この記事では、初心者がおさえておきたいデータ分析の基礎知識や入門方法を解説します。
データ分析は何から勉強したらいいの?
どう勉強を進めればいいんだろう…
近年、ITやAI技術の導入により、インターネット上に存在する大量のデータを活用できるようになりました。集めた情報を分析することで発見が生まれ、課題解決や目的達成の手段となり、新しいビジネスチャンスのヒントも見えてきます。
この記事では、データ分析の基礎知識や代表的な5つの手法、初心者向けのデータ分析の9ステップを解説しています。読むことで、データ分析の概要やポイントが、わかるようになるでしょう。
- データ分析に長けていると、意思決定や課題特定のスピードが増す
- データ分析は「分析目的の明確化」「解決課題の特定」の順に進めよう
- データ分析は解決策の実行までセットで行おう
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初心者がおさえておきたいデータ分析の基礎知識
ビジネスにおいてデータ分析は、あらゆる分野で不可欠な存在になっています。
例えば、意思決定の裏づけやトレンド発見、顧客満足度向上、リソースの最適化、競争優位性の確立、リスク管理などのベースとして活用されています。
データ分析をビジネスに取り入れるメリットは、大きく下記の2つです。
- 成功の確率を向上させられる
- 気づかなかった欠点や予想外の利点を発見できる
データの活用により、より成功確率の高い戦略を導き出せます。また、蓄積データからさらに精度を高め、気づかなかった側面を発見することができるのです。
そのため、データ分析を早期に取り入れることが重要です。デジタル化が進む中、データにもとづいた判断はますます不可欠になるでしょう。
まずは、下記内容について解説していきます。
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データ分析とは
データ分析とは、さまざまなテーマにもとづいて収集された情報を詳細に調査・分類・解釈して、有益な情報を発見するプロセスをいいます。
ビジネスにおいて、データの分析は重要な意味を持ちます。例えば、顧客の好みや市場のトレンドを分析することで、将来の売上を予測することができます。これにより、企業は需要に合わせた効果的な生産計画の策定や、在庫確保も可能になるでしょう。
またデータ分析は、マーケティング戦略の改善や、顧客満足度の向上などにも活用されます。事実にもとづくデータ分析の結果は、早く正確な意思決定をサポートし、企業の競争力を向上させる効果が期待できます。
今後のビジネス環境の変化に適応し、戦略的な方針を構築するためには、データ駆動型のアプローチが欠かせないでしょう。
データ分析の活用例や必要なスキル、資格については下記の記事を参考にしてください。
データ分析でできる4つのこと
データ分析は、DXの推進に欠かせない要素です。その有用性を最大限に引き出すためには、組織内でのデータの種類や分析目的、手法について理解しておく必要があります。データ分析でできることは、以下の4つです。
判断の根拠や理由の数値化・可視化 | データに基づくと客観的に判断でき、不確実な勘や経験に頼るリスクを減らせる。 |
高確度の現状分析・将来予測 | 現状をはっきり認識する精度の向上により、未来の売上拡大や施策検討がしやすくなる。 |
見落としがちな問題点や改善点の抽出 | 収集データから得た情報によって、課題や新たな可能性を発見できる。 |
スピーディーな意思決定 | 課題に対して即座に関連したデータを提供できるため、素早い意思決定や判断に活用できる。 |
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【入門】データ分析の基本手法5つ
データ分析の基本的な手法は、下記の5つです。
順番に解説します。
クロス集計
クロス集計は、データを性質ごとに分類し、細かく集計するデータ分析手法です。クロス集計により「年齢」「性別」「居住地」「職業」などの属性ごとの習慣や好みを把握できます。
手順は、まずデータを収集する属性を決定し、アンケートを行います。その結果を年齢や性別、居住地などでさらに細分化して、アンケートを繰り返す方法です。このようにして、クロス集計は、市場調査や商品満足度の把握に役立ちます。
また、集計結果をさらに分析することで各属性の傾向やニーズを理解し、プロモーションに活用することができます。クロス集計は、Excelでも簡単に実施できるため、誰でも始めやすい方法です。
ロジスティック回帰分析
ロジスティック回帰分析は、二択の結果を予測する手法です。例えば「はい/いいえ」や「成功/失敗」などの問いに対する確率を見積もり、確率を上げていきます。
二択での集計から事象の発生確率を割り出します。事象の発生確率により、アプローチの最適化が可能になり、顧客の属性や購買履歴から、特定の商品の購入確率の予測に活用できます。
ロジスティック回帰分析は、コストパフォーマンスの向上やマーケティングの成功率向上などが期待できます。ただし、過去データの必要性や抽象的なデータは使用しづらいなど、デメリットもあるため、注意が必要です。
アソシエーション分析
アソシエーション分析は、商品やサービスとの相関関係を解明する手法です。例えば「紙オムツとビールが同時に購入される」事例があります。商品同士には直接の関係はなくても、購買行動において、隠れた関連性を見出せます。
