この記事では、求人例も交え、未経験からPythonエンジニアに転職する方法を解説します。
未経験からでもPythonエンジニアに転職できるの?
Pythonは転職に有利なプログラミング言語なの?
国内におけるIT人材の不足が深刻化していることもあり、ITエンジニアといったプログラミングスキルがある人材の需要は増し、他の職種に比べ高い報酬を設けるケースが増えてきました。
そんななか、ITエンジニアへの転職に向け、プログラミングを学びたいと考える人は多いですよね。
特に、Pythonは国外を問わず人気が高いプログラミング言語のため、習得したい人は多いでしょう。
大前提として、未経験からでもPythonを習得しITエンジニアに転職するのは可能です。ただ、どうすれば実現できるのかイメージが湧かない人もいるはず。
そこで、本記事では未経験からPythonエンジニアに転職する方法を、具体的な手順も交えて解説します。未経験から応募可能なPythonエンジニアへの求人例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
本記事を読む前に、そもそもPythonとはどんなプログラミング言語なのか、その特徴をおさらいしておきたい人は次の記事を参考にしてください。
- Pythonエンジニアは需要が高く未経験でも目指しやすい
- 転職の可能性や求人の選択肢を広げるなら、未経験でもしっかりスキルを積むべき
- 効率性の高さから、エージェントやスクール経由での転職もおすすめ
未経験からでもPythonエンジニアへの転職は可能
冒頭で述べたとおり、未経験からでもPythonエンジニアへの転職は可能です。理由としては、需要の高いPythonの仕事は豊富にあり、未経験OKの求人もそれなりに存在する点が挙げられます。
事実、次のように求人サイトには未経験からPythonエンジニアを募集する求人が掲載されています。
仕事内容 | Pythonを使用した開発(機械学習システムの構築/改善)業務 |
年収 | 240~420万円 |
勤務時間 | 固定時間制/土日祝休み |
勤務地 | 大阪府大阪市 |
上記の求人はいずれも正社員雇用であり、Pythonでプログラムを開発する仕事です。未経験OKの求人が存在する以上、性別や年齢、経歴、学習・開発経験に関係なく、未経験でもPythonエンジニアへの転職は可能といえます。
なお、ITエンジニアに興味はあるものの、どの職種が自分にあうのかわからない人もいますよね。そんな人は「ITキャリア診断」をお試しください。
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未経験者が応募できる求人の母数は少ない
ただし、未経験者が応募できるPythonエンジニアの求人は母数が多くありません。求人検索エンジン「求人ボックス」における未経験OKの求人数は、Pythonエンジニア全体の求人数に対して約3割にとどまります(2024年2月時点)。
Pythonエンジニアの求人数 | 全体:4万1,552件 未経験OKのみ:1万3,934件 |
「それでも求人数は1万件以上もある」と感じた人もいるでしょう。しかし、安心はできません。
未経験OKの求人は、厳密にいえば「実務未経験者でもOK」という意味です。実務でなくとも、年単位の開発経験が求められるケースは少なくありません。勤務地などの条件も踏まえると、未経験で応募できる求人は限られるでしょう。
また、求人ボックスの求人数はさまざまな求人サイトのデータを集約したものです。実際のところ求人サイトによっては、未経験OKのPythonエンジニアの求人がほとんど存在しないケースもあります。
未経験者が応募できるPythonエンジニアの求人は限られる点は、事前におさえておきましょう。
学習経験や保有資格があれば応募可能な求人数は増える
Pythonの学習経験や、スキルを証明できる資格があれば、未経験者でも応募可能な求人数は増えます。そのため、未経験からPythonエンジニアを目指すならPythonの学習経験を積み、資格を取得すると良いでしょう。
例えば、次の求人は実務未経験者でも応募は可能なものの、学習経験者や資格保有者であることを必須条件としています。
応募条件 | ・情報系学部出身者の方 ・プログラミングスクールでの学習経験(言語不問) ・独学で言語学習をされた方(言語不問) ・職業訓練校で言語学習をされた方(言語不問) |
仕事内容 | ・AIを使った画像音声認識と生成などのAIエンジニア職 ・ビッグデータの解析/統計分析といったデータサイエンティスト職 ・ロボットの機能開発/機械学習を担うIoTエンジニア職 |
年収 | 350~700万円 |
勤務時間 | 完全週休2日制/土日祝休み |
勤務地 | 中国エリア |
備考 | ・1ヶ月のPython研修あり ・3ヶ月の試用期間あり |
先ほど紹介した無条件の未経験求人と比べたときの違いは、いずれも入社後の社内研修があることです。「社内研修があるなら完全未経験でも良いのでは」と思った人もいるでしょう。しかし、それは正しくありません。
