IoTって最近よく耳にするけど、一体どういう意味かよく分からない!
IoTで何ができるの?
と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか?
IT分野では、IoTやICTなど似たよう用語があって、よく分からないですよね。そこでこの記事では、下記の内容を中心にIoTについて紹介します。
- IoTの意味
- IoTでできること
- ジャンル別のIoT活用事例
- IoTの未来
IoTはIT業界以外の分野で活用が進んでいる技術です。そのため、エンジニア以外の方も知っておくべき内容だと言えます。ぜひ記事の内容を参考にしていただけると嬉しいです。
IoTとは?そもそもどういう意味
IoTの活用事例をみていく前に、ここではIoTの意味や、ITやICTとの違いについて解説します。
IoTとは?
IoTは、「Internet of Things」の略語で、日本語に訳すると「モノのインターネット」です。
IoTとは、今まで通信機能を搭載していなかったモノに、通信機能を搭載させてインターネットに接続させる機能のことです。
例えば、時計に通信機能を搭載したApple Watchは、 IoTの技術を使った代表的な製品です。つまり、 IoTはモノとインターネットを繋ぐ仕組みだとイメージすると分かりやすいでしょう。
ITやICTとの違い
IoTと混合されやすいのが、ITやICTです。ITとICTの意味は下記の通りです。
IT
ITは「Information Technology」の略称です。インターネットパソコンなどの情報技術の総称のことです。
ICT
ICTは「Information and Communication Technology」の略称です。通信技術を使って、人とインターネットもしくは、人と人を繋げる技術のことです。
つまり、ITの中に IoTとICTが含まれます。 IoTはモノとインターネット、ICTは人とインターネットを繋ぐ技術というように、インターネットと繋がる対象が異なります。
IoTの市場規模
IoTの市場は今後、ますます拡大すると予測されています。ちなみに、IDC Japanに予測によれば、国内 IoT市場は、2024年には12兆6000億円を超えると予測しています。
グラフからもわかるように、右肩上がりで市場規模が拡大し、今後もこの流れは続くと考えられています。国内IoT市場規模の動向に関してはこちらの記事で、詳しく解説しているでも興味があれば参考にしてください。
IoTでできること
IoTでできることは、下記の4つがあります。
- 離れた場所からモノを操作する
- 離れた場所からモノの状態を把握する
- モノや人の動きを検知する
- モノとモノとを繋ぐ
ここでは、それぞれについて解説します。
離れた場所からモノを操作する
IoTの技術を使えば、離れた場所からモノを操作できます。
例えば、出先からクーラーの電源を入れたり、消し忘れてしまった部屋の照明を消したりする技術は、IoTを活用しています。
他にも、ドアやシャッターの開閉やペット用のフードサーバーなど、生活をより便利にする目的のために、IoTの技術が使われています。
離れた場所からモノや人の状態を把握する
IoTの技術を使えば、離れた場所からモノや人の状態を把握できます。
例えば、出先から自宅の照明の状態や、室温を確認が可能です。
また、ポットの使用状況から、離れて暮らす高齢の家族の安否を確認したり、ペットの首輪から運動量や食事量に関するデータを取得することでペットの健康状態を把握したりするサービスにも、IoTが活用されています。
このようにIoTの技術を活用することで、離れた場所から使用状況や健康状態などに関するデータを送受信が可能です。それにより、リアルタイムでモノだけでなく人の状態を把握するために利用されています。
モノや人の動きを検知する
IoTの技術を使えば、モノや人の動きを検知できます。
例えば、電車やバスの運行情報や混雑状況を把握したり、人の動きに合わせて照明を点けたり、消したりする機能はIoTのモノや人の動きを検知する機能を活用しています。
また、ブレーキを踏まなくても、自動的に車を止める衝突防止の機能には、モノや人の動きを検知するIoTの技術が使われています。
モノとモノを繋ぐ
IoTの技術を使って、モノとモノを繋ぐことができます。モノとモノを繋ぐことを、MtoM(エムトゥーエム/マシーントゥマシーン)いいます。
例えば、スマートスピーカーに話しかけることで、テレビやエアコンなどの家電を操作できます。このようにより便利な生活ができるようにIoTの技術が活用されています。
IoTの活用事例
IoTの技術は個人の生活を便利にするだけではなく、いろいろな業界で業務の効率化のために活用されています。
そこで、ここではジャンル別にIoTの活用事例をみていきましょう。
医療分野での活用事例
医療分野では、着用型ウェアラブルデバイスの活用が進んでいます。
着用型ウェアラブルデバイスを使うことで、脈拍、心拍、血圧などを計測し、これらの生体データを医師がリアルタイムで共有が可能です。
この機能を活用した商品には、パラマウントベッド株式会社のスマートベットシステムがあります。
ベットに搭載された、端末が睡眠・覚醒、呼吸数、心拍数などのデータを集約します。これらのデータは電子カルテシステムなどの医療情報システムに共有されます。これにより、離れた場所から患者の状態をリアルタイムで把握できます。
このように、医療分野では患者の生体データや医療データなどの取得し、より正確な診断や治療をするためにIoTの技術が活用されています。
物流業界での活用事例
物流業界もIoT技術の活用が進んでいる業界です。
例えば、仕分け、棚入れ・棚卸し、ピッキング作業において、効率的に作業をするために、ロボティクスを応用したシステムが活用されています。これにより、インターネットからの大量の注文を効率的にさばくことが可能です。
