こんにちは! フリーランスの翁長です!
プログラミング言語の人気ランキングでも常に上位にある「Java」。Javaを使うと、様々なプログラムを作れるようになります。
その中の1つが「Javaアプレット(applet)」です。
どうやったら作れるの?
という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、
Javaアプレットの稼働確認方法(Webブラウザ別)
Javaアプレットの動作確認
など、Javaアプレットについて分かりやすく解説します!
なお、Javaの記事については、こちらにまとめています。
Javaとは
とってもメジャーな言語
Javaは、Sun Microsystems社(2010年にOracle社が買収)が1996年に正式バージョンを発表したプログラミング言語です。
それ以降、バージョンアップを重ねて進化を続けています。現在の最新バージョンは「Java 9」です。
Javaは携帯電話やスマートフォンなどの小さなものから、TV、DVDプレイヤー、銀行の大型コンピュータなどで動くソフトウェアの開発に使われています。
Javaは、身の回りにある様々な種類のソフトウェアを開発できる、とてもメジャーなプログラミング言語なんです!
Javaの特徴を一言で表すと「環境に依存しない」ということです。
それまでの言語で書かれたプログラムは、コンパイル(コンピュータが処理できる形に翻訳)した環境(WindowsやOS Xなど)と同一環境でなければ動作しませんでした。
Javaでは「Java仮想マシン(JVM)」を導入し、環境の違いをJava仮想マシンに吸収してもらうことで、どんなコンピュータ上でも動くことを可能にしています。
Javaそのもについてはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ確認してください。
Javaで何ができるの?
メジャーなプログラミング言語であるJava、具体的にどんな場面で使われているのでしょうか?
例えば、金融業の取引システムや小売業の在庫管理システムといった組織内で使う「業務システム」があります。
また、TwitterのようなSNSなどのWebサービス向けのソフトウェアも開発できます。さらに、Googleが提供しているAndroid自体がJavaで動いており、スマートフォン(Android)向けアプリ開発にも利用されています。
その他にも、今回ご紹介するJavaアプレットを作成する際にも利用されています。
Javaでできることをさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しているのでぜひ確認してください。
Javaアプレットとは…
ブラウザでJavaで書かれたアプリを実行できる
では、本題の「Javaアプレット」について紹介していきましょう。
アプレットとは、アプリケーションの中に組み込んで動くプログラムです。多くの場合、アプレットを動作させるアプリケーションは「Webブラウザ」です。
中でも、Javaで開発されたアプレットのことを「Javaアプレット」と呼びます。Javaアプレットは、Javaプラグインをブラウザにインストールすることで利用できます。
Webページの一部として埋め込まれて、Webブラウザ上で実行されます。利用者の操作を受け付けたり、HTMLでは難しい動きのある内容を表示したりすることができます。
その他、オンラインゲームやチャットなどに使われたり、業務システムのクライアントとしても利用されてきました。
Javaアプレットの他にも、プログラムの種類には「Javaアプリケーション」や「Javaサーブレット」などがあります。
Javaアプレットを開発するメリット
Javaアプレットをアプリケーションを開発すると、どんなメリットがあるのでしょうか?
主に以下の点が挙げられます。
- 高機能なアプリケーション作成が可能:オブジェクト指向プログラミング言語で高機能なアプリ作成が可能です。
- サーバ・回線の負荷が少ない:クライアント側で動作するため、サーバや回線の負荷が少なく済みます。
また、サーバへの問い合わせ回数も少ないため、応答が早いです。
JDK9からは非推奨
幅広く利用されてきたJavaアプレットですが、「JDK(Java Development Kit)」の最新版である「JDK 9」からは非推奨となっています
JDKは、Javaアプリを作成する際に用いられるツールやライブラリをまとめた開発キットです。非推奨とは、WebブラウザでJavaアプレットを実行できなくなることを意味しています。
JDKについては、以下の記事で分かりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。
Javaアプレットが動かない!?
Javaアプレットが埋め込まれたWebサイトにアクセスした際にエラーが出てしまって動かないなんてことありませんか?
この章ではそんな状況になった場合の対処法について解説をしていきます!
