【Python入門】標準ライブラリとは?知っておくと便利な関数5選

こんにちは、ライターのアキヒロです。

「標準ライブラリってよく聞くけど、何なんだろう」
「標準ライブラリには、どんな種類があるのかな」

そんなことを考えたことはありませんか?

この記事では、Pythonの標準ライブラリについて解説します。

【基礎】そもそも標準ライブラリとは何か?
【実践】便利な標準ライブラリの解説

といった基礎から実践的に役立つ内容までを解説します。

※ この記事のコードはPython 3.7, Ubuntu 18.04で動作確認しました。

本記事を読む前に、Pythonがどんなプログラミング言語なのかをおさらいしておきたい人は次の記事を参考にしてください。

→ Pythonとは?特徴やできること、活用例をわかりやすく簡単に解説

なお、その他のPythonの記事についてはこちらにまとめています。

目次

標準ライブラリとは?

Pythonではprint()やlen()などのように、何もしなくても使える組み込み関数の他に、標準ライブラリと呼ばれるモジュール群も付属しています。

モジュールとは一連の関連した関数を埋め込んだPythonプログラムのことです。

つまり標準ライブラリを使うということは、既存のPythonプログラムに埋め込まれている便利な関数を使うということなんですね!

標準ライブラリの使い方

各モジュールの関数を呼び出すには、まずインポートを行う必要があります。

import モジュール名

複数のモジュールをインポートするときは、カンマで区切ってインポートもできますが、別々にインポートすることが推奨されています(PEP8というコーディング規約があります)。

import モジュール名1
import モジュール名2

fromを使えばモジュールの中にあるオブジェクトをインポートすることもできます。

from モジュール名 import オブジェクト名

便利な標準ライブラリ

では早速、使えると便利な標準ライブラリを紹介します!

randomモジュール

randomモジュールには乱数の生成に関する関数が含まれています。

import random
print(random.randint(0, 10))

[実行結果]

2

1行目では先ほど紹介したモジュールのインポートを行っています。
2行目ではrandomモジュールのrandint関数を使って疑似乱数を生成しています。

この例では0<= N <=10で乱数を生成しています。

当然、実行するごとに結果が変わります。

また、randrange()を使えばstepも決めてランダムな整数を取得できます。

print(random.randrange(0, 10, 2))

[実行結果]

8

引数はrandrange(start, stop, step)となっています。

そのため、このコードでは0<= N <=9の数字の中から2のステップ、つまり0,2,4,6,8の偶数のみ表示するようになっているはずです。

mathモジュール

mathモジュールは数学に関する関数が含まれています。

from math import pi, e, sqrt, log, pow, sin, cos, tan

print(pi)
print(e)
print(sqrt(4))       # 平方根
print(log(5))        # 自然対数
print(pow(2, 3))  # xのy乗
print(sin(0))
print(cos(0))
print(tan(0))

[実行結果]

3.141592653589793
2.718281828459045
2.0
1.6094379124341003
8.0
0.0
1.0
0.0

まず、一行目でmathモジュールにある各オブジェクトをインポートしています。

pi, eは定数です。piは円周率、eは自然対数の底を返します。

sqrt()は平方根、log()は自然対数を返します。

pow(x, y)はxのy乗を返します。この例では2の3乗、つまり2*2*2 = 8という結果が返されます。

さらにsin()、cos()、tan()もあります。これらは三角関数のサイン、コサイン、タンジェントを返します。

sysモジュール

sysモジュールにはシステムパラメータに関する関数が含まれています。

では、プログラムをsys.exit()を呼び出して終了させてみましょう!

import sys

print('おはよう')
print('こんにちは')
sys.exit()
print('こんばんは')

[実行結果]

おはよう
こんにちは

このコードは「おはよう」、「こんにちは」、「こんばんは」を順番に表示するプログラムです。しかし「こんにちは」と「こんばんは」の間にsys.exit()を記述しました。

これによってプログラムが呼び出した場所で終了し、「こんばんは」が表示されていないことがわかります。

この関数を使うことで好きな時に早期にプログラムを終了させることができます。

osモジュール

osモジュールにはファイル操作に関する関数が含まれています。

import os

print(os.getcwd())
os.mkdir('./test')
os.chdir('./test')
print(os.getcwd())

[実行結果]

/home/user/workspace
/home/user/workspace/test

1行目は今までと同様にモジュールのインポートをしています。

os.getcwd()はカレントディレクトリを返します。
os.mkdir()はディレクトリを作ります。
os.chdir()はディレクトリを移動します。

このコードではディレクトリを作って、移動しています。そのためもう一度os.getcwd()を呼び出した時には新たに作ったディレクトリがカレントディレクトリになっていることがわかります。

reモジュール

reモジュールには正規表現の操作に関する関数が含まれています。

import re

name = 'samurai'

print(re.match('sam', name))  # 先頭がマッチするか
print(re.match('sum', name))

print(re.search('rai', name))  # 'rai'という文字が含まれるか

print(re.findall('a', name))  # マッチした部分をリストで返す

print(re.sub('a', 'b', name))  # 'a'を'b'に置換する
print(re.split('a', name))     # 'a'でnameを分割する

[実行結果]

<_sre.SRE_Match object; span=(0, 3), match='sam'>
None
<_sre.SRE_Match object; span=(4, 7), match='rai'>
['a', 'a']
sbmurbi
['s', 'mur', 'i']

