この記事では、給付例も交え、個人がリスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を使う手順を解説します。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援って何?
給付金はいくらくらい支給されるんだろう?
どんなスキルが身につけられるかも気になる…
職場で求められる能力の研鑽や新しいスキルの習得を促すため、政府は社会人のリカレント教育(社会人の学び)に注力しています。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は、新たなスキル習得や転職を見据えリスキリングに励む社会人に向けた給付金制度の1つです。
ただ、給付金の存在は知っているものの、実際にどう使えばいいのかわからない人は多いですよね。
そこで、この記事では特徴や給付条件も交え「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の活用手順をわかりやすく解説します。給付金が活用できないときの対処法や分野別におすすめのリスキリング向け講座も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 本給付金は転職を目的としたスキルアップを支援する制度
- 企業との雇用契約があるかつ転職希望であれば利用可能
- 講座・スクール受講料の最大70%が支給される
ステップ1:給付金の対象者かを確認する
まずは、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の給付金が使える対象者かを確認しましょう。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の支給対象は、次の条件を満たす在職中の転職希望者です。
- キャリア相談対応の支援開始時に在職者(企業等と雇用契約を締結している)であること
- 雇用主の変更を伴う転職を目指していること
キャリア面談時に企業と雇用契約を結んでおり、リスキリングや転職を目指している人が利用できます。具体的には、次の労働者が対象です。
- 正社員
- 契約社員
- パート/アルバイト
- 派遣社員
キャリアアップ支援事業の活用条件は難しくなく、利用できる人は多いです。正社員だけでなく、契約社員やパート・アルバイト、派遣社員なども対象となります。一方で、フリーランスや副業で稼ぐ目的でのリスキリングは対象外です。
なお、最終的に転職できなくても転職を希望して就職活動に取り組む前提であれば、給付金は受け取れます。ただし、転職できなかった場合や転職後1年間の継続的な勤務が確認できない場合、給付額は減額(※)されます。
次の記事では、リスキリングで転職が有利になるのか詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
給付の条件
給付金を利用するときは、次の条件をクリアする必要があります。
- 事業に採択された補助事業者のリスキリング講座を修了すること
- 受講後転職をして1年間就業すること
対象事業者の講座を最後まで受講し、転職後1年間継続して働けば満額の給付を受けられます。条件は難しくないため、転職先選びを間違えなければ満額受給できるはずです。
給付される金額
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業は、活用することでスクールや講座にかかる費用の最大70%が支給されます。
費用は受講者が支払いをしたのち、講座受講後に条件を満たせば給付金が受け取れます。仮に費用の70%が給付された場合「70万−49万=21万円」と、実質負担21万円で講座が受講可能です。
また、給付金の支払いタイミングは事業者により異なります。たとえば、プログラミングスクール「侍エンジニア」の場合、支給タイミングは次のとおりです。
リスキリングを通したキャリアアップ支援事業は、はじめに全費用を利用者が負担するため、給付金を受給できる場合も資金の確保が必要です。
なお、ITの仕事に興味はあるものの、どの職種が自分にあうのかわからない人もいますよね。そんな人は「ITキャリア診断」をお試しください。
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ステップ2:給付までの流れを把握する
自分が給付金の対象者かを確認できたら、給付までの流れを把握しましょう。
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業を活用すれば、対象講座にてスキル習得から転職支援までを一貫してサポートしてもらえます。給付金は次の流れで利用できます。
