システムエンジニアとして働くメリット・デメリットは?
システムエンジニアは独立しやすいの?
経済産業省の調査では、2030年にIT業界で51万人のエンジニアの人材が不足すると発表されています。
そして、こういった背景からエンジニアのなかでも基盤となるシステムを設計するシステムエンジニアのスキルがあれば、仕事がなくなることはないと言われています。
ただ、日経XTECH ACTIVEの調べでは、現役システムエンジニアの69%が転職したいと考えていることもわかっているのです。
勤めていれば仕事を失うリスクの少ないシステムエンジニアという仕事で、何故こんなにも転職を希望している人材が多いのか?
それは、働く前にシステムエンジニアとして働くデメリットを知らなかったからではないでしょうか。
この記事ではシステムエンジニアとして働くメリット・デメリットを解説していきます。どれだけエンジニアとしてのスキルを身に着けても、自分に向いていない仕事であれば長続きしません。
システムエンジニアとして働くメリット・デメリットを事前に詳しく知って、自分に合っている仕事なのかを見極めていきましょう。システムエンジニアという仕事に興味を持っている方は、是非最後までお読みください。
システムエンジニアとは
システムエンジニアは、エンジニアのなかでも主に上流工程を担当するエンジニアです。上流工程とは、要件定義、設計、開発、テストという開発の流れのなかで要件定義と設計の部分のことを言います。
要件定義とは、クライアントから作りたいシステムの概要を聞き、意図を汲み取ることです。この際に、新しい提案や必要な工程とそれにかかる予算の話もします。
そして、この要件定義をもとに必要な人員の確保やスケジュールを設定するのが設計の段階です。
このように、システムエンジニアはクライアントと下流工程を担当するプログラマーやWebデザイナーなどのエンジニアを繋ぐパイプ役を担うことが多いです。
では、そんなシステムエンジニアとして働くことには、どんなメリットがあるのでしょうか。
システムエンジニアのメリット
システムエンジニアとして働くメリットは以下の3つです。
- さまざまなスキルを身につけられる
- やりがいを感じられる
- 実績を活かして独立しやすい
では、それぞれ詳しく解説していきます。
さまざまなスキルを身につけられる
システム開発の基盤を担うシステムエンジニアとして働くことで、プログラミングやシステムに関するスキルだけでなく、以下2つのスキルも身につけられます。
- コミュニケーションスキル
- マネジメントスキル
では、それぞれ詳しく解説していきます。
コミュニケーションスキル
システム構築を依頼するクライアント側は、プログラミングやシステムに関しては素人のことも多いです。システムエンジニアはそういったクライアントにシステム化によって何ができるか、メリットがあるかをわかりやすく説明する必要があります。
そして、その際に培われるのがコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力です。
マネジメントスキル
クライアントと話がまとまったら、設計したシステムをチームメンバーのプログラマーに伝達して、納期と照らし合わせて開発のスケジュールを組み立てます。この際にチームメンバーをマネジメントする能力が必要になります。
コミュニケーション能力やマネジメント能力を持つ人材はIT企業以外でも重宝されます。そのため、もしシステムエンジニアから転職することになっても、営業職やマネージャーとしてシステムエンジニアの時の経験を活かせます。
他の職業でも活かせる能力を身につけながら仕事ができるというのは、システムエンジニアのメリットですね。
やりがいが感じられる
システムエンジニアとして働いているとやりがいを感じられる瞬間がたくさんあります。例えば、以下の2つです。
- クライアントから直接感謝される
- 様々なシステムを手掛けられる
クライアントから直接感謝される
クライアントやチームメンバーと直接コミュニケーションを取ることの多いシステムエンジニアは、仕事が終わった後に、クライアントから「あなたに依頼して良かった」「次もあなたに頼むよ!」といった感謝を伝えられることがあります。
人付き合いが好きな人や、仕事を通して人から感謝されたい人はやりがいを感じられる瞬間ですよね。
様々なシステムを手掛けられる
現代でシステムを導入していないという企業はほとんどありません。そのため、システムエンジニアはIT企業だけでなく、銀行や水道会社などのインフラを支える企業のシステムを担当することも、食品メーカーなどのシステムを担当することもできます。
