この記事では、体験談も交え、プログラミングスクールで失敗する理由を解説します。
高いお金を払ったのにプログラミングスクールで失敗した…
失敗しないプログラミングスクールの選び方を知りたい
国内におけるIT人材不足の深刻化を背景に、ITエンジニアといったプログラミングスキルがある人材の需要は増し、他の職種に比べ高い報酬を設けるケースが増えてきました。
そんななか、転職や副業での収入獲得に向けたリスキリングを目的に、スクールでプログラミングを学ぼうと考えている人は多いですよね。
ただ、実際にスクールに通うべきなのか、悩んでいる人もいるはず。
結論からお伝えすると、プログラミングスクールに通ううえで最も大事なことは「他力本願をやめること」と「自分に合ったプログラミングスクールを選ぶこと」です。
「有名だから」「キャンペーンをやっているから」「転職保証つきだから」といった理由で安易にプログラミングスクールを選んで失敗する例は、後を絶ちません。
スクールに何とかしてもらおうと考えている人は、どのスクールでも失敗します。またスクール選びを誤ると、途中で投げ出してしまうかもしれません。
その反面、正しいプログラミングスクールを選び、正しいステップで進めば、最短でエンジニアになれる可能性が高まります。
そこで、今回はプログラミングスクール選びの失敗談とともに、正しい選び方をお伝えします。これからプログラミングスクールへの入校を検討されている方は、是非お読みください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
私の身の回りのプログラミングスクール失敗談
筆者は、30代後半の現役ITエンジニアです。業界歴10数年で現在のポジションはプロジェクトリーダー、業務パッケージソフトウェア開発やWebサービス開発などに従事しています。
ある日、私は同じ年のAから相談を受けました。
「ITエンジニア今きてるし転職考えてるんだけど」
私は「夢があるならやってみろ」と背中を押したのです。
しかししばらくしてAに会ったとき、プログラミングスクールで学習中に挫折してしまったという話を聞きました。何でも、講師が一方的に話すだけで質問できず、自分が何がわからないのか、それすらもわからない状態だったといいます。
私と同じく30代後半のAは焦っていたこともあり「転職保証つき・3ヵ月でエンジニアになれる」という宣伝文句にひかれ、そのプログラミングスクールを選び45万円という料金を支払いましたが、3ヵ月と経たないうちに退校してしまったのです。
45万円という料金をドブに捨てるように。
プログラミングスクール選ぶときは、慎重に選ぶことが大切です。ほかの人の評価や広告の言葉でなく、「自分にとって価値があるのか」ということを見極める必要があります。
プログラミングスクールで失敗する理由①「自分が甘かった」
プログラミングスクールで失敗する理由は、まず自分にあると考えてください。
ここでは、よくある失敗の理由を5つ紹介します。
- 学習時間を甘く見ている
- 目標設定ができていなかった
- 講師に任せっきりだった
- わからないところがわからなかった
- つくりたいものがなかった
学習時間を甘く見ている
スクール以外の学習時間を確保できない方は、プログラミングスクールで失敗します。
Aは「プログラミングスクールの授業さえ受ければ何とかなる」と考えていたようです。
しかし、プログラミングスクールの授業を受けているだけではプログラミングは習得できません。授業後の復習、課題をこなす時間が必要です。
これだけは覚えていてほしいのですが、仕事後に学習時間を維持することは並大抵のことではありません。物理的には可能でも、実行するには意思の強さが必要になります。
1日1時間、若しくは15分でもいいので、毎日勉強しましょう。というのも、完璧主義の人で1日2時間以上勉強が必要だと決め込んで結局時間がとれず、自分を許せずそのまま挫折というパターンが実に多いのです。
