クラウドエンジニアへのロードマップ!必要なスキルや勉強方法も紹介

この記事では、クラウドエンジニアになるまでのロードマップを紹介します。

クラウドエンジニアはどういう手順で目指せばいいの?
何を学べばいいのかわからない…

クラウドサービスが普及する中で、クラウドのエキスパートである「クラウドエンジニア」を目指す人も増えています。しかし具体的になる方法がわからず、上記のような疑問を抱える人もいますよね。

クラウドエンジニアの勉強を効率よく行うなら、全体像を把握することが大切です。

そこで、本記事ではクラウドエンジニアを目指すにはどうすればいいのか、そのロードマップをわかりやすく解説します。クラウドエンジニアに必要なスキルの勉強方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

本記事を読む前に、クラウドエンジニアとはどんな職業なのかをおさらしておきたい人は次の記事を参考にしてください。

クラウドエンジニアとは?仕事内容や年収、必要なスキルも紹介
更新日:2024年11月14日
この記事の要約
  • クラウドエンジニアにはネットワーク関連の知識が必要
  • クラウドエンジニアに必要な基礎知識から学ぶと挫折しにくい
  • クラウドサービスの使い方を含む実践学習も必須
目次

クラウドエンジニアを目指す4つの方法

クラウドエンジニアを目指す4つの方法

はじめに、クラウドエンジニアを目指す方法を、4つにまとめて紹介します。

方法1:他エンジニア職種からの転職

他エンジニア職種からの転職

クラウドエンジニアを目指す方法として、他エンジニア職種からの転職が挙げられます。

IT関連の職種は役割やスキルによって細分化されています。主な職種は次のとおりです。

職種主な仕事内容
インフラエンジニアインフラ(サーバーやネットワーク)の設計・構築・運用
プログラマー設計書をもとにしたプログラミング
システムエンジニア要件定義や基本設計といった上流工程

クラウドエンジニアといっても、クラウドのスキルだけでは現場で活躍できません。クラウドエンジニアとして活躍するためには、インフラやプログラミングに関する知識やスキルが必要です。

そのため、未経験からクラウドエンジニアになるよりも、他のエンジニア職種からクラウドエンジニアへ転職したほうがハードルは低いといえます。自分自身の市場価値をあげるためにも、クラウド+αのスキルを身に付けたエンジニアを目指しましょう。

なお、インフラエンジニアに関心はあるものの、本当に自分にあう職種なのか不安な人もいますよね。そんな人は「ITキャリア診断」をお試しください。

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方法2:大学・専門学校で学び就職する

大学・専門学校で学び就職する

大学や専門学校へ通うのも、クラウドエンジニアへの就職を目指す方法の1つです。

大学・専門学校に通うメリット・未経験でも就職しやすい
・生涯年収が高くなりやすい
・挫折時の転職が比較的容易
大学・専門学校に通うデメリット・入学金や学費など金銭的負担が大きい
・2~4年間の通学が必要となる

実際の開発現場においてもクラウドの需要が高まっているため、次のようにクラウドスキルを学べる学部・コースを設置する大学や専門学校が増えつつあります。しかし、まだまだ選択肢の数は少ない状況です。

そのため、どのような点を重視して大学あるいは専門学校を選ぶかが重要といえます。

大学・学部・学科名学べる内容の例
東京工科大学 コンピュータサイエンス学部 先進情報専攻 ・クラウド関連技術,センサとクラウドの統合管理技術
・システム管理の効率化と自動化技術
・広域分散システムと分散処理技術 など
※クラウド・分散システム研究室(串田研究室)
日本工学院 ITスペシャリスト科 ネットワーク・クラウド専攻・AWS関連スキル など

とくに新卒採用の場合は、将来活躍できる可能性を重視する「ポテンシャル採用」が多いため、実務経験がなくてもクラウドエンジニアを目指せるのが特徴です。

方法3:独学で必要なスキルを身につける

独学で必要なスキルを身につけるのも、クラウドエンジニアを目指す方法の1つです。

独学は日々忙しい社会人や学生の人でも自分のペースで学び進められる点がメリットといえます。また、ほかの方法と比較すると費用を抑えられる点もおすすめしたい理由の1つです。

