Pythonでスマホアプリ開発!手順から難易度、かかる費用も紹介

Pythonでスマホアプリを作るにはどうすればいいんだろう?
初心者からでも開発できるのかな…

Pythonは、iOS・Android双方のスマホアプリを開発できるプログラミング言語です。

ただ、いざ開発しようにもどう進めていけばいいのかわからない人は多いですよね。開発にかかる費用や何が必要なのかがあいまいな人もいるはず。

そこで、この記事ではPythonを用いたスマホアプリの開発方法を、作るのに必要なものや具体的な手順も交えて解説します。

Pythonで開発できるスマホアプリの例や、他のプログラミング言語に比べPythonが開発に適している理由も解説するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。

また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。

参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました

記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。

目次

Pythonでのスマホアプリ開発における基礎知識

Pythonでのスマホアプリ開発における基礎知識

はじめに、次のトピック別にPythonのスマホアプリ開発における基礎知識を解説します。

開発の難易度

開発の難易度

iOSはデバイスのバリエーションが少ないため、テストや互換性の確認が比較的容易です。それに対してAndroidには、様々なデバイスメーカーやバージョンが存在するため、開発プロセスは多様で複雑になります。

多種にわたる画面サイズや解像度、デバイス機能への対応が必要となります。そのためテストやデバッグの工程には、多くの時間と労力を要することになるでしょう。

App Storeの審査は厳格で、ガイドラインに準拠する必要がありますが、一度承認されてしまえばユーザーの購入意欲が高いとされています。AndroidのGoogle Play Storeの場合、審査は比較的緩やかですが、その分ライバルが多くアプリの収益化に向けた戦略強化が重要です。

開発の難易度は、プロジェクトの要件や開発者のスキルによっても異なりますが、これらの要素を考慮しながら開発を進める必要があります。

開発にかかる費用

開発にかかる費用

スマホアプリ開発にかかる費用も、iOSとAndroidでは異なります。一覧にまとめましたので、ご確認ください。

プラットフォーム開発ツールの費用アプリストアへの登録費用
iOS無料(Xcode)約14600円(年間)
Android無料(Android Studio)約3700円(一度)

iOSの場合Xcodeは無料ですが、macOS搭載のAppleデバイスが必要で、これにはコストがかかります。Androidの場合はAndroid Studioが無料で、多くのOSで利用可能です。

アプリストアへの登録に関しては、iOSとAndroidで必要な費用が異なります。iOSのApp Storeにアプリを公開するためには、Apple Developer Programに年間約14600円の費用で登録する必要があります。一方Androidの場合、Google Play Storeにアプリを公開するには、一度だけ約3700円の登録料を支払うだけです。

開発に必要なもの

iOSアプリの開発には、Macコンピュータが必要です。iOSアプリはXcodeという統合開発環境で開発されますが、XcodeはMac専用のソフトウェアとなります。また、iOSデバイス(iPhoneやiPad)も開発中のテストやデバッグに必要です。

さらに、Apple Developer Programに登録することで、App Storeへの公開が可能になります。

Androidアプリの開発には、Windows・Mac・Linuxなどのオペレーティングシステムが動作するコンピュータが必要です。Android Studioという統合開発環境を使用して開発を行います。また、Androidデバイスも開発中のテストやデバッグに必要です。

さらに、Google Play Consoleに登録することによって、Google Playへの公開が可能になります。

開発に必要なものは、プラットフォームごとの要件を満たす必要があります。開発環境の準備やデバイスの用意に加え、開発者のスキルや知識の向上も重要です。

なお、スマホアプリ開発について詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

スマホアプリを開発するには?初心者向けに必要なことを解説

Pythonでスマホアプリを開発するメリット

Pythonでスマホアプリを 開発するメリット

PythonはiOS/Android双方のスマホアプリ開発に対応している言語であり、その汎用性は大きなメリットです。JavaやSwiftなどスマホアプリ専門の言語も存在しますが、Pythonが選ばれる理由はその扱いやすさと高い生産性にあります。

Pythonは直感的な文法と豊富なライブラリを備えており、これらを活用することで、手早く効率的にアプリを開発することが可能です。また、Pythonは機械学習やデータ分析でも優れたパフォーマンスを発揮します。このため、AI機能を持つスマホアプリの開発にも適しています。

ただし、パフォーマンスやUIの細かなカスタマイズには限界があるため、その点には留意が必要です。

Pythonでスマホアプリを開発するデメリット

Pythonでスマホアプリを 開発するデメリット

Pythonは開発速度が速く、小規模なプロジェクトやプロトタイピングに適していますが、複雑で大規模なスマホアプリを開発するのには必ずしも適しているわけではありません

ネイティブアプリ開発言語に比べて、Pythonで開発されたアプリはパフォーマンス面で劣る可能性があるからです。特にグラフィック処理や計算集約的なタスクを多く含むアプリでは、ネイティブ言語の使用が推奨されます。

