この記事では、需要も交え、プログラマーの将来性を紹介します。
プログラマーの将来性ってどうなんだろう?
「プログラマーには将来性がない」って噂も聞くけど、本当なの?
ITが身近になったことで、プログラマーに興味を持つ人が増えています。その一方で、プログラマーの仕事を将来ずっと続けられるのか、少なからず不安もありますよね。
また、今後の需要や給料などプログラマーに将来性があるのかを確認してから目指すか決めたい方も多いはず。
将来性のあるプログラマーになるためには、必要なスキルを身につけて市場価値を高めることが大切です。本記事では、プログラマーが「なくなる」と言われる理由や実態、将来性のあるプログラマーになるポイントなど幅広くお伝えします。
IT業界の経験がない人でも読みやすい内容なので、ぜひご覧ください。
本記事を読む前に、プログラマーの仕事内容であるプログラミングとは何なのか、その意味や仕組みをおさらいしておきたい人は次の記事を参考にしてください。
- プログラマーは需要が高く将来性も期待できる職種
- AIの登場でプログラマーの需要が減るという意見もあり
- 市場価値の高い人材になるにはプログラミング以外のスキルも重要
プログラマーに将来性はないのか
結論としては、今後もプログラマーの将来性は高いといえます。
プログラムの自動化技術やAI技術の進歩により、プログラマーの職が危ぶまれていると考えている人もいることでしょう。しかし、これら技術を活用していくためには、企業のニーズに合わせたカスタマイズが必要です。新しい技術を効率よく運用するためには、プログラマーの存在が必要不可欠です。
そのため、プログラマーの需要が激減する、なくなるといった可能性は低く、今後も高い将来性に期待が持てます。
しかしながら、これには新技術の知識やスキルの習得が不可欠です。IT業界で不足している人材は、「新技術に対応していける人材」でもあることも、念頭に置いておく必要があります。
プログラマーの需要は右肩上がりで伸びている
現状、プログラマーの需要は右肩上がりで伸びています経済産業省の「IT人材需給に関する調査」によると、2030年には日本国内で約41万人から79万人ものIT人材が不足すると予測されているのです。幅はあれど、将来的にIT人材が不足する懸念が増しているといえます。
そして、IT人材のなかでも欠かせないのがプログラマーです。いくら良質なITサービスを企画したとしても、プログラマーがいなければ実現することはありません。
例えば、次のものはすべてプログラムによって動いているのです。
- SNSなどのWebサービス
- テレビや電子レンジなどの家電製品
- スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末
- ATMや自動改札などのITシステム
こうしたプログラムがなければ、もはや暮らしは成り立ちませんよね。
よって、暮らしに欠かせないプログラムを支えるプログラマーの需要は今後もさらに高まると考えられます。
「35歳定年説」はもう古い
これまでIT業界には、主に3つの理由から「35歳定年説」という定説がありました。
- 労働環境の変化
- スキル面の停滞
- 昇進による異動
プログラマーには、残業や休日出勤が必要なプロジェクトもあり体力が必要です。しかし、30代後半にもなると、体力に衰えを感じ始めたり、出産や介護といったライフステージが変化したりして、仕事に対して臨機応変に対応できない人も多くなると考えられています。
加えて、プログラマーは日々更新されていくIT技術に追いつくため、継続した学習が必要です。しかし、年齢を重ねるに連れて学習意欲が低下してしまうと、知識やスキルの更新がおっくうになってしまう人もいるでしょう。ほかにも、PM(プロジェクトマネジメント)のようなマネジメント職に昇進することで、プログラムの実務から離れる人もいます。
これらの理由から、35歳前後でプログラマーから離れていく人が多く、「35年定年説」という考え方が浸透していました。
しかし、この説はあくまで昔の話。実際のIT業界には、40歳を超える現役プログラマーもたくさんいます。前述したようにIT人材不足が深刻化しており、35歳がピークという考え方も見直されています。
ただし、35歳以降もプログラマーとして継続・成長できるかは、本人の努力が必要不可欠です。
スキル不足では思うようなキャリアが築けない可能性も
