エンジニアとして独立するときに必要な知識は何?
エンジニアとして独立する方法が知りたい
現在、エンジニアとして働いている方の中には、このように思っている方もいるのではないでしょうか?
エンジニアのキャリアアップとして、独立して実力を発揮したいという方も増えていますが、実際に独立するとなると分からないことも多いですよね。
この記事では、エンジニア歴10年の筆者がエンジニアとして独立する際の選択肢を示したうえで、独立に必要なスキルや仕事の受注方法をご紹介します。また、未経験から独立する方法も解説しますので、ぜひ参考にしてください。
エンジニアとして独立する5つの選択肢
エンジニアとして独立するといっても、フリーランスや起業など選択肢はいくつかあります。
フリーランスと独立の違いは、フリーランスは個人事業主として働く方のことをいいますが、独立はフリーランスや起業した方など企業を退社して自分で事業を起こした方の総称です。
ここからは、エンジニアとして独立する際の選択肢として、以下の5つの選択肢を解説します。
- フリーランスのプログラマー
- フリーランスのシステムエンジニア
- フリーランスのコンサルタント
- 起業して自社サービスを開発する
- 起業して受託開発する
選択肢① フリーランスのプログラマー
エンジニアが独立する際の選択肢1つ目は、「フリーランスのプログラマ―」。
案件ごとにクライアントと契約を交わして、客先に出向いて働くか在宅で開発をして納品する働き方です。
フリーランスエンジニアとしては一番多い働き方ですが、フリーランスプログラマ―は即戦力が求められるため、基本的に開発経験は必要です。
またWeb開発など一部の開発ではリモートワークも可能なので、働く場所に縛られたくないプログラマ―にはおすすめの選択肢といえます。
選択肢② フリーランスのシステムエンジニア
エンジニアが独立するときの選択肢2つ目は、「フリーランスのシステムエンジニア」。
開発の上流工程である要件定義や設計などの業務に携わる働き方で、システムの規模によっては上流から下流まで関わることもあります。
フリーランスのシステムエンジニアの場合もプログラマ―同様、客先に出向いて常駐するか在宅で業務をするかの2通りです。客先であれば会社員時代とあまり働き方は変わりませんが、在宅勤務であれば時間に縛られずに働けます。
選択肢③ フリーランスのコンサルタント
エンジニアが独立するときの選択肢3つ目は、「フリーランスのコンサルタント」。
コンサルタントというとエンジニアと関係なさそうですが、ITコンサルタントであれば実はエンジニアとしての経験や知見が活かせる仕事です。
ITコンサルタントはITを用いた戦略の策定や企画立案などを行う職業で、新システムの提案や必要な要件の提案などが仕事です。戦略の策定など企業の業績にも影響する仕事であるため、システム開発の知識以外にもマネジメントの知識なども必要です。
ただその分報酬も高いので、より高収入で責任ある仕事をしたい方にはおすすめの選択肢です。
選択肢④ 起業して自社サービスを開発する
エンジニアが独立するときの選択肢4つ目は、「起業して自社サービスを開発する」こと。
エンジニアが独立する際、一番に思いつくのはフリーランスになることですが、実は起業して自社サービスを開発して収益を得ることもできます。よくある例としては、Webサービスやスマホ・Webアプリなど少数人数でも開発しやすいサービスを開発しリリースすることで利益を得る手法です。
企業で働くときと違い、自分で設計したサービスを自分のペースで作成できるので、新しいアイデアがある方には向いていますね。もちろん、サービスを1から作成するノウハウや販売スキルなどは必要ですが、スキルがあれば比較的独立しやすい方法です。
選択肢⑤ 起業して受託開発する
エンジニアが独立するときの選択肢5つ目は、「起業して受託開発する」こと。
エンジニアが一から起業し受託開発する場合、システム開発のスキルだけでは事業を継続することは難しいでしょう。逆に顧客を一から確保するノウハウや伝手、起業する際の協力者や仲間がいる場合には安定して仕事を得られます。
