この記事では、できることや活用するメリット・デメリットも交え、Linuxの特徴を解説します。
そもそもLinuxってなに?
WindowsやmacOSとはどう違うの?
「Linux」というOSの存在を知り、学習を始める人は多くいます。しかし、WindowsやmacOSしか使ったことがなく、上記のような疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事ではLinuxとは何なのか、その特徴をできることも交えわかりやすく解説します。Linuxを使うメリットやデメリットも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
また、Linuxについては次の動画でもわかりやすく解説しているので、良ければご覧ください。
- Linuxは、WindowsやmacOSと同じOSの1つ
- 無料で使えることや、カスタマイズのしやすさが強み
- Linuxの学習は、ITエンジニアを目指している人におすすめ
Linuxとは
Linuxとは、リーナス・トーバルズ氏によって開発されたOS(オペレーティングシステム)です。まずは、OSも含めたLinuxの概要について、次の2つに分けて解説します。
WindowsやmacOSと同じOSの一種
Linuxは、「Windows」や「macOS」と同じOSの一種です。OSとは、コンピューター全体を制御し、使いやすくしてくれるソフトウェアを指します。
多くの人が、WindowsやMacのパソコンを使ったことがあるでしょう。パソコンでWebサイトを見たり、マウスやキーボードを使ったりできるのは、WindowsやmacOSといったOSがうまく制御してくれているためです。
それと同じように、Linuxもパソコンなどのコンピューターを制御してくれます。ただし、Linuxはインストールが必要なことが多いです。一方、WindowsやmacOSは多くの場合、購入したパソコンに初期搭載されています。
OSについては次の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
→ OSとは何かわかりやすく解説!役割や種類ごとの特徴も簡単に紹介
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Linuxの歴史
Linuxが誕生したのは1991年のことでした。フィンランド人のリーナス・トーバルズ氏が最初のLinuxバージョンを公開したのが始まりです。驚くことに彼は当時学生で、個人的に1からOSを作ったといわれています。
当初はパソコン用に作られたOSでしたが、無料で使えるなどのメリットが大きく、広く普及していきました。いまではサーバーや組み込みシステム(スマートフォンやテレビ)など、大小さまざまなシステムで使われています。
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Linuxを使ってできること
Linuxは特に、IT分野の仕事・作業に重宝されています。具体的にLinuxを使ってできることは、主に次の4つです。
1つずつ、順番に解説します。なお、Linuxでできることを詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
→ Linuxでできることは?初心者でも5分で理解できるように易しく解説
システム・アプリのサーバー構築
Linuxは、システム・アプリのサーバー構築に広く使われています。サーバーとは、システム・アプリのデータやプログラムを管理するコンピューターのことです。
詳細は後述しますが、Linuxは無料で使えるうえに、仕様を自由にカスタマイズできます。そのため、コストを抑えて柔軟にサーバーを構築できるメリットがあり、多くの企業で採用されています。
プログラミング
Linuxを使えばプログラミングも可能です。プログラムを書くために必要な「テキストエディタ」や、プログラムの開発を効率化する「統合開発環境(IDE)」には、Linuxに対応したものが数多くあります。
たとえば、テキストエディタの「Visual Studio Code」や統合開発環境の「Eclipse」は、Linuxでも利用可能です。これらは人気が高い開発ツールであり、プログラミングの効率アップにつながります。
Linuxは、WindowsやmacOSと並んで主要なOSの1つとされています。そのため、プログラミングに役立つ開発ツールにはLinuxで使えるものが多くあるのです。
新しいOSの開発
Linuxは有償のライセンスが必要なく、自由にカスタマイズできます。そのため、Linuxをベースにして新しいOSを開発することも可能です。
実際のところ、Google社が開発したモバイル向けOSである「Android」はLinuxがベースとなっています。人気が高いOSの開発にも採用されていることから、LinuxはOS開発にも適したOSといえるでしょう。
組み込みシステムの開発
Linuxは、テレビなどの電子機器を制御する「組み込みシステム」の開発にも利用可能です。Linuxを電子機器に組み込むことで、プログラムを動かすための「土台」としての役割を担ってくれます。
柔軟性やコスト面で優れるLinuxのメリットは大きく、組み込みシステムでも有力な選択肢の1つといえます。
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Linuxをプログラミングやソフトウェア開発に有効活用するなら
前述のように、LinuxはプログラミングやOS開発といったIT分野でよく使われます。ITエンジニアの仕事に興味がある場合、Linuxの活用スキルを習得できれば活躍のチャンスを増やせるでしょう。
しかし「Linuxを学んでみようかな」と興味が湧いてきた人のなかには、
独学で習得できるかな…
途中で挫折したらどうしよう…
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公式サイトで詳細を見るLinuxにまつわる主な用語