様々な企業のシステムを作っているという意識を持てるのも、やりがいに繋がります。通販サイトなど、私生活に関わるシステムを手掛けることがあると、私生活でも自分の作ったシステムを見かけたり、利用することもあるかもしれません。
私生活で自分が作ったシステムが実際に使われているのを見る機会があると、嬉しいですよね。
実績を活かして独立しやすい
エンジニアが独立してフリーランスになった際に重要なのが人脈です。クライアントや、チームメンバーと信頼関係を築きやすいシステムエンジニアはその人脈を生かして独立がしやすいです。
人脈と信頼関係があれば、フリーランスになった際にクラウドソージングサイト等で請け負える案件などを探さなくても、それまでの繋がりから仕事を請け負えます。また、システムを作るプロであるシステムエンジニアは、多くの会社から常に求められています。
そのため、ある程度スキルと実績があれば、請け負える仕事が全くなくなってしまうなんてことは起こらないでしょう。
では、このようなメリットのあるシステムエンジニアには、どんなデメリットがあるのかを次項で解説します。
システムエンジニアのデメリット
システムエンジニアには以下3つのデメリットがあります。
- 業務過多
- 求められるスキルが多い
- 常にプレッシャーを感じる
では、それぞれ詳しく解説していきます。
業務過多
システムエンジニアは主に上流工程を担当しますが、開発やテスト等も含めた開発の全体的な工程に関わることもあります。そうなると仕事の量が多くなってしまい、残業や休日出勤が多くなりがちです。
やりがいを感じられる仕事ではありますが、残業や休日出勤をしなければならないのはデメリットですね。そして、どれだけエンジニアとしてのスキルがあってもチームメンバーへの指示などのコミュニケーションがうまくできないと効率良く仕事を進めることはできません。
システムエンジニアが残業や休日出勤を減らしたいのであればスキルはもちろん、チームメンバーとの信頼関係を築くことが重要です。
求められるスキルが多い
システムエンジニアは、エンジニアとしてのスキルアップが目指せる分、仕事内容が多く、それに伴って求められるスキルも多いです。
特に、求められるコミュニケーション能力は営業職に近く、クライアントとの交渉などをする必要もあります。それに加えてエンジニアとしての設計、プログラミング、ドキュメント作成などのスキルも必要です。
このように求められるスキルが多いため、常に学習を続けなければいけません。
常にプレッシャーを感じる
開発の基盤に関わり、チームを管理するシステムエンジニアは、常に納期や結果というプレッシャーに追われることになります。
また、システムエンジニアが担当する開発の上流工程が上手くいかなければ、どれだけ下流工程で頑張ろうとプロジェクトは失敗することが多いです。
なぜなら、システムエンジニアが設計するシステムの根幹がクライアントの意図に沿っていなければ、クライアントに満足してもらうことはできないからです。そのためシステムエンジニアが担当する工程は常に失敗の許されない仕事になります。
プレッシャーに弱い人であれば、継続して働くのは難しいでしょう。
女性がシステムエンジニアとして働くメリットとは
システムエンジニアとしての業務内容は女性と男性で違いはありません。そのため、女性がシステムエンジニアとして働く場合でも前述したように、常に納期に追われ、忙しい時には深夜まで残業、休日出勤も当たり前のようにしなければなりません。
ただ、システムエンジニアは基本的にスキルで評価が決まるため、性別に関係なく、スキルがあればどんどんキャリアアップが目指せます。
また、システムエンジニアとしてのスキルを身に着けることで、子供が生まれたときなど、家から離れられないようになった際には、フリーランスとして仕事を請け負って在宅で働けます。
子供の面倒を見ながら家で仕事ができるというのは、結婚に伴って休職や退職をすることも多い女性にとって大きなメリットでしょう。
システムエンジニアは大変な仕事ですが、将来的に在宅で働きたい、子供ができてからも仕事を続けたいという女性の方にはオススメの職種です。
まとめ
この記事では、システムエンジニアのメリット・デメリットについて解説しました。
システムエンジニアとして働くのは大変なことも多いでしょうが、その分やりがいを感じられる部分も多いです。今の自分の仕事にやりがいを感じていないという人は、まずは自分がどんな仕事にやりがいを感じるのかを考えてみましょう。
システムエンジニアに転職したい理由が「今の仕事は残業が多い」などであれば、システムエンジニアになることで余計に残業が増える可能性もあります。
この記事でシステムエンジニアのメリット・デメリットを知って、今後の自分のキャリアを考えてみてください。