この記事では、需要や活用する利点も交え、AIチャットボットの特徴を解説します。
AIチャットボットは費用が高いの?
AIチャットボットを導入したいけど設定が難しそう……
AIチャットボットは企業の問い合わせページで多く導入されています。ただ、AIチャットボットの詳細がわからず「導入するのが難しそう……」と思っている人は多いのではないでしょうか。
そこで、この記事ではAIチャットボットの詳細や種類、メリット・デメリットなどを紹介します。おすすめのAIチャットボットの紹介もしていますので、ぜひご一読ください。
AIチャットボットとは
AIチャットボットとは、人工知能(AI)を用いて人間と自然な対話を行うプログラムのことです。
以降では、次のトピック別にAIチャットボットについて詳しく解説します。
AIチャットボットは132億の市場規模
矢野経済研究所の調査によると、現在AIチャットボットの市場規模は約132億であり、毎年右肩上がりに上昇しています。
データを確認すると毎年AIチャットボットのシェア率が上昇しているのがわかります。上昇している理由は「働き方改革」などで少ない人数で多くの成果を出せるように仕組みを変えているからです。
AIチャットボットなどのAIの力を借りれば、ユーザーからの問い合わせ以外の業務を進めることも難しくありません。そのため、AIチャットボットのシェア率が伸びてる傾向にあります。
チャットボットとの違い
特徴やコスト、対応範囲の点でAIチャットボットとチャットボットには違いがあります。
まずチャットボットはユーザーの質問に対し自動で回答できる仕組みが採用されており、事前におこなった設定をシナリオに基づきユーザーに選択肢を示したり、自動解答がおこなえます。AI搭載型に比べると初期費用や毎月の維持コストが低いため、気軽に導入できるのがチャットボットのメリットです。
AIチャットボットは、ユーザーに対して回答したデータや事前に学習させておいたデータにより機械学習をおこない、通常のチャットボットより複雑な質問に対して回答が可能です。
導入コストはチャットボットより高めですが、精度の高い回答ができ、蓄積されたデータを元に自動更新をして回答精度を日々上げていくため、手間がかからずメンテナンスコストを削減できます。
チャットボットとAIチャットボットを比べ、あなたに合った方を選択しましょう。
AIチャットボットの主な種類
ここからは、AIチャットボットの主な種類を、3つにまとめて紹介します。
種類1:シナリオ型
シナリオ型のAIチャットボットは、あらかじめ用意したシナリオ通りにユーザーからの質問に回答できます。ただ、あくまでシナリオに沿って受け答えするため、ユーザーの意図を理解して回答する訳ではありません。
事前にユーザーから質問される項目を設定して、項目ごとに回答を割り振っていく必要があります。なお、設定されている質問項目の例として下記の項目があります。
- 料金について知りたい
- サービスについて知りたい
- 保証サービスについて知りたい
- サービスの休会・解約をしたい
すでに企業で用意しているFAQ(よくある質問)をベースに作り上げるため、短時間で作成できるのも特徴の1つです。
種類2:AI搭載型
AI搭載型のチャットボットはシナリオ型と違い、ユーザーの質問の意図を分析して回答します。そのため、幅広くユーザーの質問に回答できるのがシナリオ型との大きな違いです。
また、大量の会話データを通じて学習し、時間と共に応答能力が進化します。ただ、開発難易度が高く、AIや機械学習について専門的な知識を求められる上に、機械学習のために膨大なデータや時間が必要になるため、シナリオ型と比べると導入時間を多く確保する必要があります。
種類3:ハイブリット型
ハイブリット型のAIチャットボットは、自動応答型のチャットボットと有人対応を組み合わせた物です。迅速に対応できる自動返答型のチャットボットと臨機応変に対応できる有人対応の両立が可能なため、ユーザーに対して1番の最適解を導き出せます。
シナリオ型のAIチャットボットに比べ調整の回数が少なくなるため、運用コストや人件費を抑えられるメリットもあります。
有人対応が全くできない場合を除いて、ハイブリット型のAIチャットボットは良い部分が多いため、初めてAIチャットボットを導入する場合はハイブリット型を導入するのがおすすめです。
AIチャットボットを活用する3つのメリット
