業務効率化に役立つツールってどれだろう?
ツールによって効率化できる業務は違うのかな?
仕事が速い人のなかには、ツールを駆使して業務効率を上げている人が多いです。ツールを使わずに進める場合と比べて工数が格段に変わることもあるため、効率化につながるツールを押さえておくことが重要となります。
そこで、この記事では次の業務別におすすめの効率化ツールを紹介します。
ツールの選び方についても解説しているので、ぜひ最後までご一読ください。
業務効率化ツールとは?
「業務効率化ツール」とは、その名のとおり仕事を円滑に進めるための機能を提供するシステムやサービスのことです。この場合の業務はさまざまで、業種や職種の数だけあると言っても過言ではありません。
ツールを適切に選択することで、総合的な業務効率化が期待できます。ITを活用して時短で業務処理を行えるほか、人的な作業を自動化して業務ミスを減らすなどができるからです。
また昨今AI(人工知能)が発達し、人間の代わりにできることが増えています。しかもAIは人のように疲れを感じたり、処理に時間がかかったりすることもありません。その結果、AIを取り入れた業務効率化ツールが増えています。
効率化ツールのニーズが高い業務
効率化すべき業務は数多くありますが、特にニーズが高いものは大きく4つあります。
業務 | 効率化ニーズ・ツールの例 |
1.仕事の進行管理 | ・徹底したスケジュール管理をする ・煩雑なプロジェクト管理のために人的ミスを誘発しない 例:スケジュール管理ツール、カレンダーツール |
2.定型業務の自動化と管理 | ・定型業務(経理・受発注管理・顧客管理など)を人の手を煩わさずに処理する 例:RPAツール(ロボットによる業務自動化:Robotic Process Automation)、iPaaSツール (アプリを連携して業務効率化:Integration Platform as a Service ) |
3.コミュニケーション手段 | ・電話やメール以外のやりとりを迅速に行う 例:各種チャットツール(Chatwork、Slack) ・件数が多いと疲弊するためやりとりを自動化する 例:AIチャットツール |
4.文書の作成と管理 | ・議事録や報告書などの書類作成を効率化・自動化する 例:議事録作成ツール、文字起こしツール |
上記の業務はそれぞれ単独で役立つツールがある場合もあれば、1つのツールで複数の効率化が図れる場合もあります。
たとえば「コミュニケーションツールで業務上のやりとりを工程管理表に連動し、一元管理する」など一石二鳥です。業務環境や効率化が必要な機能にあわせて選ぶことが大切になってきます。
とはいえ「どうしたらよいかわからない」方のために、次に業務効率化ツールの選び方を解説します。
業務効率化ツールを選ぶ際に押さえるべきこと
適切な業務効率化ツールを選ぶ際に、大切なことは3つあります。
- 1.欲しい機能と要件を分析する
- 2.ツールの導入・利用にかかるコストを検討する
- 3.カスタマイズのしやすさと拡張性を確認する
まず、欲しい機能と要件を知るには、現在どのような課題があるのか把握することから始めなければなりません。「何をしたら業務が効率化するのか」を見つけるヒントになるからです。
そして効率化したい業務を定めてツールを選ぶ際には、導入・利用にかかるコストを検討することも大切です。多くのツールは導入費用や月額利用料、またはパッケージ費用などが発生します。
また役立つツールは、API連携(アプリ同士をつなぐこと:Application Programming Interface)で機能の拡張や、カスタマイズ性に優れていることが多いです。
たとえば経理業務の場合、日々の取引を入力して帳票から請求書まで作成できるソフトだけでは足りない可能性があります。経理業務には書類の作成のほか請求金額の支払い、入金確認等多岐にわたるからです。
そこで経理システムにスケジュール管理ツールを連携して、各期日にあわせてメールやチャットでリマインドされるように組み込みます。このように、ツールの連携によって業務の効率化が可能になります。
おすすめの業務効率化ツール16選
ここでは比較しやすいよう、おすすめの業務効率化ツールを一覧にまとめて紹介します。
気になるツールがあった方は、テキストリンクをクリックしてご覧ください。また、業務別におすすめの効率化ツールを確認したい人は、下記から移動してください。
タスク管理業務を効率化するおすすめツール3選
ここからは、タスク管理業務の効率化におすすめのツールを3つ紹介します。
- 1.Notion
- 2.Trello
- 3.monday.com
それでは詳しく見ていきます。
1.Notion
「Notion」は多機能型のタスク・プロジェクト管理ツールです。クラウド上で業務工程を管理し、タスクの進捗をチェックできるため、スケジュールやタスク管理に課題がある場合に役立ちます。