アソシエーション分析によって得られた顧客の購買データから、同時に購入される商品を近くに配置することで、売上向上につなげられるでしょう。同様に、ECサイトやネットショップでの関連商品の自然な提案も可能です。
クラスター分析
クラスター分析は、異なる性質が混在している集団から似た特徴のものをグループ分けし、クラスター(グループ)を形成して分析する手法です。例えば、購買履歴から得られる顧客をブランドや価格、品質などの観点でグループに分けます。これにより、似た特徴のグループに対して、ニーズに適したメルマガの配信も可能です。
クラスターごとにニーズに合ったターゲット商品を紹介することで、潜在ニーズに応えられ、より売上を伸ばせるでしょう。
この手法の応用は、有名ブランドの新商品を強調した商品情報や、限定商品やお得さをアピールした情報など、それぞれのグループニーズに合わせて効果的に情報提供できます。
決定木分析
決定木分析は、アンケートやリサーチなどのデータをもとに、「原因」から起こりうる「結果」を予測する手法です。この手法は「春夏なら購入/秋冬なら購入」など、2択で分析することからスタートします。決定木分析は、原因から結果までを繰り返す経路図が樹木のように作られることから名づけられました。
シンプルで少ないデータからも分析が可能で、主にマーケティングやリスクマネジメントの分野で消費者の傾向や特徴を把握するために利用できます。
次の記事では上記を含めたデータ分析の手法を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
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【初心者向け】データ分析の9ステップ
初心者向けのデータ分析は次の9ステップです。
- ステップ1:分析の目的を明確にする
- ステップ2:解決したい課題を特定する
- ステップ3:分析の計画を立てる
- ステップ4:分析結果の仮説を立てる
- ステップ5:データを集める
- ステップ6:データを分析する
- ステップ7:分析結果を解釈する
- ステップ8:解釈した結論に基づき課題解決を実行する
- ステップ9:1から8を繰り返す
順番に解説していきます。
ステップ1:分析の目的を明確にする
データ分析のスタートは「何を目指すか、何を達成したいか」を明確にすることです。目的が不明確だと無駄な分析になりがちです。
データ分析により得たい結果を定めることで、分析の方向性や必要なデータが見え、効果的な結果が得られます。まずは目的を紙に書いて言語化してみましょう。課題の優先順位が明らかになるはずです。
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ステップ2:解決したい課題を特定する
データ分析の目的が明確になったら、目的を達成するために解決すべき課題を特定します。課題を特定するためのアプローチには「課題が特定できる場合」「課題が予測できない場合」の2つの方法があります。
課題が特定できる場合、実データを分析して具体的な問題を明らかにします。例えば、「売上を最大化したい」目標から、成果やコストを比較することで「新規売上」の低下が課題として浮かび上がります。
一方、過去のデータがなく課題が予測できない場合、未来の仮説を検討し、それに近い過去のデータを参考にして課題を特定します。仮説から因果関係を推測し、目的に向けた具体的な課題を見つけ出すことで、妄想ではなく根拠に基づいた課題特定が可能です。
上記の流れで課題特定を行います。
ステップ3:分析の計画を立てる
次に分析の計画を立てます。以下の7つの項目を考慮して計画しましょう。
- 分析方法
- 収集すべきデータ
- データの収集方法
- 能力・時間・コストの調整
- 評価軸の設定
- 達成軸の設定
- 目的と課題の再確認
分析の計画を立てることで、目的達成に必要な時間やコスト、技術的な課題を明確にできます。
ステップ4:分析結果の仮説を立てる
次に、分析結果の仮説を立てます。全体像を把握し、データ分析によって真偽が検証できる仮説を設定します。
分析結果の仮説を立てる際は課題を考慮し、次の3つのポイントをおさえておきましょう。
- 分析の背景を広く見て仮説を立てる
- 課題解決につながる仮説を立てる
- 可能性のあるすべての結果を想定して仮説を立てる
仮説は今後検証を繰り返し、効果的な結論に導く要素になるため、慎重に検討しましょう。
ステップ5:データを集める
仮説の実証に必要なデータを収集します。ポイントはデータの「形」や「質」を考慮することです。また、仮説の内容次第ではデータを直接使用するだけでなく、数字や記号など必要な形に変える場合もあります。
データ収集の方法は、自社のデータベースから抽出する方法や、顧客にアンケートを取る方法など多岐にわたります。
ステップ6:データを分析する
データの収集と整理が完了したら、次はデータ分析のステップに進みます。仮説検証のために適切な分析手法を検討しましょう。各データに合った手法を選定することがポイントです。
分析結果から意味やパターン、規則性を発見し、仮説との整合性を確認しましょう。
ステップ7:分析結果を解釈する
データ分析結果の正しい解釈は、精度の高い問題解決につながります。そのため、データから導かれた結果の本質的な意味を解釈し、それを実務に結びつける分析力が欠かせません。