ここからは、AIチャットボットを活用するメリットを、3つにまとめて紹介します。
メリット1:問い合わせ対応を効率化できる
AIチャットボットを導入すれば問い合わせ対応を効率化できます。なぜなら1次回答をAIチャットボットにお願いできるため、すべての問い合わせを友人対応しなくて済むからです。
ユーザーから日々たくさんの質問を受ける場合、対応に追われてしまいユーザーに対しての解答が遅くなってしまいます。
AIチャットボットを導入すれば、簡単な質問内容に対して自動で返答をおこなうことが可能となるため、有人対応が不要になりユーザーや発注者にとって大きなメリットになります。
メリット2:問い合わせの内容を分析しやすくなる
AIチャットボットを導入することで、問い合わせ内容を分析しやすくなります。ユーザーが問い合わせする内容をデータベースに蓄積・分析することでサービスの品質を改善するヒントが得られるようになります。
AIチャットボットは日々データが蓄積されるため、ユーザーのニーズがより明確化されるため、新商品の開発などのヒントにも役立ちます。
メリット3:24時間365日対応が可能になる
基本的にサポートセンターや問い合わせ窓口などは営業時間が決まっているため、時間外はユーザーの対応ができません。しかし、AIチャットボットは24時間365日対応が可能なため、ユーザーは好きな時間に知りたい情報を得ることができます。
レスポンスが早いAIチャットボットであれば、ユーザーの時間的な不満も解消されるので顧客満足度も高まります。
AIチャットボットを活用する3つのデメリット
メリットに続き、ここからはAIチャットボットを活用するデメリットを、3つにまとめて紹介します。導入まで時間がかかる場合などを考慮し、AIチャットボットのデメリットも把握しておきましょう。
1つずつ紹介します。
デメリット1:導入までに時間がかかる
AIチャットボットは基本的に導入まで時間がかかります。当日すぐに導入することは難しいため、導入する場合はしっかりとスケジュールを立てる必要があります。
なお、AIチャットボットを導入する時は、最低でも以下の作業が必要です。
- FAQの整備
- シナリオの作成
- AIチャットボットに読み込ませるデータ収集
上記の作業が必要のため、導入までには数ヶ月ほどみてスケジュールを立てるようにしましょう。
デメリット2:正確な返答ができない場合がある
AIチャットボットは、AIが自動で返答するため有人対応と違って正確な返答ができない場合があります。そのため使うAIツールや設定内容によっては、顧客が離れてしまう可能性もゼロではありません。
「完璧な返答をユーザーにしたい!」と考えている人は、AIチャットボットでは求めている結果にはならない可能性があります。
デメリット3:直接対応が必要になるケースがある
AIチャットボットは自動返答をしてくれますが、直接対応が必要になるケースもあります。
なお、直接対応が必要なケースは以下のとおりです。
- 高度な専門知識が必要な質問
- 蓄積されていないデータの質問内容
- どうしてもAIではなく有人で対応してほしい人
AIチャットボットは優秀なサービスですが、上記のように直接対応が必要な場合があります。完全に手放しで問い合わせサービスを運営するのは難しいでしょう。
おすすめの無料AIチャットボット5選
ここからは、無料で使えるおすすめのAIチャットボットを5つ紹介します。
- 1. ChatGPT
- 2. Google Gemini
- 3. Bing AIチャット
- 4. AIチャットくん
- 5. AI Chatting
1つずつ紹介します。
ChatGPT
ChatGPTはアメリカの人口機能研究所「OpenAI」が開発したAIチャットボットです。回答精度の高さから、2022年11月のサービス開始時からすぐにユーザー数1億人を突破した世界でトップクラスに有名なAIチャットボットです。
ユーザーが入力した質問内容に対して自然な対話形式で回答してくれるため、堅苦しいAIなイメージとは違い、人間と会話しているかのような精度です。
質問次第でさまざまな活用方法があるため、使いこなすと日常生活に不可欠な存在にもなりえます。無料で利用できますが、さらなる制度を求める場合は有料プラン(ChatGPT Plus)に移行して利用してみましょう。
Google Gemini
