ICT教育とは?メリット4つとデメリット|デメリットの解決方法も解説

 

ICT教育とはインターネットに接続できる機器を駆使した教育方法のことです。教育方法も時代に合わせてどんどん進化しています。

今回は、このICT教育のデメリット・メリット、そして実際に導入されている例などを挙げて説明しています。

目次

ICT教育とは?

ICT教育とは、インターネットなどの情報通信技術を活用した教育方法のことです。メディアでも、学校でタブレット端末を使って授業を行っている風景を見たことがあるという方もいるでしょう。

ICTの意味

ICT教育の「ICT」とは、Information and Communication Technologyの略称です。日本語に直訳するとICTとは情報通信技術のことです。日本でのインターネットの普及はここ数年で著しく発展しています。

その影響が教育面でも生かされるようになってきています。

ICT教育のメリット4つ

ICT教育を導入することで得られるメリットは何なのか、紹介していきます。ICT教育は情報通信機器を利用した教育だと先述しました。

授業と聞くと、以前は先生が黒板にチョークでいろいろ書きながら説明し、生徒はそれをノートに書いていく、という構図が一般的でした。ICT教育は今までにできなかったことを可能にする画期的な方法でしょう。

ICT教育のメリット1:デジタル機器に慣れる

ICT教育には、デジタル機器に慣れることができるというメリットがあります。現代ではデジタル機器を使えない人にとって、かなり不便な世の中になってきています。

逆に、デジタル機器を使いこなせると、便利でかつストレスフリーな環境で生活できるようになります。デジタル機器に慣れることは教師も生徒も、生きていく上で非常に役に立つでしょう。

ICT教育のメリット2:分かりやすい授業

ICT教育には、生徒たちに分かりやすい授業をすることができるというメリットがあります。黒板に書かれる文字や言葉、模式図よりも、カラフルで精密な図や写真を見せられた方が記憶に残りやすいです。

このことはメラビアンの法則でも、人が何かから得る情報は視覚が55%、聴覚が38%、話す内容が7%と言われており、いかに視覚から得る情報が大切かわかるでしょう。ICT教育では使い方を工夫すれば、より分かりやすい授業が可能です。

ICT教育のメリット3:楽しく授業を受けて勉強できる

ICT教育には、楽しく授業を受けることができるというメリットがあります。これも教師の方針によるところが大きいですが、座学ではなかなか得られなかった経験を、ICT教育を駆使することで得られるようになります。

どうしても授業では板書を写すだけの作業になりがちです。そこに音や映像といったコンテンツを加えることは脳にも良い影響を与えるでしょう。記憶に残りやすい授業にすることができます。

ICT教育のメリット4:資源の節約になる

ICT教育を導入することで、資源の節約になることもメリットでしょう。黒板やホワイトボードをつかうと、チョークやペンの消費が発生します。

さらに生徒たちもノートに書き写すため、紙や文房具を消費します。しかし、電子黒板やタブレットを導入すれば、それらは必要なくなるでしょう。

経済を潤すよりも今は環境を考える時代です。便利で充実した授業ができ、さらに環境にも良いICT教育は、どんどん取り入れていくと良いでしょう。

ICT教育のデメリットとは

ここまでメリットについて述べてきましたが、ICT教育のデメリットとは何なのでしょうか。紹介するデメリットは、メリットと比べると小さいかもしれませんが、しっかり確認しておきましょう。

それでは3つご紹介します。

ICT教育のデメリット1:機器の不具合

ICT教育の1つ目のデメリットは、機器の不具合が出る可能性があるということです。どうしても機械は湿気や静電気に弱く、暑い日には動きが悪くなることもあります。

ほかにもその人のコンピューターの使い方で動作が重くなることや、エラーが起こることもあります。その日の授業が半分つぶれてしまった、ということもあるかもしれません。

使用するデータをUSBなどにあらかじめ保存しておくと、解決できる場合が多いでしょう。

ICT教育のデメリット2:地域格差

ICT教育のデメリット2つ目は、地域格差があることです。都会の学校と田舎の学校では教育方法が全く違っていた、ということがあります。

ICT教育のデメリットというよりは、新しい教育方法をなかなか導入するに至らないその地域の社会のシステムの問題でしょう。今や学校に行く必要はないほど科学技術は発展して、いつでもどこでもインターネットにつなげば教育が受けられる環境が整っています。

ICT教育のデメリット3:目や体、心に影響が出てしまう可能性がある

ICT教育のデメリット3つ目は、目や体、心に何らかの症状が出てしまう可能性があるということです。コンピューターのディスプレイなどを長時間使用し続けることにより、目や体、心に影響が出てしまう可能性があります。

仕事でPCを使ったデスクワークをする人にも当てはまるでしょう。姿勢に気を付けて、適度に休憩を入れることで、症状の緩和が期待できます。

ICT教育の一環として症状や改善方法について学ぶ時間を取り入れることで、未然に防ぐこともできるでしょう。

既に学校で導入されているICT機器7つと活用事例

現在日本では、ICT機器を導入している学校がほとんどでしょう。すでに学校へ導入されているICT機器にはどのようなものがあるか、7つの例を挙げて説明していきます。

既に学校で導入されているICT機器1:大型デジタルテレビ

1つ目は、大型デジタルテレビです。授業で映画を見たり、教科書や黒板で紹介しきれない実験の映像などを、テレビを使って教えたりすることがあります。

そういった授業は生徒たちもリラックスして楽しく受けられるので人気の高い授業となるでしょう。記憶にも残りやすく、大人になっても覚えているという人がいるのではないでしょうか。