- 1.受講する事業者(講座・スクール)を決める
- 2.キャリア相談を行う
- 3.リスキリングを実施する
- 4.キャリア支援を受けながら転職活動を行う
- 5.転職後のフォローアップを受ける(講座により実施の有無が異なる)
- 6.給付金の支給
受講しはじめれば事業者のサポートが基本的にあるため、利用者は流れに従い行動すれば問題ありません。給付金の支給は、講座・スクール修了後と転職して1年継続して勤務をしたタイミングの2回です。
ステップ3:受講したいリスキリング講座を決める
次は、受講したいリスキリング講座を決めましょう。
自分の学びたい分野を給付金の対象事業者が提供する講座から、選択してください。2024年10月現在、130社の事業者が登録しており、次のような分野が学べる講座を受講可能です。
- プログラミング
- マーケティング
- 介護関連
- ChatGPTなどAIツールを扱うスキル
- Webデザイン
- 動画編集 など
給付金の対象事業者は、下のサイトから確認できるので、あわせて参考にしてください。
上記の給付金対象講座は、人手不足の業界や、将来性が高い分野を中心に選定されています。
なかでも、プログラミングやAIなどのITスキルは需要が年々増しています。将来性を踏まえれば、費用をかけて習得するメリットは大きいです。
なお、おすすめの給付金対象講座を知りたい人は、下記から移動してください。
また、リスキリングの学習分野の決め方が知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
ステップ4:選んだリスキリング講座に申し込む
最後に、選んだリスキリング講座に申込みましょう。申込みは次の手順で行います。
- 1.講座・スクールの無料カウンセリングに参加する
- 2.該当の講座へ申込みを行う
多くの講座・スクールでは、受講前に学習内容やサポート体制を確認できる無料カウンセリング、無料相談会などを実施しています。気になる講座は無料カウンセリングに参加し、サポート体制や学習方法などを確認することで自分に合う講座を受講できます。
受講する講座が決定したら、公式サイトもしくは資料請求を行い申込みましょう。
なお、副業での収入獲得を目指しているものの、どんな仕事が自分に合うかわからない人は「副業診断」をお試しください。
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自身が取り組みやすい副業で収入を獲得したい人は、ぜひ一度お試しください。
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給付金対象のリスキリング講座おすすめ6選【分野別】
ここからは、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業の給付金対象講座の中でおすすめを6つ紹介します。
【IT】侍エンジニア
侍エンジニアの特徴
- 給付金活用で受講料が最大70%OFF
- 転職活動で内定が獲得できなければ受講料を全額返金
- AIやデータサイエンススキルも習得可能
侍エンジニアは、プログラミングやWebデザインなどIT分野に特化した事業者です。
金銭面での支援を受けつつ、プログラミングやWebデザインなど幅広いスキルの習得から転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。
たとえば、Webエンジニア転職保証コースでは、JavaやRubyなどを活用したWebアプリ開発が学べます。またAIアプリコースやデータサイエンスコースなど、将来性が高い最新技術も学べるのも魅力です。
現役エンジニアと学習コーチの2名体制でスキル習得をサポートしてもらえるため、途中で挫折する心配はありません。「受講生の学習完了率98%」という実績からも、侍エンジニアなら挫折しづらい環境で学習を進められるといえます。
なお、侍エンジニアには転職以外のフリーランスや副業を目的としたコースもあります。選択肢が多いのも大きな魅力です。
また、仮に転職活動で内定が獲得できない場合でも受講料を全額返金してもらえる「保証制度」が適用されるため、かけた費用を無駄にする心配もいりません。学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心して理想の転職が実現できますよ。
\ 給付金で受講料が最大80%OFF /
給付金がもらえるまでの具体的な流れ
カウンセリングで自身のキャリアを棚卸しし、キャリアのゴールを設定します。
目的に向かって受講開始。専属講師とメンターがあなたの学習をサポートします。
お支払いいただいた金額の50%が給付金として支給されます。