目標設定ができていなかった
プログラミングスクールに通っても、明確な目標がないと失敗します。
特にプログラミングの学習は、初心者だとつまずきやすいポイントが多く、険しい道となりがちです。「エンジニアになって◯◯の開発をしたい」という具体的な目標がないと学習へのモチベーションを維持できず、挫折してしまいます。
「エンジニアに転職するのもいいかも」とただ漠然と思っていたAは、学習を継続できませんでした。
講師に任せっきりだった
講師に任せきりで自発的に勉強しない人も、プログラミングスクールで失敗します。
プログラミングスクールの役割は、学習のサポートをすることです。勉強するのはあくまでも自分であることを忘れないでください。
受け身で授業を聞いているだけでは、プログラミングは習得できません。
毎回、講師の話を聞いて言われるがままにコードを入力し覚えた気になっていたA。自分でやってみようとするとコマンドどころか、入力するターミナルの位置すらわからないという状態になってしまいました。
わからないところがわからなかった
Aはプログラミングスクールで、講師に質問したくても何から質問していいのかわからず、自分がどこまで理解しているのかさえあやふやとなっていたようです。
また、わからないことをそのまま後回しにしてしまっている自分に引け目を感じ、講師に「今さらこの質問かよ」と思われそうで質問しにくい心理状態となっていたみたいです。
つくりたいものがなかった
ゲームでもアプリでもつくりたいものがある方は、プログラミング学習に成功しやすいといえます。
Aが通っていたプログラミングスクールでは、最終的に自分だけのオリジナルWebアプリを作るのが課題でした。Aは何を作ればよいかイメージできず、講師にアイディアを貰い、写真を撮った場所や日にちを管理できるアプリを作ることになりました。
しかし、Aにはそのアプリの魅力や必要性がわからなかったといいます。
アプリの作成過程ではエラーが頻発し、苦痛しか感じずプログラミングスクールをやめてしまいました。
プログラミングスクールで失敗する理由②「選んだスクールが間違いだった」
プログラミングスクールで失敗する理由として、スクールを選ぶ理由が適切でなかった場合があります。
続いて、プログラミングスクール選びでよくある失敗パターンを紹介します。
- 講師の質が悪かった
- 営業文句にだまされた
- 満足のいく就職・転職サポートを受けられなかった
- フリーランスエンジニアをすすめられた
なお、自力で自分にあうスクールを選べるか不安な人は「スクール診断」をお試しください。
かかる時間は30秒。3つの質問に答えるだけで、あなたにあうスクールを診断してもらえます。
スクール選びに後悔したくない人は、ぜひ気軽にお試しください。
講師の質が悪かった
こればかりは入ってみないとわかりませんが、講師の質が悪いと挫折率が高まります。
時間内にカリキュラムを終わらすことで精一杯になり質問の機会を与えない講師や、現場ではほとんど使用されることがない古いスキルを「あたかも」重要なスキルであるかのように教える講師がなかにはいます。
スクールを選ぶときはどんな講師がいるのか、コンサルタントに聞くなどして入念に調査を行いましょう。なお、講師が合わない場合に変更できるスクールもあります。
営業文句にだまされた
プログラミングスクールのなかには「3ヵ月でエンジニアデビューできる」と、甘い営業文句で誘惑するところがあります。「エンジニアデビュー」とはどのような状態を指すのでしょう。
特に、フリーランスの定義はあいまいです。クラウドワークスに登録して仕事の募集をスタートしたら、ある意味「フリーランスエンジニア」といえるかもしれません。
ほかにも、「転職成功率ほぼ100%」など根拠のない数値を提示するスクールも多々あります。しかし、この「◯◯%」の母数に挫折した人は入っているでしょうか?