また配送作業では、TMS(輸配送管理システム)を使うことで、効率的な人材の配置や配車ルートが可能となります。
このように、物流業界では、倉庫作業と配送作業でIoT技術の活用が進んでいます。
製造業での活用事例
製造業では、生産ラインの省人化・効率化のために、IoT技術が導入されています。
例えば、工場内の全ての機器をインターネットに接続し、あらゆるデータを取集します。これらのデータを分析し、各工程ごとの生産性や設備の稼働状況などを可視化可能です。それにより、生産性をあげるために施策、改善ができます。
また、製造業の分野では、スマートファクトリーの実現に向けて、今後ますますIoT技術の導入が進むと考えられています。
農業分野での活用事例
製造業と同じく、農業分野でも生産ラインの省人化・効率化のために、IoT技術が導入されています。
例えば、ハウス栽培の場合、日射量や土壌の状態に関するデータを収集し、それに基づいて、水やりなどの作業を自動化したり、温度や湿度などの調整を行ったりします。
農業分野では、スマート農業の実現に向けて、IoT技術だけでなく、ICTなどの先端技術の導入が進んでいます。
交通分野での活用事例
交通分野では、バスの運行情報をリアルタイムで確認できるアプリや、タクシーの配車アプリなどで、IoT技術が使われています。
また、バス安全運転支援システムとして、運転手の呼吸や脈拍やバスの状態と道路情報を分析して、バスが安全に運行されているか管理するシステムも開発されています。
このように、IoT技術は生活のあらゆる場面で活用され、私たちの生活を便利にかつ、安全にしてくれています。
IoTの未来
IoT技術あらゆる場面で、 私たちの生活を支えています。
今後もますます、IoT技術は私たちの生活に欠かせないものとなるでしょう。そこでここでは、IoTの未来についてみていきましょう。
5Gによって IoTでできることが拡大
IoT技術の活用が進むことで、テレビやデジタルカメラから、冷蔵庫などの家電もインターネットに接続すること当たり前になりつつあります。
既に、生活を便利にしてくれるスマートスピーカーや、スマホ対応に見守りカメラなどのスマート(IoT)家電は、注目を集めています。
このように、IoT技術の技術により、インターネットに接続していなかったモノもインターネットに接続されます。それにより、今までよりもデータ通信量が格段に増えます。
そのため、大量のデータをスムーズの送受信ができる5Gの技術が欠かせません。5Gとは、高速大容量、多数同時接続、そして低遅延を実現する次世代の通信技術です。
4Gでは同時接続による大量のデータをスムーズに処理することができず、通信の際にタイムラグなどを生じていました。4Gから5Gに移行し、タイムラグなどの問題が解消することで、これまで以上にIoTでできること拡大すると考えられています。
AIを組み合わせ進化していく
IoT技術はAIと組み合わせて、あらゆる分野で活用されています。ここでは、AIとIoTの関係や活用事例についてみていきましょう。
AIとIoTの関係
IoTによって、リアルタイムに大量のデータを取得できます。
これらの大量のデータを分析する時に活用されるのが、AIです。AIによって、業務の効率化や高度な予測ができるように、大量のデータを解析し、加工する必要があります。
このようIoTの技術に、AIと組み合わせることで進化していくと言えるでしょう。
AI×IoTの活用事例
専門知識や経験が必要な医療や農業の分野では、AIとIoTを活用されています。
例えば、農業分野では日射量や土壌の状態などの大量のデータをIoT技術で取集し、これらのデータをAIで分析することで、適切なタイミングで水やりや、肥料の散布などの可能になります。これにより生産性の向上が期待されています。
また、製造現場では施設・装置の稼働や従業員の作業状況に関するデータを取集し、分析することで、従業員の作業負荷を軽減や、労働環境の改善が行われています。
IoTを学びたいなら、開発に必要なプログラミング言語を学ぼう
IoTは、IT業界だけなく、あらゆる分野で活用が進んでいます。そのため、IoTを学びたいと思った人もいるのではないでしょうか?
もし、IoTについて学びたいなら、IoT開発に必要なプログラミング言語から学ぶのがおすすめです。IoT開発に必要なプログラミング言語は、下記の3つがあります。
- Python
- Java
- C言語
例えば、Pythonは、IoTだけでなく、AIやWeb開発等でも活用され、エンジニアに人気のある言語です。また、Javaは大企業のシステム開発やアプリに開発に利用されいる言語で、IoTの分野でも活用されています。
C言語は、WEBアプリ、スマホアプリ、ロボットなどを制御するような組み込みアプリの開発で利用され、IoTの分野でも使用されることが多いです。ただし、PythonやJavaに比べると難易度が高いため、PythonやJavaを習得してから、勉強するといいでしょう。
それぞれのプログラミング言語の特徴や、必要な理由についてはこちらの記事で詳しく解説しているでの、よかったら参考にしてください。
まとめ
今回はIoTできることや活用事例について解説しました。
IoTは、「モノのインターネット」と呼ばれ、モノとインターネットを繋ぐ仕組みで、いろいろな分野で活用されている技術です。
今後、5Gの次世代通信技術の導入が進むことで、ますますあらゆる分野でIoTの技術がより身近なものになると予測できます。
そのため、エンジニアやIT業界以外の方でも、IoT関する知識が必要になるでしょう。もし、この機会にIoT学びたいと思われたら、IoT開発で利用されているプログラミング言語の勉強からスタートしてみませんか?