この記事では、できることやサービス例も交え、人工知能(AI)の特徴を解説します。
人工知能って何だろう?
人工知能とAIは何が違うの?
人工知能にはなぜ注目が集まっているの?
人工知能(AI)が社会全体に広まる今日、企業の競争力にAIの導入と活用が大きく影響を与えます。例えば、製造業から医療、マーケティングまで、AIによる業務効率化や高度なデータ解析は、私たちの生活を大きく変える背景の1つです。そのため、AI技術が進化するにつれ、業績向上とイノベーション実現のため企業の対応が求められます。
しかし、AIの導入や活用には多くの課題とリスクも存在します。導入コストやデータ依存性、セキュリティ問題など、注意すべきポイントが多いのも事実です。
そこで、この記事ではそもそも人工知能とは何なのか、その意味を種類やできることも交えわかりやすく解説します。人工知能の発展で世界がどう変わるのかも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- AIとは人間の知能をコンピュータで実現する技術のこと
- AIは常に進歩し日々できることが増えている
- AIを活用すると画像認識やテキストの自動生成などが可能
人工知能(AI)とは何か?
まずは、人工知能(AI)に関する3つの基礎知識を順番に解説していきます。
人工知能(AI)の定義
人間は日々、外界から受け取った多くの情報を脳内で処理し、判断や推測を行っています。このような人間の知能をコンピュータによって再現する技術が、人工知能(AI:Artificial Intelligence)と呼ばれるものです。
ただし現時点では、人工知能について厳密な定義が存在するわけではありません。
というのも、研究者や研究機関によって解釈や認識に多少のずれがあり、定義が統一されていないからです。
人工知能と言えば「ドラえもん」のように、何でも自ら考えられるロボットをイメージする方も多いですよね。これは「汎用型AI」と呼ばれるものですが、実際のところは世界で実用化された例がまだありません。
よって、一般的に「人工知能」と言う場合のほとんどは、顔認証といった特定処理のみを行える「特化型AI」を指します。
人工知能(AI)が動く仕組み
人工知能はコンピュータ技術なので、基本的にプログラム(コンピュータへの命令)によって動いています。人工知能に組み込まれたプログラムが大量のデータを処理し、あたかも人間が判断や推測を行っているかのように動くのです。
人工知能には画像認識やチャットボットといった多くの種類があり、データを人工知能に与える手段もさまざまです。
たとえば「自動運転車」の場合、車両に搭載されたセンサーで前方車などの情報を取得し、データに変換して人工知能に処理させています。
人工知能の仕組みついて、以下の記事で簡単な人工知能を作る方法を紹介していますので、読んでみると良いでしょう。
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人工知能(AI)の歴史
人工知能(AI)が広く認知され始めたきっかけは、1956年に開催された「ダートマス会議」です。ダートマス大学教授のジョン・マッカーシー氏が「人工知能」という言葉を使ったことで、科学者間に人工知能が広まりました。
ここでは、4回のブームを迎えた人工知能の歴史を紹介します。
- 【第1次ブーム】ルールベースのシンプルな人工知能(AI)
- 【第2次ブーム】エキスパートシステムの登場
- 【第3次ブーム】機械学習と深層学習(ディープラーニング)
- 【第4次ブーム】ChatGPTの登場:強化学習と生成モデル
それぞれ詳しく見ていきましょう。
【第1次ブーム】ルールベースのシンプルな人工知能(AI)
人工知能の興隆が始まった1960年代は、シンプルなルールベースのAIが登場し注目を集めた時代です。この時代のAIはチェスや数独などのパズル問題に強く、決まった条件やルールの範囲内では一定の能力を発揮しました。
しかし、人工知能の第1次ブームは長続きしません。その理由として、シンプルなルールベースのAIは、現実世界の複雑な問題解決に適用できない弱点があったからです。
そのため、AIが単純なゲームやテストケースでは成功するものの、より複雑な課題に対応できないことに失望し、やがて当時の人々は興味を失いました。
