C言語入門!学習成功へ導くロードマップと3つの基礎知識

C言語を入門したいけど何から手をつければいいかわからない。
少し勉強したけど全然ついていけなくてダメだった……。

最近、このような声をよく聴きます。C言語は多くの現場で利用されており、汎用性も高く「身につけておきたい」言語のひとつです。

だからと言って、誰でも簡単にお手軽に身につくと言うものでもなく、挫折する人が多いのも事実です。

この記事では、C言語を効率的に身につけるための方法を紹介します。

この記事の要約
  • C言語はプログラミング初心者には難易度が高いプログラミング言語
  • 本やサイト・動画などを活用すれば効率よく独学でスキルが磨ける
  • C言語の学習は学習環境の構築から始めよう

本記事を読む前に、そもそもC言語とはどんなプログラミング言語なのかをおさらいしておきたい人は、次の記事を参考にしてください。

→ C言語とは?特徴や作れるものを入門者向けにわかりやすく解説

本記事の解説内容に関する補足事項

本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。

また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。

参考:SAMURAIが「DX認定取得事業者」に選定されました

記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。

目次

そもそもC言語とは?

C言語とは

C言語は、プログラミングの中でも特に知名度の高い言語のひとつ。1972年にアメリカで開発された、かなり古い言語です。

その分、多くの言語の考え方のベースとなっており、いまでも多くの開発現場で使われています。ただし、最近の新しい言語と比べると習得難易度が高いのも事実です。

逆に、一度C言語を覚えてしまえば他の言語を覚える下地ができることになるので、時間をかけてでも学んでおく価値がある言語だと言えます。

コンパイラ言語の仕組みを理解する

C言語の特徴は、処理を実行するたびにコンパイルする必要がある「コンパイラ言語」であること。

そもそもコンパイラとは

    コンパイルとは、実際に書いたソースコードから機械が理解できる言葉に翻訳する行為のことです。コンパイルすることにより、コンピュータが処理を実行しやすくなり、効率的な処理ができます。

コンパイラ言語の反対語として「スクリプト言語」がありますが、スプリプト言語は一行プログラムを書くごとにコンパイルを行っており、根本的な仕組みに違いはありません。

C言語をはじめとするコンパイラ言語は、実行時に全てのコードを一括でコンパイルするため、一行ごとに確認したければ都度全体をコンパイルすることになり、非常に面倒です。

ただその分、最終的には複雑で大規模なアプリケーションでも高速で実行できるメリットがあります。

C++、C#との関係とは

C++,C#との関係

C言語と似ている言語として「C++」や「C#」を思い浮かべる人もいるかもしれません。

結論から言うと、C++もC#もC言語をベースにしてはいますが全く別の言語と考えておきましょう。

C++はC言語にオブジェクト指向をとりいれた言語で、C言語での制作をさらに効率的にできるように設計された言語です。C#はC言語にJavaのいい部分を取り入れた言語で、コードの書きやすさやゲームやアプリケーションを作りやすくなっているなどの特徴があります。

いずれにしてもC言語とC#、C++は似ているけれど別物なので、混同しないようにしましょう。

それぞれの違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

C言語とC++/C#の関係とは?違いや特徴を比較して覚えよう
更新日:2024年11月6日

C言語のメリット・デメリットとは

C言語の特徴として、ハード寄りの言語であることがあります。

ハードとはコンピュータの「CPU」や「メモリ」の部分で、C言語を使うときはこれらを意識してプログラミングをすることになるので、コンピュータのハード面の動作、仕組みに詳しくなるメリットがあります。

そしてC言語の最大の特徴は、処理速度の速さです。数あるプログラミング言語の中でも最速の処理速度なので、大規模なサイトやシステムを作る場合に重宝するでしょう。

逆にC言語のデメリットは、グラフィック(GUI)を作るのが苦手な点です。グラフィックを作るには、他のC言語系統(C++、C#)の方が素材が揃っているので活用しましょう。また、習得難易度が初心者には少し高いこともデメリットの一つと言えます。

C言語の求人、平均収入は?