ただし、独学は挫折のリスクが最も高い方法といえます。事実、弊社の調査では

  • 不明点を聞ける環境になかった
  • エラーが解決できなかった
  • モチベーションが続かなかった

などの理由で、87.5%の独学者がプログラミングの学習途中で「挫折や行き詰まりを感じたことがある」と回答しています。

87.5%の人がプログラミング学習時に挫折を経験
不明点やエラーが解決できずプログラミングを挫折した人が多数

調査概要:プログラミング学習の挫折に関するアンケート
調査対象:10代〜80代の男女298名
調査期間:2019年8月13日~8月20日
調査方法:インターネット調査
掲載元:PR TIMES

独学の場合、書籍や学習サイトなどの教材から、学習計画などを1人で行う必要があります。また、不明点や問題点も自力で解決しなければなりません。未経験者にとっては、かなり高いハードルといえます。

以上の理由により、独学は1人で不明点を解決できる問題解決力や、学習進捗を管理できる人にはおすすめの方法です。

なお、クラウドエンジニアへの転職に向けどのプログラミング言語が自分にあうのか、どう学習を進めればいいのかなどがあいまいな人は「プログラミング学習プラン診断」をお試しください。

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効率よくプログラミングを学習したい人は、ぜひ一度お試しください。

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方法4:スクール経由で就業する

スクール経由で就業する

効率的にかつ着実にクラウドエンジニアを目指したい人は、プログラミングスクール経由での就業がおすすめです。

スクール経由でクラウドエンジニアに就業するメリット・多くのクラウドエンジニア輩出実績があるカリキュラムで学べる
・不明点を講師に質問できる
・手厚いキャリアサポートを受けられる
スクール経由でクラウドエンジニアに就業するデメリット・入学金や受講料などの費用がかかる

スクールであれば、豊富な経験をもつ講師から実践的なクラウドスキルを学べます。また、キャリアサポートに力を入れているスクールも多く、次のような支援を行ってくれる点も魅力の1つです。

  • 書類添削
  • 面接対策
  • ポートフォリオ作成支援
  • 企業紹介

なかでも、侍エンジニアの「クラウドエンジニア転職保証コース」ではAWSのスキルや資格を取得しつつ、クラウドエンジニアへの就業が目指せます。万が一転職活動で内定が獲得できない場合には受講料を全額返金してもらえるため、かけた費用が無駄になる心配はありません。

受講生の学習完了率98%」「累計受講者数4万5,000名以上」という実績からも、侍エンジニアなら未経験からでも挫折なくクラウドエンジニアへの転職が実現できますよ。

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クラウドエンジニアへのロードマップ

ここからは、クラウドエンジニアへのロードマップを、6つのステップにまとめて紹介します。

クラウドエンジニアへのロードマップ

ステップ1:実務に必要な基礎知識を身につける

まずは、クラウドエンジニアに求められる知識やスキルを身につけましょう。

クラウドエンジニアを目指すために必要なものは次の5つです。

クラウドの知識・各種クラウドサービスの機能
・クラウドサービスの設定や制約 など
サーバーの知識・サーバーの構築方法
・OS(WindowsやLinux)に関する知識
ネットワークの知識・ネットワーク関連の設定
・セキュリティに関する知識
ミドルウェアの知識下記に関するインストールや設定方法
・データベース
・Webサーバー
・アプリケーションサーバー
プログラミングスキル・1つ以上のプログラミング言語に関するスキル

体系的な知識を身につけるためには、本による学習をおすすめします。本は移動時間なども学習できるだけではなく、手元にあれば調べたい時に活用可能です。

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ステップ2:クラウドサービスの使い方を学ぶ

クラウドサービスの使い方を学ぶ

クラウドの知識を身に付けたら、実際にサービスの利用を通じて使い方を学びましょう。

前述したとおり、現在のクラウドサービス市場で高いシェアを獲得しているのは次の3つです。

いずれのクラウドベンダーも、自社が展開するサービスのスキルを持つエンジニア育成に力を入れています。具体的には、各クラウドベンダーは公式トレーニングサイトを提供しているのです。