プログラマー自体に将来性はあるものの、思い描いているキャリアを築くためには、自身の知識やスキルを磨く必要があります。
プログラマーの業務は上流工程から下流工程まで多岐にわたります。しかし、プログラムの自動化やAIによって、既存業務の代替が少しずつ進んでいるのも事実です。
とくに、下流工程に多い一定のルーティン内で稼働する業務や、人の意見が必要ない業務は代替される可能性が高くなります。
そのため、より専門的な知識やスキルを身につけたり、プログラムの自動化やAIを扱う技術を身につけたりしていかなければ、思うようなキャリアが築けない可能性があります。
大事なのは、AIのような新しい技術に対してネガティブにならず、みずから進んで学んでいく姿勢です。
将来性の高いプログラマーを目指すならスクールがおすすめ
ここまで解説してきたとおり、将来性の高いプログラマーになるためには、日々進歩する新しい知識やスキルを身につける必要があります。とくに、継続的なプログラミングスキルの更新は、プログラマーに欠かせないです。
ただ、なかには
独学でプログラミングを習得できるかな…
と不安な方もいますよね。
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公式サイトで詳細を見るプログラマーは「将来性がない」と言われる4つの理由
ここからは、プログラマーが「将来がない」と言われる理由を、4つにまとめて解説します。
理由1:近いうちAIに仕事を奪われる
近年ではAI(人工知能)技術が急速に進歩しており、さまざまなビジネスで業務の自動化が進んでいます。このままAIが普及すればプログラマーの仕事も奪われるのでは、という懸念があるのです。
確かに、プログラマーの業務が一部AIに置き換えられる可能性はあります。AIが仕様書や設計書の内容を理解し、そこからプログラムの一部を自動生成することは考えられます。
しかし、プログラマーの仕事すべてがAIに奪われるとは考えにくいです。目的が同じでもプログラムの書き方は何通りも存在し、どんな書き方を選ぶかはプログラマーの経験が必要です。
さらに、AIを活用してプログラムを仕上げるのもプログラマーの重要な役割です。将来的に必要とされる開発分野のプログラミングスキルを身につければ、仕事がゼロになることはないでしょう。
理由2:海外の労働者に仕事が取られる
「オフショア開発」の普及により、国内のプログラマーが請け負う業務の減少が懸念されています。
オフショア開発とは、プログラム開発において業務の一部を海外に委託することです。人件費の安い東南アジアなどに業務を委託することでコスト削減できるため、経営戦略としてよく選択されます。
しかし、実際のオフショア開発では「意思疎通がうまく行かない」「プログラムの品質が低い」といった声も少なくありません。結局のところ、国内で開発した方が安上がりというケースも。
オフショア開発の普及は、確かに不安材料です。とはいえ、高品質なプログラムを作れる確かなスキルを身につければ、それほど心配する必要はないでしょう。
理由3:プログラマーが飽和している
一部では、「プログラマーは飽和している」という噂もささやかれています。
自由なスタイルで働きやすいプログラマーは広く認知されており、ひと昔前と比べて新規参入する人が増えました。プログラマーの供給量が上昇したことで需要に追いついたのでは、という見方です。
しかし実際には、プログラマーは飽和していません。求人検索エンジン「indeed」で「プログラマー」と検索すれば、2024年6月現在でも7万9,000件を超える求人がヒットします。
多くのプログラム開発現場では、スキルの高いプログラマーが必要とされているのが現状です。新規参入は増えていても、主戦力となるレベルのプログラマーはそれほど増えていません。
そのため、実務で活躍できるスキルを身につければ、「プログラマーが飽和する」という心配はいらないでしょう。
なお、次の記事では「プログラマー不足」にまつわる噂の真実を詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
理由4:少しずつ年収や報酬が目減りしていく
IT技術の進歩やオフショア開発などにより、難易度の低い業務はAIに代替されたり海外に業務委託されたりする可能性があります。
そのためコスト削減が進み、専門性の高い知識やスキルを有していない人は年収や報酬が目減りしていくと考えられます。実際に、難易度の高い要件に対応できないプログラマーは、少しずつ淘汰されてしまうかもしれません。