起業してから案件を探すのはリスクが高いので、企業に在籍中からクライアントなどと交流し伝手を作っておくのがおすすめです。実際、独立前に良くしてもらっていたクライアントと起業後もお付き合いがあるエンジニアもいます。
起業して受託開発する場合は、開発スキル以外にも営業力や伝手、コミュニケーション力などを身につけておくことが大切です。
エンジニアとして独立する際に必要なスキル
エンジニアとして独立する際には、システム開発のスキルはもちろん、さまざまなスキルが求められます。特に独立する場合、エンジニアとして重要なシステム開発のスキル以外にもマネジメントや経営力といった事業を行う上でのスキルも必須です。
ここからは、エンジニアとして独立する際に必要なスキルとして、以下のの4つをご紹介します。
- プログラミングスキル
- システムの開発経験
- 営業力・コミュニケーション力
- 経営力・マネジメント力
スキル① プログラミングスキル
エンジニアが独立する場合、プログラミングスキルは必須です。当たり前ですがエンジニアの基本はシステム開発なので、独立時にはプログラミングスキルがないと話になりません。
独立して継続して案件を獲得することを考えれば、プログラミング言語は2つ以上扱えた方が良いでしょう。1つだけでも仕事ができないわけではありませんが、2つ以上の言語を扱えることで活躍の場が広がります。
例えば、HTML/CSSだけしか扱えない場合は簡単なWebサイトのデザインくらいしかできませんが、JavaScriptを扱えればWebサイトの処理も担当することができます。
エンジニアとして独立するうえで、プログラミングスキルは基礎となるスキルなのでしっかりと習得しておきましょう。
スキル② システムの開発経験
エンジニアが独立する際に必要なスキル2つ目は「システム開発経験」です。独立して自力でシステム開発を行うのであれば、システム開発の一部の手順だけではなく仕事の流れ全体を把握しておくことが必要になります。
システム開発経験が豊富で、仕事の流れや必要なスキルなどを理解しておかないと、実際に開発し始めてからトラブルが発生してしまうことも。納期までにスムーズに開発を完了させるためにも、システム開発経験は会社員時代にたくさんしておくことをおすすめします。
できれば同じ開発業務ではなく、種類の異なるシステムの開発にも積極的にチャレンジしておくと良いでしょう。
スキル③ 営業力・コミュニケーション力
エンジニアが独立する際に必要なスキル3つ目は「営業力・コミュニケーション力」です。エンジニアが独立するときにフリーランス・起業を問わず、システム開発のスキルが必要なことは皆さん知っているでしょう。
ただ、軽視しがちなのが営業力やコミュニケーション力です。
基本的に会社員であれば自動的に案件が獲得されるので、エンジニアが営業をすることはありませんが、独立した場合は全部自分で仕事を獲得しなければいけません。単発で案件を獲得するだけならそこまで難しくはありませんが、継続して獲得するには営業力やコミュニケーション力がより大切です。
エンジニアは営業力やコミュニケーション力を身につける機会が少ないので、独立する前にしっかり身につけておきましょう。
スキル④ 経営力・マネジメント力
エンジニアが独立する際に必要なスキル4つ目は「経営力・マネジメント力」です。
企業に勤めているときには、エンジニアとしての仕事に専念できますが、独立した場合はそれ以外の業務も自分でしなければいけません。例えば、税金や経費の管理、報酬交渉や案件の条件交渉など自分でやらなければいけない仕事はたくさんあります。
エンジニアとして独立する方の中には、エンジニアとしての仕事より経営管理作業の方が大変という方も多く、経営力やマネジメント力は重要です。独立する前に、税金の仕組みややらなければいけない手続きなど下調べをしておくことをおすすめします。
独立後のエンジニアが仕事を受注する5つの方法
独立後には自分で仕事を受注する必要がありますが、複数の探し方を組み合わせることで安定的に案件を獲得しやすいです。