これらの公式トレーニングサイトは、無料で提供されているコンテンツも充実しているため、コストをかけずに使い方を学べる点が魅力といえます。また、最新情報も随時反映される点も公式ならではといえるでしょう。

なお、利用には各社のアカウントが必要になる場合がある点、ベンダーやコンテンツによっては有料となる点には注意が必要です。

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クラウドエンジニアの勉強におすすめのサイトをチェックする

なお、クラウドエンジニアへの就職・転職を見据え、独学でスキル習得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。

侍エンジニアでは、現役エンジニアから指導を受けつつ、就業活動のサポートが受けられます。

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ステップ3:クラウドサービスを用いた開発に取り組む

クラウドサービスを用いた開発に取り組む
クラウドサービスを用いた開発に取り組む

次は、クラウドサービスを用いた開発にチャレンジしましょう。

ITシステムの開発は次の手順で進めます。

  • 要件定義
  • 設計
  • 製造(基盤構築・プログラミング)
  • テスト

実際の開発現場では、どの部分にクラウドサービスを利用するかなどは要件定義や設計段階で決定します。しかし、学習が目的であれば、幅広いサービスに触れることも重要です。

そのため、興味があるクラウドサービスがあれば、どんどん機能拡張を行って理解を深めるとよいでしょう。

なお「何からはじめればよいか分からない」という人には「侍テラコヤ(AWSコース)」といった学習サービスもおすすめです。侍テラコヤ(AWSコース)は、知識のインプットだけではなくハンズオン(実際に手を動かすこと)を通じてAWSの構築を学べるため、実践的なクラウドスキルを習得できる点が魅力だといえます。

ステップ4:就業に役立つ資格を取得する

就業に役立つ資格を取得する

知識やスキルが身についたら、クラウドエンジニアに役立つ資格を取得しましょう。

たとえ未経験OKの求人でも、当然ながら一定のスキルが求められます。しかし、実務経験がない人の場合、スキルを客観的に証明するのは簡単ではありません。

次のような資格を取得すれば、一定のクラウドスキルを有していることの担保となります。また、自己研鑽できる人材というアピールにつながる点も、資格取得をすすめる理由の1つです。

資格取得を目指すときは、公式トレーニングサイトや資格対策本を活用しましょう。また、より効率的に資格取得をしたい人は「侍テラコヤ(AWSコース)」などのスクール利用もおすすめです。

クラウドエンジニア向けの資格をもっと知りたい人は、次の記事をご一読ください。

クラウドエンジニアに資格は必要?取得の利点やおすすめも紹介
更新日:2024年11月15日

ステップ5:ポートフォリオを作成する

ポートフォリオを作成する

資格取得後は、ポートフォリオを作成しましょう。

ポートフォリオとは、スキルを証明するためのオリジナル作品集のようなものです。資格だけでもアピール効果は期待できますが、良質な「ポートフォリオ」があると、よりスキルと本気度に説得力が生まれます。

企業側がポートフォリオを応募条件としていることは少ないからこそ、ほかの応募者との差別化ポイントになります。また、ポートフォリオを作りながら、自分の実践スキルを再確認できるメリットの1つです。

なお、ポートフォリオを作成するときは、自分で考えたオリジナル性が高いものであることが重要です。完璧なものである必要はないので、ポートフォリオ作成時にどのような点に苦労したのか(難しかったのか)、その点をどのような工夫で解決したのかを説明できるように準備しておきましょう。

クラウドエンジニアのポートフォリオとしては、クラウドサービスを用いて構築したWebサイトがおすすめです。次の記事ではAWSを用いたITインフラ構築について紹介しているので、参考にしてみてください。

エンジニアのポートフォリオとは?作成するメリットや例、作り方も紹介
更新日:2024年11月11日

ステップ6:クラウドエンジニアの仕事を探す

クラウドエンジニアの仕事を探す

資格やポートフォリオを揃えたら、クラウドエンジニアの仕事を探しましょう。

クラウドエンジニアの仕事を探す主な方法は、次の2つです。

  • 求人サイトに登録する
  • 転職エージェントを利用する

自分のペースで探したい人には、求人の検索・応募ができる「求人サイト」がおすすめです。求職活動に不安がある人は、エージェントがサポートしてくれる次のような「転職エージェント」を活用しましょう。