Linuxには、初心者にとって聞き慣れない用語も少なくありません。ここからは、Linuxにまつわる主な用語を、4つにまとめて解説します。
Linuxカーネル
Linuxカーネルとは、Linuxにおける中核部分の制御を担当するプログラムのことです。Linuxには次のような機能がありますが、これらはLinuxカーネルによって実現しています。
- メモリ(コンピューターのデータ領域)の管理
- プロセス(コンピューター上で実行されるプログラム)の管理
- プロセス間通信
- ファイル操作
- ネットワーク
つまり、LinuxカーネルがあるからこそLinuxの主要機能を使えるのです。
Linuxディストリビューション
「Linuxディストリビューション」とは、Linuxの構成要素(カーネルやツールなど)をひとまとめにして、インストールすれば使える状態にした配布物を指します。簡単にいえば、Linuxにおける「流派」のようなものです。
昨今ではさまざまな企業や組織が、独自のLinuxディストリビューションを公開・配布しています。いずれも基本的にはLinuxですが、設定やツールなど、細かい部分が少しずつ違っているのが特徴です。
Linuxを使い始める場合、基本的にはLinuxディストリビューションを選んで導入することになります。後ほどおすすめのLinuxディストリビューションを紹介するので、ぜひ最後までお読みください。
コマンド
Linuxにおける「コマンド」とは、OSに対してさまざまな命令を出せるキーワードのことです。たとえば、コマンドを使うことでファイルの作成や移動、編集、削除などを行えます。
Linuxでコマンドを実行する場合、「ターミナル」というツールを使います。Windowsでいう「コマンドプロンプト」のようなものです。ターミナルに適切なコマンドを入力・実行することで、Linuxに命令を出せます。
なお、Linuxのコマンドはとても種類が多いです。よく使うコマンドを知りたい人は、次の記事をご覧ください。
→ 【全37種】よく使うLinuxコマンド一覧!基本的な使い方も紹介
ディレクトリ
「ディレクトリ」とは、ファイルを整理して保存する入れ物のことです。WindowsやmacOSでは「フォルダ」と呼ばれるものが、Linuxでは「ディレクトリ」と呼ばれているという理解で問題ありません。
Linuxを使う4つのメリット
Linuxを使う主なメリットは次の4つです。
それぞれ順番に解説します。
基本的に無料で使える
前述のとおり、Linuxは有償のライセンスが必要なく、基本的に無料で利用可能です。
Microsoft社が提供するWindowsや、Apple社が提供するmacOSは基本的に、パソコン価格にライセンス料金が含まれています。しかし、Linuxはパソコンさえあれば、無料でインストールして使えます。
パソコンの購入費用は発生しますが、OSを利用するために追加費用が発生しないのは大きなメリットです。WindowsやmacOSがインストールされているパソコンにインストールしても、費用はかかりません。
柔軟にカスタマイズできる
前述のとおり、Linuxは柔軟にカスタマイズできます。Linuxはオープンソース(プログラムが公開されている)なOSとして提供されており、その仕様を改変することが許可されているのです。
たとえば、独自の設定をプラスしたLinuxディストリビューションを作ったり、Linuxをベースにした独自のOSを作ったりもできます。このような柔軟性の高さが、Linuxが広く採用される大きな理由の1つです。
多くのLinuxディストリビューションから選べる
WindowsやmacOSとは異なり、多くのLinuxディストリビューションから選べる魅力があります。Linuxディストリビューションは誰でも自由に配布できるため、さまざまな企業・組織が提供しているのです。
たとえば、初心者でも使いやすい「Ubuntu」、システムのサーバーにもよく使われる「Debian」といったLinuxディストリビューションがあります。詳細は後述しますが、用途や目的に合わせて選べるのがメリットです。
スペックの低いパソコンでも使える
Linuxは、スペックの低いパソコンでも比較的快適に使えます。Linuxは必要な機能に絞っているため軽量で、パソコンのリソース(資源)に余裕がなくても動作させやすいのです。
たとえば、最新のWindowsでは使いづらくなったスペックの低いパソコンでも、Linuxなら問題なく動作する可能性があります。Linuxがサーバー構築でよく使われるのも、軽量で使いやすい点が大きな理由の1つです。
Linuxを使う3つのデメリット
メリットに続き、ここからはLinuxを使うデメリットを、3つにまとめて解説します。
視覚的な操作がしづらい
Linuxは、視覚的な操作がしづらいデメリットがあります。WindowsやmacOSの操作は「GUI」が基本であるのに対して、Linuxの操作は「CUI」が基本となるためです。
- CUI(Character User Interface):キーボードでの文字入力を中心に操作する方法
- GUI(Graphical User Interface):マウスや操作画面を使って視覚的に操作する方式
Linuxでは、前述のターミナルでコマンドを駆使しながら操作することが中心となります。サーバーなどの環境によっては、WindowsやmacOSのようにマウスを自由に使えないケースも少なくありません。
昨今では、GUI機能が充実したLinuxディストリビューションも増えています。とはいえ、ほかのOSと比べると初心者が操作に戸惑いやすいでしょう。
使えるアプリが限定される
LinuxはWindowsやmacOSと比べて、使えるアプリが限定されるデメリットもあります。
企業がアプリを開発する場合、ユーザーが多いOSに対応させることが一般的です。その点、Linuxの市場シェアはWindowsやmacOSほどは高くないため、Linuxに対応していないアプリも少なくありません。