【第2次ブーム】エキスパートシステムの登場
1980年代に突如として登場した「エキスパートシステム」は、人工知能の歴史に新しい1ページを切り開きました。エキスパートシステムは、一定の専門知識をコンピュータに与えることで、より高度な課題解決を目指したハイレベルの技術です。
具体的には医療診断や株価予測などで使われ、専門家レベルの知識が求められる場面で効果が証明されました。
しかし、第1次ブームと同様、第2次ブームも長くはつづきませんでした。主な原因は、データ収集と処理に非常に多くのリソースが必要だったためです。専門家の知識をシステムに組み込むプロセスには煩雑な手間がかかり、作業工程に伴うコストも高騰しました。
結果として、このようなコストの課題がクリアできず、ブームは徐々に沈静化に向かいます。
【第3次ブーム】機械学習と深層学習(ディープラーニング)
2000年代になってから人工知能の中でも特に機械学習とその一分野である深層学習(ディープラーニング)の勢いが増しています。とりわけ深層学習の技術が飛躍的に進化したことで、人工知能は新たな局面へと突入しました。
具体的には、自動車の自動運転技術が大幅に進展しています。テスラの「オートパイロット」やGoogle系の自動運転タクシー「Waymo」などが代表例です。
また、画像認識技術では、医療分野でのX線画像解析や、スマートフォンでの顔認証機能が実用化されています。自然言語処理も進化し、Googleの検索エンジンや多言語翻訳サービスでの精度が向上しているのもディープラーニング技術の成果です。
現代生活に直接的な影響を与えた第3次ブームは広範な産業に波及しています。各領域で具体的な成果を生み出し、私たちの生活をより便利に変化させました。
このように、機械学習と深層学習の進化により、かつてSFでしか考えられなかったような世界が現実のものとなっています。
【第4次ブーム】ChatGPTの登場:強化学習と生成モデル
近年、ChatGPTやそのほかの生成モデルの登場を含め強化学習の進化が注目されています。こうした技術の進歩がもたらす第4次のAIブームは、人工知能がこれまで以上に多様な問題に対応可能な時代に入った事実を伝えていると言えます。
ChatGPTなどの生成モデルは、顧客対応からデジタルコンテンツ制作、プログラミングのコード生成まで多くの業界・領域で業務の効率化を実現してきました。特に、この種のAIは自然言語の理解と生成能力が高く、人間とほとんど同じレベルで会話が可能なケースも増えている点が特徴です。
一方、強化学習の分野では人間のプロ囲碁棋士を上回る成績を見せた2016年登場の「AlphaGo(アルファ碁)」や、エネルギー最適化、製造業での品質改善など、多岐にわたる領域で応用が広がっています。
このような進歩を通して、人工知能は単なる「支援ツール」ではなく、戦略的な意思決定やクリエイティブな作業にも役立つ可能性を秘めた存在へと進化しました。ChatGPTが世界中で一気に普及した現象でも明らかなとおり、特にこの第4次ブームがもたらす可能性は計り知れず、今後の発展を大いに期待されています。
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人工知能(AI)の主な種類
ここからは、人工知能(AI)の主な種類を、2つにまとめて紹介します。
汎用型AIと特化型AI
1つ目の分類は「汎用型AIと特化型AI」です。それぞれの違いは、以下のとおりです。
まず汎用型AIは理論上、人間のように多様なタスクを一手にこなすことができます。例えば、将来的には会話能力だけではなく、数学の問題解決や料理のレシピ作り、家庭の電化製品を制御するなど、多角的な能力を持つことが期待されています。
しかし、技術的な制約や計算能力・データの不足などにより、現時点では汎用型AIの実用化はされていません。計算リソースが非常に高く、開発にも多大な時間と労力が必要です。
一方で、特化型AIは特定のタスクに特化して機能するAIです。特化型AIの代表的な活用例は、画像・音声認識、自動運転システム、天気予測システムなどがあります。
例えば、特化型AIを活用した顔認証システムはスマートフォンやセキュリティゲートでよく活用されています。ほかにも天気予報などで使われており、大量の気象データを解析して、より正確な予報を行っています。
