この記事では、eラーニングでリスキリングする方法を紹介します。
eラーニングでのリスキリングはどうすればいいんだろう?
どんな方法で学習すればいいかイメージが湧かない…
リスキリングとは、社会人が現在の仕事を継続しながら、並行して新たなスキルの習得を目指すことです。
先行きが極めて不透明で将来予測の困難なVUCA(ブーカ)(※1)時代を生き抜くため、日本政府はリカレント教育(社会人の学び)やリスキリング(学び直し)を推奨しています。補助金や助成金など、政府がリスキリングを後押しする給付制度を開始したことで、費用をおさえつつ民間のサービスでリスキリングへ取り組めるようになりました。
そんななか、効率よく学習するため、eラーニング(※2)でリスキリングしようと考えている人も多いですよね。
ただ、実際にどうリスキリングを進めれば良いか、イメージが湧かない人もいるはず。
そこで、この記事ではおすすめも交え、eラーニングでリスキリングする方法を解説します。eラーニングでリスキリングするメリットや必要なものも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- eラーニングのリスキリングには学習サイトや講座などを活用した方法がある
- eラーニングのリスキリングは自分のペースで学習を進められる点がメリット
- 教材は利用者の評判やサポートの手厚さなどを基準に選ぼう
eラーニングでリスキリングする4つの方法
eラーニングでリスキリングする主な方法は、次の4つです。
独学でリスキリングしたい人は、学習サイトやYouTube動画をはじめ、電子書籍などを利用する方法があります。
電子書籍は、比較的安価であり自分の好きなときに学習できる点がメリットです。しかし、不明点は自身で解消しなければならないため、挫折しやすいのが特徴です。また、学習サイトやYouTube動画も電子書籍同様に自分のペースで学習できますが、サポート面はあまり充実していないため、不明点は自力で解決する必要があります。
オンライン講座は、現役エンジニアなどのプロフェッショナルから指導を受けることが可能です。レッスンや質問対応はもちろん、副業案件の獲得方法や進め方など幅広いアドバイスを貰える点がメリットです。また、随時更新されるカリキュラムにより、常に最新のスキルを学べる点もおすすめしたいポイントといえます。
なお、スクールのオンライン講座はそのほかの方法より高額な費用が必要です。よりお得に学びたい人は、政府や自治体が行っている給付金制度をはじめ、各スクールが提供する割引制度などを活用しましょう。
以降では、各方法のおすすめ教材を紹介します。
学習サイト
リスキリングにおすすめの学習サイトは次のとおりです。
Udemy
Udemyは、25万以上のオンライン動画でリスキリングができる学習サイトです。
同サイトでは、各分野のプロフェッショナルがそれぞれの専門分野について解説した動画を購入できます。習得できるスキルは幅広く、開発やデザインといったIT分野はもちろん、マーケティングやビジネススキルなど多岐にわたります。
興味があるテーマの動画をピンポイントで購入できるため、費用をおさえながらリスキリングに取り組めるのが特徴です。また、Udemyは頻繁にセールを行っており、通常時は数万円するコンテンツを2,000円前後で購入できる点もおすすめしたいポイントといえます。
幅広い分野のスキルを身につけたい人、特定のスキルを習得したい人にはUdemyをチェックしましょう。
マナビDX
マナビDXは、経済産業省と独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営しているデジタル人材育成プラットフォームです。
同サイトは、プログラミングやデザインなどのデジタルスキルを中心に、企業戦略やビジネスモデルに関するスキルなどを習得できます。動画コンテンツは経済産業省やIPAが審査しているため、正しい内容で学習可能です。
マナビDXが自分に合うか分からない人は、無料コンテンツも豊富なためまずはこれらを試してみましょう。
オンライン講座
ここからは、リスキリングにおすすめのオンライン講座を紹介します。
侍エンジニア
学べる内容 | AIアプリ開発、データサイエンス、プログラミング、Webデザイン、IT関連の資格取得 など |
料金 | 通常時:29万7,000円~ 給付金適用時:10万8,000円~ |
侍エンジニアは、現役エンジニアのマンツーマンレッスンとオリジナルカリキュラムで学べるプログラミングスクールです。
月分割4,098円から学べる同スクールは、給付金も利用できるため通常時と比較して最大80%OFF(最大64万円)で通えます。さらに現役エンジニアの講師による週1回60分の個別指導に加えて、次のような学習サポートを利用可能です。
- 疑問点を質問できるオンラインQ&Aサービス
- 不安や悩み・勉強の進み具合を相談できる学習コーチ
Webエンジニアやクラウドエンジニアを目指せるコースをはじめ、AIアプリ開発やデータサイエンスなど、最先端スキルを学べるコースも。
受講生の口コミをみても、教材や講師の評判が高く、安心して学習に取り組める環境であることがわかります。
