データ分析の手法10選!種類ややり方、注意点も紹介

データ分析にはどんな手法があるんだろう?
効率の良い分析方法があれば知りたい

データの分析に着手したいものの、どう進めればいいのかわからない人は多いですよね。

いくつかある分析手法のなかから、どの方法を選べばいいのかあいまいな人もいるはず。

そこで、この記事では、データを分析するにはどうすればいいのか、その手法を種類も交え一覧にまとめて紹介します。データ分析の具体的なやり方や着手する際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。

また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。

参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました

記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。

目次

データ分析の主な手法10選

さっそく、データ分析の主な手法の10種類を紹介します。

なお、簡単に各手法の概要を知りたい人は次の一覧表を参考にしてください。

データ分析手法概要主な活用シーン
クロス
集計
特定のデータを2つ以上のカテゴリに分け、双方の関係性を分析する手法アンケート結果の分析、購入商品の傾向比較 など
ロジスティック
回帰分析
特定のデータから起きる結果の可能性を予測する手法顧客の獲得にかかる費用の算出、商品購入率の把握 など
アソシエーション
分析 
特定の事象から別の事象が引き起こる事象の可能性や傾向を分析する手法異なる商品・サービスの購入における相関関係の調査 など
クラスター
分析
共通点や類似した特徴を持つデータを1つのカテゴリーにまとめる手法顧客や商品・サービスの分類分け など
決定木
分析
特定の事象から引き起こる可能性がある事象やその確率を予測する手法購買行動の予測、起こりうるリスクへの解決法の先出し など
因子分析複数のデータから、その背後にある共通点を導き出す手法顧客の消費行動の把握 など
時系列
分析
時間の経過順に並んだデータから、傾向や今後起こりうる事象を導き出す手法株価の動向・商品の需要予測 など
ABC分析
(重点分析)
データを重要度にもとづいて分類・整理する手法商品の在庫管理、売れ筋商品の把握 など
主成分
分析
複数の特徴を持つデータから主要な情報を抽出してわかりやすく視覚化する手法顧客の消費行動の傾向分析
多変量
回帰分析
複数のデータが与える影響から特定の結果を予測する手法現状からの商品・サービスの売上予測 など

クロス集計

クロス集計

2つのカテゴリ変数を組み合わせて集計することをクロス集計といいます。

クロス集計は、調査データから詳細な分析を行い、性別や年代など多様な属性による消費者傾向の把握に不可欠な方法です。アンケートの回答を活用して結果を視覚化し、マーケティング戦略において重要な意思決定を支援します。

クロス集計の活用例

たとえば、ある商品の購入者属性を年代と性別で分析することによって、その商品がどのような顧客層に好まれているかを解析できます。

アンケートの回答から、消費者の傾向や特定の項目に関して性別間に存在する満足度の違いを探し出すことで、マーケティング施策の改善に役立つ資料の作成が可能です。 他にも地域や職業など、様々な属性でかけ合わせると、今までに気づかなかった視点からの分析が可能となります。

クロス集計のやり方

この分析を効率的に行うには、エクセルの「ピボットテーブル」が非常に役立ちます。 ピボットテーブルを使用すると、複数の属性にわたる情報を組み合わせ、比較や計算を一か所で簡単に実施可能です。結果をグラフ化することで、より可視化された形で全体の傾向や特性の違いが明らかになり、資料としても活用できます。

このやり方はデータ分析の基本であり、エクセルを使用して誰でも簡単にクロス集計を行うことができます。

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析

ロジスティック回帰分析は、複数ある要因から「2値」の結果が起こる確率を予測することができる分析手法です。2値とは「yes」か「no」を表します。

商品が売れるか売れないか、大学に合格するか合格しないかなど、さまざまな「yes」と「no」の確率を予測できます。

ロジスティック回帰分析の活用例

ロジスティック回帰分析を用いると、ユーザー行動データを元にして、商品の購買予測が行えます。ECサイトでは毎日多くのユーザーが購買を行っているため、元となるデータ量は膨大です。

「ある商品Aを購入している人は、商品Bも買っている」とか「キャンペーン実施によってどの程度の購買が促進されたのか」などを分析できます。

ロジスティック回帰分析のやり方

ロジスティック回帰分析は、以下の手順で行います。

  • 分析するデータに異常な値や抜けがないかを確認・加工する
  • 分析に用いるプログラミング言語を決定する
  • ロジスティック回帰に使用するモデル(分類ルール)を作成する
  • 評価指標を用いて作成したモデルの予測精度を評価する
  • 分類に影響を与えている変数を分析する