なお、仕事を探す前に「自分自身の仕事探しの軸」を整理しておきましょう。主な仕事探しの軸は次のとおりです。

  • 仕事内容
  • 給料
  • 福利厚生
  • やりがい
  • 成長性
  • 職場環境

これらすべてを満たす企業を探すのは非常に難しいことです。そのため事前に必須条件や優先度を考えておくとスムーズな企業選びを実現できます。

選考活動は大きなエネルギーと時間を要します。気になった企業に手当たり次第応募していると、エネルギーと時間ばかり消費してしまい、満足度が高い就業活動ができなくなってしまう点には注意が必要です。

クラウドエンジニアの勉強におすすめの本3冊

ここからは、クラウドエンジニアの勉強方法を紹介していきます。まずは、クラウドエンジニアの勉強におすすめの本を3冊紹介します。

本だと幅広い情報が1冊に詰まっており、必要な基礎知識について体系的に学べるのが魅力です。また、パソコンを使う必要がないため、電車などの移動時間でも勉強できます。

クラウド関連の本は次の記事でも紹介しているため、あわせて参考にしてください。

絵で見てわかるITインフラの仕組み

ITインフラについて、基礎の基礎から学びたい人におすすめの1冊です。その名のとおりイラストが充実しており、エンジニアの知識がない人でもスムーズに勉強できます。

サーバーなどのハードウェアから、クラウドに欠かせない仮想化技術まで幅広い知識を扱っています。クラウドエンジニアに限らず、インフラエンジニアを目指す人なら読んでおきたい入門書です。

クラウドエンジニア養成読本

その名のとおり、クラウドエンジニアに必要な知識を養える1冊です。クラウドITインフラの構築や運用に求められる知識が広く身につきます。

大手クラウドサービスの全体像がそれぞれ解説されており、クラウドの仕組みから学べます。また、企業でのクラウド活用の事例も紹介しているため、よりイメージしやすくなるでしょう。

なお、クラウドエンジニアへの就職・転職を見据え、独学でスキル習得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。

侍エンジニアでは、現役エンジニアから指導を受けつつ、就業活動のサポートが受けられます。

「累計受講者数4万5,000名以上」「転職成功率99%」を誇る侍エンジニアなら、未経験からでも挫折なくクラウドエンジニアへの就業が実現できますよ。

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Amazon Web Services 基礎からのネットワーク&サーバー構築

最もシェアの高いクラウドサービス「AWS」について勉強できる1冊です。ネットワークやサーバーの構築ができるようになることをゴールとしており、実践的なスキルも習得できます。

この本に記載された手順に沿って実践すれば、AWS上でWebサーバーの構築が可能です。チャプターごとに必要な知識も解説していますが、ITインフラの予備知識があるとよりスムーズに読み進められます。

クラウドエンジニアの勉強におすすめの学習サイト3つ

続いて、クラウドエンジニアの勉強におすすめのサイトを3つ紹介します。

「3大クラウド」とも言われる大手クラウドサービスは、それぞれトレーニングサイトを公開しています。本で基礎固めした後にこうしたサイトを活用すれば、スムーズに実践学習することが可能です。

AWSトレーニングサイト

AWSを勉強できる、公式のトレーニングサイトです。「デジタルトレーニング」と「クラスルームトレーニング」の2種類あり、さまざまな学習コンテンツから好きなものを選べます。

デジタルトレーニングでは、動画やスライドを使って自分のペースで勉強することが可能です。クラスルームトレーニングでは、対面またはオンラインの授業形式で講師から学べます。

ただし、トレーニングを受けるためにはAWSアカウントが必要です。デジタルトレーニングは基本的に無料で勉強できるため、利用してみてください。

Microsoft Azureトレーニングサイト

Microsoft Azureを勉強できる、公式のトレーニングサイトです。自分のペースで学べるオンライン形式のコースと、講師から学ぶクラス形式のコースから選べます。

オンライン形式のコースは主に動画コンテンツで、学べる知識やスキルは多岐にわたります。動画コンテンツは基本的に無料ですが、視聴するためにはMicrosoftアカウントが必要です。

