フリーランスに資格は必須?
フリーランスにおすすめの資格は?
フリーランスが資格取得を目指すポイントは?
働き方が多様化し、自由度の高いフリーランスが注目されています。フリーランスの中でも、在宅ワークしやすいエンジニアは人気の高い仕事です。
しかし人気が高いぶんライバルも多く、いざフリーランスエンジニアになっても中々仕事を獲得できないことも。フリーランスでエンジニアの仕事を獲得するために、資格を取得するべきかお悩みの方もいますよね。
フリーランスになるために資格は必須ではありませんが、資格を有効活用すれば仕事を獲得しやすくなります。
そこで本記事ではフリーランスを志す方向けに、資格に関して押さえておくべき情報を一通りお伝えします。おすすめ資格もご紹介しますので、ぜひご一読ください。
なお、次の記事ではフリーランスエンジニアのメリット・デメリットから年収、必要なスキルやなり方までを包括的に解説しているので良ければ参考にしてください。
→ フリーランスエンジニアへの独立ガイド!必要なスキルやなり方も紹介
フリーランスエンジニアにおすすめの資格
フリーランスエンジニアの資格は多岐にわたり、職種によってその価値も変わります。
ここでは、おすすめの資格を職種別でご紹介します。
職種 | おすすめ資格 |
エンジニア全般 | 基本情報技術者試験 |
システムエンジニア(SE) | 応用情報技術者試験 |
ネットワークエンジニア | LPIC / CCNA |
データベースエンジニア | ORACLE MASTER |
AI(人工知能)エンジニア | G検定 / E資格 |
詳細は、1つずつ解説していきます。
なお、資格試験の受験料はフリーランスの経費として計上可能です。節税に関心のある方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
幅広い職種で役立つ「基本情報技術者試験」
「基本情報技術者試験」は、IT系の幅広い知識を証明できる国家資格です。IT企業での知名度は高く、幅広い職種でのアピールにも役立ちます。
問題はすべて選択式ですが、プログラミングスキルが試される問題もあります。合格率は例年25%前後とあまり高くありません。取得にはしっかりした学習が必要です。
次の記事では基本情報技術者試験について詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。
システムエンジニア(SE)なら「応用情報技術者試験」
「システムエンジニア(SE)」は、プログラマー(PG)がプログラムを開発するために必要な仕様書や設計書を作成する仕事です。
プログラマーをサポートしたり、顧客と相談して仕様を決めたりする役割があります。プログラマーと比べて、より多くのスキルが要求されるのです。
そのためシステムエンジニアには、前述した基本情報技術者試験の上位資格である「応用情報技術者試験」がおすすめです。基本情報技術者試験よりも難易度は上がりますが、そのぶんアピール力も高まります。
より実務に即した出題が増え、記述式の問題もあるので念入りな対策が欠かせません。システムエンジニアや応用情報技術者試験については、こちらの記事を読むとより詳しく理解できます。
ネットワークエンジニアなら「LPIC」「CCNA」
「ネットワークエンジニア」は、企業向けにネットワークシステムの設計や構築、運用・保守を行う仕事です。ネットワークエンジニアの仕事獲得には、「LPIC」や「CCNA(Cisco Certified Network Associate)」が役に立ちます。
LPICは、「Linux」と呼ばれるコンピューターOSの知識を証明できる資格です。Linuxは動作が軽いため、ネットワーク機器の内部OSやサーバー(Webシステムのデータ管理用パソコン)のOSに多く採用されています。
ネットワーク構築や運用のときに操作する必要性が高いOSのため、ネットワークエンジニアとしての基礎知識をアピールできます。
CCNAは、最大手のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が認定する資格です。運用や保守の仕事ではネットワーク機器を扱うことが多いため、CCNAを取得すればネットワーク機器に関する専門知識をアピールできます。
データベースエンジニアなら「ORACLE MASTER」
「データベースエンジニア」は、大量のデータを管理するために必要な「データベース」の設計や構築、運用・保守を行う仕事です。データベースの取り扱いには、「データベース管理システム」というシステムが使われます。
データベース管理システムの中でも特に、企業でよく使われるのが「Oracle Database」。その知識を証明できる「ORACLE MASTER」という資格が、データベースエンジニアにはおすすめです。
試験区分は4種類で、難易度の低い順にブロンズ・シルバー・ゴールド・プラチナとなっています。「SQL」の知識量を証明できるシルバー以上の資格取得を目指すと良いでしょう。
AI(人工知能)エンジニアなら「G検定」「E資格」
「AI(人工知能)エンジニア」は、人間の知能を人工的に再現する「AI」を開発する仕事です。さまざまなAIの開発分野の中で、「ディープラーニング(深層学習)」が特に注目されています。
AIエンジニアには、ディープラーニングの知識やスキルを証明できる「G検定」「E資格」がおすすめです。G検定はAI全般の幅広い知識を、E資格はAI開発のスキルをアピールできます。
AIエンジニアやディープラーニングについて詳しくは、次の記事を参考にしてください。
プログラマーのスキルを証明するには?