リスキリングで先端スキルを習得したい人には、侍エンジニアがおすすめです。
\ 給付金で受講料が最大80%OFF /
ウズウズカレッジ
学べる内容 | 資格取得(CCNA、LinuC)、Java など |
料金 | 通常時:13万2,000円~ 給付金適用時:4万8,000円~ |
ウズウズカレッジは、未経験者を対象としたオンラインプログラミングスクールです。
累計受講者数7万5,000人以上という実績を有する同スクールの教材は、すべて動画化されており演習もオンラインで対応できます。場所や時間を選ばず自分のペースで進められるため、効率的にリスキリングできるのが特徴です。受講生1人ひとりには担当講師がつき、学習をサポートしてくれます。講師は受講生の特徴やスキルにあわせてカスタマイズしてくれます。
受講生の口コミでは、動画の質が高くわかりやすいという内容が多く見られました。
実績豊富なスクールでリスキリングしたい人には、UZUZ COLLEGEをおすすめします。
CODEGYM Monthly
学べる内容 | ・HTML/CSS ・Git ・PHP ・セキュリティ ・ソフトウェアテスト ・AWS など |
料金 | 2万4,970円/月~ |
CODEGYM Monthlyは、月額2万4,970円から学べるプログラミング学習サービスです。
同スクールでは1人ひとりが目指すリスキリングの目標にあわせて、ゼロからカリキュラムを作成してくれます。学習は単に答えを教えてくれるだけではなく学び方を教えてくれるため、自走力も習得できるのが特徴です。
さらにCODEGYM Monthlyでは、有名企業のエンジニアやビジネスの最前線で働くコーチが専属で担当してくれるため、プログラミングスキルはもちろん業界動向やプロフェッショナルの思考も吸収できる点が嬉しいポイントといえます。
受講生の口コミからは、質問の対応が丁寧で効率的に学習を進められることがわかります。
充実した質問サポートを期待する人は、CODEGYM Monthlyがおすすめです。
上記を含め、補助金が利用できるおすすめのリスキリング講座をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
電子書籍
ここでは、リスキリングにおすすめの電子書籍を、厳選して3冊紹介します。
デジタルリスキリング入門
「デジタルリスキリング入門」は、DX時代に必要となる「適応力」を学べる書籍です。
本書籍はリスキリングの概要や戦略をはじめ、原則や進め方を詳しく解説しています。さらに、デジタルスキルの習得にもフォーカスしており、次のようなスキルの習得についても学べるのが特徴です。
- 文書作成ソフト
- スライド作成ソフト
- 表計算ソフト
- RPAのスキル
- ノーコード/ローコード
- AI活用スキル
デジタル分野へのリスキリングを検討している人には、ぜひチェックしてほしい1冊といえます。
自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング
「自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング」は、リスキリングの概要と実践方法がわかる書籍です。
本書は読者が選ぶビジネス書グランプリ2023の「イノベーション部門」で、部門賞を受賞するなど、高い評価を集めています。著者の後藤氏は、人材育成や採用戦略のスペシャリストであり、政府や自治体向けの政策提言や企業向けのリスキリング導入支援を行ってきた方です。
この書籍ではリスキリングに必要なプロセスを、10ステップに分けてわかりやすく解説しています。リスキリングという言葉の意味やトレンドを把握したい人にはおすすめの1冊です。
AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング
「AI時代を生き抜くということ ChatGPTとリスキリング」は、ChatGPTなどの生成AIが普及しつつある現代におけるリスキリングについて学べる書籍です。
著者はハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得後、アメリカのGoogle社で多数のAI関連プロジェクトをリードした実績を有しています。さらに民間企業のDXアドバイザーや、大手メディアで数々の連載を務めるなど、幅広い活躍をしています。
キャリアアップを目的としたリスキリングを実現したい人には、おすすめの一冊です。
YouTube動画
ここでは、リスキリングにおすすめのYouTube動画を、厳選して2つ紹介します。
GLOBIS学び放題×知見録
「GLOBIS学び放題×知見録」は、株式会社グロービスが運営するYouTubeチャンネルです。
同社は、主に社会人向けの経営大学院やビジネススクール事業、法人向けソリューション事業などを展開しています。これまでに累計約3,300社がグロービスの法人向け人材育成サービスを利用するなど、高い評価を受けているスクールです。
GLOBIS学び放題×知見録では、ビジネスに関する約3,600本の動画を無料で視聴できます。ビジネスパーソンに必要な知識や思考のフレームワークをはじめ、業界の最新動向などさまざまな情報に触れることが可能です。
