この記事では、未経験・異業種からWebデザイナーを目指す難易度について解説します。
Webデザイナーとしてのキャリアを目指す人々の間で、しばしば「Webデザイナーは難しい」という声を耳にします。特に未経験者や異業種からの転職者にとって、Webデザインの世界は遠く感じるかもしれません。
しかし、その難易度は実際にはどれほどのものなのでしょうか。この記事では、未経験・異業種からWebデザイナーになるのは難しいのか、その難易度を解説します。
挫折せずに学習を続けるコツや、スキルが身につく期間の目安も解説するので、ぜひ参考にしてください。
未経験からWebデザイナーが難しいといわれる5つの理由
さっそく、未経験からWebデザイナーへの転身が難しいといわれる理由を、5つにまとめて紹介します。
理由1:身につけるべき知識量が多いから
Webデザイナーとして活躍するためには、広範な知識が求められます。初めて志す人には、Webデザイナーへ必要とされるスキルの幅広さはハードルが高いと感じるでしょう。
具体的には、
- ユーザーインターフェース(UI)設計
- ユーザーエクスペリエンス(UX)設計
- グラフィックデザイン
- タイポグラフィー
- カラーセオリー
など、多岐にわたる分野の知識が必要です。
さらに、これらの知識を実際のプロジェクトに応用できるようになるまで、学び続けることが求められるのです。
このように多様な知識を身につけることは、一朝一夕には達成できるものではありません。継続的な学習と実践を重ねることが不可欠であり、それがWebデザイナーを目指す際の大きなハードルとなるのです。
しかし、この広範な知識をしっかりとマスターすることで、より質の高いデザインを提供できるようになり、市場での競争力も高まります。
理由2:ツールを使いこなすのに時間がかかるから
Webデザインには様々な専門ツールが使われており、これらを習得するには相当な時間が必要です。
Adobe PhotoshopやIllustrator・Figmaなどのグラフィックツールは、デザイナーに欠かせないツールですが、それぞれに複雑な機能や操作方法が存在します。上記のツールを効率的に使用するスキルは、高品質なビジュアルコンテンツを作成する上で非常に重要です。
しかし、上記のツールを扱うスキルは、ただ単に使い方を覚えるだけではなく、実際のデザインプロセスにおいて最適な方法で活用する技術を身につけることも含まれます。例えば、
- Photoshopでのレイヤーの管理
- Illustratorでのベクターグラフィックの作成
- Figmaでのコラボレーティブデザイン
など、各ツールには特有の機能があり、マスターするには実践的な経験が必要です。
上記のツールを使いこなすことができるようになるまで、多くの時間と努力が必要とされるため、未経験からWebデザイナーを目指す際の障壁となることがあります。しかし、一度これらのスキルを身につければ、それが大きな強みとなり、デザインの質を大きく向上させることができます。
理由3:コーディングが難しいから
HTML/CSS・JavaScriptなどの言語は、Webデザイナーが頻繁に使用する基本的なツールです。これらの言語を理解し、実際にコードを書く能力はデザインを具現化し、ウェブサイトやアプリケーションが正しく機能するために不可欠です。
しかし、プログラミング言語を学ぶことは多くの初心者にとって難易度が高いといえます。コーディングは論理的思考と精密な構造を必要とし、慣れるまでには時間と練習が必要です。
また、コードが正しく動作しない場合のデバッグ(エラーの診断と修正)は、さらに高度なスキルを要求されるため、学習の初期段階で挫折を感じることも少なくありません。
デザインの視覚的な部分だけでなく、技術的な面も理解しているWebデザイナーは市場で非常に価値が高く、プロジェクトの要求に柔軟に応えられる能力を持っています。そのため、コーディングスキルは、Webデザイナーとして成功するための重要な要素の一つですが、これが学習の大きな壁となることも事実です。
理由4:経験者が優遇されている傾向にあるから
Webデザイン業界では、経験者が優遇される傾向が強く、未経験者が業界に足を踏み入れるのは困難な場合があります。多くの企業は、ポートフォリオと実績を重視し、即戦力となるスキルを持ったWebデザイナーを求めているからです。これが未経験者にとっては大きな障壁となります。