プログラミングスクールが、必ずしも嘘をついているというわけではありません。おそらく各社とも調査会社などの調査結果を公表しているはずですし、各指標についても一定の条件があるのでしょう。
しかし、プログラミングスクールの営業文句を見たら「その根拠は?」と確認する姿勢が大切です。
満足のいく就職・転職サポートを受けられなかった
プログラミングスクールの「就職・転職サポート」には、注意が必要です。
もちろん、就職・転職先が決まるまで親身になってサポートしてくれるスクールもあるでしょう。しかし、なかには求人一覧から条件にマッチした案件や求人を数件紹介されて終わりというスクールもあります。
就職・転職サポートがあるプログラミングスクールを選ぶときは、何をどこまでやってくれるのか具体的な確認が必要です。事前に確認もせず入校して、「転職できなかった」「騙された」とぼやいても、それは致し方無いことといえます。
プログラミングスクールを選ぶときの、確認の甘さが失敗の原因だったのです。
フリーランスエンジニアをすすめられた
「卒業後は華のフリーランスエンジニアとして自由な働き方ができる」なかにはそのような誘い文句で受講生を集めるプログラミングスクールもあるようです。
しかしフリーランスエンジニアになるということは、自分のスキルのみで競争相手と闘うことです。
もちろん、フリーランスエンジニアという働き方を否定しているわけではありません。むしろ自信がある人はどんどんチャレンジすべきだと思っていますし、フリーランスエンジニアとして実際に成功している人もたくさんいます。
ただフリーランスエンジニアになるのであれば、目の前の景色だけを見るのではなく、将来のキャリアプランも考えておくべきでしょう。
フリーランスエンジニアとして成功すれば、会社員とは比較にならない収入を得ることも可能です。とはいえ、誰しもが成功するほど甘い世界ではないのも事実です。
このあたりを教えてくれないプログラミングスクールは、信じるに値しないのではないでしょうか。
私は正味の話、フリーランス推しが強すぎるプログラミングスクールは敬遠しちゃいますね。 そもそも、実績もないエンジニアがそんなに急いでフリーランスになる必要ってあるんですかね? 「会社員は自由がない!」と考えているかもしれませんが、会社員エンジニアならではのメリットってたくさんあります。具体的にはこんなところでしょうか。 ・お金をもらいながら開発スキルを学べる。 ・数十万円もするような研修をタダで受けさせてくれる。 ・自社、他社問わず広い人脈ができる。 ・フリーランスでは受けることができないような大きな案件に携われる。 ・チーム開発を学べる。 ・組織の動かし方を学べる。 ・有給休暇がもらえる。 ・残業した分だけ、残業代が出る。 ・プロジェクトの現場を知ることができる。 そんなのホワイト企業だけだろう!と思うかもしれませんが、最近はかなり世論も厳しくなってきているからか、労働環境は改善しているように思います。 そのため、私は最初は企業でエンジニアとして働いた方がいいと考えています。しっかりとエンジニアの基礎を学んだ上で独立したほうがコスパもいいし、成功する可能性も高くなるのではないでしょうか。
なお、次の記事ではこれまで紹介したようなプログラミングスクールでの体験談をまとめて紹介しています。スクールに通うべきか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
そもそもプログラミングに向いていない人の特徴3つ
失敗したAは甘かったし、スクール選びも間違っていたのは確かです。
しかし、プログラミングには向き不向きがあることも覚えておいてください。
ここではプログラミングに向いていない人の特徴を紹介するので、当てはまる方はそもそも学習をスタートすべきなのかを検討しましょう。
物事を調べるのが苦手な人
物事を調べるのが苦手な人、面倒くさいと感じる人はプログラミングに向いていません。
プログラミングをしていると、予期しなかった問題や課題が次々と発生します。
ITエンジニアはインターネットや書籍で事象について調べ、さまざまな仮説をたて、トライ&エラーを繰り返し解決します。プログラミングには何が何でも解決したい、解決できなければ悔しいという負けん気の強さが必要です。
ゲーム感覚で学べない人
プログラミング学習を楽しいとかけらも思えない人は、間違いなく挫折します。
最近ではProgateやドットインストールなど、ゲーム感覚でプログラミングを学習できるサイトが増えています。
プログラミングに向いている人は、楽しくみながらどんどん学び進めることが可能です。一方、プログラミングに向いていない人はまったく面白味を感じることができないでしょう。
すぐに言い訳する人
仕事でもプライベートでも、すぐに言い訳する人は今すぐプログラミングをあきらめるべきです。
「今日は仕事が忙しかったから」「明日早いから」そんな風に都合の良い言い訳を考えて学習しない人は、プログラミングに向いていません。