また、モバイル特有の入出力処理や多様なデバイス対応などはネイティブ開発言語を使った方がスムーズです。機能性を最優先するならばSwiftやKotlin、Javaなどのネイティブ言語を使用した開発が推奨されます。

総合的に見るとPythonは柔軟性や開発の速さを重視する場合に適していますが、パフォーマンスを求める場合は、ネイティブ開発言語の使用が推奨されます。

Pythonでスマホアプリを開発する手順

ここからは、Pythonでスマホアプリを開発する手順を、6つのステップにまとめて解説します。

STEP1:開発に必要なツール・環境を整える

開発に必要なツール・環境を整える

Pythonに限りませんが、プログラミング言語を使用してスマホアプリを開発するためには、開発に必要なツール・ライブラリをひとまとめにしたIDE(統合開発環境)が必要です。Pythonに対応したIDEはいくつかありますが、現在もっとも利用されているのがAnacondaです。

Anacondaをインストールすると、Pythonでの開発・実行・デバッグが可能なIDE「Spyder」や、Pythonで作成したプログラムをWebブラウザ上で実行できるライブラリ「Jupyter Notebook」なども利用できるようになります。

しかしIDEを構築しただけでは、スマホアプリのGUIを作成できません。タッチパネル操作を含むGUIを作成できるPython向けのフレームワークである「Kivy」を導入しましょう。Android・iOS間の区別なくクロスプラットフォーム環境を実現できる点も便利です。

最後にPythonで開発したプログラムをスマホアプリにビルドするためのラッパーが必要です。代表的なラッパーとして、Androidでは「Buildozer」、iOSでは「Xcode」があります。

iOS・Androidのどちらの環境も、開発に先立ってIDEのインストールや、必要なライブラリやプラグインの導入が不可欠となります。

STEP2:開発したいスマホアプリの企画を練る

スマホアプリの企画を練るにあたり、ターゲットユーザーのニーズを深く理解し、それを満たす価値提案を行います。ここでは機能やデザイン、ユーザーインターフェースだけでなく、アプリで解決しようとしている問題の核心に迫るべきです。

市場分析を行って競合との差別化要因を明確にし、アプリが成功するシナリオを想定しながら具体的な計画を立てる必要があります。

スマホアプリを開発する目的や開発期間、予算なども考慮して要件を整理しておきましょう。この段階で十分な計画を立てることが、開発効率を高めるためにも重要です。

STEP3:企画をもとにスマホアプリの機能を設計する

企画をもとにスマホアプリの機能を設計する
企画をもとにスマホアプリの機能を設計する

企画の段階で固めたアイデアを具現化するためには、慎重かつ詳細な機能設計が求められます。ユーザーストーリーやユースケースを明確にし、それを踏まえたフローチャートやワイヤーフレームを作成しましょう。

こうした設計工程を通じて、スマホアプリが提供する具体的な機能やUI/UXのレイアウト、サーバー側とのデータのやり取りなどが明確になります。iOSとAndroidでは利用者の期待する操作感が異なるため、両プラットフォームに応じた適応性が重要です。

更に、セキュリティやデータ保護の観点から、どのようにユーザーデータを扱うかについても、この段階で厳密に計画を練る必要があります。

STEP4:設計をもとにスマホアプリを開発する

設計段階でのプランをもとにして、実際にコーディングを開始します。Pythonでスマホアプリの機能を実装し、選択したツールやフレームワークを使用してUIを構築していきましょう。

実際の開発プロセスでは、コードの品質を保つためにバージョン管理システム(たとえばGit)の利用や、継続的インテグレーション(CI)の導入が有効です。また、開発中は定期的なコードレビューやペアプログラミングを行い、品質を担保するとともに、チーム間で知識の共有を図ります。

STEP5:開発したスマホアプリの動作を確かめる

開発段階が一段落してきたら、スマホアプリの動作を確かめるために重要なテストフェーズに入ります。この時、単体テストや統合テスト、さらにはUIテストを実施して要求する仕様を満たしているかを検証しましょう。

iOSの場合はXcodeのシミュレーターや物理デバイス上でのテスト、Androidでは統合開発環境のエミュレーターや実デバイス上でのテストが可能です。異なるデバイスやOSバージョンでの動作も確認しましょう。

品質を保証するだけでなく、ユーザビリティやパフォーマンスの最適化もこの段階で行います。

STEP6:開発したスマホアプリをリリースする

すべての開発とテストを経てスマホアプリを公開する準備が整えば、リリースプロセスに移ります。

iOSアプリはApp Store Connectを介してApp Storeに、AndroidアプリはGoogle Play Consoleを通じてGoogle Play Storeに配信申請を行いましょう。両プラットフォーム共に審査プロセスを通過する必要があり、その過程でアプリの品質を担保するためのガイドラインを満たすことが求められます。