ここではTech Streetの「2020年プログラミング言語別年収ランキング」を元に言語ごとの年収ランキングを解説します。

2020年プログラミング言語別年収ランキング
参考:2020年プログラミング言語別年収ランキング – TECH Street

このランキングでは、赤枠が年代別トップ、青枠が年代別ワーストとなっています。各年代でのC言語の年収ランクは以下の通り。

20代14位/21位
30代6位/21位
40代8位/21位
50代3位/21位

20代でのランキングこそ下位ですが、30〜50年代ではランキング上位です。この原因は、20代は新しい言語の吸収が早く、年齢が上だとそこまで新言語を使わない点にあるかと思われます。

この調査でもわかる通り、C言語には少し時代遅れ感はあります。もちろんC言語を使っている現場は多いですが、決して「C言語だけでエンジニアとしてやっていこう!」とは考えない方がいいでしょう。

完全な初心者であれば、C言語をじっくり勉強して身につけた後、それをベースに他の言語も身につける方が多くの企業に求められる人材となり、収入もアップするでしょう。

C言語を入門するための3つの基礎知識

C言語に関する3つの基礎知識

ここまで読んで「とりあえずC言語を身につけたい!」と思った方に向けて、C言語に関する3つの基礎知識を紹介します。

  • C言語は初心者にもおすすめの言語か?
  • C言語でどんなものが作れる?
  • C言語で作れないものは?

以下でひとつずつ紹介します。

C言語は初心者にもおすすめの言語?

C言語の勉強を考えている人にとってはいきなり確信的な話ですが、C言語は初心者におすすめの言語ではありません

一度覚えてしまえば他言語を覚えるための下地ができますし、ハード面に詳しくなれるというメリットはありますが、言語自体のハードルが高いです。

C言語はかなり昔からある言語なので、当時はこのくらい難しくても誰もが勉強していました。しかしRubyやPythonのような記述がシンプルな言語が登場した現在では、相対的に複雑な言語であると言わざるを得ません。

そしてC言語はなにかしらハードウェアを用意しないと(例:ロボット)制作物を用意できないので、他の言語のようにソフトウェアのみ、画面上でのみの制作物が作れません。

C言語は「他の言語をいくつか習得しており、OSや言語そのものを作るために中級者が学ぶ」というのが最適であり、「プログラミングを何も知らない初心者が最初に学ぶ言語」の場合は適していません。

C言語で作れるものは?

C言語で作れるものとは?
C言語で作れるものとは

C言語では以下のようなものが作れます。

  • ソフトウェア
  • OS
  • プログラミング言語
  • 組み込み系

「ソフトウェア」「OS」「プログラミング言語」などを作れる言語なので、数あるプログラミング言語の中でもよりハード面、ソフト面の根幹に近い言語です。C言語を学ぶとコンピュータの構造に詳しくなるのはそのため。

「組み込み系」とは、いわゆる「ロボット」や「電化製品」です。産業用ロボットや教育用ロボットの動作制御にC言語が多く使われますし、冷蔵庫や掃除機の動きを制御するための「組み込みプログラム」はC言語が多く使われます。

家電とインターネットが接続する「Iot(インターネットオブティングス)」ジャンルは今後も伸びが期待されるジャンルなので、このジャンルに興味がある方には最適な言語です。

C言語で作れない(作らない)ものは?

次に、C言語で作れないもの、または作らないものを紹介します。

  • Webサイト
  • アプリ
  • ゲーム

C言語は、プログラミング言語そのものを作れるほどの言語なので、作ろうと思えば作れないものはほとんどありません。とはいえ、作るのに適していないものは多くあります。

「Webサイト」「アプリ」「ゲーム」「人工知能」などは、C言語で作るのには適していません。これらを作りたいなら、それぞれに適した言語で作る方が遥かに効率がいいです。

C言語でアプリやゲームを作ろうとするのは、お茶漬けを作りたいのに一流レストランのキッチンを使うようなもので、ムダが多く、労力が何倍もかかります。

C言語で作らないものを作りたい人は、C言語の勉強は一旦後回しにしましょう。

C言語を入門するための学習ロードマップ

C言語の学習ロードマップ

C言語を学ぶために必要なこと、用意するもの、存在する選択肢を紹介します。

  • C言語の学習環境を構築する
  • C言語の学習方法を知る
  • PDFで学習内容を補完する
  • 学習の成果物を作成する
  • C言語の資格取得も検討する