ここでは、独立後のエンジニアが仕事を受注する方法として、以下の5つを解説します。
- エンジニア向け求人サイトを利用する
- エンジニア向けエージェントサービスを利用する
- クラウドソーシングを利用する
- ビジネスSNSを利用する
- 個人的に仕事を獲得する
エンジニア向け求人サイトを利用する
独立後にエンジニアが仕事を受注する方法1つ目は「エンジニア向け求人サイトを利用する」こと。フリーランスとして独立する際に役立つ方法で、エンジニア向けの求人をピンポイントで探せます。
フリーランス向け求人サイトには、エンジニア以外の案件も扱っているサイトとエンジニアに特化したサイトがありますが、特化型のサイトがおすすめ。エンジニア向けの求人サイトであれば、年収や勤務先などの勤務条件やスキルを絞って案件を探せるので便利です。
求人サイトなら無料登録できるところも多いので、とりあえず登録して案件情報を入手するのもおすすめです。
代表的な求人サイトとしては
などがあります。ぜひ、参考にしてみてください。
エンジニア向けエージェントサービスを利用する
独立後にエンジニアが仕事を受注する方法2つ目は、「エンジニア向けエージェントサービスを利用する」ことです。
エージェントサービスは自分の代わりに営業活動をエージェントに任せるサービスで、商談や条件交渉などの手間を省くことができます。案件を獲得するまでの手続きや交渉の手間が省けるだけではなく、安定して案件を獲得できるのも魅力です。
フリーランスエンジニアとして働きたいけれど営業力に自信がない方や、システム開発に集中したい方に向いています。
代表的なエージェントサイトとしては
などがあるので、自分が使いやすいサービスを選んでみてください。
どのエージェントに登録すればいいのか迷ってしまう場合におすすめのエージェントは、「エミリーエンジニア」です。
エミリーエンジニアは、人気のフルリモート案件が豊富にあり、なおかつフリーランス独立したての方も多く登録しているため、フリーランスになりたての方でも安心して利用できます。
登録は無料なので、「フリーランスになり案件獲得に不安がある」という方はとりあえず登録しておくことをおすすめします。
クラウドソーシングを利用する
独立後にエンジニアが仕事を受注する方法3つ目は、「クラウドソーシングを利用する」こと。クラウドソーシングサービスを利用することで、仕事を受注したい方と仕事を依頼したい方をマッチングしたうえで、報酬トラブルなどを防げます。
自分で案件を獲得する場合、契約内容に不備がありちゃんと報酬が支払われないなどトラブルに見舞われることも。一方で、クラウドソーシングサービスを利用すれば、サービス提供会社が間で仲介してくれるので報酬のトラブルなどが起こりにくいです。また、サービス上で簡単に案件が探せるので、営業の手間も省けます。
大規模案件はあまりありませんが、小規模案件はクラウドソーシングサービスにもたくさんあるので、手早く案件を探したい方におすすめです。
代表的なクラウドソーシングサービスでいうと
などがあります。それぞれ案件数や細かい規定が異なるので、迷ったときは大手サイトの「クラウドワークス」か「ランサーズ」を選ぶのがおすすめです。
クラウドソーシングサービスに関しては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ビジネスSNSを活用する
独立後にエンジニアが仕事を受注する方法4つ目は、「ビジネスSNSを活用する」ことです。
ビジネスSNSとは、主に企業やビジネス情報が欲しい方が登録して利用しており、求人情報や企業情報などを入手できるサービスのこと。求人サイトと異なり求人だけを扱っているわけではなく、企業のPR情報や職場環境など求人に応募する際の参考になる情報も入手可能です。
サービスによって掲載内容は異なりますが、単純な求人サイトより企業について詳細な情報が入手できる傾向にあります。企業内の担当者の話や、企業がビジネスをするうえでの思いなどを掲載しているサイトもあるので、案件をもらう企業についてよく知りたい方におすすめです。
