近年、ビジネスのIT化が進み、大量のデータを分析・活用したいという企業が増えていることから、データアナリストやデータサイエンティストに注目が集まっています。
そのため、データアナリストやデータサイエンティストを目指したいという人も多いのではないでしょうか。
ただ、データアナリストとデータサイエンティストの定義の違いがあいまいな人は多いですよね。年収や仕事内容・必要なスキルなど、双方の違いを知らないまま目指しては「事前にちゃんと調べておけばよかった…」と後悔しかねません。
そこで、今回はデータアナリストとデータサイエンティストに違いはあるのか、その差異を下記8つの観点でわかりやすく解説します。
データアナリストとデータサイエンティストのどちらを目指すべきなのか、といった疑問にもお答えするので、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
データアナリストとデータサイエンティストの違い
さっそく、8つの観点でデータアナリストとデータサイエンティストに違いはあるのか、その差異を解説します。
役割/仕事内容の違い
データアナリストの役割/仕事内容 | ・データ分析 ・既存データセットの探索/解析 ・分析結果をもとにしたレポート作成 ・ビジネス戦略の提案 など |
データサイエンティストの役割/仕事内容 | ・機械学習におけるモデル作成 ・ビッグデータの収集/加工 ・予測モデルの作成 ・機械学習アルゴリズムの開発 など |
データアナリストとデータサイエンティストは、主に担当する仕事内容が異なります。
データアナリストの主な仕事内容は、その名の通りデータ分析です。具体的には、既存データセットの探索や解析、分析結果をビジネスに活かすためのレポート作成、ビジネス戦略の提案などを行います。
一方、データサイエンティストの主な仕事内容は、機械学習におけるモデル作成などのデータサイエンス領域です。具体的には、ビッグデータの収集・加工、予測モデルの作成、機械学習アルゴリズムの開発などを行います。
ただし、データアナリストとデータサイエンティストで「ビッグデータ(膨大なデータ)を企業の活動に役立てる」という役割は共通しています。
そのため実業務では明確な線引きが難しく、データアナリストがモデル作成まで行う場合や、データサイエンティストがビジネス戦略の提案まで行うケースもあります。この点はおさえておきましょう。
平均年収の違い
データアナリストの平均年収 | 約698万円 |
データサイエンティストの平均年収 | 約699万円 |
「求人ボックス 給料ナビ」によると、データアナリストの平均年収は約698万円、データサイエンティストの平均年収は約699万円だとわかりました。(2023年6月現在)。
両者にほとんど差はなく、どちらも日本全体の平均年収と比較すると高水準です。
データアナリスト、データサイエンティストに共通していえることですが、全体の給与幅が広めとなっています。専門とする業務だけを行うか、専門分野のみにとどまらず幅広い業務をこなせるかで大きな差がついていると推測できます。
求められるスキルの違い
データアナリストに求められるスキル | ・統計学/数学の知識 ・SQLの知識 ・データ分析の知識/スキル ・コミュニケーション/提案力 |
データサイエンティストに求められるスキル | ・統計学/数学の知識 ・SQLの知識 ・データ分析の知識/スキル ・プログラミングスキル ・機械学習アルゴリズムの知識 |
両者に共通して必要となるのは、データ分析に関する知識や、その前提となる統計学・数学の知識です。また、自在にデータを抽出するために、最低限SQLの知識は必要となります。
これに加えてデータアナリストの場合は、分析結果をレポートにまとめ、クライアントに提案するスキルが必要です。論理的な正しさだけでなくわかりやすさも重要になるため、比較的高度なコミュニケーションスキルを求められます。
データサイエンティストの場合、データアナリスト以上に専門的なデータ分析スキルが必要です。機械学習アルゴリズムへの理解や、データ分析のためのプログラムを開発するスキルを求められます。
必要な資格の違い