以上のように、汎用型AIと特化型AIはどのようなタスクをこなせるかに焦点を当てた分類です。
弱いAIと強いAI
2つ目の分類は「強いAIと弱いAI」です。それぞれの違いは、以下のとおりです。
まず、強いAIは人間のように感情や自己意識、学習能力を持つ理想的なAIです。SF小説や近未来映画などに多数登場し、人間型の「ロボット」にイメージが一番近い存在と言えます。
例えば映画『アイ,ロボット』や『ブレードランナー』シリーズに出てくるような、人間とほとんど区別がつかないロボットが「強いAI」に該当します。ただし、現実世界において、人型ロボットはまだ遠い未来の話です。
一方で、弱いAIは特定の作業や問題解決に優れた働きを発揮します。しかし、設定された機能以外の能力はない点に注意が必要です。
例えば検索エンジン「Google」では瞬時に世界中の無数のWebページから関連する情報を見つけ出しますが、卵一つ割ることはできません。また、SiriやAmazon Alexaなどの音声アシスタントも、質問回答や簡単なタスクをこなすものの、人間のような思考や感情は持っていません。
このように「弱いAIと強いAI」は、AIが人間のように思考や学習、理解をできるかどうか、つまり「どれだけ人間に近いか」を基準にしています。
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人工知能(AI)と関連の深い技術用語
人工知能(AI)の世界は数多くの専門用語であふれています。特に重要な用語を、以下の表にまとめました。
技術用語 | 解説 |
機械学習 | AIが過去のデータから学び、未来の予測や判断を下す仕組み |
深層学習(ディープラーニング) | 機械学習をさらに高度にした、人間の脳に近い計算モデル |
ニューラルネットワーク | 深層学習を実現するための「脳の模倣」 |
自然言語処理(NLP) | コンピュータが人間の言語を理解する技術 |
リインフォースメントラーニング(強化学習) | 報酬を基にAIが最適な行動を学ぶ手法 |
対話型AIと生成AI | 人間との対話が可能なAIと、新しい内容を生成するAI |
音声認識 | 音声データからテキストや命令に変換する技術 |
中でも、人工知能(AI)に関連が高い「機械学習」と「深層学習」の詳細を押さえておくことがおすすめです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
機械学習
機械学習は、AIが過去のデータに基づいて自動で「学び」、蓄積したデータを未来の判断や予測に活かす技術です。特にビジネス領域での応用が広がっており、おすすめ商品の提案から在庫管理まで多岐にわたります。
ここで重要なのが、人間が設定する「特徴量(feature)」です。特徴量とは、大量のデータの中から特に注目するべきポイントや要素を選び出すための変数を指します。例えば、おすすめ商品を紹介するシステムであれば、ユーザーの「購入回数」や「商品ページへのアクセス数」などのデータが特徴量になります。
特徴量の選び方により、機械学習の精度が大きく変わります。言い換えれば、特徴量をうまく選ぶことで、より正確な未来の予測や判断ができるようになるわけです。この特徴量を設定する作業を「特徴量エンジニアリング(特徴量設計)」と呼びますが、うまくいくかいかないかで、予測の正確性が大いに左右されます。
機械学習については下記で詳しく紹介しているため、ご一読ください。
深層学習(ディープラーニング)
深層学習(ディープラーニング)は、機械学習をさらに進化させた技術です。人間の脳に似た「ニューラルネットワーク」を使って計算を行います。
深層学習では、特徴量を自動で抽出する能力があるため、機械学習よりも高い精度と効率性を持っています。現在のAIブームの火付け役とも言える存在です。例えば、AIによる観光地のおすすめサービスやAI搭載のマッチングアプリなど、多くの先進的なAIシステムが深層学習によって運用されています。
深層学習(ディープラーニング)については下記で詳しくまとめているので、ご一読ください。
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人工知能(AI)でできること
人工知能を使ってできることはさまざまですが、以下の6つが代表的です。
