流工程を中心に幅広い業務を担当します。主な仕事は、次のとおりです。
上流工程 | 1.要件分析/要件定義 2.外部設計 3.内部設計 4.レビュー |
下流工程 | 5.実装 6.テスト 7.保守/運用 |
上記のように、システムエンジニアにはシステム全体の設計から開発プロジェクトの管理まで、幅広い視点と専門知識が求められます。システムエンジニアの仕事内容をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
平均年収
求人検索エンジン「求人ボックス」が公開している給料ナビによると、システムエンジニアの平均年収は約494万円です(2024年10月時点)。
国税庁が公表している日本全体の平均年収(令和3年時点)が約443万円であることを考えれば、かなり高水準です。
もちろん、スキルや転職先によっても年収は大きく前後しますが、年収800万円を超える高収入な人もいます。システムエンジニアは、収入アップを狙えるチャンスが多い仕事といえるでしょう。
需要・将来性
求人ボックスで「システムエンジニア」と検索すると、2024年10月現在、91万件を超える求人がヒットします。システムエンジニアの需要はとても高いことがわかります。
今ではSNSやスマホアプリなど、生活のいたるところにプログラムの存在があります。プログラムがなければ暮らしが成り立たないといっても過言ではありません。
こうしたプログラムを作るうえで欠かせない要件定義や設計を担うのが、システムエンジニアです。十分な数のプログラマーがいたとしても、システムエンジニアがいなければ高品質なプログラムは開発できません。
IT業界全体で深刻化する人材不足も相まって、システムエンジニアの需要はさらに高まると予想されます。確かなスキルさえあれば仕事探しに困ることはまずなく、システムエンジニアは将来性の高い仕事といえるでしょう。
システムエンジニアの将来性についてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
未経験からシステムエンジニアを目指す人によくある質問
最後に、未経験の人が抱えがちな4つの疑問に対して、順番に回答していきます。
- Q1:システムエンジニア以外のキャリアも考えるべき?
- Q2:システムエンジニアは在宅ワークも可能?
- Q3:女性でもシステムエンジニアになれる?
Q1:システムエンジニア以外のキャリアも考えるべき?
システムエンジニアは、プログラマーからのキャリアアップでなるケースが多い仕事です。そのため、まずはプログラマーを目指すのが最も確実でしょう。いきなりシステムエンジニアを目指すなら、当然ハードルは上がります。
またIT業界には、システムエンジニアやプログラマー以外にも、さまざまなキャリアがあります。どのキャリアに進むべきか迷っている人は「ITキャリア診断」をお試しください。
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Q2:システムエンジニアは在宅ワークも可能?
システムエンジニアは在宅ワークも可能です。最近のテレワーク普及もあって、在宅ワークが可能なシステムエンジニアの求人も増えています。
ただし、当然ながら必ずしも在宅ワークが可能なわけではありません。顧客が社外での作業を許可しないケースも多いため、求人を選ぶ際には在宅ワークの可否をチェックしましょう。
また、在宅ワークが可能な案件だとしても、現地調査等で必要に応じて出社できるよう、通勤可能圏内へ居住していることが必要な場合もあります。
Q3:女性でもシステムエンジニアになれる?
女性でもシステムエンジニアになることは可能です。2020年の「情報サービス産業 基本統計調査」によると、ITエンジニアのうち約21%は女性となっています。
「ITエンジニア」の中には、少なからずシステムエンジニアも含まれます。男性よりは割合として少ないものの、活躍している女性のシステムエンジニアも確かにいるのです。
女性がシステムエンジニアとして働くメリットやデメリットを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
今回は、未経験からシステムエンジニアを目指す人向けに、この8点についてお伝えしました。
システムエンジニアは収入アップが狙いやすく、需要も高い魅力的な仕事です。しかし、未経験から目指すにはハードルが高い仕事でもあるため、今回の内容をしっかり頭に入れてチャレンジしましょう。
挫折しないか不安な人には、プログラミングスクールや転職エージェントの利用をおすすめします。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
ITエンジニア
【プロフィール】
大日本印刷株式会社にて、伝送システム基盤の構築や設計効率化システムの開発、伝送サーバーの更改・エアギャップ環境とインターネット環境間のデータ伝送システム開発に従事。日本成令株式会社では代表取締役として経営を担う傍ら、自らもITエンジニアとして現場で活躍。仮想サーバの運用スクリプト開発やDX推進コンテナ基盤の開発・運用・保守に従事。自社開発や受託開発では資産運用自動化システム開発も担当。
【専門分野】
システム、インフラ、ネットワーク、サーバー、セキュリティ、PM
【保有資格】
・応用情報技術者試験
・情報セキュリティマネジメント試験
【専門書や研究論文の執筆経験】
コンテンツオリエンテッドネットワークにおけるWebサーバーの負荷分散手法の提案(2013年度情報処理学会関西支部 支部大会)
【テクノロジー会議やセミナーでの講演経験】
大手外資総合系コンサル会社、官公庁、中小企業にてExcel研修の講師を経験