幅広い引き出しを身につけたい人は、ぜひチェックしましょう。
キノコード / プログラミング学習チャンネル
「キノコード / プログラミング学習チャンネル」は、プログラミング学習ができるチャンネルです。
プログラミング言語の中でも人気が高まっているPythonやT用語の解説動画をはじめ、DXのトレンドなどを図解入りで詳しく解説しています。登録者数18.3万人を誇る同チャンネルは、プログラミング・IT教育の分野では国内最大級となっています。
手軽にプログラミングスキルを学びたい人にはおすすめのチャンネルです。
eラーニングでリスキリングする3つのメリット
方法をおさえたところで、ここからはeラーニングでリスキリングするメリットを、3つにまとめて解説します。
メリット1:効率よく学習が進められる
多くのeラーニングでは、豊富なコンテンツから自身に必要なスキルをピンポイントで学習できます。
また、eラーニングのなかには1人ひとりの目的にあわせてカリキュラムをオーダーメイドしてくれるものもあり、リスキリングで身につけたいスキルを効率的に習得できます。
最短距離で目標実現に近づける点は、eラーニングでリスキリングを行うメリットの1つです。
メリット2:自身のペースで学習できる
eラーニングは、時間や場所を選ばずに好きなだけ学習を進めることができます。
通学形式や複数人が参加する集合形式のスクールでは、周囲のペースにあわせて学習を進めなければなりません。そのため、理解が早い人は退屈に感じやすい一方で、理解が遅い人は学習につまづきやすくなるのが特徴です。
eラーニングであれば、周囲にあわせることなく自身のペースでリスキリングに取り組むことができます。ストレスなく学習できる点は、eラーニングのメリットといえます。
メリット3:学習の進捗を確認しやすい
学習の進捗を確認しやすい点もeラーニングでリスキリングに取り組むメリットといえます。
多くのeラーニングでは、LMS(Learning Management System)という学習管理機能を利用可能です。LMSでは受講者の学習ペースやテスト結果をはじめ、学習理解度なども閲覧できます。予定と比較して自身が進んでいるかどうかを把握できるため、計画的に学習を進めやすい点がポイントの1つです。
さらに、さまざまな分析結果とともに学習の進め方をアドバイスしてくれるeラーニング講座もあるため、挫折しにくい点もおすすめしたいポイントといえます。
リスキリングに利用できるeラーニングの選び方
使い勝手や学習できる内容など、詳細を確認しないまま活用する方法を選んでしまうと「もっとちゃんと調べておけばよかった…」と後悔しかねません。
そこで、ここからはリスキリングに利用できるeラーニングの選び方を、3つにまとめて解説します。
目的の実現に適したカリキュラムか
各講座のカリキュラムを確認し、目的の実現に適した内容が学べるものを選びましょう。
eラーニングでリスキリングに取り組みたいと考えている人の多くは、キャリアアップや副業・独立など実現したい目的があるはずです。
目的実現が難しいカリキュラムを選んでしまうと、必要がないスキルを学習することになり時間を要してしまいます。また、学習範囲が広がることに加えて学習意義も不明瞭になるため、モチベーションが低下しがちです。
目的実現に適したカリキュラムを提供するeラーニング講座を選べば、実現までの時間を短くできます。必要なスキルが習得できるだけではなく、目的実現に必要なサポートを受けられるため、効率的に目的実現に近づけるのが特徴です。
学習内外のサポートが充実しているか
各eラーニングのサポート体制を確認し、手厚い支援が受けられるところを選びましょう。
それぞれのeラーニングによって、学習へのサポート体制は異なります。学習面のサポートはもちろん、その他のサポートが充実していれば、勉強中にわからない点が出ても質問可能です。その結果、スムーズに学習を進められます。反対にサポートが充実していない場合、学習が停滞し挫折するリスクが高くなります。
独学に近い状態を防止するためにも、学習内外のサポートが充実したeラーニングがおすすめです。
受講者の評判・口コミはよいか
各eラーニングの評判を確認し、受講者の口コミが良いところを選びましょう。
実際にeラーニングを受講した人の評判や口コミは、講座選定時の参考にすべき重要な情報です。評判や口コミが悪い、もしくはあまり口コミがないeラーニングを選択してしまうと、理想どおりにリスキリングが進められないことも。反対に良い評判・口コミが多いeラーニングであれば、ストレスなく効率的に学習を進められる可能性が高まります。
ただし、評判・口コミは1人ひとりの主観が含まれるため、すべての情報が正しいとは限りません。決して鵜呑みにするのではなく「自分にとって良いか悪いか」で判断しましょう。
なお、評判や口コミはXやInstagramをはじめ、提供会社のWebメディアなどで確認可能です。複数の評判や口コミをもとに傾向や信ぴょう性などを踏まえた上で、自分に合うeラーニングを選択しましょう。
eラーニングのリスキリングで何を学ぶべき?