活用事例とともに、ひとつずつ紹介します。
物体認識
物体認識とは、周囲に存在する物体を人工知能によって認識する技術です。
物体認識を活用した最も分かりやすい事例と言えば、iRobot社が提供しているロボット掃除機の「Roomba(ルンバ)」でしょう。Roombaには、光学センサーから受け取ったデータをもとに家具の位置や間取りを把握する人工知能が搭載されています。
家具に接触することなく効率的に掃除するRoombaは、人の労力を削減し、掃除の常識を大きく変えました。
画像認識
画像認識とは、人工知能によって画像データから特定のパターンを検出し、認識する技術です。
画像認識を活用した有名な事例としては、Panasonic社が提供している「顔認証ゲート」が挙げられます。顔認証ゲートは日本各地の空港で導入されており、カメラで撮影した顔画像とICパスポート内に記録された顔画像データを照合して顔認証を行います。
顔認証ゲートによって、出入国審査で生じる審査官の負担が大幅に削減されただけでなく、スムーズな出入国審査が可能となりました。
音声認識
音声認識は、人工知能によって音声データから声の特徴や言葉の内容を認識する技術です。
「Hey Siri」でおなじみの、Apple社製品に搭載された「Siri」にも音声認識の技術が使われています。音声データの波形を手掛かりに発せられた言葉を特定し、テキストデータに変換することで指令内容を判断する、というのがSiriの仕組みです。
Siriによって手を使った細かいスマートフォン操作が減るので、便利さを実感しているiPhoneユーザーも多いですよね。
チャットボット
チャットボットとは、人間の質問や依頼に対して人工知能が受け答えして、コミュニケーションを取る技術です。
チャットボットの代表的なものとしては、「ローソンクルーあきこちゃん」が挙げられます。ローソンクルーあきこちゃんには深層学習が用いられており、ユーザーからの多種多様な問いかけに対する自然な回答パターンを人工知能が蓄積しています。
LINEで気軽に会話や情報収集できる魅力があり、今や1日あたり約10万人ものユーザーが利用する人気チャットボットとなりました。
医療における症状・病名診断
医療分野におけるAIの活用は急速に進んでおり、その一例が「富士フイルム株式会社」が提供する「COVID-19肺炎の画像診断支援プログラム」です。
放射線科医の画像診断をサポートするためにプログラムが設計されています。
具体的には、X線やCT画像を分析し、COVID-19肺炎の兆候を検出可能です。そのため、時間とリソースが限られている中で、医療現場のスタッフが迅速かつ正確に診断を下すのに役立ちます。
医療AIは、医師や医療従事者と連携しながら、診断の精度と効率を向上させる役割を果たしています。そのおかげで多くの患者の診療を行えるため、患者はより早く適切な治療を受けられます。
マーケティング戦略の最適化
AIマーケティングも、データ分析と機械学習を利用してマーケティング戦略を最適化する革新的な技術です。
具体例としては「SENSY(センシー)」によるパーソナライズDMが挙げられます。紳士服の「はるやま商事」が利用しており、消費者の購買履歴や嗜好に基づいてパーソナライズされたダイレクトメールを送信できます。このように、AIマーケティングは顧客教育の効果を向上し、効果的なカスタマーエンゲージメント(企業と顧客との関係性)を促進します。
このほか、現在のマーケティング分野で普及しているマーケティングオートメーション(MA)も、マーケティング活動を自動化し、販促効率を向上させる重要なツールの一つです。特にMAのシナリオ設計では、特定のターゲットに対して最適化されたDM(ダイレクトメール)を送信するタイミングや方法を立案し、結果的にROI(投資対効果)の向上を図ります。
以上紹介してきた6つのAI技術は、マーケティングの新しい潮流を形成し、企業が競争力を維持するために欠かせないアイテムの代表例と言えます。
人工知能(AI)ができること・できないことをより詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。
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人工知能(AI)の需要と将来性とは?