代表的なビジネスSNSとしては
などがあります。
利用無料のサービスも多いので、複数登録するのもおすすめです。
個人的に仕事を獲得する
独立後にエンジニアが仕事を受注する方法5つ目は、「個人的に仕事を獲得する」ことです。誰でもできる方法ではありませんが、在職中のコネクションや友人が多い方であれば個人的に仕事を受注できます。
例えば、在職中にお世話になっていたクライアントに独立することをそれとなく伝えておくと、独立後の顧客になることも。
また、IT企業を経営している方やエンジニアを募集している企業で勤務している友人などがいれば案件を頂くことも可能です。人とのコネクションはどこで役立つか分からないので、在職中から積極的に人間関係を構築しておくと良いでしょう。
未経験からエンジニアとして独立する5つの方法
この記事を読んでいる方の中には、エンジニア未経験から独立したい方もいるでしょう。しかし未経験から独立するのは、スキルや経験値が求められるエンジニアにとっては難しいです。そのため、しっかりと手順に沿って行動することが大切。
ここからは、未経験からエンジニアとして独立する方法として、以下の5つについて手順ごとに解説します。
- フリーランスのプログラマ―を目指す
- フリーランスのシステムエンジニアを目指す
- フリーランスのコンサルタントを目指す
- 起業して自社サービス開発を目指す
- 起業して受託開発を目指す
フリーランスのプログラマーを目指す場合
フリーランスのプログラマーを目指す場合、まずはしっかりとシステム開発のスキルを身につけることが大事です。中には独学からいきなり独立する方もいますが、企業やプログラミングスクールなどでしっかりと経験を積んでから独立した方がリスクが少なくて済みます。
ここからは、フリーランスのプログラマ―を目指す場合のステップをご紹介します。
ステップ① エンジニアとして実力をつける
フリーランスのプログラマーになるためのステップ①は「エンジニアとしての実力をつける」ことです。
いくら独立したい方といっても、プログラミングやシステム開発のスキルがなければ案件を獲得することもできません。まずは、未経験からでも採用しているIT企業に就職し、2~3年は準備期間として実力を身につけた方が良いでしょう。
プログラマ―であれば、特にプログラミング言語を最低2つは扱えるように学習を進めてみてください。
ステップ② 在職中に事業計画を立てる
フリーランスのプログラマ―になるためのステップ②は、「在職中に事業計画を立てる」ことです。
プログラマーとして実力を付けた後は、具体的にフリーランスとして独立した後の計画を立てることが大切で、独立後に安定的に収益を得る仕組み作りをしておきましょう。行き当たりばったりで独立してしまうと、継続して案件を獲得できずに挫折してしまうケースも少なくありません。
独立した後の収入源の目途やどれくらいの収入が必要なのか検討したうえで、将来的にどうやってキャリアアップするのかまで考えておきましょう。
ステップ③ 在職中に人脈&コネクションを作る
フリーランスのプログラマーになるためのステップ③は、「在職中に人脈&コネクションを作る」ことです。プログラマーとして独立しても、案件がなければ収入や自分の実力を示す場もありません。
フリーランスプログラマーが案件を獲得する際、在職中の人脈やコネクションがあれば安定して案件を獲得できるのでおすすめです。特に規模の大きい企業をクライアントに確保できれば、収入や継続依頼も期待できます。
エンジニアとして実力をつけることも大切ですが、在職中にいろいろな人と交流しておくのも大切です。
ステップ④ 独立前に最初の案件の目途を立てる
フリーランスのプログラマ―になるためのステップ④は、「独立前に最初の案件の目途を立てる」ことです。案件の目途を立てずに独立する方もいますが、案件がない状態だと独立後最初の業務は営業活動になります。
プログラマ―のスキルがあっても営業経験は少ない方も多いので、営業からスタートするのはなかなか大変です。独立前に最初の案件を確保しておけば、独立後にスムーズに仕事をスタートできます。