リスキリングでどのようなスキルを学ぶかは、スキル習得後の目的を踏まえた上で決めましょう。前提として、リスキリングに取り組む以上、次のような目的があるはずです。
目的にあわせて学ぶスキルを選択すれば、効率的に学習をすすめることができます。反対に目的と関係性が低いスキルを学んでしまうと、モチベーションが低下しやすくなる点が特徴です。
なお、リスキリングで何を学べばよいか悩んでいる人は、プログラミングやWebデザインなどのITスキルをおすすめします。DXが急激に進んでいる現在、ITスキルを身につければ目的実現に近づけるはずです。
リスキリングで何を学ぶべきか決められない人は、下の記事を参考にしてください。
eラーニングのリスキリングに必要なもの
最後に、eラーニングのリスキリングで必要なものを、次の3つにまとめて紹介します。
パソコンまたはタブレット
快適にeラーニングを受講するには、一定以上の性能を有するパソコンが必要です。特にリスキリングでプログラミングを学びたい人は、開発ツールなどが大量のCPUやメモリなどを消費するため、注意しましょう。おすすめのPCは次のとおりです。
種類 | モバイルパソコン |
CPU | インテル製 Core i5以上 ※世代があり原則として新しいほど高性能 |
メモリ | 8GB以上 ※可能であれば16GB以上が推奨 |
ストレージ | SSD 256GB以上 |
画面のインチ数 | 13~15インチ以上 |
なお、動画形式や選択式などの簡単な演習だけであればタブレットでも受講できます。学習する場所やシーンをふまえて、自身にあったデバイスを選びましょう。
インターネット環境
インターネット環境もeラーニングに必要です。
すでにインターネット環境がある人も、通信速度を気にしたことがないという人も多いはずです。eラーニングでは動画視聴やコンテンツのダウンロードを行う必要があるため、一定の速度以上で通信できないと効率よく学習できない点には注意しましょう。
一般的に動画の閲覧であれば10Mbps以上、高画質の動画閲覧は30Mbps以上が必要といわれています。なお、通信速度のテストはさまざまな企業がサービスを提供しています。あらかじめeラーニング受講前に「スピードテスト」などで検索して、通信速度を確認しておきましょう。
ヘッドセットやイヤホン
ヘッドセットやイヤホンがあれば、eラーニングを快適に受講できます。
同居人や家族がいる場合、あるいは自宅以外でeラーニングを受講する場合、ヘッドセットやイヤホンが必要です。コンテンツによっては1時間程度必要な場合もあるため、できるだけ疲れにくいものを選びましょう。
また、1on1やテレビ会議による質問制度などを利用できるのであれば、手元でマイクをミュートできるものがおすすめです。
まとめ
今回は、リスキリングにおすすめのeラーニングを紹介しました。
eラーニングは効率よく自分のペースで学習できるだけではなく、独学よりも学習進捗を確認しやすく計画的にリスキリングに取り組むことが可能です。日々業務で忙しい社会人にとっては、いつでもどこでも好きなだけ学習できるeラーニングを活用すれば、早期に目的を実現できます。
本記事を参考にeラーニングでリスキリングにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
Xより引用