続いては、人工知能の需要と将来性について、データをもとに解説していきます。
人工知能の需要
求人検索エンジンの求人ボックスで「人工知能」と検索すると、2022年7月現在およそ10,000件もの求人がヒットします。その大半は、人工知能を開発するエンジニアを募集している求人です。
つまりそれだけ、人工知能を取り入れたいと考える企業が増加しているといえます。多くの大企業が導入していることで人工知能は注目を集め、今後さらに需要は高まるでしょう。
求人の例を2つご紹介します。
上記は、医療を技術革新するための人工知能を研究開発するエンジニアを募集している求人です。機械学習や自然言語処理という分野の専門的なスキルが求められ、600~1,000万円という高額な年収が提示されています。
こちらは将棋ゲームなどに人工知能を活用するためのエンジニアを募集している求人です。年収には幅がありますが、キャリアアップすれば1,200万円という超高収入も狙えます。
人工知能の将来性
市場調査会社大手のITR社が実施した調査によると、人工知能の主要8市場における2019年時点の売り上げ合計は約384億円。
人工知能の市場規模は2018年から右肩上がりで拡大しており、今後も成長が予測されています。人工知能を活用して業績アップを図る企業は増えており、今後も成長が期待できる将来性の高い分野といえるでしょう。
具体的な人工知能の活用事例は、次章でご紹介します。
【産業別】AIの応用状況
下記のとおり、AI技術は多様な産業で活用されています。
例えば、マーケティングでは消費者の購買履歴やオンライン行動を分析することで、パーソナライズされた広告やおすすめ商品の提案を行っています。
具体的には、Amazonの購買履歴や閲覧データをもとに、AIが個々のユーザーに適した商品をおすすめする機能が一例です。また、Netflixは視聴履歴から次に観るべきコンテンツをAIでおすすめ提案することでWebサービスの使用時間(ユーザーエンゲージメント)を高めています。
人工知能(AI)を活用するメリット・デメリット
人工知能(AI)は、医療から自動運転車、マーケティングに至るまでさまざまな分野で高い期待を集めています。一方で、人工知能の普及に当たってはいくつか課題やリスクが伴います。
そこで、ここからは人工知能(AI)を活用するメリット・デメリットをそれぞれ解説します。
人工知能(AI)を活用するメリット
AIを活用するメリットは次の3つ挙げられます。
- 効率化とコスト削減
- 高度なデータ解析
- 業務の自動化と24/265運用
AIを活用すると、人の手が不要な作業が自動化され作業効率が大幅に向上します。例えば、Amazonの倉庫ではAI搭載ロボットが商品のピッキングやソーティング作業を行い、人手を大幅に削減しています。
ほかにも大量のデータを高速に解析できるため、ビッグデータを活用した新規事業を生み出す可能性を持っています。さらに、AIが業務を自動化することで、人がいなくても24時間365日の運用が可能となります。
オンラインカスタマーサービスでのAIチャットボットの導入はその一例です。AIが業務で広く応用されていくと、人的なリソースを他の重要な業務に振り向けられるため現場の効率化が加速します。
人工知能(AI)を活用するデメリット
AIを活用するデメリットは次表の6つが挙げられます。
特に、初期コストの高さは大きなデメリットと言えます。
AIを導入する際には、専門的知識やスキルと高額な初期投資が必要です。例えば、医療診断AIの導入には、システム開発費用だけではなく医師の研修費用などもかかるため、初期費用が高くなりがちです。
この他、情報漏洩などセキュリティ問題にも注意しなければなりません。
AIシステムがハッキングされた場合、大量の機密データが漏洩するリスクを伴います。一例として、2017年3月にAIを活用したアメリカの信用情報機関大手「Equifax」がサイバー攻撃を受け、約¹億4000万人の個人情報が漏洩したケースが知られています。
以上が、AIを活用する際のメリットとデメリットや注意すべきリスクです。AIの導入を検討する際には、利便性とリスク管理について総合的な評価を行うことが重要と言えます。
以下の記事では人工知能のメリット・デメリットについて解説していますので、併せて参考にしてください。
人工知能(AI)の発展によって世界はどう変わる?
前述のとおり人工知能はとても将来性が高い分野で、今後も発展が期待されます。その一方で、人間の仕事への影響も少なくありません。
続いて、人工知能の発展が世界に与える影響について解説します。
労働人口の49%が人工知能(AI)に仕事を奪われるかも…
人工知能が広まって便利な世の中になれば、当然ながら人の手で行う必要がなくなる仕事も。
シンクタンク大手の野村総合研究所と英オックスフォード大学の共同研究によると、近い将来約49%の仕事が人工知能で代替可能になると予測されています。
国内601種類の職業*2について、それぞれ人工知能やロボット等で代替される確率を試算しました。
引用元:野村総合研究所
この結果、10~20年後に、日本の労働人口の約49%が就いている職業において、それらに代替することが可能との推計結果が得られています。
つまり、日本にいる約半数のビジネスパーソンが、人工知能に仕事を奪われるかもしれないということです。
人工知能(AI)に奪われにくい仕事の特徴とは?