ひとつずつ抑えていけばC言語習得がかなり現実的になるので、ぜひチェックしてみてください。

C言語の学習環境を構築する(パターン別に解説)

C言語初心者は「実際にプログラミングして実行するところすら辿り着けない」と言われるくらい、環境構築に手間がかかります

環境構築の方法は主に3種類あります。

  • Visual Studio Codeを使う
  • コンパイラをインストールする
  • Cloud9を使う

Visual Studio Codeはマイクロソフト社が提供している「エディタ」と呼ばれる、高機能なメモ帳のようなソフト。エディタにコードを書いてプログラミングできます。プログラマーの間では「VSCode(ブイエスコード)と呼ばれたりします。

2つ目の方法はgccと呼ばれるコンパイラをパソコンにインストールして言語を書き、コンパイルする方法。メジャーな方法ですが、Windows、Mac、Linuxでそれぞれ手順が違うので操作がわかりにくく、おすすめしにくいです。

3つの方法の中で一番おすすめなのは、Amazonの提供するCloud9というサービスです。Windows、Mac、Linux問わずもっとも簡単に環境構築ができます。

Cloud9自体は、PHPやRubyなど他の言語でも使える、プログラミング環境を構築してくれるサービス。C言語の特徴のコンパイルはmacもWindowsもターミナルでできるので、これでパソコン一台でプログラミング記述から実行までできる環境が整います。

環境構築について詳しくは以下の記事をどうぞ。

初心者必見!C言語の開発環境を徹底解説【Windows/Mac/Linux対応】
更新日:2024年5月6日

C言語の学習方法を知ろう

C言語を学ぶ方法

C言語を学ぶ方法は大きく「書籍」と「学習サイト」に分けられます。それぞれにメリット・デメリットがあるので、2つの方法を並行して使って学習するのがおすすめです。

学習本で基礎を学ぼう

ネット全盛の現代で紙の本を所有するのはあまり気が進まないかもしれませんが、本は閲覧性が高く、情報の信頼度も高いので最低1冊、手元に置いておくのがおすすめです。紙の本は、勉強に行き詰まったときに参照する「リファレンス」としても優秀です。

以下でおすすめのC言語勉強本を3冊紹介します。

具体的なプログラミングを始めるさらに前の段階から説明してくれる本です。「コンピュータとは」「プログラムとは」という段階の説明をしてくれるので、本当の初心者は一度読んでおくと今後の勉強の理解が上がります。

プログラミングの完全初心者向けにプログラミングの概念から説明してくれています。まずは紙とペンでプログラミングをすることをおすすめしており、パソコンそのものへの苦手意識があるなどの初心者におすすめです。

C言語プログラムそのものについての解説が多く、リファレンス本に向いています。会話形式なので読みやすく、C言語を基本から勉強するにはピッタリです。

他にもC言語の入門書、参考本を探したい場合は以下の記事をどうぞ。

【完全保存版】絶対挫折しないC言語入門書籍おすすめ10選
更新日:2024年11月6日

学習サイトも併用しよう

C言語に限らず、プログラミングを学ぶときの定番のひとつが「学習サイト」です。各言語の覚えるべき項目を順番に動画で紹介したり、実際にコードを打ち込みながら学べます。プログラミング学習サイトで有名なのは以下の2つです。

【ドットインストール】

プログラミング学習を全て3分以内の動画で解説してくれている、定番学習サイトです。学習環境の構築方法も同様に3分動画で解説されているので、動画を見ながら学習できます。

【プロゲート】

出典:プロゲート

スライド形式で順番にプログラミングのレッスンを受けながら、ブラウザ上で実際にコードを打ちながら学習できるサイトです。こちらも人気のサービスで、多くの人がプロゲートでスキルを磨いて実践に役立てています。

どちらのサイトも無料でコンテンツを閲覧できますが、月1,000円程度の有料会員になると全コンテンツを閲覧できるので、一人でコツコツ学習できる人はこれらのサイトを活用してC言語を勉強してみましょう