Google Cloudトレーニングサイト

Google Cloud Platformを勉強できる、公式のトレーニングサイトです。アプリケーション開発や機械学習など幅広い学習コンテンツを提供しており、レベルに合わせて学べます。

自分のペースで勉強できるオンデマンドコースと、講師から教われるクラス形式のコースがあります。ただし基本的に有料となり、コースによって料金はさまざまです。

クラウドエンジニアに必要なおすすめ資格3選

クラウドエンジニアにおすすめな必要な資格3選

クラウドエンジニアとして成功するには、必要な知識とスキルを証明できる資格の取得が重要です。しかし、初心者はどの資格を取得すべきか迷うことも多いでしょう。

ここでは、クラウドエンジニアを目指す人にとくにおすすめの資格を3つ紹介します。

上記の資格を取得することで、クラウドエンジニアとしての第一歩を踏み出せます。また、キャリアを進める上での強力な武器ともなるでしょう。

情報処理技術者試験

対象メリット有効期限受験料試験日受験方法
【初心者向け】
基本情報技術者試験
IT基礎知識を学びたい未経験者幅広いIT職種に必要なIT基礎知識が身につく規定なし7,500円随時実施オンライン試験
(選択式)
【経験者向け】
応用情報技術者試験
応用力と幅広いIT知識を身につけたい経験者ITエンジニアとしてスキルアップに繋がる応用力が身につく規定なし7,500円春期4月、秋期10月の年2回筆記試験
・午前:多肢選択式
・午後:記述式

情報処理技術者試験は、日本国内で広く認知されている国家資格です。IT業界全体で重要性が高く評価されています。

情報処理技術者試験にはいくつかのレベルがありますが、初心者におすすめなのは「基本情報技術者試験」です。基本情報技術者試験は、ITの基礎知識をしっかり学べる他、セキュリティやプログラミングといったクラウドエンジニアに必須の知識を身につけられます。

IT業界でのキャリアをさらに深めたい場合には、「応用情報技術者試験」が適しています。基本情報技術者試験の上位資格であり、実務で求められる応用スキルを習得可能です。マネジメントや経営に関する知識も含まれているため、将来的に管理職を目指す場合にも大いに役立つでしょう。

AWS認定資格

対象メリット有効期限受験料試験日受験方法
【初心者向け】
クラウドプラクティショナー
AWSクラウドサービスの基礎知識を学びたい人AWSクラウドサービスの基礎知識が身につく規定なし100ドル
(約1万5,000円)
年中実施テストセンターまたはオンライン試験
(選択式)
【経験者向け】
ソリューションアーキテクトアソシエイト
1年程度のAWS活用経験がある人AWSを活用したサーバーやネットワークなどの構築・管理スキルが証明できる規定なし150ドル
(約2万円)
年中実施テストセンターまたはオンライン試験
(選択式)

AWS認定資格は、クラウドサービスのなかでもとくに人気の高い「Amazon Web Services(AWS)」に関する知識やスキルを証明する資格です。資格を取得することで、クラウドエンジニアとしてのスキルを強くアピールでき、多くの企業からの信頼を得られます。

また、AWSは、サーバー・ネットワーク・データベース・ストレージといったさまざまなITインフラをクラウド化するための強力なツールです。AWSを活用することで、効果的でスケーラブルなシステムを構築できるようになります。AWS認定資格を取得すれば、こうした技術を駆使して幅広い開発環境で活躍できるクラウドエンジニアとしての道が開かれるでしょう。

AWS認定資格はレベルごとに多くの試験が用意されており、自分のスキルレベルや目指す方向性に応じて選択可能です。初心者には、AWSの基礎知識が習得できる「クラウドプラクティショナー」が適しています。より専門的なスキルを目指す場合には「ソリューションアーキテクトアソシエイト」がおすすめです。

Linux技術者認定試験

対象メリット有効期限受験料試験日受験方法
【初心者向け】LinuCレベル1Linuxの基本操作やシステム管理スキルを学びたい人需要の高いLinuxOSを活用したインフラ開発に携われるようになる5年以内1件当たり1万6,500円年中実施オンライン試験
(選択式+筆記)
【経験者向け】LinuCレベル2Linuxを活用してインフラのクラウド化ができるスキルを学びたい人Linuxを活用してインフラやクラウド環境の構築ができるようになる5年以内1件当たり1万6,500円年中実施オンライン試験
(選択式+筆記)