データアナリストに必要な資格 | ・統計検定 ・基本情報処理技術者試験 ・オラクルマスター試験 |
データサイエンティストに必要な資格 | ・統計検定 ・基本情報処理技術者試験 ・G検定 ・E資格 ・Python 3 エンジニア認定データ分析試験 |
データアナリスト、データサイエンティストのどちらも、必須となる資格はありません。しかし、キャリアアップや就職(転職)を狙っている方は、資格を取得することでスキルを証明でき、有利になりやすいです。
そこで、業務で役に立ち、面接で評価されやすいおすすめの資格を紹介します。
データアナリストの場合、統計知識が問われる統計検定や、ITの幅広い分野を学べる基本情報処理技術者試験をおすすめします。データベースを操作する機会が多いため、Oracle社のベンダー資格であるオラクルマスター試験も有用です。
データサイエンティストの場合、基本情報処理技術者試験に加えて、AIや機械学習に特化した資格であるG検定やE資格を取得しておくと有利になります。また、Pythonを用いたデータ分析の基礎を学べるPython 3 エンジニア認定データ分析試験もおすすめです。
需要/将来性の違い
求人ボックス 給料ナビに掲載された求人数(2023年6月現在まで)を基準に、データアナリストとデータサイエンティストを比較すると、データサイエンティストの方がやや需要が多いのが現状です。
これは、高度なデータサイエンスの学習を修めた人材の不足が背景といえます。
とはいえ、データアナリストの求人数も高い水準で推移しており、しかも上昇傾向です。これはデータサイエンティストにもあてはまります。
このことから、データアナリスト、データサイエンティストはどちらも十分に将来性のある職業であるといえます。データ分析の需要がなくなったり、それらの業務がただちにAIに置き換えられるとは考えにくいですよね。
就業難易度の違い
一般的に、データアナリストへの就職や転職のほうが、比較的難易度が低いとされています。これは、データサイエンティストは求められるスキルの専門性が高いためです。
データアナリストに求められるスキルは、統計やSQL、データビジュアライゼーションなどの知識です。これらは専門のスクールなどを通じて比較的短期間で学ぶことができます。
一方、データサイエンティストに求められる、高度な統計やプログラミングスキルなどは、修士や博士といった高度教育を受けていることが前提となっているケースが多いです。こちらは、未経験での転職にはかなりの苦労が伴うと予想されます。
キャリアパスの違い
データアナリストは、データ分析をもとにビジネス戦略を提案するのが得意な「コンサル型」と、AIを利用してデータ分析を行うのが得意な「エンジニア型」に分けられます。
コンサル型の場合、以下のようなキャリアパスがあります。
- マネージャーなどの管理職
- コンサルタントに転職
- 自分で起業
エンジニア型の場合、データサイエンティストと似た業務内容になるため、経験を積んでからデータサイエンティストとして転職することも可能です。
一方データサイエンティストの場合は、以下のようなキャリアパスがあります。
- 特定分野のデータ分析に特化したスペシャリスト
- マネージャーなどの管理職
- AI関連スキルを高めてAIエンジニアへ転職
適性の違い
データアナリストに向いているのは、知的好奇心が強く、調べることが好きな人です。データ分析結果をもとに、「結果が出ている原因は何だろうか」「どうすればこの結果をビジネス戦略に活かせるだろうか」と考える能力が高く評価されます。
逆に向いていないのは、データや数字を扱うことが苦手な人です。毎日大量のデータや数字に囲まれて働くことに抵抗を感じる人は、避けたほうがよいかもしれません。
一方、データサイエンティストに向いているのは、データサイエンスの勉強が苦にならない人です。この分野は難易度が高く、習得までに膨大な学習が必要になるほか、就職してからも自発的な学習が求められます。
「業務時間外には絶対勉強したくない」「データサイエンスに興味を持てない」という人にはおすすめできませんが、これらを楽しんで実行できる人であれば天職となるでしょう。
データアナリストとデータサイエンティストはどちらを目指すべき?