リリースした後も、ユーザーからのフィードバックを受け、定期的なアップデートを通じてアプリの改善が必要です。

なお、iOS・Android別にスマホアプリ開発手順をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

iOSアプリを開発!初心者に必要なものから手順、学習方法まで紹介

【入門ガイド】初心者がAndroidアプリを開発するまでの全手順を公開

挫折なくPythonでのスマホアプリ開発スキル習得を目指すなら

ここまで記事を読み、Pythonでスマホアプリを開発しようとしている人のなかには

1人で開発できるかな…
途中で挫折したらどうしよう…

と不安な人もいますよね。

実のところ、Pythonといったプログラミング言語の学習途中で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では

  • 不明点を聞ける環境になかった
  • エラーが解決できなかった
  • モチベーションが続かなかった

などの理由から、87.5%がプログラミングの学習途中で「挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。

プログラミング学習における挫折率の調査
プログラミング学習者の87.5%が挫折を経験したことがある

調査概要:プログラミング学習の挫折に関するアンケート
調査対象:10代〜80代の男女298名
調査期間:2019年8月13日~8月20日
調査方法:インターネット調査
掲載元:PR TIMES

またこうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では

  • 確実にスキルを身につけられると思ったから
  • 独学では不安がある
  • 効率よく学べそう

などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。

61%の人がプログラミングの勉強を始めるならスクールが良いと回答

調査概要:プログラミングに興味がある方の意識調査
調査期間:2021/11/19~2021/12/3
対象者:プログラミング学習を検討している10代~50代の男女100名
調査媒体:クラウドワークス
掲載元:PR TIMES

加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました(※1)。

※1:スクール卒業生に実施したインタビュー詳細の動画

上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。

いざ独学でスマホアプリの開発を始めても、勉強の最中に挫折しまっては学習にかけた時間を悔やむだけでなく「スマホアプリを作るのって思っていたよりも難しいんだな…」と開発自体を諦めかねません。

仮にわからないことを飛ばしながら勉強を進めたとしても、ITエンジニアへの転職や副業での収入獲得を実現できる実践的なスキルが身につかなければ、結局後悔することになります。

そこで、おすすめしたいのが「SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)」です。

SAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)
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分割料金一括料金受講期間
4,098円~16万5,000円~1ヶ月~
  • 転職・副業・独立などの目的に特化したコースあり
  • 累計指導実績4万5,000名以上
  • 給付金活用で受講料が最大70%OFF

侍エンジニアをおすすめする最大の理由は「挫折しづらい学習環境」にあります。

先ほど述べたとおり、独学者の多くは自力で不明点やエラーを解決できないためにプログラミング学習を挫折しています。そのため、未経験者が現役エンジニアのようなプロに質問や相談できない状況で、Pythonを習得するのは非常に難易度が高いといえます。

しかし、侍エンジニアでは

  • 現役エンジニア講師による個別レッスン
  • 現役エンジニアに質問できるオンラインでのQ&Aサービス
  • 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ

といったサポート体制を整えているため、学習中に出てきたわからないことや不明点をいつでも相談可能です。「受講生の学習完了率98%「転職成功率99%」という実績からも、侍エンジニアなら挫折しづらい環境でプログラミング学習を進められるといえます。

また、侍エンジニアではカウンセリングにてスマホアプリを開発する目的や理想の生活・仕事像をヒアリングしたうえでカリキュラムを作成するため、限られた受講期間でも効率的に必要なスキルだけを習得可能です。

最短距離で目的を実現できるようカリキュラムが組まれているため、勉強する順番や内容を誤り非効率に時間や手間を費やす心配もありません。

なお、侍エンジニアでは最大80%OFFで受講可能な「給付金コース」を提供中。金銭面での支援を受けつつ、理想のキャリア実現に向けたスキルの習得から、転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。

※1:転職後の1年間、転職先での継続的な就業や転職に伴う賃金上昇などのフォローアップ

学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してPythonやスマホアプリの開発スキルが習得できますよ。

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まとめ

今回は、Pythonを用いたスマホアプリの開発方法を、作るのに必要なものや具体的な手順も交えて解説しました。

一見すると複雑なプロセスのように感じられるスマホアプリの開発ですが、適切なフレームワークやツールを活用することで、iOSでもAndroidでも効率良くアプリを制作することが可能だとお分かりいただけたのではないでしょうか。

この記事を参考にして、Pythonを使ったスマホアプリ開発への第一歩を踏み出していただければ幸いです。

なお、Pythonプログラミングの基礎からアプリ開発までを学びたい人は、下の記事も参考にしてみてください。

Pythonアプリ開発完全ガイド!成功へと導く入門手順を初心者向けに解説

この記事を書いた人

【プロフィール】
関西の家電メーカーにてブルーレイレコーダーや電動アシストカートの開発を経験。地元の鳥取県に帰省後は、Webアプリケーションの開発に従事。組み込み系からWeb開発まで、幅広いソフトウェア開発経験を活かし、2022年よりWebライターとして活動中。侍エンジニアブログでは、PythonやWeb開発分野の記事執筆を担当。読者の悩みや知りたいことを汲み取った構成を意識しながら執筆しています。
【専門分野】
IT/Web開発/組み込み開発/AI/ロボット開発
【保有資格】
基本情報技術者試験
【SNS】
X(旧:Twitter)

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