リストの基本的な使い方を知りたい
Pythonでは値をひとまとめに管理するためのリストがあります。
今回はPythonにおける基本的なリストの使い方や、覚えておくと便利なメソッドについて解説していきます。
初歩的な内容から発展的な内容についてもやさしく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。
※ この記事のコードはPython 3.7, Ubuntu 18.04で動作確認しました。
本記事を読む前に、Pythonがどんなプログラミング言語なのかをおさらいしておきたい人は次の記事を参考にしてください。
→ Pythonとは?特徴やできること、活用例をわかりやすく簡単に解説
なお、その他のPythonの記事についてはこちらにまとめています。
リストとは
リストとは、複数の要素を含むコンテナ型オブジェクト(英: コンテナ=容器)の事を指します。
リストの大きなメリットとして、一度に多くの連続したデータを扱える、という事があげられます。既存のメソッドを活用し、要素の追加や削除、検索やカウントなどといったさまざまな操作を行う事も出来ます。
リスト以外にも、複数の要素をまとめたオブジェクトがあります。
- set
- tuple
- dict
- numpy.array
この中でも、他の言語の配列に当たるのがnumpy.arrayです。
そちらについては以下の記事で解説しています。
さて、これら複数の要素が使えるオブジェクトもそれぞれが得意なこと、不得意なことがあります。
その中でもリストは、以下のような利点があります。
- 柔軟でどんなリストでも入れられる
- 普通の配列のように扱える
しかし、以下のような欠点もあります。
- tupleのように変更不可能ではないため、辞書の鍵としては使えない
- numpy.arrayよりは全然遅い
リストの基本
リストの作成と初期化
リストは、[ ] の中にカンマで区切られた要素で構成されています。
リストの初期化は、以下のように行います。
mylist = [] # または mylist2 = list()
ご覧いただけるように、[ ] の中身を空で宣言するとリストが初期化されます。
このmylistの中には要素がひとつも入っていません。また、初期化と同時に要素を追加することも出来ます。
以下のコードをご覧ください。
mylist = [1,2,3,4] print(mylist)
上記コードでは、mylistというリストを宣言してint型の要素を追加しました。以下のように出力されれば成功です。
[1, 2, 3, 4]
また、リストの要素を一つずつ表示したい時は、for文を使用すると良いでしょう。for文の使用方法の詳細については以下のリンクを参照してください。
先ほど作成したmylistはすべての要素がint型ですが、Pythonのリストは構成する各要素の型が違っていても成り立つのです。
mylist2 = ["Hello", 1, "world", 2, "!"] print(mylist2)
[出力結果]
['Hello', 1, 'world', 2, '!']
上のサンプルコードで作成したmylist2は文字列型の要素とint型の要素を含むリストとなっています。
appendメソッドで要素を追加
では、リストの作成方法を学んだところで、様々なメソッドをご紹介していきたいと思います。
まずはappendメソッドを使用して、リストに新たな要素を追加してみましょう。
appendメソッドは引数に追加したい要素の値を要します。
mylist = [1,2,3,4] mylist.append(5) print(mylist)
[出力結果]
[1, 2, 3, 4, 5]
上記コードでは、appendメソッドを使用してmylistに新たな要素「5」を追加しました。
removeメソッドで要素を削除
要素の追加とは反対に、要素の削除方法も覚えておきましょう。
要素の削除はremoveメソッドで行います。removeメソッドは引数に削除したい要素の値を指定します。
mylist = [1,2,3,4,5] mylist.remove(5) print(mylist)
[出力結果]
[1, 2, 3, 4]
上記コードでは、removeメソッドを使用し要素を一つ削除しました。
万が一、removeメソッドの引数にリスト内に存在しない値を指定するとエラーが発生します。
mylist.remove(7)
[出力結果]
Traceback (most recent call last): File "<stdin>", line 1, in <module> ValueError: list.remove(x): x not in list
上のコードでは、mylist内に存在しない要素「7」を削除しようとしたのでエラーが出力されました。
in演算子で要素を検索
リストにある特定の要素が含まれているかどうかを調べるときには、in演算子を使うことができます。
in演算子は 要素 in リスト という風に使用し、戻り値はTrueかFalseです。
mylist = [1,2,3,4,5] print(3 in mylist) print("Hello" in mylist)
[出力結果]
True False
上記コードでは、in演算子を使用し、「3」と文字列Helloが存在するかを確かめてみました。
3はmylistに含まれているので、Trueと表示されました。
Helloはmylistに含まれていないので、Falseと表示されました。
len関数で要素の数をカウント
リスト内にいくつ要素が含まれているかを調べたい時は、len関数を使用して要素の数をカウントしましょう。
len関数は、引数に要素の数を調べたいリストを指定します。
length = len(mylist) print(length)
[出力結果]
5
上のコードでは、mylist内に含まれる要素の数をカウントしてみました。
ご覧いただけるように、正常に4と表示されましたね。
リストの応用
これまではリストの作り方から基本的なメソッドのご紹介と、初歩的な内容を解説してきました。
ここからは、少し応用的な内容を深めて行きましょう。
リスト内包表記
今手元にあるリストを元に、新たなリストを作成するにはどうすればよいのでしょうか。
例えば、あるリストの要素を全て二倍にしたい場合などです。もちろんfor文を使用して、新たなリストを作成することも出来ます。
しかし「リスト内包表記」を使用すると、コードが短縮できて便利なんです。では早速使い方をご紹介したいと思います。
old = [1,2,3,4, "Hello", "World"] new = [i*2 for i in old] print(new)
[出力結果]
[2, 4, 6, 8, 'HelloHello', 'WorldWorld']
上のコードでは、oldというリストを元にnewという新たなリストを作成してみました。
newの要素は、oldの各要素を二倍にしたものです。int型要素は1から2へ、2から4へなど、正常に二倍になっていますね。
文字列型であるHelloとWorldはHelloHelloとWorldWorldになりました。リスト内包表記とは、newの宣言の際 [ ] の中にfor文のようなものを当てはめる記法のことです。
joinメソッドで文字列を作成
リストを元に文字列型の変数を作成したい場合は、joinメソッドを使いましょう。
joinメソッドは文字列型のメソッドです。基本的な構文は hoge.join(list) です。
hogeの部分は任意の区切り文字です。
mylist= ["1","2","3","4", "Hello", "World"] str1 = ''.join(mylist) str2 = ' '.join(mylist) print(str1) print(str2)
[出力結果]
1234HelloWorld 1 2 3 4 Hello World
上のコードでは、mylistをベースにstr1とstr2といった二つの文字列を作成してみました。str1の区切り文字として何も指定しなかったので、1234HelloWorldといった要素がすべて連結した文字列が出力されました。
反対に、str2の区切り文字はスペースを指定したので各要素がスペースによって分けられています。ここで注意したいのは、mylistのようなベースのリストの全ての要素が文字列型でないとエラーが発生してしまう点です。
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まとめ
今回はPythonにおけるリストの基本的な操作から、リスト内包表記やjoinメソッドなどといった応用編まで解説しました。
覚えておきたいポイントは
- appendやremoveといった基本的なメソッドはぜひ習得
- リスト内包表記はコードの縮小に便利
- joinメソッドで文字列も作成しよう
といったところですね。
ではみなさんも、この記事を通してリストについての知識をどんどんと深めて行ってくださいね。
なお、今Pythonを学習している方は以下の記事もどうぞ。
はじめてPythonを使う方でもわかりやすいように、Pythonでできることやその学習法などを中心にまとめています。
復習にも使えると思いますので、ぜひ一度ご覧になってみてくださいね。
【Python 入門完全攻略ガイド】