プログラミングで成功するためには、言い訳のつけ入るスキがない意思の強さが必要です。
なお、次の記事ではプログラミングへの適性がわかるおすすめの診断サイトを紹介しています。プログラミングへの向き不向きが判断できない人は、ぜひ参考にしてください。
現役エンジニアが伝授!プログラミングスクールを選ぶ3つのポイント
現役エンジニアである私なりに、「こういうプログラミングスクールだったら失敗しないんじゃないの?」というポイントを整理してみました。
プログラミングスクールを選ぶときに着目すべきポイントは、以下の3つです。
- 就職・転職サポートの質が高いか
- 講師のクオリティが高いか
- 現場で使えない卒業生を量産していないか
就職・転職サポートの質が高いか
プログラミングスクールを選ぶときは、卒業後の就職・転職サポートが充実しているかどうかに着目しましょう。
プログラミングスクールは卒業することがゴールではなくて、卒業してやっとスタートラインに立ったか?という状態だと思うんですよね。
そのスタートをきちんとバックアップしてくれるプログラミングスクールであれば、通う価値があるのではないでしょうか。直近の卒業生がどのような企業に就職・転職できたかを質問してみるのも良いでしょう。
講師のクオリティが高いか
講師のクオリティも大事です。私がプログラミングスクールに通うのであれば、「講師は現役のITエンジニアであること」を絶対条件とするでしょう。
実際の開発現場で活きた技術に触れているITエンジニアに教えてもらえるのは、かなりメリットが大きいです。
プログラミングスクールのなかには、プログラミングの講師のみを生業としている方もいるようです。まぁ教え方は上手だと思うんですよ。そういう人って。(それで教え方下手だと、なんで講師しているんだよという気持ちになりますよね。)
ただ、「現在」開発現場で使っているような技術を本当に把握できているか?というところは甚だ疑問です。
現場で使えない卒業生を輩出していないか
最後はプログラミングスクールのカリキュラムです。プログラミングスクールで失敗したと感じるのは、「入校時に想像していた卒業した時の自分」と「実際に卒業した時の自分」にギャップがあるというところもあるでしょう。
1人でバリバリ開発できるようになっていると思ったのに…
よくよく転職活動をしてみると、スクールで勉強したスキルセットがいまいち企業に受けない…
など色々あるでしょう。
こういったギャップを生まないためには、プログラミングスクールのカリキュラムに気をつける必要があります。
- そのカリキュラムって常に最新情報を取り入れてますか?(まさか十数年同じ内容じゃないですよね?)
- プログラミングスクールだからって、プログラミングだけ教えるようなスクールじゃないですか?(プログラミングだけ覚えても、現場じゃ使い物になりません。)
どれだけ卒業者数を公表しても、卒業者がエンジニアとして使えるかどうかは別問題です。
最低でもプログラミングスクールが公表しているカリキュラムを見比べ、お金を出すに値するかを見極めるようにしてください。
基準も交え、プログラミングスクールの選び方をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ:プログラミングスクールは利用するもの
プログラミングスクールは、学習をサポートしてくれるサービスです。意欲があってみずからどんどん学ぼうとする人であれば、カリキュラムや質問できるサービスを利用してスキルを習得できるでしょう。
実のところ、私は「プログラミングスクールの失敗の原因とは他力願望である」と思っています。
プログラミングスクールに通うと決意したなら、「何とかしてもらう」でなく「利用してやる」くらいの気持ちで挑んでください。
皆さんのプログラミングスクール選びに、この記事が多少でもお役に立てるなら幸いです。
なお、私が心から共感できて講師の質が高く、コンサルタントが親身になってくれるプログラミングスクールはSAMURAI ENGINEER(侍エンジニア)です。
特にプログラミングスクール選びで迷ってる方は無料カウンセリングで今後の目標、理想のキャリアビジョンを相談してみてください。
コンサルタントの方が非常に人当たりいい方ばかりなので、落ち着いて話せますよ。
無料カウンセリングの詳細を見るこの記事のおさらい
プログラミングスクールで失敗する理由として「学習時間を甘く見ていた」「目標設定ができていなかった」、「講師に任せっきりだった」「 分からないところがわからなかった」「つくりたいものがなかった」などが挙げられます。
プログラミングスクールで失敗しないためには「就職・転職サポートの質」「講師のクオリティ」「カリキュラムの内容」といった点に着目して選びましょう。
「物事を調べるのが苦手な人」「ゲーム感覚で学べない人」「すぐに言い訳する人」は、プログラミングに向いていません。
【現役エンジニアの独り言】