Google GeminiはGoogleが開発したAIチャットボットで、テキストだけではなく音声、画像、動画、コードを理解し組み合わせて操作することができます。
日本語版も2023年の5月にリリースされており、気軽に利用できます。Google検索によって常に最新情報にもアクセスして質問内容にも回答が可能です。
Googleは馴染みのある検索エンジンのため、利用する時に安心感があるのも助かります。無料プランで利用してから有料プランの利用も検討してみましょう。
Bing AIチャット
Bing AIチャットはMicrosoftが開発したAIチャットボットです。2023年2月に提供を開始したサービスで利用するにはMicrosoftアカウントの登録が必要ですが、利用するのは無料です。
Bing AIチャットの最大の特徴として、検索エンジンの利用率トップクラスのBingとOpenAIのChatGPTを組み合わせたサービスになります。
Bingのデータを活用するため、常に最新情報を提供しつつ、ChatGPTの性能で回答精度も高いです。また、画像生成AIもチャット機能から利用できるなど、利用の幅も広いのが特徴です。
AIチャットくん
AIチャットくんは、ChatGPTと同等の機能をLINE登録して利用できるサービスです。友達追加をするだけで簡単にLINEからChatGPTを利用できるため、すぐにAIチャットボットを利用したい人におすすめです。
ただ、無料版では1日5回までの制限が設けられているため、常に利用したい人は有料版にて利用する必要があります。
Perplexity AI
Perplexity AIは、ログイン不要で利用できるAIチャットボットです。質問に対してリアルタイムでインターネット上の情報を検索して回答をおこなうため、最新の情報を得やすいのが特徴です。
ただ、無料版だと利用回数に制限が設けられており、4時間あたり5回までとなっています。日本語には対応していますが英語で返答がくる時もありますので注意して利用しましょう。
AIチャットボットに関するよくある質問
最後に、AIチャットボットへよくある質問にまとめて回答します。
1つずつ回答します。
質問1:AIチャットを使いこなすコツは?
AIチャットボットを使いこなすコツですが、まずは自分が疑問に思っていることや、質問したい内容を思いつく限り質問してみましょう。
なお、最初は以下の内容をAIチャットボットに入力してどういった形で返答するか確かめるのがおすすめです。
- 知りたいことを深堀する
- わからないことを質問する
- アイディアやアドバイスを求める
最初は具体的な内容を打ち込んで、適切な回答を引き出すのがおすすめです。例えば「面白い漫画を教えて」と質問すれば多くの回答が返ってきます。さらに絞りたい場合は、「面白い名作漫画3つを教えて」など、絞っていきあなたの求めている回答を導き出していけば、次第に使いこなせます。
まずは、毎日時間がある時に思いついた質問をAIチャットボットに投げかけてみましょう。
AIチャットについては下の記事で詳しく紹介しているので、良ければ参考にしてください。
質問2:AIチャットボットは自作できるの?
結論から言うとAIチャットボットは作れます。ただ、作るには時間や導入コストが必要になるため、しっかりと事前準備をしましょう。
なお、開発ツールを活用してAIチャットボットを作る場合は以下の手順を踏んで作りましょう。
- STEP1:開発ツールを選ぶ
- STEP2:会話・質問のパターンを洗い出す
- STEP3:ツールを用いてチャットボットを開発する
- STEP4:開発したチャットボットの動作をテストする
- STEP5:開発したチャットボットを本番環境に移す
開発ツールの種類によりますが、無料トライアルをおこなっている物もあるため、最初は無料でAIチャットボットを作ってみるのもいいでしょう。
次の記事ではAIチャットボットの作り方を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
まとめ
今回は、AIチャットボットの詳細やメリット・デメリットについて紹介しました。導入が難しそうなAIチャットボットですが、思っている費用よりも安く、簡単に導入できます。
あなたに合ったAIチャットボットを選び、取り入れるのを検討してみてくださいね。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。