まったくのPython未経験者を相手に研修をするのでは、企業の育成コストが高くなってしまいます。そのため、こうした社内研修は、ある程度Pythonに関して経験や知識を持っている受講者を対象とすることが多いのです。
Pythonエンジニアを求める企業の多くは、育成コストがあまりかからない人材を求めています。Pythonに関する経験や知識を証明できれば、そのような企業に応募するチャンスが生まれるのです。
なお、ITエンジニアへの就業に向けどの言語が自分にあうのか、どう学習を進めればいいのかなどがあいまいな人は「プログラミング学習プラン診断」をお試しください。
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年齢が増せば未経験からの転職難易度は高くなる
年齢が増すほど未経験からPythonエンジニアへの転職難易度は増す傾向にあります。求人によっては応募条件に年齢制限を設けており、年齢が高いほど選択肢が少なくなるためです。
実際のところ、これまで紹介した求人の一部にも「35歳未満」といった年齢制限がありました。年齢制限を設ける理由は企業によりますが、やはり将来の伸びしろの大きさを考えると、若いほうが有利なのは否めません。
とはいえ、IT企業は実力を重視するケースが多いため、実力があれば若くなくても転職のチャンスはあります。年齢とともに転職難易度が高くなることは知っておきましょう。
なお、下の記事では転職や副業に向けたプログラミング習得に年齢の限界や制限はあるのか、その是非を詳しく解説しているので良ければ参考にしてください。
→ プログラミングに年齢の制限・限界はある?転職や副業への活用法も紹介
なお、ITエンジニアへの就職・転職を見据え、独学でPythonを習得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
侍エンジニアでは、現役エンジニアから指導を受けつつ、就業活動のサポートが受けられます。
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Pythonが未経験からのITエンジニア転職に適している3つの理由
Pythonは未経験からITエンジニア転職を目指す人にとって、適したプログラミング言語といえます。ここからは、Pythonが未経験からのITエンジニア転職に適している理由を、3つにまとめて紹介します。
Pythonの求人数は増加傾向にある
近年、Pythonの求人数は増加傾向のため、未経験からのITエンジニア転職がしやすくなっています。
求人ボックスによると、2024年2月時点でPythonエンジニアの平均求人数は6万6,623件となっており、非常に高い水準です。この1年の求人数トレンドを見ても、全体として増加傾向にあることがわかります。
求人数が増えている大きな理由は、AI(人工知能)の開発といった先端技術分野での需要増加です。特に2023年には、「ChatGPT」をはじめとする生成AIが普及し、その開発で人気の高いPythonの需要はぐっと上がりました。
また、Pythonの利用用途が幅広いことも理由の1つでしょう。実際、求人ボックスのPython案件にはデータ分析やAI関連だけでなく、Webアプリケーション開発や医療システム構築などさまざまなものがあります。
求人が多いということは、Pythonエンジニアが足りていない状況を意味します。だからこそ、未経験の人でも十分採用されるチャンスがあるのです。
なお、次の記事ではPythonの需要や将来性を詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
→ Pythonは時代遅れ?現在の需要から今後の将来性を徹底予測
Pythonは未経験からでも習得しやすい
Pythonは未経験からでも比較的習得しやすいため、ITエンジニア転職に必要なスキル習得を実現しやすいのです。
習得難易度の高い言語を選択すると理解が難しく、途中で挫折してしまうリスクが高くなります。そうなれば、ITエンジニア転職の土俵にさえ上がれません。そのため、未経験者は習得しやすい言語を選ぶほうが確実です。
また、何か1つ言語を習得しておくと、それを土台にほかの言語も理解しやすくなります。そういった意味でも、最初はPythonから学習するのがおすすめです。
Pythonが未経験からでも習得しやすい具体的な理由としては、次のようなものが挙げられます。
- 文法がシンプル
- 開発を効率化するツールが豊富
- エラーメッセージがわかりやすい
例として、プログラミング学習では定番の「Hello World!」とコンソールに表示するプログラムを、PythonとJavaで比較してみましょう。
Javaの場合
public class HelloWorld { public static void main(String[] args) { System.out.println("Hello World!"); } }
Pythonの場合
print("Hello World!")