スキマ時間に動画で学ぼう

スキマ時間で学習する

C言語を丁寧に説明してくれている動画はたくさんあります。

YouTubeの「C言語入門」の検索結果

動画:YouTubeの「C言語入門」の検索結果

動画といえば「YouTube」。自分に合うなと思う動画が見つかればジックリみながら勉強し、手元でコードを打ち込んでいけば上達することでしょう。

SChoo C言語入門

動画:SChoo C言語入門

大人のための学習コンテンツが揃っているサイト「Schoo」でもC言語入門は公開されています。無料でも視聴できますし、プレミアム会員になることで生放送授業などの追加コンテンツも視聴できます。

1から10まで全て動画で勉強するのもOKですし、本や学習サイトでわからないことがあったときに動画で不明点を解消する、という使い方もおすすめです。

PDFで学習内容を補完しよう

PDFファイルで補完

C言語は歴史が古いので、大学や専門学校での研究材料や学習教材、課題として使われていることが多いです。そのため、大学教授がC言語入門者のために書いたPDFファイルがネットで見つかることもあります。

例えば以下のPDFなどです。

こちらのPDFの内容は素晴らしいですが、読みにくく、閲覧性が低いので、他の方法と比べてメリットがありません。そのPDFでしか見つからないようなよっぽど細かい内容を調べるとかでない限りは、PDFを利用してC言語を勉強するメリットはほとんどありません。

学習の成果物を作成しよう

ある程度C言語の勉強が進むと、自分の成果物を用意し、ポートフォリオとしてまとめましょう。就職、転職のときに自分のスキルを示すのに使えます。

しかしC言語はウェブサイトやアプリのようなわかりやすい成果物を用意しずらいので、作成したコードをGitHubなどに投稿し、いつでも他人に見せられる状態にしておくとよいでしょう。

当分の目標は、ポートフォリオとして他人に見せられるだけのコードを書くようにする、でもよいかと思います。

C言語の資格取得も検討しよう

C言語の資格取得を目指す

学習に余裕が出てきたら、C言語の資格取得を目指すのもよい選択です。代表的なものでは「C言語プログラミング能力認定試験」などがあります。資格は本質的ではないので、あろうとなかろうとプログラミングさえできれば仕事はできますが、全くの無意味というわけではありません。

就職、転職時に自分を審査する相手は、必ずしもプログラミングに詳しいわけではありません。その時に資格があればアピールできます。転職サイトなどのプロフィールにも書けるので、資格はないよりはあったほうがいいです。

とはいえ、プログラミング勉強の目的が「資格取得」になってしまうと本末転倒です。

C言語プログラミング能力認定試験についてより知りたい方は以下の記事をどうぞ。

C言語資格「C言語プログラミング能力認定試験」とは?レベルや勉強法も解説
更新日:2024年11月15日

C言語入門者が最速でエンジニアになる方法

最速でエンジニアになる方法

C言語を勉強する方法はたくさんありますが、もしあなたが「一日でも早くマスターして、仕事に就きたい!」と考えている場合は、プログラミングスクールの受講をおすすめします。

スクールの中でも「完全マンツーマン」で「学習カリキュラムをオリジナルで作れる」スクールであれば安心です。SAMURAI ENGINEERならオーダーメイドカリキュラムに沿って、マンツーマンで指導しますので、非常におすすめです。

プログラミングに馴染めず、一人で行き詰まったりダラダラと時間だけが過ぎていくことを考えると、プログラミングスクールは最速でエンジニアになるための方法です。

気になる人は、下のボタンから無料カウンセリングの詳細をご覧ください。

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まとめ

C言語は決して初心者向けではなく、案件も大量にあるわけではありません。しかし昔からあり、多くのシステムの根幹を支えている言語なので、学習する価値はあります

多くの学習方法があり、自分に合った方法が見つかればよいのですが、スクールという選択肢もあります。難易度の高いC言語を一気にマスターするためには、ぜひ侍エンジニア塾を検討してみてください。

そもそもC言語とは?

1972年にアメリカで開発された歴史の古い言語です。C言語は多くの言語の考え方のベースとなっており、いまでもたくさん開発現場で使われています。

C言語を入門するための3つの基礎知識とは?

・C言語はハードルが高い
・C言語で作れるもの
・C言語で作れないもの

C言語を入門するための学習ロードマップ

①C言語の学習環境を構築する
②C言語の学習方法を知る
③PDFで学習内容を補完する
④学習の成果物を作成する
⑤C言語の資格取得も検討する

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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