1年間就業いただいた段階で、受講料金20%が給付金として支給されます。
※ご転職いただかない場合でも受講終了段階で50%の給付金は受け取れます。
侍エンジニアで理想のキャリアが実現するまでの具体的な流れ
自身のキャリアを棚卸しし、キャリアのゴールを設定します。
対象講座を受講し、設定したキャリアのゴールに必要なスキルを身につけます
転職に向けた伴走支援。
IT業界に特化したプロがあなたにあう企業の紹介や書類添削、面接対策などを支援します。
転職後の1年間、転職先での継続的な就業や転職に伴う賃金上昇をフォローアップします。
リスキリングにプログラミングがおすすめな理由を知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
【ビジネス】エンファクトリー
エンファクトリーは、転職前にベンチャー企業で働く経験ができるサービスです。
300社以上のベンチャー企業から、自分の興味がある企業を選択して労働体験ができます。在職中にリスクなしで新しい業界・職種にチャレンジできるため、転職に不安を感じている人におすすめの講座です。
公式サイトには、AIをエンタメ事業に活用する企業や、地方創生・農業の人手不足解消に取り組む企業などへの参加体験談が掲載されていました。
ベンチャー企業での体験は労働契約ではないため、所属企業へ副業申請などを行う必要がありません。さらに週1日程度、平日の夜や土日での調整もできるので、働きながらでも参加しやすい環境です。
加えてただ参加するだけでなく、達成すべきミッションを考えてから実施されており、体験後に振り返りやフィードバックを受ける機会もあります。業務を体験したい企業・業界がある人や、ベンチャー企業での勤務に興味がある人におすすめです。
コース名 | ベンチャー留学 |
受講費用 | 通常:38万5,000円 給付金利用時:5万5,000円 |
学べるスキル | ベンチャー企業で働く経験 |
目指せる職種 | ベンチャー企業の業種により異なる |
【英語】ミライズ
ミライズは、独自メソッドで効率的に英会話が学べる講座です。
従来の英語学習では、英単語・文法・リーディングを学んでからリスニングやスピーキング学習を実施していました。しかし、ミライズでは「発せない音は聞こえない」という考えのもと、リスニングからスタートする独自の学習メソッドを導入。英会話未経験からでも効率的にスキルが身につきます。
また学習サポートも充実。日本人コーチとのパーソナルトレーニングだけでなく、プロの英会話講師とマンツーマンレッスンも実施されます。自習時の不明点はLINEで相談できるため、挫折しないか不安な人も安心です。
ビジネスで通用する英会話スキルを身につけたい人や、過去に英会話学習で挫折したことがある人におすすめの講座です。
コース名 | 英語リスキリングプログラム6ヶ月コース |
受講費用 | 通常:53万9,000円 給付金利用時:19万6,000円 |
学べるスキル | ・英語のリスニング ・英語のスピーキング |
目指せる職種 | 英語を活用するすべての職種 |
【歯科】デントレ
デントレは、歯科衛生士としてスキルアップできるリスキリング講座です。
給付金の対象講座は6種類あり、オンラインでの学習と実践学習から選択できます。予防歯科や口腔内検査スキル、歯のメンテナンス方法など、歯科衛生士が臨床現場で行う実務スキルが学べる点が魅力です。
また講座修了後に証明書が発行されるため、転職時のアピールもしやすいです。本講座は、身につけたスキルを活かして歯科業界で転職を実現したい人に向いています。
【福祉】日本福祉アカデミー
日本福祉アカデミーは、介護職員初心者研修の取得を目指せる講座です。
介護職は無資格でも働けるものの、担当できる業務を増やしてキャリアアップするには資格やスキルが欠かせません。本講座では、介護保険制度や高齢者の特徴・病気など座学だけでなく、食事介助・入浴介助など介護スキルを学べます。
本資格は介護士が最初に挑戦する資格として有名であり、取得できれば介護士への転職で有利にはたらきます。とくに未経験であれば、最低限の知識・スキルがある点を証明できるはずです。
また転職支援は介護資格を所持するスタッフがサポートしてくれるため、効率的に転職活動が実施できます。未経験から介護職を目指したい人におすすめの講座です。
コース名 | 介護職員初心者研修 |
受講費用 | 通常:8万2,500円 給付金利用時:3万円 |
学べるスキル | ・介護の基本知識 ・食事介護や排泄介護の介護スキル など |
目指せる職種 | 介護士 |
【保育】スタイルクリエイト
スタイルクリエイトは、保育士としてスキルを高め転職したい人におすすめの講座です。
給付金の対象コースは3種類あり、勤務歴に合わせて選択できます。実務経験0~3年向けのコースでは、子どもの年齢に合わせた保育知識やアレルギー・事故防止など安全管理知識などが学べます。
