この記事では、AIにできず人間にしかできないことを解説します。
ここ数年で、AI技術は目覚ましい進歩を遂げています。AIと聞いて、「専門家が使うもの」「IT技術に関連する何かすごいもの」とイメージするなど、自分とは縁がないものとして捉える人も多いのではないでしょうか。
しかし、最近では「ChatGPT」の流行や、自動翻訳に画像生成など、AI技術は多くの人にとって身近な存在になっています。その精度の高さから、「将来的に、AIに仕事を奪われるのでは」などといった不安の声も珍しくありません。
そこで、今回はAIにできず人間にしかできないことを、わかりやすく解説します。人間にしかできないAIを活かした仕事も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
【大前提】AIは使いこなすもの
前提として、AIは人間が使いこなすことでその真価を発揮する技術です。
「人工知能」とも呼ばれるAIは、まるで人間のような働きや動作を示しますが、そもそも人間が命令しなければ作動することはありません。
AIはあくまで人間のサポートツールである
AIは非常に性能が高く、我々の生活を豊かにするために活用されますが、あくまでも人間のサポートツールにすぎません。
AIは「人工知能」とも呼ばれ、まるで人間のような動作や行動を高い精度で示します。飛躍的な発展によって、日常生活やビジネスシーンでも幅広く活用されていますが、その反面「人間の役割や仕事が奪われるのではないか」との不安の声も耳にします。
実際に、AIが対応可能な範囲は多岐に渡り、楽曲や画像、動画、プログラムのコード、文章などの生成が可能です。AIは学習を重ねるごとに精度の高いコンテンツを生成するため、関連する職種に就いている人が不安を覚えるのも無理はありません。
ですが、AIはあくまでも人間のサポートツールです。人間と同じレベルの知能を感じさせる行動こそ示しますが、人間からの命令がなければ作動はしません。
つまり、AIは人間の生活を豊かにし、業務効率や生産性向上のために使用される技術だと認識しておきましょう。
気持ちや思いを込めるのは人間にしかできない
AIには、感情や思いを込めたコンテンツの生成ができません。
AIができないことの一つに、「感情を込めたコンテンツの生成」があります。思いを込めた成果物の生成は、人間にしかできません。
AIの分野では、感情認識の研究が進められています。感情認識とは、人間の表情や声からその感情を予測する技術です。
感情認識の技術が発達することで、AI技術を搭載したマシン側が人間の感情を予測できるようになるでしょう。しかし、マシン自体が感情を持つことは現段階では不可能です。
そのため、今後もコンテンツを生み出す仕事のサポートにおいては、AI技術が活躍すると考えられますが、0から1を生み出す仕事が奪われることはないと予想されます。
なお、次の記事ではAIができること・できないことについて詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
AIができず人間にしかできない3つのこと
ここからは、AIができず人間にしかできないことを、3つにまとめて紹介します。
独創的な発想や表現
独創的な発想や表現の発表はAIが担えないもののひとつです。AIは膨大なデータからパターンを学習し、既存の情報に基づいて問題を解決しますが、創造性や独自性を持ったアイデアを生み出すことはできません。
独創的な発想や表現は、人間の感情や経験、文化など多様な要素に影響されます。しかし、AIはこれらの要素を持ち合わせていません。そのため、感性や直感に基づくコンテンツを0から生み出すことは、膨大なデータがあっても難しいのです。
また、AIにとって独創性は時に突飛で理解しにくいものであると言われています。AIは人間の能力を補完するツールとして活用される一方で、人間の持つ独創性や創造力には及ばないため、独創性のあるコンテンツの生成は人間の得意分野としてAIに代替されないでしょう。
人の気持ちを察する能力
AIは人の気持ちを察することができません。近年はAI分野において、表情や声から感情を予測する「感情分析」が進められています。
一見すると、AIが人の気持ちを理解できるように発達したかのように思えますが、実際には膨大なデータをもとに感情を予測しているだけで、人間のように些細な行動や言動から感情の機微を読み取ることはできません。
AIはデータやアルゴリズムに基づいて情報を処理するため、人間の感情や複雑な心理の完全な理解は困難と言われています。感情や意図を解釈する能力は、人間の持つ特別な能力の一つです。
今後も感情分析の技術は発達していくと予想されます。ただし、会話の文脈や個人の背景を考慮しながら、一人ずつ柔軟に対応する役割は引き続き人間が担うでしょう。
倫理に配慮した考え方
AIは人間の倫理観に基づいた考えを持ちません。
倫理とは、人間が行動や判断をする際に、善悪や正義、公平などの価値観に基づいて行動することを指します。しかし、AIはデータやアルゴリズムに基づいて処理を行うため、倫理的な判断や価値観は持たないのです。
AIはプログラマーが与えたデータをもとにルールを学ぶことは可能です。しかし、なぜそのルールが施行されるのか、ルールを破ったらダメな理由までは理解できません。そのため、倫理的な問題や価値観に関する考慮が必要な場面では、AIは人間の判断や指示に従うことになります。