経験者は、過去のプロジェクトを通じて得た実務経験や問題解決スキルを持っているため、新たなプロジェクトに迅速に適応し、効率的に作業を進めることができます。対して未経験者は実務経験がないため、採用の際にはそのポテンシャルを証明することが求められますが、これが難しいことも少なくありません。
ただし、未経験者でもアピールできるポイントは存在します。たとえば、最新のトレンドに敏感であることや、学ぶ意欲が高いことをアピールすることで、経験者とは異なる観点からの価値を提供できる可能性があります。また、ポートフォリオを工夫して、個性や独自の視点を前面に出すことも重要です。
理由5:常に勉強し続けることが必要だから
Webデザインの世界は、常に変化しています。新しい技術が登場しトレンドが移り変わるため、Webデザイナーとして成功し続けるには、絶えず最新の情報を学び、自己のスキルを更新し続けることが求められるのです。このような継続的な学習は、特に未経験者にとっては大きなハードル挑戦となることがあります。
たとえば、新しいグラフィックツールの登場やユーザーエクスペリエンスに関する新しい理論が導入されることは珍しくなく、これらの迅速な理解と実践へのに落とし込みが必要です。
また、ウェブアクセシビリティ基準やSEO(検索エンジン最適化)など、他の専門知識も必要とされます。
継続的な学習要求は時間的なコミットメントだけでなく、精神的な面でも大きなプレッシャーを与えることがあります。しかし、このプロセスを通じて、デザイナーは自らの技術を磨き上げ、より多くの機会を掴むことが可能になります。
学び続けることで、常に業界の最前線で活躍することができるのです。
Webデザイナーになるのは難しいのか
Webデザイナーになることは確かに簡単ではありませんが、適切な学習方法と努力を組み合わせれば、成功することは十分可能です。初心者が直面するであろう多くの挑戦には、具体的な解決策が存在し、それを理解し実践することで、スキルを確実に向上させることができます。
ここからは、次のトピック別でWebデザイナーになるのは難しいのか、その是非を解説します。
簡単ではないがコツをおさえれば可能
Webデザイナーになるのは、簡単ではありませんが、コツを掴めば成功の可能性が高まります。挫折しないよう、次の手順でWebデザイナーに必要なスキルを身につけましょう。
1.目的を明確にする | Webデザインを学習する目的をはっきりさせる |
2.学習期間と時間を決める | トータル学習期間、1日あたりの学習時間 |
3.必要なものを揃える | パソコン、ツール、参考書、Wi-Fi環境 |
4.学習方法を選択する | Webサイト、動画サイト、書籍・参考書 |
5.不明点を聞ける環境を用意する | ・1つのことを30分以上悩まない・サイトの相談フォームを活用する |
なお、自分にWebデザイナーの適性があるかどうか、事前にリサーチしておくこともおすすめです。次の記事ではWebデザイナーに向いている人・向いていない人の特徴を詳しく解説しているので、よければ参考にしてください。
独学では挫折する可能性もある
一方で、独学でのWebデザイン学習は習得途中で挫折する可能性がある点には注意が必要です。
独学は費用は抑えられますが、質問できるところがないため、疑問点も一人で解決しなくてはなりません。
初めて見聞きする内容に加え、専門用語も多いため、思うように学習が進められない恐れがあるからです。用語を検索中、さらにわからない用語が出てきて一向に先に進めず、そのまま挫折するケースも珍しくありません。
Webデザイナーになるまでにかかる勉強時間
独学でのWebデザインスキル習得に必要な勉強期間は、半年から1年が目安といわれています。時間に換算すると600時間以上、1日あたり3時間30分の勉強時間を確保し、約180日以上継続するといった計算です。
一方、スクールに通う場合は、効率的かつ高品質なカリキュラムで勉強を進められるため、約半年を目安にスキルを身につけられるでしょう。
長丁場となる学習期間中に、下記のスキルを習得します。
- Webデザインの基礎知識
- デザインツールの使い方
- コーディングスキルの習得
- ポートフォリオの作成方法
- 実案件に応募して実践的な経験を積む
このように数多くのステップをこなしていく必要があり、相応の勉強時間を要することを覚えておきましょう。
学習方法によるWebデザイナーを目指す難易度の違い
ここからは、次の学習方法別でWebデザイナーを目指す難易度に違いはあるかを解説します。