ステップ⑤ 独立する
フリーランスのプログラマ―になるためのステップ⑤は、「独立する」ことです。在職中にしっかり準備ができたら後は独立するだけですが、独立する際には在籍していた会社との関係を崩さないようにしましょう。
独立する際に会社に内緒で準備すること自体は問題ありませんが、企業を辞めたいという意思は早めに伝えるべきです。直前だと企業ともめる可能性もありますし、早めに伝えることで晴れやかな気分でフリーランスをスタートできます。
また、企業との関係性にもよりますが、できれば独立することを企業に伝えた方がメリットが大きいです。独立する旨を伝えることで、在籍している企業とクライアントと受注者の関係として関わることもありますし、案件を紹介してくれる企業もあります。
独立する際には、在籍中の企業を円満に退社できるようにしましょう。
フリーランスのシステムエンジニアを目指す場合
フリーランスのシステムエンジニアを目指す場合、プログラマ―とは異なり上流工程である設計や企画業務の経験も必要です。
ここからは、フリーランスのシステムエンジニアを目指す場合のステップをご紹介します。
ステップ① プログラミングスキルを身につける
フリーランスのシステムエンジニアになるためのステップ①は、「プログラミングスキルを身につける」ことです。
システムエンジニアの主な仕事は設計や企画などの上流工程なので、働き方によってはプログラミングをする機会が少ない方もいます。ただ、プロフェッショナルとまではいかなくても、プログラミングの基本的な知識・スキルは必須です。
システムエンジニアは、プログラマ―やクライアントと関わることも多い職業なので、状況判断をするうえでもプログラミングスキルは身につけておきましょう。
ステップ② システム開発の上流工程の経験を積む
フリーランスのシステムエンジニアになるためのステップ②は、「システム開発の上流工程の経験を積む」ことです。
システムエンジニアの主な仕事は、上流工程の基本設計・詳細設計・企画書作成などがメインなので、できるだけたくさん上流工程への参加経験を積んでおきましょう。特に上流工程を経験することで知ることができる業務の流れや、プロジェクトメンバーとの関係構築の経験は貴重なので在籍中に意識してみてください。
ステップ③ 在籍中に事業計画を立てる
フリーランスのシステムエンジニアになるためのステップ③は、「在籍中に事業計画を立てる」こと。
プログラマーでも解説しましたが、システムエンジニアの場合も事前の事業計画作成は重要な作業です。定期的に案件を獲得する方法や、最低限必要な収入などをしっかり計算したうえで必要に応じてスキルアップを目指すと良いでしょう。
ステップ④ 独立後の最初の案件を獲得する
フリーランスのシステムエンジニアになるためのステップ④は、「独立後の最初の案件を獲得しておく」ことです。システムエンジニアの場合もプログラマーと同様に、退職前に最初の案件を獲得しておくのが良いでしょう。
やはり、フリーランスになりたての頃は働き方に慣れる時期でもあるので、営業活動などで消耗するのはおすすめできません。企業に在籍しているうちに、最初の案件の目星はつけておきましょう。
ステップ⑤ 独立する
フリーランスのシステムエンジニアになるためのステップ⑤は、「独立する」ことです。
システムエンジニアは上流工程を担当することが多いため、企業にとっても貴重な人材で人手不足である場合もあります。そのため、独立する際にはかなり早めに企業に伝えてあげることが大切です。
特に中小企業の場合、システムエンジニアありきで案件を獲得していることが多いので、トラブルにならないように注意してください。
フリーランスのコンサルタントを目指す場合
フリーランスのコンサルタントを目指す場合、システム開発の経験以外にも経営やマネジメント力も求められるためかなり道のりは長いです。
ここでは、フリーランスのコンサルタントを目指す場合のステップをご紹介します。
ステップ① Slerでシステムエンジニアとして経験を積む
