データサイエンスって何だろう?
データサイエンスが注目されている理由は?
「データサイエンス」がビジネスにおいても注目されており、この言葉を耳にする機会も増えています。データサイエンスの学習に興味はあるものの、上記のような疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
本記事では、データサイエンスとは何なのか、その意味を役割や注目を集める理由も交えわかりやすく解説します。データサイエンスを学ぶメリットやスキルを習得することで就ける職業も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
データサイエンスとは?
データサイエンスとは、コンピューター上のデータを分析・解析し、価値ある事実や知識を見つけ出すアプローチのことです。昨今ではビジネスの世界でも注目されており、カリキュラムに取り入れる大学や専門学校も増えています。
サイエンス(科学)とあるように、データサイエンスは科学の一分野です。科学では、仮説にもとづき実験を行い、その結果を分析し、新たな知見を導き出します。その対象が「データ」となる科学が、データサイエンスです。
データサイエンスのアプローチは、数学や統計学、情報工学(コンピューター科学)といった学問を用いて進められます。そのため、データサイエンスを自らで行うためには、さまざまな知識の習得が欠かせません。
データサイエンスが普及した背景
「データサイエンス」という言葉自体は、20世紀から存在していました。しかし、データサイエンスが注目を集めるようになったのは、比較的近年のことです。ここでは、データサイエンスが普及した背景についてお伝えします。
背景1:デジタルデータの急増
例えば、生物学は生物がいるからこそ存在します。データサイエンスも同じように、デジタルデータの登場によって存在意義が生じました。さかのぼれば「データの畑」ともいえるコンピューターが登場した20世紀半ばのことです。
とはいえ、当時はデータがまだ少なく、データサイエンスという学問はポピュラーではありませんでした。データサイエンスの必要性を高めたのは、1990年代ごろに普及し始めたインターネットの存在です。
インターネットはデータの流通量を飛躍的に高め、1つのデータを世界中に拡散できるようにしました。それによってインターネット上でのデータ交換が活発になり、蓄積されるデータが急増することにつながりました。
畑の作物が増えれば、収穫する人を増やす必要があります。同じようにデータが急増したことで、データから価値を引き出せる人やアプローチが求められるようになったのです。
背景2:計算技術の進歩
データサイエンスには、高度なデータ分析を可能にする計算技術が必要です。IT化にともないコンピューターの計算能力が向上したことも、データサイエンスの可能性を広げることにつながりました。
例えば、大規模な科学技術計算に用いられるスーパーコンピューターの処理性能は、2000年以降の20年で約1万倍も向上しました。スーパーコンピューターは、気象や交通のデータ分析にも活用されています。
また2000年以降には、高度な画像処理を可能にする「GPU」が普及し、画像処理以外に計算処理でも活用できる「GPGPU」などがサーバに搭載されるようになり、データ分析でも注目されるようになりました。今では、インターネットを介してGPU搭載のコンピューターを利用できるサービスも増えています。
このように、高度な計算を実現するテクノロジーが登場・普及し、データサイエンスを加速させたのです。
データサイエンスはどんな場面で役立つのか
データサイエンスは前述のとおり、ビジネスの世界でも注目されています。データサイエンスが役立つ具体的な場面は、主に次の3つです。
それぞれ詳しく解説します。
効率的かつ効果的な意思決定
データサイエンスは、企業や人々の意思決定を効率的・効果的なものに変えます。計算能力の高いコンピューターによって大量のデータを高速で分析でき、しかも精度の高い分析結果が得られるためです。
人間の直感や経験にもとづく意思決定では、主観が入り込んだり勘違いが生じたりする余地が生じます。意思決定の精度を高めるためには、できる限り多くのデータから客観的に分析することが求められます。
とはいえビジネスのデータは大量にあり、人間の手作業では分析が追いつきません。その点、コンピューターを用いるデータサイエンスのアプローチであれば、大量のデータを短時間で正確に処理・分析できます。
このように、効率的かつ効果的な意思決定が行えるためにデータサイエンスを取り入れる企業が増えています。
将来の予測
データサイエンスは現状の分析だけでなく、将来の予測にも効果的です。
昨今のデータサイエンスでは、AI(人工知能)の活用が主流となっています。AIは過去のデータを大量に学習することで、データの分布や推移から規則性や傾向を見つけ出す能力を持っています。これにより、将来を予測できるのです。
例えば、将来の天気を予測する気象予報には、AIによるデータ分析が用いられ始めています。さまざまなビジネスにデータサイエンスを取り入れることで、先の見えない将来がよりクリアーになるでしょう。
データを活用したサービス開発
データサイエンスのスキルがあれば、データを活用したサービスの開発も可能です。昨今ではビジネスでのデータ活用が注目されているため、需要の高いサービスを開発して稼ぐチャンスも増えています。
データを活用したサービスの代表例は、文章や画像を生成する「生成AI」です。生成AIサービスは、まさにビジネスに革命を起こしています。しかし、AIにデータから学習させるためにはデータサイエンスの活用が不可欠です。
このように、データサイエンスを取り入れることで、サービス開発というビジネスチャンスが生まれるのです。
データサイエンスを仕事にする主な職業
データサイエンスは、今でも発展を続けている将来性の高い分野です。これからデータサイエンスの発展を担う人材を目指すなら、データサイエンスを仕事にする3つの職業を知っておきましょう。
データサイエンティスト
「データサイエンティスト」はその名前のとおり、データサイエンスを専門に扱う職業です。データ分析による経営課題の解決、データ活用できる環境の構築やその運用・保守など、企業のデータサイエンスを幅広く支援します。