独学
勉強時間 | 全期間:半年~1年 勉強時間:600時間 内訳:1日あたり3時間半で180日以上 |
挫折度合い | ★★★★☆ |
おすすめの学習方法 | ・Webサイト 無料講座や無料テキストを提供しているWebサイトで学習する。 ただしWebサイトによっては、一定以上のレベルからは有料となる場合もあるので、事前の確認が必要。 ・動画サイト YouTubeなどにも無料の学習コンテンツが幅広く提供されている。 テキストと連動させて学習すれば理解度を高められる。 ・市販テキスト 初学者用から上級者用までレベルに合った書籍が販売されている。 |
メリット | ・費用がかからない ・学習期限がないため、自分のペースで進められる |
デメリット | ・疑問点を質問できる環境が無く、学習が停滞しやすい ・モチベーションの維持が難しい |
繰り返しになりますが、独学はすべての疑問を一人で解決する必要があります。HTMLやCSSなどのWeb言語の理解、PhotoshopやIllustratorなどの専用ツールの扱い方、連続するコーディングエラーの原因特定と解決策の見つけ方と例を挙げればきりがありません。
解決方法が見つからず学習が停滞し、挫折につながるというケースが多々あるため、難易度は高いといえるでしょう。
なお、次の記事ではWebデザインの独学ロードマップを詳しく解説しているため、よければ参考にしてください。
スクール
勉強時間 | 全期間:約半年 ・カリキュラムに沿って学習を進める |
挫折度合い | ★☆☆☆☆ |
学習の進め方 | ・スクールのテキスト ・動画講義 ・講師による添削 ※一例であり、スクールにより異なる |
メリット | ・カリキュラムに沿って効率よく学習を進められる ・講師に疑問点を質問できる ・モチベーションを維持しやすい |
デメリット | ・一定のコストがかかる ・スクールに申し込んでも、自身が努力しなければスキル習得に至らない |
一方でスクールの場合は、基礎から応用へと、考え抜かれたカリキュラムに基づいて講義が進みます。疑問点や繰り返すコーディングエラーは、専門知識が豊富な講師陣に質問できます。スクールによっては質問回数が無制限になることも。疑問を解決できる環境は想像以上に大きな強みとなり、独学と比べると習得難易度は格段に下がるでしょう。
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また、金銭面での支援を受けつつ、Webデザインスキルを習得し、転職活動・就業後のフォローアップ(※1)までを一貫してサポートしてもらえます。
学習と金銭面をどちらもサポートしてくれる侍エンジニアなら、未経験からでも安心してWebデザイナーへの転職が実現できますよ。
未経験からWebデザイナーを目指す4ステップ
ここでは、未経験からWebデザイナーを目指す具体的な手順を、4つのステップにまとめて紹介します。
- ステップ1:Webデザインの勉強方法を決める
- ステップ2:Webデザインの基礎的な知識を勉強する
- ステップ3:Webデザインをアピールできるポートフォリオをつくる
- ステップ4:Webデザイナー求人を探して応募する
なお、下の記事ではWebデザイナーになるにはどうすればいいのか、その手順を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
ステップ1:Webデザインの勉強方法を決める
最初のステップとして、どのようにしてWebデザインを学ぶかを決めることが重要です。
独学で進めるか、専門のスクールに通うかを選択します。それぞれの方法のメリットとデメリットを理解し、自分のライフスタイルや学習スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。
また、セミナーやオンライン講座を利用することも一つの手です。まずは気になる方法を試し、徐々に自分に合った進め方を見つけていくといいでしょう。
ステップ2:Webデザインの基礎的な知識を勉強する
Webデザインの基礎知識を身につけることは、この分野での成功の土台を築くことになります。前述した次の基本的な概念をしっかりと学び、実際のデザインツールを使った実践的なトレーニングも行います。
- 色彩理論
- タイポグラフィ
- ユーザーインターフェース(UI)設計
- ユーザーエクスペリエンス(UX)設計