ソースコードを書いてプログラムを作成する「プログラマー」は、開発分野や案件によって異なるプログラミング言語を使います。プログラマーは、自分が用いる言語に合った資格の取得を目指しましょう。
代表的なプログラミング言語の知識やスキルを証明できる資格は、下記のとおりです。
言語名 | おすすめ資格 |
Java | Oracle認定Javaプログラマ |
PHP | PHP技術者認定試験 |
Ruby | Ruby技術者認定試験 |
C言語 | C言語プログラミング能力認定試験 |
VBA | VBAエキスパート |
JavaScript | CIW JavaScript スペシャリスト |
Python | Python3エンジニア認定基礎試験 |
プログラミング言語別の資格について、もっと詳しく知りたい方には、こちらの記事をおすすめします。
フリーランスは資格よりもスキルアップを優先すべき?
資格を取得することで、スキルの証明にはなります。ただし注意しておきたいのが、フリーランスはスキルアップも大切という点です。その理由は、おもに3つあります。
- 資格がなくても仕事獲得は可能
- 取得に多くの時間やコストがかかる
- 資格取得=仕事成功ではない
それぞれ詳しく解説していきます。
理由1:資格がなくても仕事獲得は可能
フリーランスは、受注する仕事を自由に選べます。資格を必須条件としない案件も多いため、資格なしでもフリーランスでの仕事獲得は可能です。
むしろフリーランスでは、資格よりも実績が重視される傾向があります。そのため資格の取得よりも、フリーランスで実績を積めるようスキルアップを優先した方が効率的なのです。
フリーランスでの仕事獲得方法については、こちらの記事をお読みください。
理由2:IT系の資格取得には多くの時間やコストがかかる
企業にアピールできるレベルのIT系資格には、高い専門性が求められます。取得するためには多くのことを覚える必要があり、長期にわたって継続的に学習し続けなければなりません。
また受験料に加えて、書籍などの学習教材を購入するためのコストも必要となります。IT系の資格取得にかかる多くの時間やコストを考えると、費用対効果は決して高いものではありません。
仕事の時間を減らしてまで資格の学習に費やすのであれば、実践学習や実績を積むことに専念した方が成長できます。
理由3:資格取得=仕事成功ではない
資格を取得したからといって、フリーランスの仕事成功が約束されるわけではありません。同じ資格を持つライバルが多い場合もありますし、自分よりも実績豊富なエンジニアが採用されることもあります。
仕事を獲得できたとしても、実務経験がないと思うように仕事が進まない場合もあるのです。また、資格の存在によって自分のスキル以上の成果を期待されてしまい、プレッシャーになることも。
このように、資格の取得だけでフリーランスの仕事が成功するとは限りません。フリーランスとして成功するためには、営業力やコミュニケーション能力など、多くのスキルを磨く必要があります。
フリーランスで資格取得すべきなのはどんなケース?
