この記事では、選び方も交え、おすすめのUIデザインツールを紹介します。
ユーザーインターフェースデザイン(UIデザイン)は、Webサイトやアプリなどのツールを効率的に使うための設計を指します。UIデザインの重要性が高まる中、効率的に行うためには、適切なツール選びが欠かせません。
この記事では、UIデザインにかかわる作業を効率化できる8つのおすすめツールを特長を交えながら解説します。
紹介する各ツールは、使いやすさや機能性に優れており、UIデザインにかかわる作業を格段に効率化してくれるはずです。自分のプロジェクトやチームに最適なツールを見つけるための目的別ガイドも提供するためぜひ参考にしてください。
UIデザインツールを選ぶ5つのポイント
UIデザインの質と効率を上げるには、自社やプロジェクト内容に応じた適切なツール選択が欠かせません。まずは、UIデザインツールを選ぶポイントを5つにまとめて紹介します。
ポイント1:必要な機能があるか
まず、必要な機能があるかどうかは必ず確認しましょう。たとえば、プロトタイピング機能があるツールなら、デザインの概念をより再現しやすくなります。
また、コラボレーション機能が充実しているツールを選べば、チームメンバーとの共同作業をスムーズに行えます。実際に、多くのUIデザインツールでは、リアルタイムでのフィードバックや編集が可能です。
さらに、レスポンシブデザイン対応があるツールを導入すれば、パソコンだけでなくスマートフォンやタブレットなど、異なるデバイスでの表示を容易に確認できます。
以上の点を考慮して、自社やプロジェクトに合ったUIデザインツールを選びましょう。
ポイント2:使い勝手は良いか
UIデザインツールの使い勝手が良いかどうかもも重要です。操作がシンプルなツールを選べば、デザインのプロセスを容易にイメージできます。
使い勝手を確かめるには、各ツールの無料トライアル期間を活用して、実際にツールを試用してみましょう。ツールを試してみることで、求めている作業スタイルに合うかどうか確認できます。
また、サポート体制やチュートリアルの充実度も確認しておくと、利用開始後に困ったときの手助けになるでしょう。快適にデザインするために、使い勝手の良さを考慮してツールを選ぶことが重要です。
ポイント3:無料か有料か
UIデザインツールを選ぶ際には、無料か有料かも事前に確認しておきましょう。無料ツールなら初期コストがかからないため、予算が限られている場合や試験的に使用したい場合に適しています。
ただし、無料のツールでは機能が限られていることが多く、プロジェクトが複雑になると機能が不足するかもしれません。一方で、有料ツールは機能が豊富で、サポート体制も充実していることが多いです。
また有料ツールでは、定期的なアップデートにより、最新のデザイントレンドに合わせた機能が実装されやすいです。長期的な使用を想定している場合や、プロフェッショナルな成果を求める場合には、有料のツールを選択しましょう。
ポイント4:共有機能があるか
共有機能の有無も重要なポイントです。チームでのプロジェクトにおいて、デザインの共有とフィードバックが容易にできれば、作業の効率化と品質向上に結び付きやすいです。
共有機能が充実しているツールなら、メンバー間でのコミュニケーションがスムーズになり、作業の進捗も容易に把握できます。とくに、リアルタイムで共有できるツールを選ぶと、変更点やアップデートを即座にチームメンバーと共有でき、より迅速に意思決定できます。
チームで動くプロジェクトでは、共有機能の充実したUIデザインツールの選択が成功の手助けになるでしょう。
ポイント5:拡張性があるか
UIデザインツールを選ぶときには、機能を拡張できるかどうかも考慮に入れましょう。将来的なプロジェクトの成長や、新たな要件の追加に対応できるかどうかが鍵です。
拡張性が高いツールは、機能の追加やカスタマイズが可能であり、プロジェクトの動きに合わせて柔軟に対応できます。たとえば、プラグインやアドオンをサポートするツールの場合、特定の機能が必要になった際にそれを追加して作業効率を上げられます。
拡張機能が充実しているツールは、長期的なプロジェクトや、変化が激しい市場環境にあるプロジェクトには特に有利です。そうでないプロジェクトでも、将来の成長や変化を見越して、拡張性の高いUIデザインツールを選択しておくことで、事業拡大にも容易に対応できるでしょう。
無料のUIデザインツールおすすめ3選
ここでは、無料で利用できるおすすめのUIデザインツールを、3つにまとめて紹介します。
Figma
Figmaは無料で使えるUIデザインツールです。このツールはWebベースで、初心者からプロフェッショナルまで幅広いユーザーに利用されています。
操作がシンプルで、多くのデザイン作業を簡単に行えます。例えば、ボタンやアイコンなどのUIコンポーネントを作成し、それらを画面上で自由に配置可能です。