ロジスティック回帰分析はエクセルでも行えますが、分析の精度を必要とする場合にはプログラミング言語を用いた分析プログラムを作成することをおすすめします。

アソシエーション分析

アソシエーション分析
アソシエーション分析

アソシエーション分析は、ビッグデータの中から特定の事象が発生した際に、それに関連して別の事象が起きやすいというパターンを見つけ出すための分析手法です。

このような前提があればこういった結果になるといった、前提と結果を仮定してからデータ同士の関連性を調べます。購買データや会員データなど、自社が所有するビッグデータを幅広く分析して活用できる点が特徴です。

アソシエーション分析の活用例

アソシエーション分析の有名な例として「おむつとビール」があります。アメリカのドラッグストアで120万人の顧客のPOSレジデータを分析すると、金曜日の17~19時に30~40代の男性がおむつと一緒にビールを購入しているケースが多い傾向が判明しました。

一見すると無関係に思える「おむつとビール」ですが、ある消費者層はおむつと一緒にビールを購入するという関連性がわかれば、それら2つを近い位置に陳列することで売上向上が狙えます。

アソシエーション分析のやり方

アソシエーション分析

アソシエーション分析に用いる手法には主に以下の3つがあります。

  • 支持度(Support)
  • 信頼度(Confidence)
  • リフト値(Lift)

支持度は「商品Aと商品Bが併せ買いされる割合」を示す指標です。「商品Aと商品Bを併せ買いした顧客の数」を、顧客数で割ることにより算出できます。

信頼度は「商品Aと商品Bを同時に購入する人の割合」を示す指標です。「商品Aと商品Bを併せ買いした顧客の数」を、商品Aを購入した顧客の数で割ることにより算出できます。

リフト値は全てのデータの中で、「商品Aと商品Bを併せ買いした顧客の数」が「商品Bだけを購入した顧客の割合」に比較して、どの程度多いかを表す指標です。

これらの指標を駆使してアソシエーション分析を行います。

クラスター分析

クラスター分析

クラスター分析は、多くのデータの中から似たもの同士をグルーピングする統計的な分析手法です。クラスター分析では、グルーピングしたデータの集まりのことをクラスターと呼びます。

クラスター分析のメリットは、大量のデータを単純化してくれるため、分析しやすくなるところです。

クラスター分析の活用例

顧客の購買行動やアンケート調査といったデータをクラスター分析して、消費者や商品を分類します。たとえばマーケティング分野では、次のような目的でクラスター分析が活用されます。

  • 顧客層の特徴分析
  • 商品構成や商圏の分析
  • ポジショニング分析

人だけにとどまらず、企業・商品・商圏なども対象にできるため、市場調査やマーケティング分野でもよく使われる分析手法です。

クラスター分析のやり方

クラスター分析には次の2種類の方法があります。

  • 階層クラスター分析
  • 非階層クラスター分析

階層クラスター分析では、すべてのデータ間に存在する「類似度」を算出した後、一定の基準に従いクラスターを形成していきます。類似度が高いものから低いものへと自動的にクラスターが形成されるので、クラスター数を前もって決めておく必要がありません。クラスター構造を視覚化しやすいメリットがある反面、膨大な量のデータ分析には不向きなデメリットがあります。

非階層クラスター分析では、前もって分類するクラスター数を決めてから互いに似た特徴の要素を集めてクラスターを形成します。非階層クラスター分析は計算量が少ないため、膨大なデータの取り扱いが可能です。ただし分析者自身が前もってクラスター数を設定する必要があり、ここを間違えると分析が困難となります。

それぞれの特徴をよく理解し、分析対象となるデータの特性にあった分析手法を選択しましょう。

決定木分析

決定木分析

決定木分析は、木構造を利用してデータを分析します。データの分類やパターンの抽出が行える分析手法です。データの分類や抽出ができる特性を活かして、アンケート調査の結果や顧客情報をもとにした消費者の行動分析も可能となります。