まずは、人工知能に奪われやすい仕事の例をざっと挙げてみましょう。
【代替可能性の高い職種】
引用元:All About 『AI(人工知能)に奪われる仕事、危険な職種は…?』
一般・経理事務員、受付係、クリーニング取次店員、建設作業員、自動車組立工、自動車塗装工、スーパー店員、タクシー運転者、宅配便配達員、電車運転士、路線バス運転者、通関士
一方、以下のような仕事は人工知能に奪われにくいといえます。
【代替可能性が低い職種】
引用元:All About 『AI(人工知能)に奪われる仕事、危険な職種は…?』
アートディレクター、インテリアコーディネーター、フラワーデザイナー、メイクアップアーティスト、映画監督、クラシック演奏家、ゲームクリエーター、テレビタレント、はり師・きゅう師、美容師、保育士、マンガ家、ミュージシャン、経営コンサルタント、産業カウンセラー、中小企業診断士
人工知能に奪われにくい仕事の特徴としては、以下の2点が挙げられます。
- 芸術性・創作性が求められる
- 人とのつながりが欠かせない
逆を言えば、「ルールにしたがってキッチリやる」「人とのつながりがそれほど重視されない」といった仕事は、人工知能に奪われやすいといえるでしょう。
仕事を奪われたくないなら「プログラマー」がおすすめ
人工知能に仕事を奪われにくい仕事として、「プログラマー」をおすすめします。
なぜなら、プログラマーは人工知能を作る唯一の職業であるためです。人工知能を作れるプログラマーになってしまえば、人工知能が発展しても仕事を奪われるどころか、仕事は増えるでしょう。
プログラマーはそもそも人工知能を発展させていく存在でもあり、これからの時代をリードしていきたい方にぴったりの仕事です。
挫折なく人工知能(AI)の開発スキルを習得するなら
ここまで解説してきたように、人工知能を開発するプログラマーになるには、Pythonといったプログラミング言語やデータ分析のスキル習得が不可欠です。
ただ実のところ、Pythonといったプログラミング言語の学習途中で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では
- 不明点を聞ける環境になかった
- エラーが解決できなかった
- モチベーションが続かなかった
などの理由から、87.5%が「プログラミング学習で挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。
また、こうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では
- 確実にスキルを身につけられると思ったから
- 独学では不安がある
- 効率よく学べそう
などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。
加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました。
上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。
いざ独学でプログラミングを学び始めても、勉強の最中に挫折しまっては学習にかけた時間を悔やむだけでなく「Pythonを身につけるのって思っていたよりも難しいんだな…」とAI開発スキルの習得自体を諦めかねません。
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今回は、人工知能に関する以下5点について解説しました。
- 人工知能の基礎知識
- 機械学習や深層学習との違い
- 需要と将来性
- できることや活用事例
- 今後の展望
人工知能はこれからも発展していくことが予想され、人工知能を開発するAIエンジニアの需要もさらに高まっていくでしょう。
新規性が高い分野で高収入も期待できるので、人工知能の開発に興味がある方はAIエンジニアを目指してみるのがおすすめです。
「侍エンジニアブログ」では人工知能に限らずゲーム開発やWeb開発など、様々な分野のエンジニアを目指す方に役立つ記事を沢山お届けしています。ほかにも気になる記事があれば、読んでみることをおすすめします。
人工知能とは、人間の知能をコンピュータによって再現する技術のことです。現在実用化されている人工知能は、お掃除ロボットのように特定タスクのみに特化した「特化型AI」です。一方、「ドラえもん」のような何でも自分で考えられる「汎用型AI」は、まだ実用化されていません。
人工知能を実現する方法の1つが機械学習、その機械学習を実現する方法の1つが深層学習です。機械学習と深層学習は、ともに現在の人工知能ブームの中心的存在となっています。
チャットボットとは、人間の質問や依頼に対して人工知能が受け答えして、コミュニケーションを取る技術のこと。「ローソンクルーあきこちゃん」などが有名です。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。