Linux技術者認定試験(LinuC)は、Linuxの知識とスキルを証明するための資格です。Linuxはサーバーやクラウド環境で広く利用されているオペレーティングシステムです。その専門知識はクラウドエンジニアとしてのキャリアにおいて非常に重要といえます。資格を取得することで、Linuxに関する深い理解と実践的なスキルを持っていることを証明できます。

Linux技術者認定試験はスキルに応じた4つのレベルが用意されており、知識や経験に合わせて挑戦可能です。初心者には、Linuxの基本操作やシステム管理スキルを学べる「LinuCレベル1」がおすすめです。インフラ関連の基礎知識が問われるため、クラウドエンジニアとしての基礎を固められます。

より高度なスキルを求める人は「LinuCレベル2」に挑戦しましょう。Linuxを利用したサーバーやネットワークのインフラ構築スキル、さらにはシステムのクラウド化に関する知識が問われます。

クラウドエンジニア求人に応募する際のアピールポイント4つ

クラウドエンジニア求人に応募する際のアピールポイント4つ

クラウドエンジニアとしてのキャリアを追求するためには、求人に応募する際に自分を効果的にアピールすることが重要です。とくに意識すべきポイントは、次の4つです。

習得したスキルを最大限アピールする

クラウドエンジニアとしての採用を勝ち取るためには、習得したスキルを具体的かつ明確にアピールすることが不可欠です。

求人情報に記載されている必須スキルや求められる能力をしっかりと把握し、自分がそれらをどの程度満たしているかを丁寧に伝えましょう。たとえばAWSやAzure、Google Cloudなどの主要クラウドプラットフォームに関する知識や実務経験を持っていれば、それらを具体的なプロジェクトや業務内容と関連づけてアピールすると効果的です。

クラウドサービスに関する専門的なスキルだけでなく、プログラミングやネットワーク管理、セキュリティ対策といった関連分野のスキルもアピールポイントとなります。業務にどのように役立つのかを明確に説明することで、企業からより高く評価してもらえるでしょう。

学習の過程を整理し、苦労をどう乗り越えたかをまとめる

単にスキルを列挙するだけでなく、それを得るまでの学習過程や遭遇した困難をどのように克服したかを具体的に伝えることも重要です。問題解決能力や粘り強さ、自己成長につながる意欲をアピールする絶好の機会となります。

自分がクラウド技術を学び始めたきっかけや動機を明確にし、その過程でどのような課題や困難に直面したのかを整理しましょう。その問題をどのように解決したのか、どのようなリソースを活用したのかを詳細に伝えることで、実践的なスキルと問題解決能力が強調されます。

また、学習を続ける中でどのようにモチベーションを維持したか、自分の進捗をどのように管理したかについても触れましょう。

計画性や、自己管理能力の高さをアピールできます。

取得した資格を取得した理由を応募動機にからめる

資格の取得はクラウドエンジニアとしての専門性を証明する強力な手段ですが、求人内容との関連性が薄ければ意味がありません。なぜその資格を取得したのか、理由を応募動機に結びつけることが重要です。

うまく結びつけられれば、自分が応募先企業にどのような価値を提供できるかを明確に示せます。

資格を取得した背景や動機を振り返り、それがクラウドエンジニアとしてのキャリアにどのように寄与するのかを整理しましょう。たとえばAW定資格を取得した場合、クラウドサービス市場での需要が高まっており、その中で自身の市場価値を高めるために必要だと考えたといった動機が挙げられます。

さらに、資格取得の過程で学んだことや、それをどのように実務で応用したいと考えているかについても言及しましょう。

ポートフォリオのクオリティを高める

クラウドエンジニアとしてのポートフォリオは、スキルや経験を具体的に示す重要なツールです。とくに転職を考えている場合、ポートフォリオ能力を証明する強力な武器となります。

ポートフォリオには、これまでに手がけたプロジェクトの具体的な事例を詳細に記載しましょう。たとえばクラウド環境を利用したシステムの設計や、実際の運用に携わった経験があれば、プロセスや成果物を明確に示します。

