【Rails使い必見!】使うと便利なtryを理解するための4Tips

どうも!侍インストラクターのヨシダジュンです。

Ruby on Railsユーザーのみなさま、Active Supportは活用されていますか?

Active SupportはRuby言語の拡張、ユーティリティなどの役割を担っています。言語レベルで基本部分を底上げし、Railsアプリケーションの開発に役立つものです。

今回はそんなActive Supportの便利機能の中から、「try」メソッドに焦点を当て、tryメソッドを上手に活用する方法をご紹介します。

目次

tryとは

tryとはどんなメソッドなのでしょうか?一言で言うと「nilでない場合にのみオブジェクトのメソッドを呼び出したい場合」に使うメソッドです。nil状態でメソッドを呼ばないようにするために使います。

シンプルにこれにつきますね!具体的にどのように使うのか?についてはこの後にご説明します。

tryの使い方

tryメソッドを使うためには、まずActive Supportをインストールする必要があります。
Active Supportをインストールするときにはgemという、Rubyのパッケージマネジメントシステムを使います。gemの詳細は別記事を参照してみてください。
インストールするときのコマンドは以下です。

gem install activesupport

では実際にtryメソッドのサンプルコードを紹介しながら、tryがある場合とない場合との違いを説明しますね。

user ? user.address : '住所不定'
user.try(:address) || '住所不定'

1行目と2行目がtryを使わない場合と使う場合との違いです。

使わない場合は、まず「user ?」によってuserがnilかどうかをチェックしています。nilではない場合のみ、userオブジェクトから変数addressにアクセスしています。userが2回登場する辺りに冗長さを感じますね。

一方でtryを使う場合、userが一度だけ登場するコードにシンプル化されています。

tryとtry!の違い

tryとは何かを簡単にご説明しましたが、さらに、以下のサンプルコードで説明します。

user.try(:address)
user.try!(:address)

tryには2つの効用があります。
1.userがnilの時、何もしない
2.userにaddressが実装されてない時、何もしない

1,2両方の効用を持つのがtryであり、1つ目の効用しか持たないのが try!です。
tryを使う目的としては、1が多いと思いますので、積極的にtry!を使うほうがよいでしょう。

hashにtryを使ってみる

[1] pry(main); {}[:hoge]
# nil

{}は空のハッシュを表します。空のハッシュからhoge要素を取り出そうとするとnilを返しています。

[2] pry(main); nil[:hoge]
NoMethodError: undefined method `[]' for nil:NilClass

hashから要素を取り出すとき、nilだとエラーとなります。

そこでtryを使うわけです。

[3] pry(main); {}.try(:fetch, :hoge)
KeyError: key not found: :hoge

しかし、hash#fetchを使おうとすると、キーを登録していないとエラーとなります。

[4] pry(main); {hoge: 1}.try(:fetch, :hoge)
# 1

hash#fetchにはdefault(この場合は「hoge:1」)を渡してあげるとKeyErrorが防げます。

[5] pry(main); {hoge: 1}.try(:fetch, :hoge, 0)
# 1
[6] pry(main); {}.try(:fetch, :hoge, 0)
# 0
[7] pry(main); nil.try(:fetch, :hoge, 0)
# nil

nilに対しても、keyがないときでもエラーが起きません。

まとめ

今回はRuby on Railsにおけるtryの基本的な使い方からhashに対する使い方まで細かくご説明しました。

使うことでコードもよりシンプルに読みやすくなるのに加え、デバッグにも有用なtry、うまく活用していきましょう!

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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