Pythonを学習する手段が豊富
Pythonは学習手段が豊富なため、未経験からのITエンジニア転職において好都合です。Pythonには30年以上の歴史があり、多くのITエンジニアによって知識が整理されてきました。そのため、次のような学習手段が豊富です。
Pythonを学べる書籍や学習サイト、プログラミングスクールは多数あります。それぞれの学習手段にメリット・デメリットがあるため、自分にあったものを選びましょう。
書籍や学習サイトであれば手軽に学習を始められますが、独学には挫折しやすいデメリットがあります。独学が不安な人には、手厚いサポートを受けられるプログラミングスクールがおすすめです。
ただし、プログラミングスクールの場合、最初にある程度の費用がかかります。少しでも費用をおさえたい人は給付金や補助金が活用できるスクールを選ぶことで、経済的な負担を減らすと良いでしょう。
なお、ITエンジニアへの転職を見据えPythonを学びたい人は受講料の最大70%が給付される侍エンジニアの「Webエンジニア転職保証コース」がおすすめです。本コースでは、金銭面での支援を受けつつ、Pythonの習得から転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。
※1:転職後の1年間、転職先での継続的な就業や転職に伴う賃金上昇などのフォローアップ
また、仮に転職活動で内定が獲得できない場合でも受講料を全額返金してもらえる「保証制度」が適用されるため、スクールにかけた費用を無駄にする心配はありません。
学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してITエンジニアへの転職が実現できますよ。
次の記事では、おすすめ学習サイトも交えPythonの学習手順を詳しく紹介しているので、よければ参考にしてください。
→ Python学習の全て!基本的な勉強の流れとおすすめの無料サイト7選
未経験からPythonエンジニアに転職する3つの方法
ここからは、未経験からPythonエンジニアに転職する方法を、3つにまとめて紹介します。
1.未経験者OKの転職求人に応募する
未経験者OKの求人から転職するメリット | ・自分のペースで転職活動が行える ・トレーニングや研修を通して成長できる |
未経験者OKの求人から転職するデメリット | ・自分で求人を探す手間がかかる ・給与や待遇面で不利な場合がある |
自分で未経験OKの転職求人を探して応募する方法です。前述のとおり、求人ボックスなどで検索すれば未経験OKのPythonエンジニアの求人がそれなりにヒットします。
自分のペースで転職活動が行えますが、基本的に自分だけで内定を勝ち取らなければなりません。また、未経験では労働条件が不利になる場合もあるため、万全の対策が必要です。
→ 今すぐ未経験からPythonエンジニアへ転職する具体的な手順をチェックする
2.プログラミングスクール経由で転職する
プログラミングスクール経由で転職するメリット | ・独学で勉強するよりも、挫折しにくい ・短期間で効率よくスキルアップを目指せる |
プログラミングスクール経由で転職するデメリット | ・受講費用がかかる |
プログラミングスクールを利用して転職する方法もあります。短期集中でスキルアップを狙える上に、不明点や問題点があってもプロの講師に質問して早期解決できるため、挫折しにくいのが特徴です。
スクールを利用する場合は、就職/転職活動も含めてサポートしてくれるスクールをおすすめします。また、独学と比べると費用はかかりやすいため、前述した侍エンジニアの「Webエンジニア転職保証コース」といった、給付金が活用できるスクールを選ぶと良いでしょう。
3.エージェントサービス経由で転職する
エージェントサービス経由で転職するメリット | ・希望を伝えると、自分の代わりに求人を探してくれる ・面接の取りつけや書類提出などの雑務を代わりに行ってくれる |
エージェントサービス経由で転職するデメリット | ・自分のペースで転職活動を進めることは難しい |
自分の希望に合う求人を探し出すのはかなり大変な作業です。そういった時間を確保するのが難しい人や、学習に時間を多く使いたい人は、エージェントサービス経由で転職するとよいでしょう。
エージェントサービスは、転職の専門家が転職活動をサポートしてくれるサービスです。求人探しや企業とのやり取りを代行してもらえるため、転職活動に慣れていない人でも戸惑わずに転職活動が行えます。