決定木分析の活用例

決定木分析には、次のような活用事例があります。

  • あるサービスを解約しかけている顧客の行動を分析する
  • あるサービスの解約につながる要因を究明する

たとえば「コールセンターに電話してきた顧客は解約する可能性が高い」などの予測がたてば、その顧客に対して何らかの対処をすることで解約率を下げることが可能です。

決定木分析のやり方

決定木分析では「目的変数」と「説明変数」を設定することから始まります。釣りをしない人の中で、釣りをする見込みが最も高いのはどのような特徴があるかを把握するために、決定木分析を利用してみましょう。

各変数を以下のように設定します。

  • 目的変数としては「釣りへの興味や関心(ある/ない)」を設定
  • 説明変数には「早起きが得意(yes・no)」「魚が好物(yes・no)」「釣り道具を持っている(yes・no)」など複数を設定

説明変数を順に「yes」と「no」で分類することによって分析が行えます。

因子分析

因子分析
因子分析

因子分析は、データが持つ複数の要素に共通する因子を探索するための分析手法です。「因子」とは、それぞれの結果を引き起こす原因を意味します。

マーケティングの現場ではアンケート調査の結果を分析して、回答者の「潜在意識」を見つける目的で使用される分析手法です。

因子分析の活用例

「化粧品購入についての意識」をテーマとしたアンケート調査を実施した事例があります。この会社の店舗は「ビジネス街」「大学付近」「スーパーの中」に多く設置されており、因子分析の結果、以下のような傾向が分かりました。

  • 学生は商品知識を求め、低価格志向が強い
  • 社会人は元々の知識が高く、価格へのこだわりは低い
  • 専業主婦は肌の手入れに熱心でかつ、価格もやや重視

この結果をもとにすると、それぞれの店舗の顧客層に合ったマーケティング施策が行えます。

因子分析のやり方

因子分析では複雑な計算が必要とされるため、Excelのアドインソフトか統計用のソフトで行います。

はじめに、アンケートの調査結果など分析したいデータから「固有値」を算出します。算出された固有値を見て、数値が急激に小さくなる手前までの因子を、分析する価値のある共通因子として決定しましょう。

次に行うのが「因子負荷量」の抽出です。統計ソフトでは7種類程度用意されることが多いようですが、どの抽出方法も考え方や計算方法の違いで、どれを選んでも間違いはありません。

抽出した因子負荷を散布図でグラフ化して「共通因子名」を決めます。前節の活用例で挙げた「商品知識」や「低価格志向」などです。ここから因子得点を算出して、共通因子から見た各回答者の好みや考えが推測できます。

時系列分析

時系列分析

時系列分析とは、ある一定間隔の時間に対して観測されているデータの周期性や傾向を読み解くことによって、将来を予測する分析手法です。この時間の経過とともに観測されたデータを「時系列データ」と呼びます。

分析結果から将来を把握して、施策検討や対策を打つことが可能になります。

時系列分析の活用例

時系列分析の活用例として、3つのパターンを解説します。

  • 将来予測
  • 効果推測
  • 異常検知

時系列分析は、将来を予測したい場合に利用されます。有名なのが株価予測です。株価が上向きか下向きかといった動きを「トレンド」と呼びますが、このトレンドを分析することによって未来の株価を予測します。

時系列分析は、マーケティング施策の効果検証にも利用可能です。ユーザログやSNSデータは時系列データとして扱えます。マーケティング施策前後の変化を分析することによって、施策効果が検証できる仕組みです。

異常検知にも時系列解析が利用できます。たとえば工場の製造ラインで取得されているセンサデータ。製造ラインで異常が発生する時には、何かしらの前兆がみられることが多いです。この前兆をとらえるために、時系列解析が利用されます。

時系列分析のやり方

時系列データは、以下のステップで進めます。

  • 収集したデータを時間単位で記録する
  • 折れ線グラフなどを用いてデータを視覚化し、トレンドや季節性を観察する
  • データの平滑化を行い不規則な変動を取り除く
  • トレンドや周期性の成分をモデリングして指数平滑法などの時系列分析手法を適用する

時系列分析の精度を高めるには、モデルの適合性を確認して必要に応じてパラメーター調整が必要です。

ABC(重点)分析

ABC(重点)分析

ABC分析は、売上・コスト・在庫などの評価軸に対して多い順にAからCまでランク付けして優先度を決める分析手法です。複数ある商品を重要度や優先度でランク分けすることで、売れ筋商品の把握や最適な在庫管理に役立ちます。