実務経験3年以上向けのコースでは、実務スキルよりマネジメントスキル中心のカリキュラム。異業種からの転職を想定したコースでは、実践学習や保育業界の最新動向などが学べます。
また転職先の紹介も受けられるため、身につけたスキルを活かして効率よく転職が目指せます。保育士として働きやすい職場へ転職したい人や、異業種から保育士に復帰したい人におすすめの講座です。
給付金が活用できない時の対処法
リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業が利用できない場合は、下記を試してみましょう。
- 他の給付金制度を活用する(教育訓練給付金や自治体が提供する給付金など)
- 受講料の安いもしくは分割払いが可能な講座で学ぶ
教育訓練給付金には次の3種類があり、受講料の一部費用が受講後に支給されます。
スキルレベルや専門性により、利用できる給付金が異なります。給付率の高い専門実践教育訓練が該当する講座は、AI・データサイエンスなど将来性・専門性が高い分野です。
利用できる給付金は各事業者が運営するサービスで確認できるため、事前にチェックしましょう。個人が使える給付金を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
また、上記の給付金が活用できない場合は、受講料が安く分割払い可能な講座で学びましょう。講座によっては10万円以内で受講できるところや、月額1万円以下の分割払いで負担をおさえられるところもあります。
給付金が活用できるおすすめ講座を詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
キャリアアップ支援事業によくある疑問
最後に、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業によくある疑問へまとめて回答します。
受講中に退職した場合、給付は受けられない?
受講中に退職した場合でも、給付は受けられます。
受給条件には、サービスへの登録時と初回キャリア面談時に在職者であることが規定されています。そのため、初回キャリア面談を受けたのち退職した場合には給付金の対象です。
一方で、サービスへの登録前もしくは初回キャリア面談前に退職した場合、給付対象外となります。給付金を利用するときは、退職日の指定に注意が必要です。
途中で講座をやめた場合、給付はどうなる?
受講途中で講座を辞めた場合、給付は受けられません。
給付金を受け取るには最低でも受講を修了する必要があります。そのため、途中で辞めた場合は自己負担となります。一方で、スクール・講座によっては辞めるタイミング次第で受講料の返金が受けられる場合もあります。
最初の受講料は後払いにできますか?
スクール・講座によっては、最初の受講料を後払いにできる可能性があります。
分割払いを利用することで、1度の支払金額を抑えて後払いにできます。分割回数によって支払金額をコントロールできるため、資金が不安な人もリスキリングしやすいでしょう。
転職後に休職しても追加の補助金はもらえる?
転職後に休職した場合、追加の補助金をもらえるかは明確ではありません。
追加の補助金が支給される条件に、転職後1年間継続的に就業することがあります。休職期間が継続的な就業に認められれば給付されますが、中断期間とみなされると場合により支給されない可能性もあるでしょう。
詳しくは事業者に相談するか、給付金制度の専門サイトにあるお問い合わせフォームから確認してください。
なお、IT企業への転職や副業での収入獲得を見据え、独学でITスキルを習得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
侍エンジニアでは、現役エンジニアと学習コーチの2名体制で学習をサポートしてもらえます。
「受講生の学習完了率98%」「累計受講者数4万5,000名以上」という実績からも、侍エンジニアなら未経験からでも挫折なく転職や副業収入の獲得が実現できますよ。
\ 給付金で受講料が最大80%OFF /
まとめ
今回は、リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業について解説しました。
キャリアアップ支援事業の対象事業者を利用すれば、お得にリスキリングを行えます。受講条件があるため誰でも利用できる制度ではないものの、企業で働く多くの労働者が対象です。
リスキリングで新しいスキルを習得したいけど、講座に通う費用が理由で受講をためらっている人は給付金の利用を検討してください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。