順番に見ていきましょう。1行目はインポートをしています。

re.match()は文字列の先頭がパターンにマッチするかどうかが返されます。このコードではnameという変数に’samurai’という文字列を入れています。

そのため最初のmatch()では先頭がsamなのでmatchオブジェクトが返されています。
次のmatch()では先頭が’sum’かどうかを判定していますが、’samurai’の先頭は’sum’ではないのでNoneという結果が返されています。

re.search()は先頭に限らず、文字列の全てからパターンにマッチするか調べます。

re.findall()はマッチした部分をリストで返します。
この例では’a’にマッチした部分が2つあったことがわかりますね。

re.sub()は置換する関数です。’a’を’b’に置換したため、’samurai’が’sbmurbi’になっています。

re.split()は分割する関数です。’a’を区切りとして文字列を分割すると、’s’、’mur’、’i’になるため、正しい結果であることがわかります。

あなたが学ぶべき言語はPythonで本当に大丈夫?

ここまでPythonの標準ライブラリについて解説してきましたが、この記事をご覧の方の中には、

このままでPythonを習得できるのだろうか..

と不安になっている人もいるのではないでしょうか?そんな方には、一度立ち止まって考えて欲しいことがあります。それは、そもそもあなたがPythonを学ぶ目的は何か?本当に学ぶべき言語はPythonで間違いないか?ということです。

Pythonを学ぶ目的や理由は明確ですか?

Pythonに限った話ではありませんが、プログラミング学習はエラーとの戦いが大半なので、学ぶ目的や理由が不明確だとモチベーションが下がってしまい、挫折してしまいやすいです。

なのでもしあなたが今、

  • なんとなくPythonが人気そうだから
  • Pythonは将来性がありそうだから

といったような、ぼんやりした理由でPythonを学んでいるとしたらそれは要注意。もっと言うと、そもそもあなたが学ぶべき最適な言語が他にあるという可能性も考えられます。

どのプログラミング言語を学ぶか?は、その先のエンジニア人生を左右すると言っても過言ではありません。もしあなたが現状の言語選定に少しでも不安があるなら、まずはプログラミング学習プラン診断をご活用ください。

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挫折なくPythonの習得を目指すなら

ここまでの解説を踏まえ、独学でPython言語を習得しようと考えている人のなかには、

独学で習得できるかな…
途中で挫折したらどうしよう…

と不安な人もいますよね。

実のところ、Pythonといったプログラミング言語の学習途中で挫折する独学者は多くいます。事実、弊社の調査では

  • 不明点を聞ける環境になかった
  • エラーが解決できなかった
  • モチベーションが続かなかった

などの理由から、87.5%が「プログラミング学習で挫折や行き詰まりを感じた」と回答しています。

87.5%の人がプログラミング学習時に挫折を経験
不明点やエラーが解決できずプログラミングを挫折した人が多数

調査概要:プログラミング学習の挫折に関するアンケート
調査対象:10代〜80代の男女298名
調査期間:2019年8月13日~8月20日
調査方法:インターネット調査
掲載元:PR TIMES

また、こうした背景もあってか、弊社がプログラミングに興味がある人100名へ実施した別の調査では

  • 確実にスキルを身につけられると思ったから
  • 独学では不安がある
  • 効率よく学べそう

などの理由から、61%が「プログラミングの勉強を始めるならスクールを選ぶ」と回答しています。

61%の人がプログラミングの勉強を始めるならスクールが良いと回答
確実にスキルを身につけられそうという理由でプログラミングスクールを選ぶ人が多い

調査概要:プログラミングに興味がある方の意識調査
調査期間:2021/11/19~2021/12/3
対象者:プログラミング学習を検討している10代~50代の男女100名
調査媒体:クラウドワークス
掲載元:PR TIMES

加えて、プログラミングスクールの卒業生に「独学ではなくスクールを活用した理由」を聞いたところ「できるだけ短い期間でITエンジニアへの転職や副業に必要なスキルを身につけたかった」という回答も多く寄せられました。

上記から、1人でプログラミングスキルを習得できるか不安な人や短期間でスキルを習得したい人ほど確実性を求め、現役エンジニアといったプロの講師に質問できるプログラミングスクールを利用する傾向にあるのがわかります。

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まとめ

今回はPythonの標準ライブラリの解説と、便利なモジュールを紹介しました。

標準ライブラリを上手に使えば、簡単に複雑な処理ができるようになります。

ぜひマスターして簡単に処理が書けるようになりましょう!

なお、今Pythonを学習している方は以下の記事もどうぞ。

はじめてPythonを使う方でもわかりやすいように、Pythonでできることやその学習法などを中心にまとめています。

復習にも使えると思いますので、ぜひ一度ご覧になってみてくださいね。

Python 入門完全攻略ガイド

この記事を書いた人

【プロフィール】
DX認定取得事業者に選定されている株式会社SAMURAIのマーケティング・コミュニケーション部が運営。「質の高いIT教育を、すべての人に」をミッションに、IT・プログラミングを学び始めた初学者の方に向け記事を執筆。
累計指導者数4万5,000名以上のプログラミングスクール「侍エンジニア」、累計登録者数1万8,000人以上のオンライン学習サービス「侍テラコヤ」で扱う教材開発のノウハウ、2013年の創業から運営で得た知見に基づき、記事の執筆だけでなく編集・監修も担当しています。
【専門分野】
IT/Web開発/AI・ロボット開発/インフラ開発/ゲーム開発/AI/Webデザイン

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