つまり、AIを一般社会と身近な存在にするためには、倫理に配慮した設計や開発、運用が求められます。AIの活用には、倫理的な観点からも注意が必要であり、社会全体の利益や個々の人々の権利を尊重する意識が重要です。
人間にしかできないAIを活かした5つの仕事【厳選】
ここからは、人間にしかできないAIを活かした仕事を、厳選して5つ紹介します。
ITエンジニア
AI技術のサポートを受けられる職種のひとつが「ITエンジニア」です。ITエンジニアは、システムやアプリケーション、ITインフラを設計・構築・運用します。
AI技術の進化により、ITエンジニアは機械学習やデータ解析などの分野で新たな展開が可能になりました。また、AIを活用してシステムやアプリケーションの開発、自動化されたプロセスの設計や改善など、幅広い業務にAI技術を組み込めます。
AIを活かした新しいサービスや製品の開発を通じて、新たな価値の創造による顧客満足度の向上も目指せます。運用上のセキュリティ向上もAIに期待する技術のひとつです。
ITエンジニアは、AI技術を取り入れたイノベーションに挑戦し、さらなる社会への貢献が求められる職種のひとつです。
Webデザイナー
WebデザイナーもAIのサポートを受けやすい職種のひとつといわれます。Webデザイナーはその名のとおり、Webサイトのデザインを担う職業です。
Webデザイナーが業務でAIを活用することで、効率的かつクリエイティブなデザインを実現できるようになりました。AIによりデザインの自動生成、レイアウトの最適化、色彩の選定、アニメーションの作成などの簡略化に成功しています。
また、クオリティの向上や新たなアイデアの獲得にもAIは有効です。データ解析やユーザー行動の予測により、ユーザー体験の向上や効果的なコンテンツ戦略の立案もできます。
WebデザイナーがAIを活用することで、より魅力的で使いやすいウェブサイトやアプリケーションを提供できるでしょう。
Webライター
AIはWebライターの仕事にも役立ちます。Webライターは、企業が運営する自社メディアに掲載されるコラム記事やSEO記事などの制作が仕事です。
WebライターがAIを活用することで、自動文章生成や自然言語処理が可能になり、効率的なコンテンツ作成を実現できます。具体的には、大量のコンテンツを短時間で生成したり、Webサイトやブログの分析を行い、効果的なキーワードやコンテンツを立案したりすることに役立てられます。
一見すると、業務の大半をAIに奪われてしまいそうですが、AIの文章は人間の感性やクリエイティビティに満ちた文章には及びません。AIを活用しながらより人の心を動かすコンテンツ作りが、今後のWebライターの仕事となっていくでしょう。
Webマーケター
AIは、Webマーケターの仕事にも活用されています。Webマーケターは、WebサイトやWebサービスを活用し、商品やサービスが売れる仕組みを作る仕事です。
WebマーケターのAI活用方法は、効果的なマーケティング戦略を立案し、実行することです。
具体的には、AIを活用した広告配信やターゲティングにより、適切なターゲット層への広告配信などを実施しています。また、データ解析や予測分析によって、ユーザーの行動パターンやニーズを把握し、それに基づいたコンテンツ戦略やプロモーションの最適化も行います。
さらに、自然言語処理や感情分析によって、ユーザーからのフィードバックやレビューを分析し、製品の改善に役立てることも可能です。Webマーケターの仕事の幅広いシーンでAIを活用できます。
顧客満足度の向上や更なるロイヤリティの獲得を目的に、WebマーケターはAIを活用しているのです。
データサイエンティスト
データサイエンティストの仕事でも、AIのサポートを受けられます。データサイエンティストの仕事は、ビジネスにおけるさまざまな意思決定の局面において、意思決定者がデータにもとづいて合理的な判断を行えるようにサポートすることです。
データサイエンティストは、AIを駆使してデータの収集や前処理、解析、予測モデルの構築などの業務を行います。機械学習を用いた顧客行動や商品の需要予測や、自然言語処理や画像認識技術による情報の抽出などの業務でAIを活用しています。
データサイエンティストがAIを活用するには、適切なデータの収集や前処理、モデルの選定や評価などの専門知識が欠かせません。今後も高いニーズが見込まれる職種の一つなので、AIの活用方法を身につけることで、さらに市場価値の高い人材を目指せるでしょう。
人間がAIを使いこなすコツ
ここからは、人間がAIを使いこなすコツを、2つにまとめて解説します。
なお、次の記事ではAIで仕事がなくなるという説について詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
最新のAI技術の情報を収集する
仕事やプライベートでAIを使いこなすためには、最新のAI技術に関する情報収集は欠かせません。AIは日進月歩で発展を遂げており、それらを使いこなすためには正しい知識を身につけることが大切です。
情報を収集する際には、信頼性の高い情報源を選びましょう。また、技術発展が早いので、定期的に最新情報を収集すべきです。