プロジェクトごとに使用した技術やツールや、自身の役割・課題に併せてどう解決したかを具体的に説明することで、実力が伝わりやすくなるでしょう。

さらに、プロジェクトの成果や成功事例を強調することも大切です。たとえばクラウド環境への移行によってコスト削減やパフォーマンス向上を実現した場合、具体的な数値や影響を示すことで、自身の貢献度がより明確になります。採用担当者に対して、強いアピールになるでしょう。

独学でロードマップに沿ってクラウドエンジニアを目指す3つのコツ

独学でロードマップに沿ってクラウドエンジニアを目指す3つのコツ

クラウドエンジニアとしてのキャリアを独学で目指すのは難易度が高いです。ただし、綿密な計画と戦略があれば不可能ではありません。押さえておくべきコツとしては、次の3つが挙げられます。

それぞれについて具体的に解説します。

勉強していることを周りに宣言する

独学でクラウドエンジニアを目指す上で重要なのは、継続的な学習に必要なモチベーションの維持です。そのための有効な方法の一つが、自分が学習に取り組んでいる旨を周囲に宣言することです。家族・友人・同僚など近くにいる人々に自分の目標を伝えることで、「途中で諦めるわけにはいかない」という感覚を持てます。

結果、自分に対するプレッシャーを生み出し、学習の継続を支える環境を作れます。

さらに、周囲からの応援やアドバイスを受けられるため、孤独になりがちな独学の過程で精神的なサポートを得ることも可能です。学習の進捗状況を定期的に報告することで、自己管理能力も向上し、目標に向かって一歩一歩進んでいくためのモチベーションを維持できます。

また、ソーシャルメディアや個人ブログなどを利用して学習状況を公開するのも効果的です。

わからないことを聞ける体制を整える

クラウドエンジニアの学習では、必ずわからないことに直面します。とくにクラウド技術は日々進化しており、専門的な知識が必要とされるため、学習過程で壁にぶつかることも少なくありません。こうした状況で重要なのは、わからないことをすぐに解決できる体制を整えておくことです。

たとえば、オンラインコミュニティやフォーラムに参加するのはおすすめです。多くのエンジニアが集まり、質問や情報交換が行われている場所に積極的に参加することで、自身が抱える疑問に対する回答が容易に得られるでしょう。他の人の質問や回答から学べることも多いはずです。

また、メンターを見つけることも効果的です。メンターとは、すでにその分野で経験を積んでいる人や、目指す職業に就いている人のこと。メンターは実際の業務での経験や実践的な知識を共有してくれるため、独学では得られない貴重な洞察を得られるでしょう。

さらに、オンラインコースやセミナーに参加することも、わからないことを解決する手助けとなります。

実際にクラウドエンジニアとして働いている人の声を聴く

クラウドエンジニアとして成功するために、すでにクラウドエンジニアとして働いている人々の声を聴くのは有益です。現場での生の経験や知識は、独学だけでは得られない貴重な情報源となり、学習に大きな影響を与えるでしょう。

まずはインタビュー記事やポッドキャスト、YouTubeなどのメディアを活用して、クラウドエンジニアとして活躍しているプロの経験談を積極的に取り入れましょう。こうした情報を通じて、クラウドエンジニアとしてのキャリアパスや、求められるスキルセットについて深く理解できます。

また、イベントや勉強会に参加し、直接クラウドエンジニアと交流する機会を持つのも効果的です。主要な都市ではクラウド技術に関するカンファレンスなどが開催されています。こうした場に参加することで業界の最新トレンドや技術情報を得ることが可能です。同じ志を持つ仲間と知り合うこともできるため、モチベーションの維持にも繋がるでしょう。

クラウドエンジニアによくある質問

クラウドエンジニアという職種は、近年のIT業界で注目を集めており、多くの人が役割やスキルについて興味を持っています。ここでは、クラウドエンジニアに関する次の質問に対して、わかりやすく回答していきます。

インフラエンジニアとの違いは何?