フリーランスに資格は必須ではないものの、当然ながら資格を取得しているに越したことはありません。また、下記のように資格取得すべきケースもあります。
- 資格が必須(推奨)の案件を受注したい
- 常駐案件を受注したい
- すでにスキルや実績がある
各ケースについて、順番に解説していきます。
ケース1:資格が必須(推奨)の案件を受注したい
なかには、資格を必須・推奨としている案件もあります。もし自分の受注したい案件がこのような条件を提示しているのであれば、当然ながら資格を取得すべきです。
資格が必須の案件では、資格がなければその土俵にすら立てません。また資格が推奨の案件であれば、企業へアピールしやすいでしょう。案件によって効果は変わりますが、受注率アップが期待できます。
ケース2:常駐案件を受注したい
フリーランスでは在宅ワークの案件だけでなく、企業に常駐する案件も少なくありません。常駐案件を受注する場合は、資格取得を目指すのも1つの手段です。
業務システム開発や組み込みシステム開発などの分野では特に、常駐案件が多数あります。このような常駐案件は顧客との距離が近いぶん、資格取得のために得た知識量をアピールしやすいといえます。
また、常駐案件ではネットワーク機器などを扱うことも多く、専門知識が必要です。ベンダー(IT製品の提供企業)が認定する資格(前述のCCNAなど)を取得しておけば、こうしたシーンで役に立ちます。
なお、常駐案件がメインのフリーランスエンジニアには、さまざまなメリットがあります。詳しくは、次の記事をご覧ください。
ケース3:すでにスキルや実績がある
すでにある程度のスキルや実績がある方は、資格取得を目指すのが効果的です。初心者と比べて資格取得にかかる学習コストが大幅に削減できるぶん、相対的に費用対効果は高くなります。
フリーランスとしての実績がない初めのうちは、会社員としての経験を持つ方でも案件の獲得は容易ではありません。その点、資格は企業への分かりやすいアピールポイントとなるため、受注率アップが期待できます。
フリーランスエンジニアに必要なスキルやスキルアップの方法については、こちらの記事を参考にしてください。
フリーランスエンジニアの資格取得を目指すときの3ポイント
資格取得を目指すフリーランスエンジニアの方は、下記の3ポイントを押さえておきましょう。
- しっかり計画を立てる
- 最終目的を見失わない
- 実践経験も積んでおく
それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
ポイント1:しっかり計画を立てる
受験日までの学習計画をしっかり立ててから、申し込み・学習開始しましょう。IT系資格のほとんどは、年数回の限られたタイミングでしか受験できません。
計画を立てずに申し込んで学習を始めると、対策が不十分なまま受験することになりがちです。このような事態を防ぐために、何をいつ学ぶか明確にしておきましょう。
ポイント2:最終目的を見失わない
資格取得は、受注率をアップさせるための一手段にすぎません。自分がやりたいこと・なりたいエンジニア像が、最終目的として存在するはずです。
資格を取得した先にある、最終目的を見失わないように気を付けましょう。資格の取得自体が目的になってしまうと、取得した後にモチベーション維持が難しくなります。
ポイント3:実践経験も積んでおく
資格取得を目指して勉強に専念すると、座学ばかりになりがちです。しかし、資格を取得できても実践的なスキルがないとフリーランスの仕事を成功させるのは難しいといえます。
実践的なスキルの習得には時間がかかります。資格取得に向けた学習と並行して、実践学習もしておきましょう。ある程度スキルがついたら、クラウドソーシングサイトで簡単な案件を経験してみるのもおすすめです。
クラウドソーシングサイトの利用を考えている方は、次の記事をぜひお読みください。
資格なしでフリーランスエンジニアになる最短ルートとは?
フリーランスエンジニアは、常に自分で案件を獲得していかなければなりません。プログラミングスキルはもちろん営業力も要求されるので、未経験の方にとってはハードルがかなり高いのです。
最短ルートでフリーランスエンジニアになりたい方には、プログラミングスクールをおすすめします。プロの指導により効率的にスキル習得できる上に、仕事獲得のサポートもしてくれます。
弊社「SAMURAI ENGINEER」は、完全オンラインでマンツーマン指導が受けられるスクールです。実践学習が充実しており、あなただけのオリジナルプログラムを開発できます。
成果物はポートフォリオ(プログラム作品集)として活用でき、フリーランスの仕事獲得にとても役立ちます。未経験から資格なしでフリーランスエンジニアを目指す方はぜひ、オンラインの無料カウンセリングをお試しください。
まとめ
今回はフリーランスを志す方向けに、資格に関して下記の4点をご紹介しました。
- フリーランスは資格<スキルアップである理由
- フリーランスで資格取得すべきケース
- フリーランスエンジニアにおすすめの資格
- 資格取得を目指すときの3ポイント
先ほども解説したとおり、まずはスキルアップして実績を積むことがフリーランスにとって大切です。とはいえ、資格が必要なケースもあります。今回の内容を参考にして、資格を有効活用しましょう。
「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」「LPIC」「CCNA」「Oracle Master」「G検定」「E資格」となります。
基本的にはスキルアップを優先しましょう。フリーランスに資格は必須ではなく、また取得には多くの時間やコストがかかります。ただし、資格必須の案件や企業に常駐する案件を受注したい場合、資格取得を目指すのも有効です。