Windows向けアプリやmacOS向けアプリが使えないことも多く、不便に感じるときもあるでしょう。
公式のサポートがない
Linuxには、WindowsやmacOSのような公式のサポートがありません。そのため、問題があったときに信頼性の高いサポートが受けられず、学習につまずくケースも考えられます。
WindowsであればMicrosoft社、macOSであればApple社からサポートを受けることが可能です。しかしLinuxの場合、Linuxディストリビューションによってはコミュニティや質問サイトで解決することになります。
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おすすめのLinuxディストリビューション4選
Linuxディストリビューションには多くの種類がありますが、大まかには次の3系統に分類されます。それぞれの特徴を確認しておきましょう。
Slackware系はシンプルな分、自動化されていない部分も多く、導入の難易度が高いです。そのため、昨今ではDebian系とRed Hat系が主流となっています。
ここでは、おすすめのLinuxディストリビューションとして、次の4つを紹介します。
Ubuntu
「Ubuntu」は、Debian系のLinuxディストリビューションです。LinuxディストリビューションのなかでもGUI機能が充実しており、よく使われるツール類も数多く搭載されています。
そのため使いやすく、Linuxの経験が少ない初心者にもおすすめです。Linuxディストリビューションのなかでも高いシェアを誇っています。Ubuntuについて詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
→ 【Ubuntu入門】できること、用途を知りOSを理解しよう!
Debian
「Debian」は名前のとおり、Debian系のベースとなっているLinuxディストリビューションです。日本のコミュニティが発展しており、日本語の参考情報がWeb上に豊富な点が強みといえます。
また、1993年から存在する歴史の長いLinuxディストリビューションであり、信頼性・安定性も高いです。そのため個人利用はもちろん、企業のサーバーにも広く採用されています。
Red Hat Enterprise Linux (RHEL)
「Red Hat Enterprise Linux (RHEL)」は名前のとおり、Red Hat社が開発したLinuxディストリビューションです。商用向けで、企業のサーバーに広く採用されています。
有償のため、「サポート」や「責任」という面での安心感が強みです。最新のセキュリティ対策を適用できるため、セキュリティ性の面でも優れています。
Fedora
「Fedora」は、Red Hat社が支援する「Fedora Project」からリリースされているLinuxディストリビューションです。RHELは有償ですが、Fedoraは無償で利用できます。
「RHELに入れたい新機能を、Fedoraで試験的に導入する」という流れのため、最新の技術を試せるのが魅力です。ただし、有償版のRHELと比べてサポートは限定的となります。
Linuxの学習方法3つ
Linuxの活用スキルを身につけるためには、自分に合った方法で学習することが大切です。ここからはLinuxの学習方法を、次の3つに分けて紹介します。
入門サイトを利用する
Linuxの入門サイトを利用すれば、オンラインで手軽に学べます。料金や学習形式はさまざまですが、ブログ形式の入門サイトであれば無料で利用できる所も多いです。
「何から手をつけていいかわからない」という人は、無料の入門サイトを利用してみると良いでしょう。Linuxのおすすめ入門サイトを知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
→ Linux入門者に必要な知識をすべて解説!おすすめサイトや本もご紹介
入門書を読んで実践する
Linuxの入門書を読めば、必要な知識を体系的に学べます。知識を吸収してからパソコンを使って実践すれば、Linuxの活用スキルが身につくでしょう。
基本的に書籍の購入は必要ですが、一度購入すれば追加費用がかからないのもメリットです。Linuxのおすすめ入門書を知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
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ITスクールを利用する
入門サイトや入門書を使った独学に不安がある場合は、プログラミングといったIT系のスクールを利用するのが確実です。プロの講師に質問できるため、挫折のリスクをぐっと減らせます。
デメリットは、独学と比べて多くの費用がかかる点。しかし前述のように、独学で挫折する人は少なくありません。挫折すれば、多くの時間や費用を失うことになります。
多くの費用をかけたとしても確実にスキルを習得できるほうが、結果的に費用を無駄にせずに済むでしょう。確実性を重視したい人は、スクールの利用も考えることをおすすめします。
なお、下の記事ではLinuxが学べるおすすめのプログラミングスクールを紹介しているので、よければ参考にしてください。
→ Linux(リナックス)が学べるプログラミングスクールおすすめ8選!選び方も紹介
まとめ
今回は、Linuxとは何かについて解説しました。
IT分野で広く使われるLinuxは、ITエンジニアを目指している人におすすめのOSです。その一方、パソコンの操作に慣れていない初心者だと操作が難しく、挫折するリスクもあります。
基本無料、スペックの低いパソコンでも活用できる使いやすさを有するLinux。知見を獲得したこの機に、活用できるよう習得してみるのも良いでしょう。
この記事が、あなたのキャリアアップの一助となれば幸いです。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。