インフラエンジニアとクラウドエンジニアの大きな違いは、インフラ管理を物理的に行うかクラウドベースで行うかです。

インフラエンジニアは、ネットワークやサーバー・データベース・ストレージなどのハードウェアを中心としたインフラ環境の設計・開発・運用を担当します。物理的な機器の設定や配線、オンプレミスのインフラ管理など、ハードウェアに密接に関連した作業を行います。

一方のクラウドエンジニアは、これらのインフラをクラウド環境で構築・管理することに特化しています。クラウドを利用することで、物理的なサーバー管理の負担を軽減し、スケーラブルで柔軟なインフラの提供が可能となります。

ただし現場によっては、インフラエンジニアとクラウドエンジニアの業務が重なることもあります。そのため、インフラエンジニアがクラウド技術を学び、クラウドエンジニアとしての役割を担うケースも増えてきています。

インフラエンジニアとクラウドエンジニアは、どちらもITインフラの設計・構築・運用を担当する職種です。しかし、業務内容や役割には違いがあるのです。

未経験からでもクラウドエンジニアになれる?

未経験からクラウドエンジニアになることは、十分可能です。たとえば次の記事をご覧ください。

資格取得で面接突破!未経験の自衛官がクラウドエンジニアになるまで
更新日:2024年9月4日

この記事に登場する平山さんは、自衛官として2年間勤務し、その後クラウドエンジニアへの転身を志しました。IT分野は今後も成長が見込まれ、人材不足も深刻化していることから、スキルを習得すればキャリアアップができると考えたのです。

平山さんはクラウドエンジニアになるために、AWSの学習ができ、さらに転職保証があるSAMURAI ENGINEERを選びました。結果として、複数のIT企業から内定を獲得。見事に未経験からクラウドエンジニアとしてのキャリアをスタートさせることができました。

クラウドエンジニアのキャリアパスは?

クラウドエンジニアとしてのキャリアパスは、主に技術職とマネジメント職の2つにわかれます。

技術系のキャリアパスとしては、主に次の4つが挙げられます。

  • ITスペシャリスト
  • インフラエンジニア
  • Webエンジニア
  • フルスタックエンジニア

いずれも特定の技術や分野に特化したキャリアであり、最新の技術をキャッチアップし目に見える形で成果を上げることで、実績を積み重ねていくものです。

マネジメント系のキャリアパスとしては、主に次の2つが挙げられます。

  • プロジェクトマネージャー
  • クラウドコンサルタント

プロジェクトマネージャーは、クラウド環境でのプロジェクトを計画し進行管理する仕事。クラウドコンサルタントは、クラウド導入や運用に関するコンサルティング業務を行い、クライアントの課題解決を支援する仕事です。

詳しくは次の記事をご参照ください。

クラウドエンジニアのキャリアパス6選!技術・マネジメント別に解説
更新日:2024年11月15日

クラウドエンジニアの平均年収は?

国税庁の平成29年度「民間給与実態統計調査結果」によれば、クラウドエンジニアの平均年収は約578万円です。

ただし当然ながら、年代によって平均年収は異なります。年代別のクラウドエンジニアの平均年収は、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、次のようになっています。

年代平均年収
20~24歳339万円
25~29歳445万円
30~34歳533万円
35~39歳573万円
40~44歳621万円
45~49歳651万円
50~54歳666万円
55~59歳652万円

日本人の平均年収と比較すれば、クラウドエンジニアが比較的高収入を得られる職業であることがわかります。

詳しくは次の記事をご参照ください。

クラウドエンジニアの年収はいくら?年代別の年収と将来性を解説
更新日:2024年11月15日

まとめ

クラウドエンジニアキャリアは、IT業界の中でも需要が高まっている分野であり、目指すためには適切なスキルと知識を習得することが不可欠です。

クラウドエンジニアになるためのロードマップとして、他のエンジニア職からの転職や独学、スクールの利用などさまざまな方法があります。実際の事例やキャリアパスを参考にしつつ、自分の目指す方向性に合った学習方法や資格取得を進めることが、成功のための鍵となります。

本記事を参考にして、継続的な学習と実践を重ね、自分の市場価値を高めていきましょう。エンジニアを目指してみてはいかがでしょうか。

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本記事の解説内容に関する補足事項

本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。

また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。

参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました

記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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