求職者には基本的に費用負担がないため、転職活動に不安があれば積極的に利用しましょう。ただし、サービス側としても早めに転職を決めてほしいため、自分のペースで転職活動を進めにくくなる場合があります。
エージェントサービスを利用する場合は、IT業界に特化したサービスがおすすめです。
例えば「マイナビITエージェント」では、IT業界の転職事情に精通したキャリアアドバイザーに相談が可能です。面接対策や書類の添削なども行ってくれるため、転職活動が初めての人も安心して利用できます。
Pythonエンジニアの転職にまつわる基礎知識
ここからは、次のトピック別にPythonエンジニアにまつわる基礎知識を紹介します。
平均年収
求人ボックスによると2024年2月現在、Pythonエンジニアの平均月給は約60万円です。単純に12ヶ月換算すれば、平均年収は約720万円となります。
国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」における日本人の平均年収458万円と比べると、Pythonエンジニアの給与はかなりの高水準です。
あくまで求人の提示金額から算出したものであるため、実際の年収とは異なる場合があります。それでも、Pythonエンジニアには高収入を狙えるチャンスが十分あることは間違いありません。
仕事内容
Pythonエンジニアの仕事内容には、次のようなものがあります。
- AIモデルの開発
- データ分析
- Webアプリの開発
- IoTデバイスの制御プログラム開発
Pythonといえば、AIモデルの開発が注目されています。AIモデルの開発にはデータ分析が欠かせません。Pythonには、データ活用に役立つ開発ツールが豊富にあるため、こうしたデータサイエンスの領域で多用されます。
また、Webアプリの開発に使われることもあります。データサイエンスと比較すると、こちらは初心者でも参入しやすいでしょう。
さらに、IoTデバイスの制御プログラム開発にもPythonが採用される場合があります。IoT(Internet of Things)とは、電子機器をインターネットに接続する技術のこと。IoTにもデータ活用が欠かせないため、Pythonが有力です。
Pythonエンジニアになる場合、こうした仕事内容のいずれかを担当することになる可能性が高いでしょう。
求人例
2024年2月時点でのPython求人例を、未経験OK・経験者向けに分けて1つずつ紹介します。
未経験OKだと、業務内容の難易度がやや低めな分、給与額も低くなる傾向です。反対に実務経験がある人向けの求人は、AIシステムの開発など難易度が高く、給与額も高くなる傾向にあります。
将来性
Pythonは将来性が十分あるプログラミング言語だといえます。なぜなら、Webシステム、データサイエンス、組込みシステムなど、多くの分野で幅広く採用されているためです。
特に近年ではAIやIoTなど、先端技術分野の開発でPythonが注目されています。Pythonはデータ分析のための開発ツールが豊富に提供されており、今やデータサイエンスに不可欠な言語です。
医療、交通、エンターテインメントなど、さまざまな分野でデータサイエンスが応用されています。顧客分析に基づいた商品提案や、画像認識技術を用いた診断支援などはその一例です。
今後もデータサイエンスの注目度は高まっていくと予想されます。それにともない、Pythonエンジニアの需要も当分高い状態が続くでしょう。
一方で「Pythonはやめとけ」と言われることもあります。次の記事では、こうした声がある理由について詳しく解説しているので、興味があれば参考にしてください。
キャリアパス
Pythonエンジニアになった後のキャリアパスについても知っておきましょう。Pythonエンジニアとは異なる職種へのキャリアアップを目指したい場合は、次のような選択肢が考えられます。
もちろん、PythonエンジニアとしてPythonスキルを磨き続けていくことも1つの選択肢です。キャリアパスは働いていく過程ではっきりしてくることが多いため、これらは参考程度に覚えておけば問題ありません。
未経験からPythonエンジニアへ転職するための6ステップ
やみくもにPythonエンジニアを目指しては、かけた時間や費用を無駄にしかねません。そこで、ここからは未経験からPythonエンジニアに転職する手順を、6つのステップにまとめて解説します。