大事なのは、難易度の高い要件にも対応できる知識やスキルを身につけるために、日々の研鑽を怠らないことです。
なお、プログラマーになりたい気持ちはあるものの、どの職種が自分にあうのかわからない人もいますよね。そんな人は「ITキャリア診断」をお試しください。
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目指す前におさえておきたいプログラマーの実態
ここからは、次のトピック別にプログラマーの実態を紹介します。プログラマーの実態を把握したうえで、目指すかどうかを判断しましょう。
初任給
求人ボックスによると、プログラマーの初任給は21万円程度が相場とされています。平均年収は約419万円であり、月給で換算すると約35万円です。
日本の平均年収と比較した場合、少し低い傾向にありますが、全体の給与幅は317~790万円と広く、求められるスキルにより大きな差があるといえます。
プログラマーの平均年収や収入を増やす方法をより詳しく知りたい人は、下の記事を参考にしてください。
→ 年収1000万も狙える!プログラマーの平均年収+年収上げる3ヶ条【言語・雇用形態などの差も解説】
主な仕事内容
プログラマーの主な仕事内容は、要件定義書をもとにプログラミング言語を用いてコードを記述し、プログラムを完成させることです。
ほかにも、コードが正しく動作するか確認・修正を行ったり、既存システムのメンテナンス・改修を行ったりするのも大事な役割です。上流工程に携わるようになれば、ユーザーの要件をもとにプログラムの仕様を決定するといった業務も担当するようになるでしょう。
プログラマーの仕事内容についてより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
→ プログラマーの仕事は難しい?初心者がつまずく 3つの理由
必要なスキル
プログラマーに必要なスキルは多岐にわたりますが、最も大事なのはプログラミング言語の知識です。
開発においては、プロジェクト内容に応じて使用する言語が異なる場合もあります。自身が扱える言語を基準として仕事を選ぶか、プロジェクトに応じて対応できるようにいくつかの言語を習得するか、事前にプログラマーとしてのスタイルを考えておくのがおすすめです。
また、プログラム開発はチームで行うことが多いため、コミュニケーションスキルや協調性も必要となるでしょう。スキルではありませんが、最新技術を継続的に学ぶ姿勢もとても大事です。
未経験からの目指しやすさ
プログラマーは未経験からでも十分目指せる職業です。しかしながら、事前にプログラミング言語の知識とスキルは習得しておかなければなりません。
IT人材不足の深刻化によりITエンジニアの需要は増し、プログラマーも同じように需要は増しています。しかし、必要とされるのは多くの場合、ある程度のスキルを有した即戦力です。
そのため、未経験から目指す場合は、事前に計画的な学習プランやキャリアパスを考えておくのがおすすめです。
未経験から独学でプログラマーになる方法をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
→ プログラマーになるには?未経験から独学で目指す6STEP
キャリアパス
プログラマーのキャリアパスには、いくつかのルートがあります。ここでは、2つのキャリアパスを紹介します。
- 昇進する
- フリーランスになる
1つ目は、プログラマーとしての経験を積み、上流工程も担当できるSE(システムエンジニア)やPM(プロジェクトマネージャー)になることです。
SEはプログラマーの上位職として位置付けられており、上流工程であるユーザーの要件をヒアリングしたり、システム設計を担当したりします。さらにスキルアップを重ねていけば、プロジェクト全体を統括するPMとして活躍してくこともできるでしょう。
2つ目は、フリーランスとして独立し、自身で仕事を獲得していく道です。フリーランスは案件を受注すればするほど報酬が増えるため、稼げる額は青天井ともいわれています。
ほかにも、専門性の高い知識を身につけ、クラウドエンジニアやIoTエンジニア、AIエンジニアとしてキャリアアップする、ITコンサルタントとして展開していくなど、キャリアパスは多岐にわたります。
市場価値の高いプログラマーになる3つのポイント