既に学校で導入されているICT機器2:電子黒板

2つ目に紹介するICT機器は、電子黒板です。教師があらかじめ資料を用意して電子黒板に映しだし、授業を進めることができます。

黒板に書く手間も消す手間もなく、電子黒板に直接専用のペンを使って書きこむこともできます。黒板に書く手間が無いので、その分授業の質を高めることができます。

資料を作るのは大変ですが、一度作ってしまえば少しずつ修正を加えて使い続けられるので、教師にとってもメリットでしょう。

既に学校で導入されているICT機器3:パソコン

3つ目に紹介するICT機器は、パソコンです。パソコンを使ってワードやエクセル、パワーポイントといったソフトウェアの使い方や、簡単なプログラミングやデザインを生徒たちにさせる授業なども、近年幅広い学校で積極的に取り入れられています。

パソコンの使用は大学へ進学する場合も、就職してからも多くの場面で必要になってきます。生徒にとっても取り入れたほうがいいICT機器といえるでしょう。

既に学校で導入されているICT機器4:タブレット

4つ目に紹介するICT機器は、タブレットです。一部の学校では生徒全員が授業中タブレットを使って、問題や宿題などもデータで送られてくるなど、全面的に使っているところもあります。

学校としても印刷代が節約できますし、生徒もノートを何冊も持ち歩かなくて済みます。

既に学校で導入されているICT機器5:スマートフォン

5つ目に紹介するICT機器は、スマートフォンです。生徒に調べ物をさせるときや、アンケートに答えてもらうとき、簡単な理解度を計るテストをしてもらうときなど、スマートフォンの使用を認めている学校もあります。

大学まで行くと、授業のスライドや黒板、音声などを、スマートフォンで撮影や録音することを許可している場合もあります。写真や音声で残しておけば復習するときにも役立つでしょう。

既に学校で導入されているICT機器6:プロジェクター

6つ目に紹介するICT機器は、プロジェクターです。こちらも教師があらかじめ資料を用意し、プロジェクターに映し出して授業を進めたり、映像を見せたりするのに使うなど用途は様々です。体育館の壇上の巨大なスクリーンに映像を映し出して映画鑑賞会を行うこともあります。

既に学校で導入されているICT機器7:デジタルカメラ

7つ目に紹介するICT機器は、デジタルカメラです。教師が思い出作りに様々な行事や授業風景などを映像で記録したり、発表などを記録して今後の改善に役に立てたりします。

デジタルカメラで写している映像は、そのままテレビやスクリーンに映し出すこともできるので、他のICT機器と組み合わせることでより便利な使い方ができるでしょう。

ICTの活用事例1:学校のメインコンピューターとタブレットを連動

例えば生徒全員がタブレットを所持している学校は、コンピューターと連動させて生徒全員のタブレットにデータを一斉送信し、同じ画面を見せることもできます。強制的に同じ画面にすることができれば、授業中に関係のないコンテンツを見られる心配も解消されます。

ICTの活用事例2:学校全体で無線LANの利用を可能にする

無線LANとは、ケーブルを使わずにインターネットに接続できるシステムのことです。よく聞くWi-Fiとは、無線LANの一種です。

ICT教育をする上で無線LANの導入はコスト面からしても必要不可欠です。インターネットに接続できる環境とできない環境では天地の差があります。また、有線と無線なら圧倒的に無線の方が場所を限定されにくいので便利でしょう。

ICT教育のデメリット解決方法3つ

前述したとおり、ICT教育のデメリットとは、機器の不具合が発生することがあること、地域格差が生まれること、体に影響がでる可能性があることでした。これらの解決策とは何なのか、3つ紹介していきます。

ICT教育のデメリット解決方法1:ガイダンスや研修を実施する

ICT教育のデメリットを解決する方法1つ目は、ガイダンスや研修を実施することです。ICT機器の基本的な使い方やテクニック、トラブルが起きたときの対処法を学ぶ機会を用意することで、いざ困ったことが発生したときに焦らず迅速な対応ができるようになります。

ICT教育のデメリット解決方法2:相談窓口を用意する

ICT教育のデメリット解決方法2つ目は、相談窓口を用意することです。問題が発生したとき、良い対処法は詳しい人に助けを求めることです。

学校にそういった場所を用意しておけば、困ったときにスムーズに問題解決できます。コンピューターはどんどん進化して内部構造が複雑になっており、専門家でない限り機器にトラブルが起きても、自分で治すのは難しいです。

相談窓口が用意されていれば、慣れていない人も安心して機器を使用できます。

ICT教育のデメリット解決方法3:利用開始まで各種設定を支援する

ICT教育のデメリット解決方法の3つ目は、利用開始までに各種設定を支援する体制をとることです。デジタル機器の操作に慣れていない方は初期設定でも苦戦されることがあるでしょう。

そこで、コンピューターの初期設定や、便利なカスタム設定をするときに指導してくれる人がいる環境を作ることで、ICT機器を使うことに関して不安を取り除いたり、疑問を解消したりするといった対策をとることができます。

ICT教育とは子供たちが社会に出る頃に非常に役立つ

ICT機器が使いこなせることが社会で求められる時代です。仕事のやり取りはコンピューターを介して行われるものがほとんどです。これからもどんどん増えていくでしょう。

教育でICT機器を取り入れることで子供たちもその環境に慣れることができます。今や社会に出てパソコンのワードやエクセルといったソフトウェアを使いこなせることは当たり前になってきています。

ICT機器を教育に取り入れることは子供たちの未来にも良い影響があるでしょう。

 

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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