- ステップ1:Pythonの基礎知識を身につける
- ステップ2:フレームワークやライブラリを学ぶ
- ステップ3:Pythonの資格を取得する
- ステップ4:副業案件で実務経験を積む
- ステップ5:ポートフォリオを作成する
- ステップ6:転職活動を行う
ステップ1:Pythonの基礎知識を身につける
まずは、Pythonを扱う上で最低限必要な基礎知識を身につけましょう。例えば、変数やデータ型、制御構文などの知識が挙げられます。Pythonを用いた実務でも、これらの理解が欠かせません。
Pythonの基礎知識を勉強する場合、入門サイトや入門書から始めるのがおすすめです。手軽にスタートでき、費用も抑えやすいといえます。
ただし、独学では時間がかかったり、途中で挫折してしまったりする人が多いのも事実です。そういった人はプログラミングスクールを利用して、すぐに質問できる環境にしておくとスムーズに学習できます。
ステップ2:フレームワークやライブラリを学ぶ
Pythonエンジニアを目指す場合、フレームワークやライブラリについても学習しておきましょう。これらは開発効率を高めるためのツールとして、実務でもよく使われるためです。
- フレームワーク:アプリやサービスのプログラムを開発するための枠組み
- ライブラリ:プログラムの開発に役立つ機能をすぐに使える形にした部品
例えばWeb開発では、「Django」や「Flask」といったフレームワークがよく使われます。またAIモデルの開発では、数値計算を高速に行える「NumPy」や、簡単にデータ分析できる「pandas」といったライブラリが人気です。
開発分野によって、必要なフレームワークやライブラリも変わってきます。そのため、自分に必要なものに絞って学習していきましょう。
ステップ3:Pythonの資格を取得する
冒頭でも触れましたが、Pythonに関する資格を取得すると良いでしょう。Pythonエンジニアになるための必須資格はありませんが、資格があると一定レベルのスキルを客観的に証明できます。
また、資格を取得する過程でPythonエンジニアに必要な知識も増やせます。未経験者におすすめのPythonに関する資格を、下表にまとめました。
試験名 | 概要 |
Python3エンジニア認定基礎試験 | Pythonの文法に関する知識が問われます。Python未経験の人が基礎知識を身につけるのに適しています。 |
Python3エンジニア認定データ分析試験 | Pythonを使ったデータ分析の基礎や方法が問われます。Pythonをデータサイエンス分野に活かしたい人におすすめです。 |
基本情報技術者試験 | ITに関する幅広い知識が問われます。国家試験で知名度が高いため、取得しておくとPythonエンジニアに限らずIT業界で役に立ちます。 |
少なくとも、いずれか1つは取得することをおすすめします。資格を取得して、求人の選択肢を広げましょう。
ステップ4:副業案件で実務経験を積む
転職活動を始める前に、副業案件で実務経験を積んでおきましょう。在宅ワークでも、企業からの案件対応は立派な実務経験です。実務経験を積むとアピールポイントが増える上に、転職後の待遇面で有利になる可能性もあります。
また冒頭でも軽く触れたように、未経験OKの求人でも開発経験は求められるケースが少なくありません。求人の選択肢を広げつつ転職の成功率を高めるために、副業案件にチャレンジすることをおすすめします。
Pythonの副業案件を探すポピュラーな方法は、「クラウドワークス」や「ランサーズ」といったクラウドソーシングサイトです。案件の受注から報酬受け取りまでWebで手軽に行えるため、多くの副業エンジニアが使っています。
参考までに、2024年2月時点にクラウドワークスで募集されていたPythonの副業案件を3つ紹介します。
なお「スクレイピング」とは、Webサイトのデータを抽出して活用する技術のことです。Pythonはスクレイピングも得意としているため、副業案件を探しやすいジャンルの1つといえます。
当然ながら、報酬単価が高いものほど難易度も高くなる傾向があります。自分のスキルレベルに合った副業案件に応募し、成功体験を積み重ねましょう。
なお、次の記事では未経験からPythonの副業で稼ぐ方法を詳しく解説しているので、合わせて参考にしてください。
→ Pythonの副業ガイド!未経験から稼ぐための勉強法と案件獲得法
ステップ5:ポートフォリオを作成する
