LINQのSelectメソッドって使ってますか?
コレクションの要素を操作する場合に、for文やforeach文に比べて簡潔に記述することができて便利です。
この記事では、LINQのSelectメソッドについて
- Selectメソッドとは
- Selectメソッドの使い方
- Whereオペレータとは
- Whereオペレータの使い方
- foreach文への書き換え
など基本的な使い方から応用的な使い方の内容についても解説していきます。
今回はLINQのSelectメソッドについて、使い方をわかりやすく解説します!
Selectメソッドとは
LINQのSelectメソッドとは、コレクションの要素全てを処理して別のオブジェクトに渡すときに使用します。
ちなみにLINQとはコレクション(配列やList、Dictionaryなど)の要素を処理するメソッドを集めたライブラリです。
LINQを使うと、for文やforeach文を使ったループ処理を簡潔に代替することができます。
Selectメソッドの使い方
Selectメソッドはコレクションのオブジェクトから呼び出して使うことができます。
Selectメソッドの引数にはラムダ式で処理を記述します。
ラムダ式とは、一言で言うと「メソッドを変数と同様に扱う記述様式」になります。
ラムダ式の基本構文は以下のようになります。
左辺 => 右辺
左辺には、メソッドの変数を指定します。
パラメータは「( )」で囲む必要がありますが、変数が1つのみの場合は「( )」を省略することができます。
変数が複数の場合は、各変数を「,」(カンマ)で区切ります。
() => 右辺 // 変数なしの場合 param => 右辺 // 変数が1つの場合 (param1, param2) => 右辺 // 変数が2つの場合
変数の型はコンパイラによって自動的に推論されます。
必要であれば型を指定することもできます。
(int param) => 右辺 // 変数をint型で指定
それではSelectメソッドの使い方について、サンプルコードで確認しましょう。
Selectメソッドを使うため、usingディレクティブを使ってSystem.Linqを参照しています。
using System; using System.Linq; namespace Sample { class Sample { static void Main() { int[] src = {0, 1, 2, 3, 4, 5}; var query = src.Select(x => x % 3); Console.WriteLine("[{0}]", string.Join(", ", query)); Console.ReadKey(); } } }
実行結果:
[0, 1, 2, 0, 1, 2]
このサンプルコードでは、Selectメソッドを使ってint型の配列srcの要素を処理しています。
要素の処理として、3で割った余りを算出しています。
このサンプルコードのように、for文やforeach文を使って要素を1つずつ処理する必要がなく簡潔に記述することができています。
SelectManyメソッドとは
Selectメソッドと似た処理を行うSelectManyメソッドがあります。
SelectManyメソッドを使うと1つのシーケンスに平坦化することができます。
平坦化についてサンプルコードを使って解説します。
using System; using System.Collections.Generic; using System.Linq; namespace Sample { class Quarter { public string Period { get; set; } public List<String> Months { get; set; } } class Sample { static void Main() { Quarter[] quarter = { new Quarter{Period = "1st", Months = new List<string>{"Jan", "Feb", "Mar"}}, new Quarter{Period = "2nd", Months = new List<string>{"Apr", "May", "Jun"}}, new Quarter{Period = "3rd", Months = new List<string>{"Jul", "Aug", "Sep"}}, new Quarter{Period = "4th", Months = new List<string>{"Oct", "Nov", "Dec"}} }; var query = quarter.SelectMany(x => x.Months); Console.WriteLine("[{0}]", string.Join(", ", query)); Console.ReadKey(); } } }
実行結果:
[Jan, Feb, Mar, Apr, May, Jun, Jul, Aug, Sep, Oct, Nov, Dec]
このサンプルコードでは、SelectManyメソッドを使って1つのシーケンスに平坦化しています。
サンプルコードのQuarterクラスではメンバーにListを持っています。このQuarterクラスのオブジェクトを要素に持つ配列quarterからSelectManyメソッドを呼び出しています。
SelectManyメソッドを使うことで、配列quarterの要素内のListの要素を全て取得することができています。
このようにコレクションの要素内の要素を全て同じコレクションの要素に格納することを平坦化と言います。
Whereオペレータとは
Whereオペレータを使うことで、条件を満足する要素のみSelectメソッドで処理することができます。
Whereオペレータの使い方
Whereオペレータの使い方についてサンプルコードで確認しましょう。
Whereオペレーションの引数もSelectメソッドの引数と同じようにラムダ式で記述します。
using System; using System.Linq; namespace Sample { class Sample { static void Main() { int[] src = {0, 1, 2, 3, 4, 5}; var query = src .Where(x => x > 1) .Select(x => x % 3); Console.WriteLine("[{0}]", string.Join(", ", query)); Console.ReadKey(); } } }
実行結果:
[2, 0, 1, 2]
このサンプルコードでは、Whereオペレーションを使って配列srcの要素から1より大きな要素のみSelectメソッドで処理を行っています。
Whereオペレータで複数条件
Whereオペレータでは引数で複数の条件を指定することができます。
AND条件を指定する方法をご紹介します。
using System; using System.Linq; namespace Sample { class Sample { static void Main() { int[] src = {0, 1, 2, 3, 4, 5}; var query = src .Where(x => x > 1 && x < 5) .Select(x => x % 3); Console.WriteLine("[{0}]", string.Join(", ", query)); Console.ReadKey(); } } }
実行結果:
[2, 0, 1]
このサンプルコードでは、WhereオペレータでAND条件「&&」を使って指定しています。
foreach文への書き換え
SelectメソッドやWhereオペレータを使った記述についてご紹介してきましたが、これをforeach文で書くとどのようになるかご紹介しておきます。
using System; namespace Sample { class Sample { static void Main() { int[] src = {0, 1, 2, 3, 4, 5}; foreach(int num in src) { if(num > 1 && num < 5) { int mod = num % 3; Console.WriteLine("{0}", mod); } } Console.ReadKey(); } } }
実行結果:
2 0 1
LINQのSelectメソッドやWhereオペレータを使う場合に比べてやはり記述の手間が増えていますね。
foreach文の使い方についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
ここでは、LINQのSelectメソッドやWhereオペレータについて説明しました。
コレクションの要素を操作する場合に、for文やforeach文に比べて簡潔に記述することができます。
使いこなすことができるように、この記事を何度も参考にして下さいね!