仮説と分析結果の一致を確認し、異なる場合はプロセスの見直しやデータの再評価が求められます。データ分析は、単なる結果だけでなく、その解釈を通じて初めて意味を持つのです。
ステップ8:解釈した結論に基づき課題解決を実行する
分析結果から解釈できた内容をもとに課題解決に取り組むためには、問題解決能力が必要です。解決策の考案では複数の仮説とその検証が欠かせません。
データ分析より得られた解釈から課題解決ができなかった場合は、分析方法や仮説を再検討する必要があります。データ分析では問題解決に対する粘り強さが求められる上、客観的に分析内容をとらえる論理的思考力も重要です。
ステップ9:1から8を繰り返す
PDCAサイクルを活用し、ステップ1からステップ8を繰り返し実施することが重要です。絶え間なく繰り返すことで、より効果的なデータ分析ができ、持続的な改善を促進します。
PDCAサイクルは、計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Act)の4つの段階から成り立っています。以下は、データ分析を通じてPDCAサイクルを回し続けるための一般的な手順やポイントです。
PDCAサイクル | 内容 |
計画(Plan) | 問題の定義と目標の設定 分析のアプローチや手法の計画 |
実行(Do) | 計画にもとづいてデータの収集 分析結果からパターンの抽出 |
評価(Check) | 分析結果の評価と検証 分析方法の検証 |
改善(Act) | 改善点の洗い出し 分析手法や計画の修正 |
PDCAサイクルを活用することで、データ分析の結果をより問題解決に活用しやすくなり、組織やプロジェクトの成功にも貢献するでしょう。
初心者がおさえたいデータ分析のポイント3つ
初心者がおさえたいデータ分析のポイントは次の3つです。
順に解説していきます。
ポイント1:手法にこだわらず挑戦する
データ分析の初心者がおさえるべき1つ目のポイントは「手法にこだわらず挑戦する」ことです。まずは、自分ができるあらゆる手法を試し、一度手を動かしてやり切ってみましょう。スポーツと同じく、実践が効果的な学習法です。
つまり、実践を行いながらデータ分析の基礎知識を幅広く習得していくのです。初学者は一度でも分析のプロセスを通して実践経験を積むことをおすすめします。
ポイント2:主観的な分析を行わない
初心者がおさえるべきデータ分析のポイント2つ目は「主観的な分析を行わない」ことです。データ分析結果に対して、まず客観的な評価が必要です。
特に、自社の利益が絡む場面で主観的な判断を行うと、分析結果から問題解決につながらない可能性があります。数値にもとづく客観的なデータ分析を意識しましょう。
ポイント3:データ分析だけでなく解決策の実行まで行う
初心者がおさえるべきデータ分析のポイント3つ目は「データ分析だけでなく解決策の実行まで行う」ことです。単に分析して満足するのではなく、分析結果にもとづいて効果的な解決策を立案し、その実行まで行うことでデータ分析が完了します。
正確な情報収集と分析ができたら、それを具体的な施策に結びつけ、実行・検証を繰り返しましょう。これにより迅速な課題解決につながり、データ分析の本質的な成功といえます。
データ分析の基本を習得するための学習方法
データ分析は一見難易度が高いように感じられますが、初心者でも習得できます。具体的な学習方法は以下の通りです。
それぞれ解説していきます。
独学で学ぶ
データ分析を独学で学ぶには、次のステップがおすすめです。
- 1.基礎知識を身につける
- 2.分析ツールを選ぶ
- 3.実践する
- 4.さまざまな手法に取り組む
はじめは、オンラインの無料教材や書籍を活用して基礎知識を学び、その後にデータ文で気に使用するツールを選びます。初心者はエクセルでのデータ分析がおすすめです。データ分析に慣れたら、さまざまな分析手法を実践し、スキルを体得しましょう。
独学でも少しずつ実践していくことでデータ分析のスキルを習得できます。ただし、独学には「挫折しやすい」「時間の確保が難しい」「質問できない」などのデメリットがある点には注意が必要です。
なお、下の記事ではデータ分析の独学ロードマップを詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
スクールに通う
ベータ分析を学ぶには、スクールでの学習がおすすめです。スクールでは、データ分析に必要な知識やスキルをレベルに合わせて体系的に学ぶことができます。
わからない部分を直接講師へ質問でき、学習モチベーションを維持しやすいでしょう。さらに、就職や転職をサポートするスクールも多いため、未経験からのキャリアチェンジにも効果的です。スクールを受講することで、業務に必要なデータ分析スキルを効率的に身につけることができます。
なお、次の記事ではデータ分析が学べるおすすめのスクールを詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
初心者から挫折なくデータ分析スキルの習得を目指すなら
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今回は初心者の方に向けてデータ分析の概要や主な分析方法、データ分析の9ステップとポイント、学習方法について解説しました。
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この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。