Pythonに限らず、ITエンジニア転職に欠かせない「ポートフォリオ」を作成しましょう。ポートフォリオとは、自分のスキル・経験を証明できる成果物や資料のことです。
就職面接の際、未経験の人が自分のスキルや経験を言葉だけで証明するのは難しいですよね。そこでポートフォリオがあれば、応募者のスキルや経験を容易に把握でき、採用担当者にも納得してもらいやすいのです。
Pythonエンジニアの場合、WebアプリやAIモデルなどがポートフォリオとして考えられます。できる限りハイクオリティなポートフォリオを作成し、採用担当者にアピールしましょう。
「1人で作成するのはハードルが高い…」と感じる人は、ポートフォリオ作成のサポートがあるプログラミングスクールを利用するのがおすすめです。
ステップ6:転職活動を行う
準備が整ったら、いよいよ実際に転職活動を行います。転職活動の手段は、主に次の3つです。
- 自分で求人を探す
- エージェントサービスを利用する
- プログラミングスクールを利用する
自分で求人を探すのは時間と手間がかかります。そのため、未経験から転職する場合はエージェントサービス、または転職支援のあるプログラミングスクールを利用するほうがスムーズです。
これまでのステップ通りに進めていれば、十分アピールポイントは揃っているはずです。自信を持って書類選考や面接に臨みましょう。
未経験からのPythonエンジニア転職におすすめのエージェントサービス3選
転職活動を1人で乗り切るのは現実的に大変です。当日の面接だけでなく、企業分析、書類の作成と提出、面接の日程調整など、転職に関する作業は数多くあります。
転職エージェントサービスを利用すると、これら作業のほとんどを無料で代行してもらえます。
ここではPythonエンジニアを目指す人におすすめのエージェントサービスを3つ紹介します。それぞれの特徴を踏まえて、自分に合ったサービスを選んでみてください。
レバテックキャリア
レバテックキャリアは、ITエンジニア専門の転職エージェントです。Web企業、SIer、インフラなど希望する職種ごとに専門のキャリアアドバイザーを用意しています。
求人掲載数が業界最大級の20,000件以上(2023年)なので、関東だけでなく全国の求人をチェックすることができます。人事だけでなく現場エンジニアにもヒアリングを行っているので、同僚の雰囲気や残業時間など面接では聞きにくい情報も得られるのが強みです。
レバテックキャリアの特徴 | 詳細 |
IT/Web業界に特化 | Pythonエンジニアへの転職に必要な情報を効率よく集められます。 |
希望する職種の専門アドバイザーに相談できる | Pythonエンジニアへの転職に関する疑問や悩みを解消しやすくなります。 |
内定率を上げる企業別の面接対策 | IT業界のトレンドや会社のニーズを踏まえ、転職希望の会社に合う面接のアドバイスがもらえます。 |
マイナビIT エージェント
マイナビITエージェントは、IT・Web業界に特化したエージェントサービスの1つです。転職活動サポートの手厚さが強みで、初めて転職活動を行うという人には特におすすめです。
提出書類の添削や、模擬面接に対応してもらえるので安心して転職活動に臨めます。また、エンジニアに特化した転職エージェントの場合、都市圏の求人が中心ですが、マイナビエージェントITは都心部だけでなく、地方の優良中小企業やベンチャー企業の求人も豊富です。
マイナビIT エージェントの特徴 | 詳細 |
転職後の定着率が97.5% | 求職者の要望をしっかりヒアリングしてもらえるため、ミスマッチが少ないです。 |
徹底した書類・面接対策のサポート | 応募書類の添削や模擬⾯接によるサポートがあります。 |
IT業界の転職市場に強い | IT・Webエンジニアの転職事情に詳しいキャリアアドバイザーに担当してもらえます。 |
WILLOF TECH(ウィルオブ・テック)
WILLOF TECH(ウィルオブ・テック)は、キャリアアドバイザーと採用担当者とのやり取りを行うリクルーティングアドバイザーが2名体制でサポートしてくれる点が特徴のITエンジニア専門エージェントです。
「スキルアップできる環境で働きたい」「給与アップなど条件を良くしたい」といった求職者の希望をしっかりヒアリングし、それに沿った求人を紹介してくれます。
WILLOF TECHの特徴 | 詳細 |
2名体制でのキャリアサポート | キャリアアドバイザーとリクルーティングアドバイザーの2名が転職活動をサポートしてくれます。 |