さらに、リアルタイムでデザインを共有する機能やフィードバックを共有する機能など。チームメンバーとの共同作業もスムーズに進むよう設計されています。
チームでの協力を促進し、効率的なデザインプロセスを実現する上で、導入を検討したいツールのひとつです。
なお、Figmaが扱えるようになるおすすめの独学法を詳しく知りたい人は、次の記事もあわせて参考にしてください。
InVision Studio
InVision Studioは無料で利用可能なUIデザインツールであり、PCにダウンロードするタイプのソフトフェアです。デザイナーやチームがインタラクティブなプロトタイプを作成できる強力な機能を持っています。
使いやすさと高機能性を兼ね備え、とくにアニメーションや遷移のデザインに優れており、ユーザーインターフェースの動きをリアルタイムで試すことが可能です。
またInVision Studioは、コラボレーションを重視しており、InVision Cloudを使用することにより、オンラインでの共同作業も容易です。チームメンバーはプロジェクトを共有し、即座にフィードバックを得られます。
STUDIO
STUDIOは、コーディング知識がなくても美しいウェブサイトを作成できる、無料のUIデザインツールです。ドラッグ&ドロップ式のインターフェースを採用しており、初心者でも簡単に使いこなせます。
また、レスポンシブデザインの自動調整機能が備わっており、さまざまなデバイスで完璧に表示されるサイトが手軽に作れます。STUDIOは、デザインと実装の間のギャップを埋め、効率的なウェブサイト制作を可能にするでしょう。
有料のUIデザインツールおすすめ5選
ここからは高品質な成果物を生み出せるおすすめのUIデザインツールを、5つにまとめて紹介します。
Adobe XD
Adobe XDは、直感的な操作性と高い機能性を兼ね備えているUIデザインツールです。
Adobe XDでは、ユーザーインターフェースの設計だけでなく、プロトタイピングやコラボレーションも実行できます。例えば、ドラッグアンドドロップでコンポーネントを配置し、ワイヤーフレームを簡単に作成可能です。
さらに、リアルタイムでのプレビュー機能により、デザインの変更が即座に確認できるため、作業効率は大幅に向上するでしょう。Adobe XDは、その使いやすさから初心者にも人気があり、同時にプロフェッショナルなニーズにも応えられるため、幅広いユーザーに選ばれています。
Sketch
Sketchは、UIデザインに特化した有料ツールの中で高い評価を受けています。その理由は、シンプルで使いやすいインターフェースにあります。
Sketchは、アイコンやベクター画像の作成に優れており、精細なデザイン作業をスムーズに行える点が魅力です。さらに、豊富なプラグインやテンプレートも利用可能で、拡張性の高いデザインを効率的に実現できます。
さらに、協働作業もサポートされているため、チームでのプロジェクトにも向いています。
Sketchは、初心者にも扱いやすい操作性と、高度な仕事にも対応できる柔軟性を併せ持つため、多くのデザイナーに選ばれています。
Framer
Framerは、インタラクションデザインに特化した有料のUIデザインツールです。Framerは、プロトタイプ作成において高度なアニメーションやインタラクションを簡単に実装できる点で評価されています。
とくに、動的なUIを手軽に試せることが大きな利点です。Framerを使えば、リアルタイムでのプレビュー機能を利用して、デザインの変更をすぐに確認できます。
この機能により、デザイナーはユーザーエクスペリエンスを細部にわたって磨き上げられます。加えて、コーディング知識がなくても、容易な操作で対話的にプロトタイプを作成できるため、初心者にも親しみやすいです。
Photoshop
主に画像編集ソフトとして知られるPhotoshopですが、UIデザインにも広く利用されます。
細かい画像加工やレイヤーを駆使したデザインが可能で、精密なビジュアル作成には欠かせません。特にデザインの詳細を細かく調整したい時に、その力を発揮します。
また、多くのデザイナーがすでに使い慣れているツールで、UIデザインに取り入れやすい点も大きなメリットです。Photoshopを使用することで、ビジュアル面でのクオリティを高められるため、多くのUIデザイナーに重宝されています。
なお、Pthotoshopをどう使えばいいのか、その扱い方を詳しく知りたい人は下の記事を参考にしてください。
Illustrator
Illustratorは、ベクターベースのグラフィックを作成するのに有料UIデザインツールです。このツールの強みは、スケーラビリティです。
どんなサイズに拡大・縮小しても、画質が劣化しないため、ロゴやアイコンなどのデザインに適しています。ユーザーは、複雑な形状やパターンを精密に作成できるため、細部までこだわったデザインが可能です。