ABC(重点)分析の活用例

ABC分析の活用例を3つ紹介します。

  • 売上の高い商品の把握
  • 貢献度が高い顧客の把握
  • 在庫・コスト管理の最適化

売上貢献度をABCにランク分けして、マーケティングに役立てることができます。たとえば主力となるAランク商品には、広告宣伝費を多めに振ってB・Cランク商品は抑えるといったコスト管理も可能です。

ABC分析により貢献度が高い顧客の把握ができると、Aランクの顧客に対して手厚い対応を行うなど、効果的なフォローが可能になります。

売れ筋商品や死筋商品が明確化されると、在庫管理やコスト管理を最適に行うことができます。在庫切れによる販売機会の消失や過剰在庫による無駄なコストを防止できます。

ABC(重点)分析のやり方

ABC分析は、次の3STEPで行います。

  • 分析に使用するデータを準備する
  • 商品ごとに売上構成比を算出する
  • 累積構成比をもとにして分類する

データさえ揃えれば、エクセルでも分析できるのがABC分析です。まずはデータを揃えましょう。また、売上で分類する場合には売上データを売上金額の昇順に並べるなどソートしておくと、分析が楽になります。

ABC分析では全体に占める商品の売上構成比(売上割合)が大きい順に分類します。したがって商品ごとの売上構成比を算出しましょう。ある期間を設定して、その期間内の各商品の売上を全体の売上で割ることで、各商品の売上構成比を算出できます。

各商品の売上構成比が大きい順に並べ替えて、累積構成比を算出します。この並べ替え操作は、エクセルのソート機能で簡単に行えます。

主成分分析

主成分分析

主成分分析は、統計学上のデータ手法のひとつです。たくさんの指標のデータから全体をわかりやすい1から3程度の次元に要約していくことで分析を行います。

大量のデータを扱いやすくする点ではクラスター分析と似ていますが、データをグルーピングするクラスター分析に対して、主成分分析では次元削除によってノイズを除去する点で方法が異なります。

主成分分析の活用例

主成分分析の活用例として、顧客満足度調査の事例を紹介します。顧客満足度調査は、企業が提供している商品に対する顧客の満足度を調べる調査です。

顧客満足度を調査した結果に対して主成分分析を行うと、複数の質問項目から顧客の満足度に影響を与える要素やパターンを把握できます。たとえば、商品の品質・価格・接客対応などの要素から、顧客満足度に影響を与える主要要素を特定して改善に繋げることが可能です。

主成分分析のやり方

まず、分析の目的を明確に定めます。例えば、顧客のフィードバックや売り上げデータから、商品ラインナップの策定や仕入れ計画へと繋げるのが目標です。顧客からの多様な回答を含むアンケートや、売上・コストなどのさまざまなデータを集めましょう。

データ分析には専用の統計ソフトを使用するのが一般的ですが、基本的な計算はエクセルでも実施できます。異なる尺度を持つデータを標準化して、平均を算出します。

次に、その平均値を基に分散が最大となる主成分を見つけ、追加の主成分を計算してください。最後に、それらの主成分をもとのデータセットに関連づけて解釈することで、主成分分析が完成します。

多変量回帰分析

多変量回帰分析

多変量回帰解析は、ある対象から得た互いに関連する多種類のデータを要約したり、将来の数値を予測したりといった解析作業の総称です。総称ですから、特定の分析手法を指すものではありません。

多変量回帰分析には、重回帰分析やクラスター分析などの様々な分析手法が含まれます。エクセルで解析できるものもありますので、必ずしも高度な知識が必要になるものではありません。

多変量回帰分析の活用例

不動産市場において、多変量回帰分析は住宅価格の予測に不可欠です。住宅のサイズ・場所・部屋の数・学校の質などの複数の要因を同時に考慮することで、より正確な価格予測が可能となります。

マーケティングでは、顧客の購買行動に影響を与える変数(年齢・所得・教育レベルなど)を分析することで、ターゲットとなる顧客層の特定や効果的な広告戦略の立案に役立てられます。これによって企業は投資収益率を最大化し、市場における競争優位を実現することができるのです。

多変量回帰分析のやり方

多変量回帰分析を行う際は、目的変数となるデータとそれに影響を与える複数の予測変数を収集します。次にデータの前処理として、欠損値や外れ値を除去して必要であれば補正しましょう。