非公開求人が多い | Webサイトには掲載されていない数千件の非公開案件から求人が選べます。 |
質の高い掲載求人 | スキルアップやキャリアアップにつながる仕事を提案してもらえます。 |
未経験からのPythonエンジニア転職におすすめのプログラミングスクール3選
Pythonエンジニアを目指すうえで、自己研鑽や勉強は不可欠です。しかし、独学では効率が悪かったり、困ったときに質問できないというデメリットがあります。これにより、挫折してしまう人も少なくありません。
1人で勉強することに不安を感じる人は、プログラミングスクールを利用すると効果的です。ここでは、おすすめのスクールを3つ紹介します。それぞれの特徴もあわせて解説しているので、比較検討してみてください。
SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
侍エンジニアは、Pythonエンジニアに必要なスキルを身につけながら転職活動のサポートを受けられるオンラインプログラミングスクールです。
- 現役エンジニア講師によるマンツーマンレッスン
- 不明点を質問できるオンラインでのQ&Aサービス
- 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ
といったサポート体制により、初心者が挫折しにくい環境づくりを徹底しています。これらのサポートが、「受講生の学習完了率98%」「転職成功率99%」という実績に繋がっています。
Pythonエンジニアへの転職を見据えて学習したい人には受講料の最大70%が給付される「Webエンジニア転職保証コース」がおすすめです。金銭面での支援を受けつつ、転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。
※1:転職後の1年間、転職先での継続的な就業や転職に伴う賃金上昇などのフォローアップ
転職活動で内定が獲得できない場合には受講料を全額返金してもらえる「保証制度」も適用されるため、スクールにかけた費用を無駄にする心配なく、スキルの習得や転職活動に励めます。もちろん、面接対策や求人紹介などの転職サポートは卒業後も継続して利用可能です。
公式サイトで詳細を見るキカガク
キカガクは、AIやデータサイエンスに特化したプログラミングスクールです。転職業界大手のdodaと提携しているので、転職支援も受けることができます。
未経験からAI、データサイエンス関連への転職は、一般に難易度が高いといわれています。大学や修士課程などで専門的な学習をした人がライバルになるからです。
このような目標を独学で達成するのは厳しいため、キカガクのようなデータサイエンス特化のスクールを利用するとよいでしょう。
キカガクの特徴 | 詳細 |
dodaと提携している | IT専門のキャリアアドバイザーによる支援を受けられます。 |
データサイエンス関連の講座が豊富 | 「機械学習入門」「自然言語処理特化コース」など、データサイエンス関連の講座が多く用意されています。 |
資格取得支援あり | 「E資格」「G検定」といったAI関連資格のサポートを受けられます。 |
TechAcademy
TechAcademyは、プログラミングで副業をはじめることに重点をおいたスクールです。副業向けのコースがメインですが、転職支援用のコースもあります。
Pythonエンジニアを目指す人向けには、「Pythonコース」が提供されています。Web開発というよりは、機械学習などのスキル獲得を目的としたコースです。
Tech Academyの特徴 | 詳細 |
現役エンジニアによるサポート | 通過率10%の選考に合格した現役エンジニアが講師を勤めています。 |
Python以外にもさまざまなコースが用意されている | Java、PHP、フロントエンドなどが用意されています。 |
まとめ
今回は、未経験からPythonエンジニアに転職する方法を6ステップで解説しました。
PythonはWeb開発、AIモデル開発など幅広い分野で使われている、将来性のあるプログラミング言語です。また、学習難易度も比較的低いため、未経験から勉強するのにも適しています。
Pythonエンジニアに興味を持っている人は、本記事で紹介した6ステップを参考にして、転職活動にチャレンジしてみてください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。