タスクに携わる複数のユーザーにスケジュールを共有したり、共同編集したりすることもできるため、チーム内でひとつのプロジェクトを進行する際に便利です。Slackなどのチャットツールに連携可能で、進捗を逐一メンバーに連絡する必要もありません。
Notionは、カスタマイズ性にも優れています。たとえば、スケジュールにファイルや画像、テキストを組み合わせてタスクリストの作成が可能です。
また、Notionの拡張機能のNotion AIを利用すると、報告書や要約文、議事録や表の作成などがわずかな時間で完成するため、効率化できる業務範囲が広がります。
2.Trello
「Trello」は、直感的な操作性が魅力のオンラインのタスク・プロジェクト管理ツールです。特長としては、下記の項目でドラッグ&ドロップで動かしながら、チームでプロジェクト管理ができることです。
- ボード:プロジェクトやチームの情報を入れる
- リスト:タスクごとに「ToDo(処理前)」「Doing(処理中)」「Done(処理済)」を記録する
- カード:各リストにアイデアやメモ等を入れる
各タスクに担当者と期限を設定し通知機能でリマインドが可能なため、業務工程での抜け漏れや遅延を未然に防げます。もちろん、SlackやSalesforceなどのツールと連携可能です。
3.monday.com
「monday.com」は、世界中のさまざまな規模の企業で多く利用されている業務工程(ワークフロー)管理ツールです。各業務において期日とすべき内容、また優先順位などを色付けされたわかりやすいガントチャートで管理できます。
柔軟性にも優れており、必要に応じてワークフローボードを使いやすく編集し、チームメンバーに共有することも可能です。また、世界で18万6千社以上の企業に利用されているだけあり、CRMツールや会議アプリ等、連携ツールの多さも魅力です。
定型業務を自動化する効率化ツールおすすめ3選
ここからは、定型業務を自動化できるおすすめのRPAツールを3つ紹介します。
- 1.UiPath
- 2.WinActor
- 3.Power Automate
RPAツール(Robotic Process Automation)とは、機械学習(AIやルールエンジン)ベースで定型業務を自動化するツールです。それでは、みてみましょう。
1.UiPath
「UiPath」は、RPA業界で世界的に有名なパイオニアブランドで日本でも1,500社以上が利用しているソフトウェアです。UiPathについて端的にわかりやすく解説すると、日々の定型業務を自動化するシステムを作ることです。
圧倒的なスピードで処理できるため人的な作業負担を軽減し、企業の生産性の向上にも貢献します。ただしカスタマイズ性が高い反面、初心者がUiPathを扱う場合はある程度の学習が必要です。
UiPathには、サイト「UiPath Academy」にて無料のオンライン講座が用意されているため、学びながら慣れることが可能です。
2.WinActor
「WinActor」は、日本製のRPAツールで国内約7,000社に利用されています。OSがWindowsの端末で、事務処理を自動化して作業を素早く処理することが可能です。
たとえば受注処理が集中する月末に、WinActorで受注書を取り込む過程を自動化することで、人的負担を軽減するだけではなく高速処理が可能です。
また、社員の交通費精算で利用の地下鉄区間の請求額と、経路検索で確認した金額に相違がある場合、差戻しをしなければなりません。その際に各区間の交通費をそれぞれ確認する単純作業を処理することも可能です。
このようにWinActorは、膨大な事務処理に長けています。
3.Power Automate
「Power Automate」はWindows向けのRPAツールで、Microsoft社のOfficeソフトで作成した文書や、インターネットで獲得した情報を活用した作業に適しています。
たとえばExcelのレポートの自動集約、Webサイトからの情報をExcelファイルにまとめるなどができます。
Power Automate Desktopには、自動化できる操作(アクション)が多数用意されているので、必要に応じて選んで使うことが可能です。ドラッグ&ドロップで操作できるので、コーディングの知識がない方でも扱いやすくなっています。
ワークフロー管理を効率化するおすすめツール3選
「1つのアプリでは業務を効率的にするには足りない」場合、別の機能を持つアプリをあわせて使用することも有効です。ここでは、ワークフロー管理を効率化するツールを3つ紹介します。
いずれもアプリやサービスを連携するツールで、iPaaS (Integration Platform as a Service )とも呼ばれています。ひとつの動作に連動して、より多くの工程を処理できることが魅力です。それではそれぞれみてみましょう。
1. Zapier
「Zapier」は豊富なアプリやSNSなど単体のサービスをつなぎ、業務工程における効率化を実現するツールです。一連の業務工程をコーディング不要で構築できます。