Javaアプレット実行時にエラーが出てしまう場合
実は、JavaアプレットはWebブラウザの環境設定などが原因で実行できない場合もあるんです。
そのときはエラー時にメッセージが表示されたり、警告が出たりします。
(1)WebブラウザにJavaVMが入っていない
→ JavaVMをインストールすることで解消できます。
(2)古いバージョンのJavaしか入っていない
「Java(TM)は、古くて更新する必要があるためにブロックされました」などと表示されます。
→ 最新版のJavaを再インストールすることで解消できます。
(3)Webブラウザの設定で、Javaアプレットが動かないようになっている
→ 特に多い実行時エラーです。Webブラウザのセキュリティ設定で動かくなることもあります。
以下で詳しく見ていきましょう。
Javaのインストールやアップデートの方法は次の記事で際しく解説しているので、ぜひ確認してください。
Javaアプレットが起動しない(IE・Firefox・Chrome)
現在、Javaアプレットを利用できるWebブラウザとできないWebブラウザがあります。
(Internet Explorerの場合)
[g[Internet Explorer[/g[は、Javaアプレットを利用できるWebブラウザです。Javaアプレットを動かすための環境設定は、以下の手順で行います。
(1)「ツール」、「インターネット オプション」の順にクリックします。
(2)「セキュリティ」タブを選択し、「レベルのカスタマイズ」ボタンをクリックします。
(3)「Javaアプレットのスクリプト」までスクロールします。
(4)「有効にする」ラジオボタンが選択されていることを確認します。
(5)「OK」をクリックして設定を保存します。
また、WindowsにおけるInternet Explorerの後継ブラウザである「Microsoft Edge」ではJavaアプレットは動作できません。
(Firefoxの場合)
Firefoxは、Javaアプレットが利用している「NPAPIプラグイン」のサポートを終了しています。残念ながら、現在、Firefox(バージョン52以降)ではJavaアプレットを動かすことはできません。
ただ、「Firefox バージョン 52 ESR(Extended Support Release)」では2018年初頭まで継続サポートされ、Javaアプレットを利用することができます。
(Chromeの場合)
Chromeは、Javaアプレットが利用している「NPAPIプラグイン」のサポートを終了しています。残念ながら、現在、JavaアプレットをChrome(バージョン42以降)で動かすことはできません。
Javaアプレットを利用したい場合は、Internet Explorer(Windows)、またはSafari(Mac OS X)ブラウザを使用することをおすすめします!
Javaアプレットのお仕事はあるの?
先ほど述べたように、Java技術を管理するOracleはJavaブラウザプラグインを廃止することを発表しています。
そのため、今後Javaプログラマを目指す場合は、Javaアプレットを考慮する必要は特にありません。
一方、Javaは世界的に見ても人気の高いプログラミング言語としての地位を確立しています。Web上での検索数を記録する「TIOBE INDEX」を見ると、Javaはシェア1位となっています。
そのため、Javaを使ったソフトウェア開発求人は、他のプログラミング言語と比べて多くあるんです。
Javaについてより詳しく知りたいという方は、以下の記事を参考にしてください!
Javaアプレットを動かしてみよう
まずはJavaを学ぼう
Javaを習得すると、プログラマやシステムエンジニアとして働く際に多くのメリットがあります。幅広い業種・分野のソフトウェア開発に携わることができるからです。
早速、「Javaを学んでみたい」と思われた方、ここで少しだけ注意が必要です。
実際にJavaを学ぼうとした場合、どこから手を付けて、どうやって学習していけば良いのかなどについて、1人で答えにたどり着ける人はほとんどどいません。
基礎学習からアプリ開発、仕事獲得までを体系的にまとめている記事や書籍が存在しないからです。
そんな方におすすめなのが、以下のまとめ記事です。
Javaの基礎学習から実際のアプリ開発、仕事獲得までを分かりやすくまとめています。ぜひ参考になさってください。
Javaアプレットのサンプルコード
簡単なサンプルプログラムで、Javaアプレットを実際に動かしてみましょう。
今回は、長方形を描いて、その上に「長方形」という文字を表示してみます。
サンプルコード
まずは、以下のHTMLコードを書いてみます。
<html> <head><title>Sample1</title></head> <body> <applet code="Sample1.class" width="200" height="200"> Appletが実行できない場合はこの文字が表示されます。 </applet> </body> </html>
<applet>タグである<applet code=”Sample1.class” … >部分に、Javaアプレットが指定されています。
次に、以下のプログラムを書いていきます。
import java.applet.Applet; import java.awt.Graphics; import java.awt.Color; public class Sample1 extends Applet { public void paint (Graphics g) { setForeground(Color.black); setBackground(Color.red); g.drawRect(50, 60, 100, 100); g.drawString( "長方形", 50, 50 ); } }
まず、アプレットを作成する場合はAppletクラスを継承しなければなりません。継承って何?クラスってわからないという方は次のオブジェクト指向について学んでおきましょう。
次にpaintメソッドについて解説をします。
このpaintメソッドはアプレットが実行される際に呼ばれる処理になります。
paintメソッド内の処理については次のような処理を行っていますが、各行を簡単に説明します。
setForeground(Color.black);
文字や線等の色を「黒」に設定しておきます。
setBackground(Color.red);
アプレットの背景色を「赤」に設定します。
g.drawRect(50, 60, 100, 100);
1番で設定した黒色を使って長方形を表示します。
g.drawString( "長方形", 50, 50 );
3番で表示した長方形の上に「長方形」という文字を表示します。
実行結果
HTMLを表示するために、以下のコマンドを実行します。作成したJavaとHTMLのファイルは同じディレクトリに格納しておきます。
> appletviewer HelloWorld.html
すると、
実際に実行すると、こんな画面が表示されます!
まとめ
今回は、Javaアプレットについて解説してきました。
今後は使われる機会が少なくなるJavaアプレットですが、まだ使い続けているシステムも存在します。
その仕組みを理解することも決して損はしないはずです。