フリーランスのコンサルタントになるためのステップ①は、「Slerでシステムエンジニアとして経験を積む」こと。コンサルタントになるためには企業をサポートして結果を出した実績やマネジメント経験が必要なので、Slerとして働きつつ経験を積むのが良いでしょう。
Sler(エスアイヤー)というのは「システムインテグレーター」の略称で、システムの構築や導入、運用までシステム開発の全てを請け負っている企業のことです。単純にシステム開発をするだけでなく、システムの企画や提案、導入後のアフターフォローなどを行うのでコンサルタントの訓練としてぴったりです。
システム開発のスキルはもちろん、クライアントとの関係づくりなど現場でしか経験できない体験をしましょう。
ステップ② より上流職のコンサルタント業務経験を積む
フリーランスのコンサルタントになるためのステップ②は、「より上流職のコンサルタント業務経験を積む」ことです。
コンサルタントは、プログラマ―などのように直接システム開発をすることはありません。基本的にクライアントの要望や企業の状況を踏まえたうえで、必要なITシステムの提案・作成までの指示等を行います。
そのため、コンサルタント・Sler企業で一定期間働いたうえで、しっかりとコンサルタント業務の経験をすることが大事です。特にクライアントの要望をくみ取る力や、コミュニケーション力などは仕事から得るものが多いので、在職中にしっかり経験しておきましょう。
ステップ③ 実績や資格を取得する
フリーランスのコンサルタントになるためのステップ③は、「実績や資格を取得する」ことです。
コンサルタントというのは、プログラマ―など直接システムを開発する仕事と違い、企業の利益に直結しやすい役割といえます。そのため、フリーランスのコンサルタントとして案件を獲得するには、企業に利益を与えた実績や実績を証明する資格などが必要です。
実績に関しては、企業在籍中にしっかり働くしかありませんが、資格については努力次第で取得できます。
ITコンサルタント向けの資格としては
などがあるので、アピールポイントとして積極的に挑戦してみてください。
ステップ④ 事業計画や独立の準備を進める
フリーランスのコンサルタントになるためのステップ④は、「事業計画や独立の準備を進める」ことです。
コンサルタントというのは、企業にとっては重要な人材なので採用を含めて慎重に判断する傾向にあります。そのため、コンサルタントとしてフリーランスになるときは事業計画を作成して、最初の案件などの目途を立てておくことが大事です。
優秀なコンサルタントの需要は高いので、企業在籍時のコネクションを活かして案件を獲得しやすく、クライアントに継続依頼をもらえるケースもあります。独立前にしっかり人脈づくりをしておくのも大切でしょう。
ステップ⑤ 独立する
フリーランスのコンサルタントになるためのステップ⑤は、「独立する」こと。コンサルタントの場合、企業にとっても重要な人材である場合が多く、独立する場合は早めに連絡するようにしましょう。
コンサルタント企業に努めている場合は代わりの人材がいるかもしれませんが、IT企業でコンサルティング業務をしている場合は後継人が少ない可能性もあります。退社時にトラブルにならないように、できるだけ早めに退社の意思があることを伝え、できれば独立することも伝えておきましょう。
起業して自社サービス開発を目指す場合
起業して自社サービスを開発する場合、システム開発のスキルを身につけることはもちろん、経営面の準備も必要です。
ここからは、起業して自社サービス開発を目指す場合のステップを解説します。
ステップ① プログラミング&システム開発スキルを身につける
起業して自社開発を目指す場合のステップ①は、「プログラミング&システム開発スキルを身につける」ことです。
起業する場合、システム開発の全ての工程を自力もしくは会社のメンバーで行う必要があります。そのため、プログラミングやシステム開発のスキルは必須です。
特にフリーランスと異なり、起業の場合は自分で開発するのでより高いスキルが必要。プログラミング言語も最低2種類は習得する必要があります。