分析には統計用のソフトウェアを用いて、その工程で回帰モデルを構築します。モデルの妥当性を検証するためには、適合度を表すR二乗や、予測変数の有意性を判断するためのp値などの統計的指標を評価するとよいでしょう。

これらのステップを踏むことで、予測変数の組み合わせによる目的変数の変動が明らかとなり、将来の予測や意思決定に応用できるようになります。

データ分析へ着手する前の確認ポイント3つ

データ分析へ着手する前の確認ポイント3つ

ここからは、データ分析へ着手する前に確認しておきたいポイントを、3つにまとめて紹介します。

分析を行う目的は明確か

分析を行う目的は明確か

データ分析を開始する前に「分析を行う目的は明確か」を確認することは、時間とリソースを効率良く利用するために欠かせません。目的が不明確だと、データを解釈する方向性が定まらず、結果として有益な洞察を見落とす恐れがあります。

明確な目標があれば、関連するステークホルダーとのコミュニケーションがスムーズに行え、最終的な分析結果がビジネスの意思決定に有効活用される可能性が高まります。

分析に使うデータに漏れや誤りはないか

分析に使うデータに漏れや誤りはないか

数多くのデータが溢れる中で「分析に使うデータに漏れや誤りはないか」を検証することは、データ分析の正確性を保つために不可欠です。漏れや誤りがあると、分析結果の信頼性は低下し、誤った意思決定に繋がるリスクを抱えることになります。

データの質を事前に検証することで、再分析の手間とコストの削減につながり、ストレスや潜在的なリスクを回避できます。

目的にそった手法が選べているか

データ分析手法は多岐にわたるため「目的にそった手法が選べているか」は、成功を左右する重要な要素です。不適切な分析手法を選択すると、有効な結果を得ることができず、無駄な労力と資源を浪費することになりかねません。

目的に合った手法を選ぶことで分析の精度は向上し、より明確で実行可能な分析結果を提供することができます。

データ分析を助ける便利ツール5選

ここからは、データの分析を助ける便利ツールを5つ紹介します。

Microsoft Excel

Microsoft Excel
出典:Microsoft Excel

Microsoft Excelは、ビジネスをはじめ様々な分野で広く使われている表計算ツールです。関数やマクロを駆使して、複雑なデータ分析を行うことが可能で、統合されたデータモデリング機能により、多次元的なデータの分析も行えます。

またPivotTableによる集計やチャート作成により、データの傾向を視覚的に捉えて、意思決定をサポートするレポートが作成できる点も便利です。

Google Sheets

Google Sheets
出典:Google Sheets

Google Sheetsは、リアルタイムでの共同作業とアクセスの容易さが最大の特徴のオンラインスプレッドシートツールです。ブラウザから直接アクセス可能で、外出先からでもデータの編集や分析が行えます

また、GoogleのAIを活用した予測や自動入力機能などを利用して、効率的にデータ処理を行うことが可能です。G Suiteとの連携にも優れており、様々なデータソースからの情報を統合して分析することができます。

Looker Studio

Looker Studio
出典:Looker Studio

Looker Studio(旧称Google Data Studio)は、多様なデータソースを接続してカスタマイズ可能な対話型のダッシュボードと、レポートを作成できるビジュアライゼーションツールです。直観的なドラッグ&ドロップインターフェースを持ち、SQLの知識がなくてもデータの探索や分析が可能です。

また共有と協力を重視した設計であり、チーム内外のステークホルダーとの情報共有をスムーズに行えるのが特徴です。

Microsoft Power BI

Microsoft Power BIは、複雑なデータセットからインサイトを抽出し、対話型のレポートを生成する先進的なビジネス分析ツールです。Microsoftのクラウドサービスに統合されているため、Azureのデータプラットフォームともシームレスに連携します。

AIを用いたデータ分析機能や、データを視覚化する豊富なオプションがあり、企業の意思決定を強力にバックアップする機能を持っています。

OpenRefine

OpenRefine
出典:OpenRefine

OpenRefineは、データクレンジングとデータ整形に特化したオープンソースツールです。不整合や曖昧なデータを見つけて修正する強力な機能を持ち、大規模なデータセットも効率よく処理できます。一貫したデータ形式への変換や、異なるデータセット間のリンク作成も行えるため、分析の前段階でデータを整えることが容易です。