冒頭では「プログラマーに将来性はある」とお伝えしました。しかし、プログラマーになったからといって、変化の激しいIT業界を全員が生き抜けるとは限りません。
20年後、30年後のIT業界でも必要とされるプログラマーになるためには、市場価値を高めることが大切です。具体的には、下記3つのポイントを押さえましょう。
各ポイントについて詳しく解説します。
ポイント1:需要の高い言語を使いこなす
将来的に高い需要が期待できるプログラミング言語のスキルを身につけましょう。
プログラミングには200種類以上の言語がありますが、それぞれ需要の高さは異なります。また、現時点では需要の高い言語でも、将来的に需要が低下するケースもあります。
これまでに安定した需要をキープしてきた言語は、今後も需要が低下しにくいでしょう。具体的には、次のような言語を学ぶのがおすすめです。
- JavaScript
- Python
- Java
- C言語
また、次の記事では需要の高いプログラミング言語をより詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
下の記事では、将来性の高いプログラミング言語をランキング形式で紹介しているので、良ければ参考にしてください。
→ 将来性の高いプログラミング言語とは?タイプ別ランキングTop10
ポイント2:プログラミング以外のスキルも身につける
プログラミングスキルだけでは、市場価値の高いプログラマーとはいえません。プログラミング以外のスキルも身につけましょう。
AIなどによる自動化が進めば、ゼロとは言わずともプログラミング作業が減ることは考えられます。しかし、顧客やチームメイトとの意思疎通、トラブルへの対応といった作業はAIでは難しいでしょう。
具体的には、次のスキルはAIに代替されにくいため、習得をおすすめします。
- コミュニケーションスキル
- 問題解決スキル
- マネジメントスキル
スムーズに仕事を進める上で、コミュニケーションスキルが欠かせません。相手の考えを正確にヒアリングし、自分の考えをしっかり伝えられるプログラマーは、顧客やチームメイトからも必要とされます。
また、プログラム開発にはエラーや誤動作などの問題が付き物です。問題解決スキルが高いプログラマーは、いざというときに頼りにされるでしょう。
キャリアアップを目指すなら、マネジメントスキルも求められます。チームメイトの進捗状況を管理したり、適切な指示を出したりできれば、後述の「プロジェクトマネージャー」としても活躍できます。
次の記事では、AIに負けないプログラマーになるために必要なことを紹介していますので、併せてご覧ください。
→ 【AI時代到来】5年後も活躍できるプログラマーになるには?
なお、IT企業やプログラマーへの転職を見据え、独学でプログラミングスキルを習得できるか不安な人は「侍エンジニア」をお試しください。
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ポイント3:将来像をしっかり描く
プログラマーになっただけで満足せず、将来像をしっかり描くことも大切です。将来のキャリアパスが明確になっていると、モチベーションの維持・向上にもつながります。
プログラマーからの主なキャリアパスは、次の4つです。どんなキャリアを目指すか決めておくと良いでしょう。
キャリア名 | 概要 |
システムエンジニア | プログラムの仕様書や設計書を作成する |
プロジェクトマネージャー | プログラム開発のプロジェクト全体を管理する |
ITコンサルタント | 企業の課題をITで解決するためのサポートを行う |
ITスペシャリスト | 高い専門スキルによりプログラム開発を幅広くサポートする |
また、下の記事ではプログラマーやエンジニアのキャリアプラン例を詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
→ ITエンジニアのキャリアプランはどう描く?例や決め方も紹介
まとめ
今回は、プログラマーの将来性について、4つの観点から解説しました。
冒頭でもお伝えしたとおり、プログラマーに将来性はあります。しかし、プログラマーになって将来的に成功するためには、キャリアパスや必要スキルを把握して学び続けることが大切です。
将来IT業界で活躍できる人材になるためにも、本記事をぜひ参考にしてください。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。