起業して自社開発を検討している方は、企業在籍時から積極的にいろいろな種類の開発現場に参加して経験を積むのがおすすめです。
ステップ② システム開発の上流工程を経験する
起業して自社開発を目指す場合のステップ②は、「システム開発の上流工程を経験する」ことです。
起業して自社開発する場合、プログラミング業務以外にも企画や設計書作成など上流工程も全て自社で行います。そのため、システム開発の上流工程の流れを知っていることはもちろん、スケジュールを管理する方法やトラブル解消方法などの知識も必要です。
企業に在籍中にシステムエンジニアやプロジェクトマネージャを経験して、できるだけ多くの上流工程参加経験をするようにしましょう。
ステップ③ 事業計画や起業準備を進める
起業して自社開発する場合のステップ③は、「事業計画や起業準備を進める」ことです。
フリーランスと違い、起業をする場合は自分以外に仲間や社員がいる場合もあるので、より綿密な事業計画が必要。特に案件の獲得先や収益見込みは事業の存続にも関わるので、事前に事業計画書を作成して計画的に準備をすることが大事です。
また、起業する場合は役所で必要な手続きもあります。例えば、開業届やオフィスの契約、オフィス用品等の購入など個人で働く以上の手間がかかるケースも。社員数や働く場所によって手続きが変わるので、事前にしっかり準備しておきましょう。
ステップ④ 独立する
起業して自社開発する場合のステップ④は、「独立する」ことです。
起業する場合、現在在籍している企業が取引相手になる可能性もあるため、できれば起業して自社サービスを開発したいことを伝えてみるのがおすすめ。
もちろん、開発するサービスによっては伝えない方が良いこともありますが、企業が協力してくれそうであれば伝えてみましょう。顧客となりそうなクライアントを紹介してくれたり、企業を運営する上でのアドバイスをもらえることもあります。
起業して受託開発を目指す場合
起業して受託開発を目指す場合、基本的にはフリーランスとあまり変わりません。ただ、起業する場合はメンバーが複数人いる場合や、設計・開発・運用までまとめて受託するケースもあります。
ここからは、起業して受託開発を目指す場合のステップを解説します。
ステップ① プログラミング&システム開発の経験を積む
起業して受託開発する場合のステップ①は、「プログラミング&システム開発の経験を積む」こと。
起業して受託開発する場合、自力でトラブルを解決できるだけのプログラミングスキルが必要になります。最低でも2つ以上の言語を習得し、エラーなどトラブルが発生しても解決できるだけの経験を身につけましょう。
また、システム開発の経験を積むことも大事です。システム開発現場でしか経験できない人間関係や技術的なスキルもあるので、必要な経験と思って積極的にチャレンジしてみてください。
システム開発といっても業務システムやWebサイト作成などさまざまな種類があるので、できるだけ種類の異なる開発に参加するのがおすすめです。システム開発をたくさん経験することで、起業したときの選択肢が増えます。
ステップ② 上流工程を経験してマネジメントを学ぶ
起業して受託開発する場合のステップ②は、「上流工程を経験してマネジメントを学ぶ」ことです。起業して受託開発する場合、システム開発のスキル以外にも業務マネジメントのスキルも必要になります。
起業すればスケジュール管理や、他の社員がいる場合は仕事の割り振りなどマネジメント業務もあるので、起業前にマネジメントスキルを学ぶのが大切です。具体的にはシステムエンジニアやプロジェクトマネージャを経験して、設計や企画などの上流工程を経験する必要があります。
上流工程を経験すれば、クライアントやプロジェクトメンバーとの関係づくりも学べますし、システム開発の流れやスケジュール管理も学べるでしょう。
ステップ③ 人脈やコネクションを作る
起業して受託開発する場合のステップ③は、「人脈やコネクションを作る」ことです。起業する際に大切なのは、案件を途切れさせずに安定した収益を上げることですが、そのためには起業前に人脈やコネクションを作っておく必要があります。