Illustratorを使用することで、明瞭で専門的なビジュアルを実現できます。また、Illustratorは幅広いファイル形式に対応しているため、他のデザインツールやプラットフォームとの互換性も高いです。
この点からも、IllustratorはUIデザインの過程でさまざまな資材を扱うデザイナーにとって欠かせないツールといえるでしょう。
UIデザインツールを使用する3つのメリット
UIデザインツールを使用することで得られるメリットを、3つにまとめて紹介します。
メリット1:低コストで利用できる
UIデザインツールを利用するメリットの一つとして、低コストで始められる点が挙げられます。特にスタートアップや小規模なビジネスにとって、コスト削減は避けられない要素でしょう。
多くのUIデザインツールは、無料のバージョンを提供しており、必要最低限の機能であれば追加費用なしで利用できます。一方で、有料のツールの場合、無料ツールより高度な機能やサポートを受けられる点が魅力です。
結局のところ、低コストで高機能なUIデザインツールを選ぶことは、企業の資源を有効に活用し、ビジネスの成長を支援するために非常に有益です。
メリット2:作業時間の効率化につながる
UIデザインツールを使用すると、作業時間を効率化できます。これは、繰り返し行う作業を自動化したり、プロセスを簡素化したりできるためです。
例えば、テンプレートやプリセットを活用することで、デザインの初期段階を迅速に進められます。さらに、シンプルな操作性を備えているUIデザインツールなら、ツールの習得にかかる時間が少なく済み、本来のデザイン作業により多くの時間を割けます。
したがって、UIデザインツールを選ぶ際は、作業の効率化を実現できるかどうかを重視することが、時間とコストの節約につながるでしょう。
メリット3:デザインの共有がしやすい
UIデザインツールを使用するメリットの一つに、デザインを共有しやすくなる点があります。チーム内でのコラボレーションが必要なプロジェクトでは、この機能は特に重要です。
共有機能を備えたツールを使うと、デザインの進行状況をリアルタイムでチームメンバーと共有できます。進捗を常に共有することにより、改善点が迅速に特定され、デザインの質の向上に直結します。
結果として、共有が容易なUIデザインツールは、プロジェクトの効率を高め、チームでの作業を円滑化する上で大きな役割を果たします。
効果的にUIデザインツールを活用するコツ
ここからは、作業の効率性をあげるためのコツを、2つ紹介します。
コツ1:ツールごとの特徴を理解する
デザインツールの活用には、各ツールの特徴を理解することが必要です。ツールによって提供される機能や利点は異なり、プロジェクトの要件やデザインのスタイルによって選択が変わります。
例えば、高度なプロトタイピング機能が必要な場合、それを強力にサポートするツールを選ぶべきです。また、ツールの操作性やインターフェースの使いやすさも、作業効率に大きく影響します。
ツールごとの特徴を把握するためには、実際にツールを試用し、直感的に操作できるかどうかを確認しましょう。このようにして、自分やチームに合ったUIデザインツールを選択することで、デザイン作業の効率化とクオリティの向上が期待できます。
コツ2:同じツールをある程度使い続ける
一つのツールをある程度使い続けることも効果的なツール活用において推奨されます。
ツールを頻繁に変更すると、都度、操作方法を学び直す必要があり、作業の進行が遅れがちです。長期間使い続けることでそのツールの機能や操作方法を深く理解でき、作業にかかる時間を削減できます。
また、長期間同じツールを使用することで、そのツール独自の高度な機能やショートカットを習得できるなど、時短にも結び付きやすいでしょう。
短期間でツールを変えるのではなく、一つのツールをじっくりと使いこなすことが、効率的なUIデザイン作業には不可欠です。
まとめ
UIデザインツール選びは、デザインの質と効率を左右します。したがって機能性・使いやすさ・費用・共有・拡張性などを考える必要があるでしょう。
具体的には、プロトタイピングやコラボ機能があり、操作が簡易なツールが好まれます。また、予算に合わせて無料ツールか有料ツールかを選んだうえで、チームでの作業が多い場合は共有機能が充実しているツールかどうかも考慮に入れると効率化に結び付きます。
また、将来のニーズに対応できる拡張性も考慮しながら、プロジェクトに最適なツールを選びましょう。
この記事の監修者
株式会社SAMURAI
情報系の大学を卒業後、HR関連のサービスを複数展開する事業会社に勤務。コミュニケーションデザイン領域のデザイナーを4年ほど務め、LPやバナーデザインの制作、コーディング等を経験。現在は株式会社SAMURAIでWebデザイナーとして、バナーデザイン制作やLP改善、Instagram運用等に従事。