未経験からの就職を目指す場合、データアナリストを目指すことをおすすめします。なぜなら、最低限求められる知識やスキルの専門性が、データサイエンティストと比較すると低い傾向にあるからです。
データサイエンティストに求められるAIや機械学習の知識は、修士や博士課程での高度な教養が前提となる場合がほとんどです。それに対して、データアナリストに求められる統計やSQL、基礎的なプログラミングスキルなどは、比較的短期間で身に着けられます。
また、データアナリストの業務をこなす中で専門性を高めてから、データサイエンティストへの転職を目指すという道もあります。
ただ、なかには「どちらが自分に向いているかわからない…」「ほかの職種も気になる…」と感じている人もいますよね。そんな人は弊社の「ITキャリア診断」をお試しください。
かかる時間は1分ほど。5つの質問に答えるだけで、次のような自分にあう職種を診断してもらえます。
自分にあう職種があいまいな人は、ぜひ一度お試しください。
自分にあう職種を診断してみる挫折なくデータサイエンスのスキル習得を目指すなら
ここまでの解説を踏まえ、独学でデータサイエンスを習得しようと考えている人のなかには、
独学で習得できるかな…
途中で挫折したらどうしよう…
と不安な人もいますよね。
ただ実のところ、データサイエンスに欠かせないSQLといったプログラミング言語の学習途中で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では
- 不明点を聞ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
などの理由から、87.5%が「プログラミング学習で挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。
また、こうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では
- 確実にスキルを身につけられると思ったから
- 独学では不安がある
- 効率よく学べそう
などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。
加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました。
上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。
いざ独学でプログラミングを学び始めても、勉強の最中に挫折しまっては学習にかけた時間を悔やむだけでなく「プログラミングスキルを身につけるのって思っていたよりも難しいんだな…」とスキルの習得自体を諦めかねません。
仮にわからないことを飛ばしながら勉強を進めたとしても、ITエンジニアへの転職や副業での収入獲得を実現できる実践的なスキルが身につかなければ、結局後悔することになります。
そこで、おすすめしたいのが「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」です。
料金 | 月分割4.098円~ |
実績 | ・累計指導実績4万5,000名以上 ・受講生の学習完了率98% ・受講生の転職成功率99% |
侍エンジニアをおすすめする最大の理由は「挫折しづらい学習環境」にあります。
先ほど述べたとおり、独学者の多くは自力で不明点やエラーを解決できないためにプログラミング学習を挫折しています。そのため、未経験者が現役エンジニアのようなプロに質問や相談できない状況で、プログラミングスキルを習得するのは非常に難易度が高いといえます。
しかし、侍エンジニアでは
- 現役エンジニア講師によるマンツーマンレッスン
- 現役エンジニアに質問できるオンラインでのQ&Aサービス
- 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ
といったサポート体制を整えているため、学習中に出てきたわからないことや不明点をいつでも相談可能です。「受講生の学習完了率98%」「転職成功率99%」という実績からも、侍エンジニアなら挫折しづらい環境でプログラミング学習を進められるといえます。
また、侍エンジニアではカウンセリングにて受講生一人ひとりの目的をヒアリングしたうえでカリキュラムを作成するため、限られた受講期間でも効率的に必要なスキルだけを習得可能です。
最短距離で目的を実現できるようカリキュラムが組まれているため、勉強する順番や内容を誤り非効率に時間や手間を費やす心配もありません。
なぜ侍エンジニアが挫折せずプログラミングスキルを習得できるのか気になる人はぜひ公式サイトをご覧ください。
公式サイトで詳細を見るまとめ
今回は、データアナリストとデータサイエンティストの違いを解説しました。
データアナリストとデータサイエンティストは混同されやすいですが、さまざまな違いがあることをおわかりいただけたかと思います。
データ分析スキルの需要は今後もますます増えていくことが予想されます。データアナリスト、データサイエンティストは将来性十分な選択肢といえるでしょう。
とはいえ、これらの職種に就くためには、統計やプログラミングについてしっかり学習する必要があります。独学ではかなり難しい分野ですので、スクールの活用も検討しながら、ぜひデータアナリストやデータサイエンティストを目指してみてください。