SESで働いており、残業に悩んでいる
SESを考えているが、残業が多そう…
そんな悩みを抱えている方もいるでしょうが、実際のところどうなのでしょうか?
当記事では、SESの残業の実態から、残業のないSESまで、詳しく解説していきます。
当記事を参考にして、残業のないSESを選びましょう。
SESの残業状況はどうなのか
果たしてSESの残業状況はどうなっているのでしょうか。現役SESの方は「これだけ働いたのに給料これだけ?」と残業経験があるかもしれません。
ちなみに、労働基準法で定められている労働時間は、1日8時間・週40時間です。
これらの時間を超えて働くと、「残業」となります。SESとして残業が多い側面があるのも事実です。ただの残業ではなく、給料に反映されない「サービス残業」が横行しているケースもあります。
まずはSESの残業の実態について詳しく解説していきます。
残業時間を少なく申告している
SESでは、労働時間や業務範囲について契約で明記されています。基本的には、契約で定められた以上の労働は断ることが可能です。
とはいえ、SESといえども人間関係の問題はつきもの。同じチームのメンバーが残業していると帰りにくい場合もあるでしょう。周りに合わせて残業時間を少なく申告してしまうケースがあります。
また、プロジェクトリーダーが各メンバーの残業時間を少なく進行することで、見かけ上は生産性を上げているケースも考えられるでしょう。
周りの目を気にする日本人の特性上、結果としてSESの残業時間が少なくなってしまいます。
仕事を持ち帰っている
多くのSESで行われているのが、「仕事の持ち帰り」です。時間内に業務が終わらず、常務用のパソコンを家に持ち帰って仕事するSESもいます。
悪質な派遣先によっては「暗黙の了解」となっているようです。当然ながら、家での残業時間はカウントされないため、サービス残業となります。
ただし、昨今は、情報セキュリティの観点から、パソコンの持ち帰りが問題視されています。
始業開始前に仕事を行う
残業は規定の時間を終えても「残って仕事する」イメージがあるでしょう。始業開始前に仕事を行うのも残業の一つです。
決められた時間の範囲外にSESで仕事する場合は、全て残業。場合によっては、オフィスで泊まり込みで働き、早朝から働かされるケースもあります。
残業代が発生しなければ、それらの労働分は全てサービス残業となってしまいます。一部の悪質な派遣先では、横行しているようです。
SESでも残業代はキッチリでるのか
残業代を受け取ることは、SESのみならず、ひとりの労働者としての権利です。残業の多いイメージのあるSESですが、SESでも残業代はキッチリでます。
転職サイトDODAがエンジニア440人にアンケート調査を行ったところ、84%のエンジニアが残業代が支給されると回答しました。
エンジニア全体の統計ですが、大半のSESは残業代が支給されると考えられます。
みなし残業制がほとんど
SESで支給される残業代は、みなし残業制がほとんどです。みなし残業制とは、毎月固定の残業代を設定し、支給する仕組みとなります。
固定給にみなし残業が固定で加算されるため、残業の多いSESにとって嬉しい制度といえるでしょう。ただし、みなし残業で設定した以上の労働時間はサービス残業となり、給与に反映されません。
みなし残業制を導入しているブラック企業もあるので、注意しましょう。
サービス残業も多い
SESはサービス残業が多いのも事実です。転職サイトDODAの調査によると、残業時間が月80時間を超えるのは全体の8.5%となります。
サービス残業は統計で正確な数字を出すのは難しく、実態はもっと高い割合と考えられるでしょう。とはいえ、先ほど紹介したように、残業代が支給されるケースがほとんどです。
SESでサービス残業を避けるには、悪質な残業が横行している企業を選ばないことが重要となります。SESで残業しない具体的な方法については、次章で詳しく解説していきます。
SES契約を知ることが残業を減らすことにつながる
残業を減らすためには、まずSES契約について理解を深めましょう。契約が労働者としてのSESを守ってくれるからです。
先述のとおりSESとは、「System Engineering Service(システムエンジニアリングサービス)」の略で、ソフトウェアシステム開発などの「業務委託契約」のことです。
SESでは、オフィスに派遣し、技術力を提供します。簡単にいうと「エンジニアの派遣サービス」です。この派遣されたエンジニアに対し、直接指示するには「労働者派遣事業法」によって厳しく規制されています。
発注企業、受注企業だけでなくエンジニア自身がSES契約の法律を知り、しっかりと確認することで違法残業回避につながります。
残業しない・少ないホワイトSESの職場とは
何かと「ブラックな」イメージのあるSESですが、残業しない・少ないホワイトSESがあることも事実です。ホワイトなSESの職場は以下の4つの特徴があります。
- 残業代を出す・明確な基準を設けている
- 働きに見合った給料を出す
- ボーナスがキチンとでる
- 現場には必ず複数人でいかせる
それでは、それぞれ詳しく解説していきます。判断基準を把握し、ブラックなSESを避けましょう。
残業代を出す・明確な基準を設けている
残業代の明確な基準を設けている企業は、ホワイトSES企業です。先述した「みなし残業」を含め、残業代の基準を設定している企業を選びましょう。
一方残業代についての基準があいまいな企業では、サービス残業の多いブラックSES企業のリスクが高いです。SES企業への就職や転職を考えている場合は、企業選びの基準にしましょう。
働きに見合った給料を出す
企業としては当然ですが、SESでの働きに応じた給料を出しているのか、確認してください。特にSESは企業が労働者から搾取しやすい構造となっています。
派遣先の仕事は、自社でどれくらいの単価で受注したのか、把握しづらいからです。例えば、給料20万円で単価50万円分の仕事をしている場合、給料に見合っているとはいえません。
SES企業では、こうした実際の労働と給料が見合っていないケースがあります。その企業が受注している業務の単価と給料のバランスを考慮した上で、SES企業を見極めてください。
ボーナスがキチンとでる
ボーナスがキチンとでる企業は、ホワイトSES企業です。ボーナスが出ないSES企業では、内部留保を確保しています。
自社のエンジニアを待機する際、利益が出ない分、内部留保から捻出するためです。とはいえ、経営陣がしっかりしているSES企業において、エンジニアが待機することはありません。
ボーナスが出ないSES企業はブラック企業の可能性が高いので、避けましょう。
現場には必ず複数人でいかせる
現場に必ず複数人でいかせる企業は、残業の少ないホワイトSESです。一方で、ブラックSES企業では新人からいきなり一人で現場に派遣される場合もあります。
企業として他企業との連携が上手くできておらず、限られた人数しか派遣できないからです。基本的にSESでは、一人で派遣されることはありません。あったとしても経験陣が訪問する程度です。
もし一人で現場にいかせるような企業で働いている場合は、ブラック企業なので、自社の営業や経営陣に確認をとりましょう。状況によっては、いち早い転職をおすすめします。
まとめ
いかがだったでしょうか?
SESの残業の実態から残業しない・少ないホワイトSES企業の特徴まで詳しく解説してきました。SESはサービス残業が多いブラック企業がある一方、ホワイトSES企業があるのも事実です。
今回紹介したいくつかの基準を参考にして、残業の少ないホワイトSES企業を選びましょう。
いまSESとして働いており「自社がブラックSES企業かもしれない」と思った方は、転職を含め早い段階で何らかの対策を講じることをおすすめします。