例えば、企業に在籍中にお世話になったクライアントや先輩など、人脈やコネクションをたくさん作っておけば独立後も役立つことも。お世話になったクライアントがそのまま仕事を任せてもらえるケースもありますし、在籍している企業がサポートしてくれることもあります。
独立するからといって人間関係をリセットするのではなく、今いる環境を活用して起業につなげるのがおすすめです。
ステップ④ 起業準備を進める
起業して受託開発する場合のステップ④は、「起業計画や案件を獲得する」ことです。
エンジニアから独立して起業する方はたくさんいますが、起業計画をしっかり立てないと安定的に案件を獲得できずに苦労します。企業に勤めるエンジニアであれば、システム開発など企業から言われた仕事をしていればいいですが、起業したら自分で案件を探さなければいけません。
また、給料も決まっているわけではないので、起業前に起業計画をしっかり立てて最初の案件の目途を立てておきましょう。
ステップ⑤ 独立する
起業して受託開発する場合のステップ⑤は、「独立する」ことです。
独立する際には、今所属している企業とトラブルにならないように退職は早めに伝えるようにしましょう。特に起業して受託開発する場合、現在所属している企業が取引先になることもあるので、良い関係性のまま退社した方が良いです。
エンジニアとして独立する際の注意点
エンジニアとして独立する場合、継続して収益を獲得するのが一番大切であり一番難しいです。独立すると自力で案件を獲得しなければいけませんし、案件が見つかっても報酬が満足した額ではないこともあります。
ここからは、エンジニアとして独立する際の注意点として、以下の3つをご紹介します。
- やりたいことをしっかり決めてから独立する
- 独立後のスキルアップは必須
- 報酬の管理には注意
やりたいことをしっかり決めてから独立する
エンジニアとして独立する場合、やりたいことをしっかり決めてから独立するのが大事です。独立する理由は人によって異なりますが、「先輩に誘われたから」など他人の影響を受けた理由だと長続きしません。
また、事業計画が不十分でも収益を継続してあげられないので注意が必要です。どういった開発をメインで考えているのかや案件の獲得方法など、やりたいことと計画をしっかり考えて独立するようにしましょう。
独立後のスキルアップは必須
エンジニアとして独立後には、案件を継続して獲得するためにもスキルアップが必須です。基本的にIT業界は技術の移り変わりが激しいのでスキルアップが必要ですが、独立した場合は特にスキル面が求められます。
クライアントがフリーランスや小規模企業に仕事を依頼するのは、高いスキルを期待しているから。スキルアップできなければクライアントの期待に答えられないので、案件獲得が難しいです。
独立した後に継続して稼ぎ続けるためには、常に新しい技術や流行をチェックしてスキルアップを目指すようにしましょう。
報酬の管理には注意
エンジニアとして独立する際には、報酬の管理に注意が必要です。
企業に勤めている間は意識することがありませんが、企業は案件ごとに報酬の交渉を行っています。しかしエンジニアが独立する場合には報酬の管理は自力で行う必要があり、報酬額の設定や支払い期限の設定などしっかり行うことが大切です。
契約時にしっかり契約書をチェックしておかないと、報酬が低すぎて割りに合わなかったり報酬の未払いが発生したりすることも。特にクラウドソーシングサイトなどで個人や、小規模企業と契約する際にはしっかりと契約内容を確認しましょう。
独立すると自分の身は自分で守る必要があるので、報酬の管理は念入りに行ってください。
まとめ
今回は、エンジニアとして独立する際の選択肢や独立方法、独立する際の注意点などをご紹介しました。
エンジニアとして独立する場合、フリーランスになるにしろ起業するにしろ、企業在籍時に開発スキルやマネジメントスキルなどを身につけることが大切です。今後、独立を考えている方はぜひ、参考にしてみてください。