フリーランスにとって、苦手だからと避けては通れないのが税金です。
税金と言っても種類もたくさんあり何をいくら支払ったら良いのか難しく理解に苦しみます。
今回はフリーランスエンジニアが支払わなければならない税金について丁寧に説明していきます。役に立つ情報がたくさんあるので、参考にしてみてください。
フリーランスエンジニアが支払う税金の種類6つ
フリーランスエンジニアとして働く場合、収入の種類は事業収入となります。この事業収入に対して6種類の税金が発生します。では、この事業収入に対してどのような税金がかかっていくのか具体的に説明していきます。
税金の種類1:住民税
住民票のある自治体に支払う税金を住民税といいます。
1月1日に住所のある自治体から6月頃に住民税の納付書が郵送され自宅に届きます。前年の課税所得に応じて税金の金額が決まります。
課税所得とは、収入から経費と控除額を引いたものをいいます。この課税所得に対して税率をかけたものが住民税です。
住民税は分かりにくいと言われますが、最近人気の「ふるさと納税」は、まさにこの住民税を用いたシステムです。居住する自治体に支払われるので、地域の住民の生活に使用される身近な税金と言えます。
税金の種類2:所得税
所得税は国に対して支払う税金です。フリーランスエンジニアとして確定申告を行う際に税額が決まります。
納付と確定申告は同じタイミングで行います。フリーランスエンジニアとしての課税所得が決定し、その金額に応じた税率がかけられて税金が決まります。
何が経費になるか知ることで、課税所得が変わり所得税の節約をすることが可能です。
税金の種類3:個人事業税
個人事業税は居住地の都道府県に対して支払われる税金です。個人事業税とはあまり聞き慣れない名前の税金かもしれません。
個人事業税は課税対象になる人が限られており、所得が290万以上ある場合と該当する業種の場合に課税対象となります。フリーランスエンジニアは、特別な場合を除いて該当する業種に当てはまりません。
個人事業税の納税方法は、確定申告を行うと同時に手続きが行われて後日納付書が届きます。
税金の種類4:消費税
消費税は国に対して納めるもので、確定申告時に納付書に計算した金額を記入して納付します。消費税を支払うかどうかは前々年度の売上が判定基準になっており、この売上が1000万円を超えた場合は、納税業者となり消費税が発生します。
消費税は生活に密着した税金なのでイメージしやすいかもしれません。クライアントからは消費税が含まれている売上を受け取っています。これは、一時的に消費税を預かり、申告時に支払うこととなっています。
税金の種類5:国民健康保険税
国民健康保険税とは、病院へ行くときに持っていく保険証のために支払うもので生活には欠かせません。国民健康保険税をきちんと支払い、保険証をもらうと3割負担で受診できるので安心してフリーランスエンジニアの仕事が続けられます。
会社員からフリーランスエンジニアへ転向した場合、お住まいの市町村で国民保険の手続きをして、納付書が自宅に届きます。忘れやすい手続きなので、手続きが完了していない方はお住まいの市町村へ相談に行ってみてください。
税金の種類6:国民年金税
国民年金税とはいわゆる年金です。まだ若い方にはピンとこないかもしれません。将来65歳(2019年4月現在)を迎えたときに年金として支払われます。
意外と知られていないのが障害年金です。もし、事故や病気で働けなくなった場合年金を納めていれば障害年金が支払われるのです。将来のリスクヘッジのための年金です。
フリーランスエンジニアとし働いていくには自分の将来も健康も必要不可欠になってきます。将来の自分のために国民年金税を支払いましょう。
フリーランスエンジニアの経費になるもの5つ
フリーランスエンジニアの仕事をするうえで知っておいたほうがいい経費を主に5つ紹介します。
収入から経費を差し引いた所得の金額に対して、税金の金額が決定します。つまり、経費の金額が多いほど所得が少なくなり、税金も少なくなるのです。
しかし、税金を安くする事だけを考えて無意味な経費を使ってしまうと、所得が減るだけになってしまいます。そこで経費になるものをしっかり理解するために、フリーランスエンジニアの職種においてどんなものが経費になるのか説明していきましょう。
経費になるもの1:事業税
税金の中でも経費になるものとならないものがあります。フリーランスの経費になる税金1つめは、事業税です。
今年度に支払った事業税の納付書は大事に取っておきましょう。事業税を経費計上することで、税金を安くすることができます。
経費になるもの2:仕事先への交通費
フリーランスエンジニアの場合働き方は様々ですが、クライアントの元で作業する場合もあるかもしれません。クライアント先まで行くのにかかった交通費は経費に計上することができます。
面倒だと思わずにこまめに領収書を残しましょう。フリーランスにとって領収書を残していくことは必須事項です。
経費になるもの3:委託先への宅急便代
委託先への宅急便代は経費計上することができます。宅急便を利用して仕事をすすめているので当然経費に含まれます。
クライアントとの書類等のやりとりは、フリーランスエンジニアとして働く中で頻繁に起こる可能性があります。この場合送り状の控えなど、経費の証拠となるものはしっかり残していきましょう。