たとえばZapierを活用すると、ECサイトにて商品が売れたら自動で顧客にメールを送り、自動で社内の顧客管理システムに登録することが可能です。
またGmailでメールを受信した際にGoogle Sheetsに自動で登録することも可能で、抜け漏れなく情報を管理できます。ほかにも人材採用の場合、人事部で新しく社員を採用したら社員教育担当のSlackに通知が入るようにすることも可能です。
このように、Zapierはアプリ連携で細かな作業を自動化することに長けています。
2. IFTTT
「IFTTT」は、異なるアプリを連携させて効率的に業務を行うことを可能にするツールです。特定のアプリを使用した際に、別のアプリにその記録を登録できます。
IFTTTは「If This Then That(これをしたらあれをする)」という流れで、手間をかけずに2つの動作が起きるしくみです。特にSNS連携に長けています。
たとえばGoogleカレンダーに入れた予定をLINEで通知したり、Instagramで投稿した画像を自動でDropboxに保存したりすることも可能です。無料や低価格帯で使用できるため、ワークフローを手軽に効率化したい方におすすめします。
3. Make(旧Integromat)
「Make」は、豊富なテンプレートから連携機能を選ベるiPaaSです。コーディング不要で、視覚的にもわかりやすいUIでドラッグ&ドロップが使えるため、iPaaS初心者でも比較的操作しやすくなっています。
たとえば、広告分析を行う場合、FacebookなどのSNS広告が収集されるとGoogleスプレッドシートにその情報を自動で記載するといった作業が可能です。また、Googleドライブにある外国語の入った画像からテキストを取り出して翻訳することもできます。
ほかにも、メールの返信にChatGPTを活用して自動化するなど、AIを取り入れた機能もあるため幅広い業務に活用したい方におすすめです。
文字起こし業務を効率化するおすすめツール4選
普段、会議やカウンセリングなどコミュニケーションをとる業務が多い方もいるでしょう。そのような場合は、文字起こしツールの活用がおすすめです。ここでは、文字起こし業務を効率的にできるツールを厳選しました。
- 1.Notta
- 2.Rimo Voice
- 3.CLOVA Note
- 4.AI議事録取れる君
なお、AIを取り入れた文字起こしツールはますます便利になっています。上記4つのツールはAIによる機能も使えるため、ぜひ参考にしてください。
1.Notta
「Notta」は、日本語の会話や会議の音声をテキスト化するのに優れたツールです。高速で文字起こしが可能で、リアルタイムでも録音データでも素早くテキスト化します。目安として1時間の音声がわずか5分で処理できます。
また、ChatGPTを活用した精度の高い要約機能があるため、議事録や報告書の作成などにも活用可能です。ほかにもNottaにはチームワークスペースがあり、チーム間で生成されたデータの共有や編集も無駄なく実施できます。
2.Rimo Voice
「Rimo Voice」は、次のような音声データを文字起こししてくれる自動AIツールです。
- 会議の議事録
- 会話の記録
- 執筆のための取材 など
1時間の音声データを5分程度で文字化してくれるため、文字起こしが終わるまで長い間待つ必要はありません。日本語特化の表現や言い回し・話し言葉も忠実に文字化してくれるため、文字起こし後に推敲する手間が少ないのも大きな魅力です。
無料トライアルも実施しているため、気になる人は手軽に試してみると良いですよ。
3.CLOVA Note
「CLOVA Note」はLINEの文字起こしツールで、音声データの記録、管理、検索まで広く活用することが可能です。LINEの音声認識AI「CLOVA Speech」を使用し、会話や会議の音源から精度の高い文字起こしを提供しています。
CLOVA Noteでは、会議や商談などを録音してテキスト化するだけではなく、重要な部分をブックマークできるため、後からその部分を探し出すのに便利です。また、データは聞き逃しや「言った、言わない」のトラブル回避にも役立ちます。現在日本語のほかに英語、韓国語での文字起こしにも対応しており、高い精度を発揮します。
4.AI議事録取れる君
「AI議事録取れる君」は、多機能の文字起こしツールです。会議などの発話をテキストで記録するだけではなく、AIによる精度の高い要約にも対応しています。要約機能では、重要な箇所を箇条書きで記すため、報告書や議事録の作成にも有効活用が可能です。
また世界90か国の言語に対応し、主要16言語に翻訳することもできることも魅力で、国際色豊かな会議や商談での文字起こしも問題ありません。
ほかにも、オンライン会議ツールであるMicrosoft TeamsやZoomのスケジュール連携も自動化。オンライン会議における管理の効率化が期待できます。
業務全般をAIで効率化するおすすめツール3選
AIを取り入れたツールで業務効率化を図る方法もありますが、業務の負担そのものをAIで大幅に軽減することも可能です。ここでは、業務全般をAIで効率化するツールを紹介します。