また拡張性の高さも特徴で、さまざまなウェブサービスと組み合わせてデータの強化ができます。

データの分析効率を高める3つのスキル

データ分析の作業効率を高める3つのスキル

ここからは、データの分析効率を高めるスキルを、3つにまとめて紹介します。

プログラミングスキル

プログラミングスキル

データ分析の効率化には、プログラミングスキルが不可欠です。広範なライブラリを持つ「Python」や統計分析とデータビジュアライゼーションに特化した「R言語」を利用すると、データの加工・分析・視覚化が自動化でき、手作業によるミスを減らすことができます。

プログラミングによって、繰り返し発生するタスクを効率的に処理して処理速度を向上させ複雑なデータ操作も可能になるため、分析作業において強力な武器となるでしょう。

なお、次の記事では選び方も交えデータ分析におすすめのプログラミング言語を紹介しているので、良ければ参考にしてください。

データ分析におすすめのプログラミング言語8選!選ぶコツも解説
更新日:2024年11月18日

統計学・機械学習の知識

統計学・機械学習の知識

統計学と機械学習の知識は、データ分析スキルの中心をなします。統計学はデータに隠されたパターンを識別し解釈するのに必要であり、機械学習はそれらのパターンから予測モデルを構築する際に使用されます。

これらの知識を持つことが分析の質を高め、戦略的な意思決定をサポートできるはずです。

データベースの知識

データベースの構造と操作に関する知識も、データ分析の効率を大きく向上させるスキルのひとつです。SQLのようなクエリ言語を理解し操作する能力は、大量のデータから必要な情報を効率的に抽出するのに役立ちます。

人気のオープンソースデータベースには「MySQL」や「PostgreSQL」があります。データベースの知識があると、データの整合性を保ちつつ複雑なデータセットを適切に管理し、分析の精度と速度の両方を高められるでしょう。

なお、下の記事ではデータ分析の独学ロードマップを、注意点も交え詳しく解説してるので、あわせて参考にしてください。

データ分析の独学ロードマップ!注意点や活かせる仕事も紹介
更新日:2024年10月31日

挫折なくデータの分析スキルを磨くなら

データ分析の効率を高めるため、プログラミングを学ぼうとしている人のなかには

1人で身につけられるかな…
途中で挫折したらどうしよう…

と不安な人もいますよね。

実のところ、先ほど紹介したPythonといったプログラミング言語の学習途中で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では

  • 不明点を聞ける環境になかった
  • エラーが解決できなかった
  • モチベーションが続かなかった

などの理由から、87.5%がプログラミングの学習途中で「挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。

プログラミング学習における挫折率の調査
プログラミング学習者の87.5%が挫折を経験したことがある

調査概要:プログラミング学習の挫折に関するアンケート
調査対象:10代〜80代の男女298名
調査期間:2019年8月13日~8月20日
調査方法:インターネット調査
掲載元:PR TIMES

また、こうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では

  • 確実にスキルを身につけられると思ったから
  • 独学では不安がある
  • 効率よく学べそう

などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。

61%の人がプログラミングの勉強を始めるならスクールが良いと回答

調査概要:プログラミングに興味がある方の意識調査
調査期間:2021/11/19~2021/12/3
対象者:プログラミング学習を検討している10代~50代の男女100名
調査媒体:クラウドワークス
掲載元:PR TIMES

加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました(※1)。

※1:スクール卒業生に実施したインタビュー詳細の動画

上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。

いざ独学でプログラミングを学び始めても、勉強の最中に挫折しまっては学習にかけた時間を悔やむだけでなく「プログラミングスキルを身につけるのって思っていたよりも難しいんだな…」とスキルの習得自体を諦めかねません。

仮にわからないことを飛ばしながら勉強を進めたとしても、データサイエンティストへの就職や転職を実現できるほど実践的なスキルが身につかなければ、結局後悔することになります。

そこで、おすすめしたいのが「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」です。

SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
700x700_02
700x700_03
700x700_04
700x700_05
700x700_06
700x700_07
700x700_08
SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
700x700_02
700x700_03
700x700_04
700x700_05
700x700_06
700x700_07
700x700_08
previous arrow
next arrow
分割料金一括料金受講期間
4,098円~16万5,000円~1ヶ月~
  • データサイエンススキルの習得に特化したコースあり
  • 累計指導実績4万5,000名以上
  • 給付金活用で受講料が最大70%OFF