経費になるもの4:インターネット料金
インターネット料金も当然経費として計上することができます。フリーランスエンジニアであればネット回線への接続は必須です。
ただし、気をつけたいポイントがあります。インターネット料金は私的にも使っている場合があるため按分計算が必要です。
仕事でインターネットをどれくらい使用しているのか日ごろから意識していくのが良いでしょう。フリーランスだからこそプライベートとの境界線が必要です。
経費になるもの5:借入金の利息
フリーランスとして独立していくために必要な機材購入に借入金を利用した方もいるでしょう。毎月返済額は元本と利息の2種類に分かれています。返済額のうち利息分が経費として認められています。
今後フリーランスエンジニアとしてステップアップするために借入金を利用する際は、利息が経費として計上できることを覚えておきましょう。
フリーランスエンジニアの経費にならないもの5つ
フリーランスエンジニアとして経費になるものもあれば、逆に経費にならないものもあります。経費になるのかならないのか知ることで上手に節税していけます
。それでは経費にならないものを具体的に説明していきましょう。
経費にならないもの1:所得・住民などの税金
事業税は経費に計上できると説明しましたが、所得税や住民税などの税金は、経費計上できません。
また、国民健康保険税と国民年金税は所得控除に含まれているのでこの2種類も経費計上することができません。
経費にならないもの2:自分の出張手当
フリーランスエンジニア本人の出張手当は経費計上ができません。
日当は経費にならないのです。しかし、出張で使用した実費分の交通費だけ経費として認められます。また、駐車料金、宿泊費、取引先との通信費なども認められます。
経費にならないもの3:家族や友人との食事代
取引先との会合や食事代は経費として認められますが、家族や友人との食事代は認められません。
私的な食事代を経費として認めることはできません。あくまでも、エンジニアとして仕事をする場合においての食事代のみ計として認められます。
経費にならないもの4:病院代
病院へ行ったときに支払う医療費は経費として認められません。私的なものは経費としては認められにくい傾向があります。
エンジニアとして仕事をする中で疲労感を感じ、マッサージや整体などに行く場合もあるでしょう。しかし、それらも当然経費としては認められません。
ただし、年間で支払う医療費の合計が10万円を超えるものに関しては医療費控除として利用することができます。医療費のレシートは確定申告が終了するまではとっておくのが得策です。
経費にならないもの5:10万円以上は一括ではできない
例えば10万円を超えるパソコンを購入したとします。その場合、全額を一括で経費計上することはできません。
ただし、減価償却費として法定耐用年数で費用計上していくことができます。パソコンの場合、法定耐用年数は4年なので25,000円ずつ4年間かけて費用計上していきます。
エンジニアとして仕事を続けていく場合、高額商品を購入する機会が多くなります。このことを頭に入れておくと節税に役立ちます。
フリーランスエンジニアが青色申告を行うメリットや節税効果3つ
簡単な手続きを行うだけで大きく節税する事が可能な場合があります。青色申告に関しては特に知っているか知らないかで得をしたり損をしたりします。
そんな節税のテクニックの中でも、知っていて損はないフリーランスエンジニアに向けた3つのメリットをご紹介します。
メリット1:65万円か10万円の特別控除がある
青色申告は65万円と10万円の2種類の控除金額を使うことができます。フリーランスエンジニアが行う確定申告には、白色申告と青色申告があります。
白色申告には控除金額がありません。一方、青色申告は控除金額が2種類あり、帳票の種類によってどちらの金額になるかが決まります。
控除金額が大きくなると所得が小さくなり、税金が安くなります。青色申告はとてもお得です。もし、現在白色申告をしていて、青色申告へ変更したい場合は手続きをするだけで変更が可能です。
メリット2:赤字を3年繰り越せる
フリーランスエンジニアとして活動していった場合、事情によっては赤字になってしまうこともありますが、その赤字を3年間繰り越すことができます。
翌年所得が増えて黒字になった場合でも、繰り越した赤字がある分節税する事ができます。
メリット3:家族の給与を経費として計上できる
家族も一緒に仕事をしている場合、家族の給与が経費の対象となります。
要件はありますが事前に届出を提出することにより、専従者の労務の対価として適正な金額であれば青色事業専業者としての経費計上が可能です。
フリーランスエンジニアが支払う税金や節税について知ろう
税金は難しそうですが、ひとつずつゆっくり見ていくとその仕組みは意外とシンプルです。
フリーランスエンジニアで支払う税金と考えてしまうと、難しそうで身構えてしまうかもしれません。しかし、税金について詳しく知っていたから節税できたということも少なくはありません。
フリーランスエンジニアとして仕事をしてしっかり稼いだ分、納税もしっかり行って堂々とフリーランス生活を謳歌していってください。