- 1.ChatGPT
- 2.Bing
- 3.Google Bard
いずれも今注目のAIで業務のDX化にも役立つ技術です。ぜひ参考にしてください。
1.ChatGPT
「ChatGPT」は、米非営利研究機関のOpenAIが開発した対話型のAIです。チャットで自然に会話するように下された命令(依頼)に、高度なAIが的確な回答を提示します。
ChatGPIは、プロンプトで命令された内容に回答を示すため、テキストを生成する各業務における利便性が高いです。
主に下記の作業に対応しています。
- 会議の議事録・要約文の作成
- 社内報・各種記事の作成
- SNSの投稿文の作成
- 企画書の作成
- 言語の翻訳
- プログラミングコードの生成・バグの検知
ChatGPTを活用して業務を効率化するには、的確にプロンプト(命令)を出すことがとても重要です。プロンプトを明確に与えることでChatGPTが判断しやすくなり、提供する答えの精度が高まるためです。
ChatGPTについてより詳しく知りたい方は、下記の記事もぜひご覧ください。
2.Bing AI
「Bing AI」は、Microsoftの検索エンジン「Bing」の対話型AIで、検索結果にAIチャット機能を付加したツールです。Microsoft社が開発したAIで、インターネット上にある情報を元にAIが的確に答えてくれます。
ChatGPTとの違いは、Bing AIがネットから最新情報を示せるほか、画像を生成まで幅広く対応していることです。ちなみに、ChatGPTのOpenAIでは、有料ツール「DALL·E 2」で画像生成が可能です。
ただし、BingAIにおいても精度の高い指示の出し方が大切になってきます。
3.Google Bard
「Google Bard」はGoogleが開発した対話型AIを、検索エンジンGoogleを連携したサービスです。大規模言語モデルである「LaMDA(Language Model for Dialogue Applications」を活用したAIを基盤としています。
AIでは稀に間違った情報を提供することがありますが、Bardの場合Google検索に連動しているため、より信憑性の高い回答が期待できます。
Googleでは、同ツールを2023年3月から試験的にリリースしました。Bardが本格運用されるようになれば、GoogleアプリのAI活用が加速化し、ますます業務効率化に役立つ機能が使えるようになるでしょう。
より効果的にツールで業務効率化を進めるには
多種多様な業務効率化ツールがありますが、業務内容によって必要な機能もさまざまです。有料ツールの場合、企業の規模感や予算が見合わず導入が難しい場合も少なくありません。
自社の業務に合わせてツールをカスタマイズするには、プログラミングの知識が必要不可欠です。とはいえ、ITエンジニアでなければツールを作るのが難しい時代は徐々に変わってきています。
その理由は、AIの登場です。AIに相談しつつプログラミングできるため、ITエンジニアではなくても業務効率化につながるツール開発が可能になりました。
業務効率化につながるツール開発やAIの活用方法を知りたい方は、SAMURAI ENGINEERの「業務改善AI活用コース」がおすすめです。コースで学べる内容を簡単に紹介すると、下記の3つに凝縮できます。
- ChatGPTの活用法
- Excelを有効活用する方法
- Pythonのシンプルな構文
特に進化し続けるChatGPTは、AIに指示するだけで実務に即した活用ができます。会議の記録から議事録を作成、市場調査の報告書の要約まで、時間のかかる事務処理をすばやく完結します。
一方でChatGPTを有効活用するには、AIとの対話でいかに明確に指示するかが大切です。そのコツを現役のITエンジニアが教授します。また、簡単な構文から始められるPythonを使用したデータ処理の自動化も実感いただけます。
詳細は、下記リンク先からご確認ください。
公式サイトで詳細を見るまとめ
業務効率化に役立つツールについて広く解説しました。業界や業種によって求められる業務効率化の方法はさまざまですが、共通点はあります。それは「単純作業を自動化し、人の手による作業を減らすこと」です。
その点で対話型のChatGPTを始めとした対話型AIは進歩し続けており、今後あらゆる業界で有効活用できる可能性を秘めています。またプログラミングの構文知識がなくても使えることも大きな魅力です。
とはいえ、誰でもすぐに思ったような活用方法ができるわけではありません。AIの扱い方を習得し、業務効率化につながるツール開発の知識も必要です。
もしもChatGPTとPythonを短期間で習得できるコースに興味がある方は、下記リンクから無料カウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。
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