侍エンジニアをおすすめする最大の理由は「挫折しづらい学習環境」にあります。

先ほど述べたとおり、独学者の多くは自力で不明点やエラーを解決できないためにプログラミング学習を挫折しています。そのため、未経験者が現役エンジニアのようなプロに質問や相談できない状況で、プログラミングスキルを習得するのは非常に難易度が高いといえます。

しかし、侍エンジニアでは

  • 現役エンジニア講師による個別レッスン
  • 現役エンジニアに質問できるオンラインでのQ&Aサービス
  • 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ

といったサポート体制を整えているため、学習中に出てきたわからないことや不明点をいつでも相談可能です。「受講生の学習完了率98%「転職成功率99%」という実績からも、侍エンジニアなら挫折しづらい環境でプログラミング学習を進められるといえます。

また、侍エンジニアではカウンセリングにて受講生一人ひとりの目的をヒアリングしたうえでカリキュラムを作成するため、限られた受講期間でも必要なスキルだけを効率的に習得可能です。

最短距離で目的を実現できるようカリキュラムが組まれているため、勉強する順番や内容を誤り非効率に時間や手間を費やす心配もありません。

なお、データサイエンティストへの転職を見据えて学習したい人は受講料の最大70%が給付される「データサイエンスコース」がおすすめです。金銭面での支援を受けつつ、データサイエンスの習得から転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。

※1:転職後の1年間、転職先での継続的な就業や転職に伴う賃金上昇などのフォローアップ

学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してプログラミングスキルを習得できますよ。

公式サイトで詳細を見る

データ分析の仕事にまつわるFAQ

最後に、データ分析の仕事によくある質問へまとめて回答します。

文系でもデータ分析を仕事にできますか?

現代のデータ分析は多分野の知見を必要としており、文系卒業者でもキャリアを築くことが可能です。統計学やプログラミングなどの技術習得は必須となりますが、文系特有の洞察力や論理的思考力はデータを多角的な視点で分析する際に大変重宝します。

理系出身者が持つ厳密な科学的アプローチと数理能力もデータ分析には欠かせない要素ですが、文系出身者は異なる角度からのアプローチで独自の価値を提供できるため、十分に競争力があります。重要なのは、いかにして多様なデータを解釈し、有効なビジネスインサイトを導き出せるかという問題解決能力にあります。

データ分析の仕事はきついですか?

データ分析の仕事は洞察力を必要とし、緻密な作業を伴うために緊張感を伴う場面も存在します。複雑な分析手法の適用や正確な分析結果の解釈には、集中力と専門知識が求められるため、時には負担が大きく感じられるかもしれません。

しかしその反面で、データから新たな知見を得たりビジネスに影響を与えるような洞察を提供したりする瞬間には格別のやりがいを感じることも多い仕事です。時間管理や効率的な作業方法を身につけることでストレスを軽減し、仕事の満足度を高めることができます。

データ分析の仕事が「きつい」と感じるかどうかは個人のスキルや経験、および対応する業務環境に大きく左右されます

まとめ

今回はデータ分析の主な手法を10選、やり方や活用例を交えて解説しました。またデータ分析へ着手する前に確認すべきポイントや、データ分析に役立つツールも紹介しています。

「プログラミングスキル」「統計学・機械学習の知識」「データベースの知識」を身につけると、データ分析の作業効率が向上します。これらのスキルや知識は独学でも身につけることができますが、スクールの利用によって習得期間の短縮が可能です。

データ分析の手法ややり方の理解を深めて、実践してみましょう。

この記事を書いた人

【プロフィール】
関西の家電メーカーにてブルーレイレコーダーや電動アシストカートの開発を経験。地元の鳥取県に帰省後は、Webアプリケーションの開発に従事。組み込み系からWeb開発まで、幅広いソフトウェア開発経験を活かし、2022年よりWebライターとして活動中。侍エンジニアブログでは、PythonやWeb開発分野の記事執筆を担当。読者の悩みや知りたいことを汲み取った構成を意識しながら執筆しています。
【専門分野】
IT/Web開発/組み込み開発/AI/ロボット開発
【保有資格】
基本情報技術者試験
【SNS】
X(旧:Twitter)

目次