データの収集・可視化・分析といったデータサイエンスの基本的な知識・スキルが不可欠です。また、企業のニーズに応えるために経営・ビジネスの知識や、円滑にやり取りするためのコミュニケーション能力も求められます。
データサイエンスにおいてデータサイエンティストの需要は高く「稼げる職業」としても注目されています。
データアナリスト
「データアナリスト」は、データサイエンティストよりもデータ分析に特化した職業です。企業のニーズに合わせてデータを収集・可視化・分析し、経営課題の解決につながるソリューションを提案します。
データ活用の高度な知識・スキルはもちろん、データサイエンティストと同様に経営・ビジネスの知識も必要です。また、データ活用に用いられる「BIツール」の活用スキルも求められる場合があります。
データサイエンスの中核ともいえる、データ分析をリードするのがデータアナリストです。
データエンジニア
「データエンジニア」は、データ活用の土台作りに特化した職業です。データの収集や整理、データ活用できる環境の構築など、データ分析の前段階で必要な作業を主に行います。
データ活用のスキルはもちろん「データレイク(データのため池)」などの土台作りに使われる技術の知識も必要です。また、後の工程を担うデータアナリストなどとのコミュニケーションも、上手く行うことが求められます。
データ活用の土台作りを担い、データサイエンスを加速させるのがデータエンジニアです。
データサイエンスを学ぶ方法
データサイエンスのスキルを身につけるなら、学習方法選びが重要です。ここからは、データサイエンスを学ぶための方法を2つ紹介します。
独学で勉強する
コストをかけずマイペースに学びたいのであれば、独学で勉強するのがおすすめです。昨今ではデータサイエンスを独学できる本やサイトといった教材が多数あるため、自分に合った方法を選ぶとよいでしょう。
ただし、独学では教材選びから学習計画、進捗管理、不明点・問題点の解決まで、すべて自分で行う必要があります。独学に慣れていないとスムーズに勉強を進めることは難しい上に、挫折するリスクも非常に高いです。
実際、弊社が実施した調査では87.5%がプログラミングの学習途中で「挫折や行き詰まりを感じた」と回答しました。
独学でうまくスキルを習得できればコスト節約につながるでしょう。しかし途中で挫折すると、それまでに費やした時間やコストが結局のところ無駄になってしまいます。
挫折に不安がある場合は、別の学習方法も検討しましょう。なお、次の記事ではデータサイエンスを独学するメリットや勉強法を紹介しているので、よければ参考にしてください。
プログラミングスクールに通う
挫折のリスクを抑えつつ、短期間で学ぶならプログラミングスクールでの学習をおすすめします。データサイエンスに強いプログラミングスクールなら、経験豊富な現役エンジニアから手厚いサポートを受けられます。
プログラミングスクールでは、最適化されたカリキュラム・オリジナル教材に沿って効率的な学習が可能です。また、不明点・問題点があればすぐに質問でき、進捗管理やキャリアプランなどもサポートしてくれます。
こうしたメリットの大きさから、弊社の調査では61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しました。
なかでも「侍エンジニア(SAMURAI ENGINEER)」は、現役エンジニアのマンツーマン指導を完全オンラインで受けられるスクールです。カリキュラムをオーダーメイドできるため、受講者のニーズに合わせて学べます。
侍エンジニアの「データサイエンスコース」では、データサイエンスに必要なスキルをしっかり身につけることが可能です。基礎⇒応用⇒発展⇒実践という学習の流れを構築することで、確実にステップアップできます。
また、同コースは「経済産業省リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」の対象で、受講料が実質最大70%OFF(上限56万円)されるケースがあります。分割払いも可能なため、経済的に無理なく学べるのも強みです。
未来のデータサイエンス人材を目指したい人は、ぜひデータサイエンスコースをお試しください。
データサイエンスコースの詳細を見るデータサイエンスにまつわるFAQ
最後に、データサイエンスにまつわるFAQ(よくある質問)に回答します。
データサイエンスとコンピューターサイエンスは何が違うの?
データサイエンスは、コンピューターサイエンス(コンピューター科学)の一分野といえます。コンピューターサイエンスとは、アルゴリズム(計算方法)やプログラミングなど、コンピューターに関する学問全般のことです。
そして、コンピューターサイエンスの中にはデータ処理・データ分析も含まれます。これがデータサイエンスです。つまり、コンピューターサイエンスあってのデータサイエンスであり、両者は密接に関わっています。
文系出身者ではデータサイエンスの難易度は高くなる?
文系出身者がデータサイエンスを学ぶ場合、理系と比べて若干難易度が高いと感じる場合があります。なぜなら、データサイエンスには数学やプログラミングの前提知識が必要となるためです。
理系の学校なら、こうした前提知識はそれなりに積んでいる可能性が高いでしょう。その点で文系出身者は、理系出身者と比べてスタートラインが後ろになりやすく、学習の道のりが険しいと感じることがあるのです。
とはいえ、文系出身者でもデータサイエンスのスキル習得は十分可能です。昨今では独学に使える教材の質が上がっていますし、データサイエンスに強いスクールも増えています。
「データサイエンス=理系」というイメージを持たれがちですが、文系出身のデータサイエンス人材も多いです。データサイエンスを学びたいなら、文系出身者だからといって躊躇する必要はありません。
まとめ
本記事では、データサイエンスに関する次の6点についてお伝えしました。
データサイエンスはビジネスの世界でも注目されており、将来性の高い分野です。ただし、データサイエンスのスキルを習得するためには多くのことを学ばなければなりません。独学だと挫折のリスクが高い点に注意が必要です。
「データサイエンスを仕事にしたい」「データサイエンスのスキルを確実に習得したい」という人は、プログラミングスクールの利用も考えましょう。