勉強する際は習得と並行して小さな演習を行うとより効果的です。身につけたスキルは発揮できてこそ役立ちます。インプットと同時にアウトプットも意識しながら勉強を進めましょう。
ステップ3:Webデザインをアピールできるポートフォリオをつくる
次に、学んだ知識を生かして自己のスキルを示すポートフォリオを作成します。
ポートフォリオは、自分のスキルやセンスをアピールする手段として非常に有効です。一定のスキルが身についたならば、ポートフォリオを作成し自分を売り込む準備をしましょう。
なお、下の記事では未経験のWebデザイナーが参考にすべきポートフォリオサイトの例を紹介しているので、良ければ参考にしてください。
ステップ4:Webデザイナー求人を探して応募する
ポートフォリオが作成できたら、実際の案件を受注し、実績と経験値を積み重ねましょう。
求人サイトを利用して、適切な職場を見つけます。応募書類とポートフォリオを添えて、積極的に応募を行います。
実践で得られる経験ほど貴重なものはありません。クラウドワークスなどのクラウドソーシングサイトには、初心者を対象とした案件も豊富に掲載されています。勇気を出して一歩を踏み出し、スキルアップを目指しましょう。
なお、採用面接の際にはこれまでの学習経験やプロジェクトへの取り組みを自信を持って説明できるよう、準備しておくことが重要です。
Webデザイナー案件の獲得方法や具体的な進め方をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
Webデザイナーは難しいと感じている人によくある質問
最後に、Webデザイナーは難しいと感じている人によくある質問へまとめて回答します。
Webデザイナーにはセンスが必要?
Webデザイナーを目指す上で、もちろんセンスがあるに越したことはありません。しかしセンスよりも大事なのは、物事に真剣に取り組む姿勢と心構えです。
Webデザインは、アートのようにデザイナーが好き勝手に制作するものではありません。クライアントの意見に耳を傾け、要望に沿う形でWebサイトをデザインする点で、あくまでもクライアントワークです。
- クライアントの要望を汲み取るコミュニケーション能力を高める
- 問題解決能力を高める
- 要望に沿うスキルや知識の引き出しを増やせる
上記の努力ができる人は、センスを凌駕する活躍ができるでしょう。
なぜWebデザイナーは「やめとけ」といわれるの?
インターネットで「Webデザイナー」と検索すると、「やめとけ」「後悔」など、ネガティブに書かれたページを目にすることもあるのではないでしょうか。
理由のひとつとして、AI技術によりWebデザイナーの仕事が奪われるという考え方があるでしょう。確かにAIを使うと、人の力に頼らずにWebページが作れる可能性は大いにあります。
ですが現時点でのAI技術は、過去の膨大なデータから情報を引き出せたとしても、新たなアイデアを生み出すには至っていません。常に新しいアイデアを創造する、クライアントの気持ちを汲み取るなど、人にしかできないスキルを磨くことで、AIに淘汰されないWebデザイナーになれるでしょう。
なお、次の記事ではWebデザイナーが「やめとけ」といわれる理由を詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
まとめ
今回は、未経験からWebデザイナーになるのが難しいと言われる理由を解説しました。
Webデザイナーは一定のスキルが身につくと在宅勤務や副業が可能となり、まさに「手に職」といえます。一方で、覚える知識量が多く、独学では挫折のリスクが高いという難しさもあります。
効率よく学習したい、初期投資は惜しまないという方は、スクールへの申し込みがおすすめです。侍エンジニアは、多くの指導実績を誇っており、今ならお得なキャンペーンも実施しています。
もしWebデザイナーに興味を持ったのなら、早いうちにスタートを切ってはいかがでしょうか。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
株式会社SAMURAI
情報系の大学を卒業後、HR関連のサービスを複数展開する事業会社に勤務。コミュニケーションデザイン領域のデザイナーを4年ほど務め、LPやバナーデザインの制作、コーディング等を経験。現在は株式会社SAMURAIでWebデザイナーとして、バナーデザイン制作やLP改善、Instagram運用等に従事。