専門的な技術系のウェブサイトやブログ、学術論文、業界のニュースサイトなどを定期的にチェックすることで、最新のAI技術に関する情報を収集できます。またAI技術に関するイベントやセミナーに参加し、専門家や同じ分野のプロフェッショナルとの交流を深めることで、実用性の高い知識やスキルを身につけられるでしょう。
最新のAI技術の情報を収集するためには、多様な情報源を活用し、積極的に情報収集に取り組むことがポイントです。正しい情報を集めて、AI技術を使いこなしましょう。
最新のAI技術に触れる
AI技術を使いこなすには、実際にAI技術に触れてみることも大切でしょう。使用したことがない技術に関して、人は無意識に不信感を抱いてしまいがちです。
AIを正しく活用できれば、仕事やプライベートの利便性を大幅に向上させられます。日々の満足度を高めるためにも、AIの活用は求められるのです。
AIに対する理解を深めるためにも、最新の技術をチェックして実際に触れてみることをおすすめします。セミナーやワークショップなどに参加し、最新の技術やツールを学ぶことも有益です。
さらに、プロジェクトや業務を通じてAI技術を体験し、その特性や潜在能力を理解することで、より深い理解を得ることができるはずです。
AI技術を使いこなすためには、継続的な学習と実践が欠かせません。効率的にAIを活用するためにも、最新の技術をチェックして、積極的に触れていくことが大切です。
AIを使いこなすために身につけたい3つのスキル
今や、一般的に普及しているAI技術の数々ですが、その利便性を最大限引き出すためには、ユーザーである我々にもある程度のリテラシーが求められます。
なお、総務省は「平成30年版 情報通信白書」にて、AIの普及に対応するために企業が従業員に求める能力として、下記の3つを挙げています。
それぞれのスキルを詳しく解説します。
論理的思考力
人間がAIを使いこなすには、高い論理的思考力が求められます。論理的思考力とは、問題を分析し、解決策を見つけるための考え方です。
AIは人間の課題を解決するための手段を提示します。AIのサポートに対し、最も有効な手段は何か、AIが提示した手段を実行することによって、どのような影響が予想されるかを考えるのが人間の仕事です。
AIのサポート効果を最大化するには、人間の論理的思考力が不可欠です。業務でAIを活用する場合は、AIの意見をもとに問題解決に前向きに取り組む姿勢が求められます。
発想力
人間が仕事でAIを使いこなすには、高い発想力が不可欠です。AIが提供するアイデアや解決策をより有益なものにするためには、引き続き人間の発想力が求められます。
AIは課題に対するアプローチや解決策を提示しますが、学習で得た過去のデータをもとにした提案でなければ提供することができません。現状を踏まえた柔軟な未来の予測や、斬新なアイデアの提供は人間の発想力に依存することになります。
AIの応用範囲を広げるためには、異なる分野やアプローチからの発想が求められるのです。AIのサポートを最大化するために、活用する人間は柔軟な発想力が求められます。
コミュニケーション力
AIの活用にはコミュニケーション力も求められます。AIの運用や活用には、チームワークが重要です。他のメンバーやクライアントと円滑にコミュニケーションを取る能力が必要といえます。
当然、AIの活用には技術的なスキルも求められます。しかし、ビジネスニーズやユーザーの意見を取り入れるなど、クライアントの要望のヒアリングなど、実践的な運用にはコミュニケーションが欠かせません。
さらに、AIの活用には外部の専門家やパートナーとのコラボレーションも頻ぱんに行われるため、適切なコミュニケーションスキルが求められます。AIを取り入れたプロジェクトの成功には、高いコミュニケーション力が重要なポイントとなるのです。
人間にしかできないAIを活かした仕事をするには?
人間にしかできないAIを活かした仕事をするには、前提としてAIを活用できる職種に就くことが必要です。AIは技術の発展に伴い、今後さらに需要を高めていくと予想されます。
現代社会において市場価値の高い人材をめざすのであれば、AIに関する知識やスキルを身につけて、それを活かせる職種に就くことも有効な手段のひとつです。
AIを活用する職種を目指すのであれば、まずはその職種に関する専門性を高める必要があります。AIに関連する職種というと、やはりWebスキルをイメージされる人が多いのではないでしょうか。
効率的なWebスキルの獲得を目指すのであれば「侍エンジニア」がおすすめです。侍エンジニアは、日本初のマンツーマン専門のプログラミングスクールです。
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AIを活かした仕事に就きたいとお考えの人は、侍エンジニアの受講を検討してみてください。
まとめ
今回は、AIの概要や活用方法、そして人間にしかできない仕事やスキルについて解説しました。AI技術は日々進歩を続けており、我々の生活を豊かにしています。
その一方で、AIの課題は人間にとってのストロングポイントに変化しつつあり、AIとの共存を目指すことで、お互いの欠点を補いながら利便性の向上を目指せます。
AIの需要は今後さらに高まっていくことでしょう。AIを活用する仕事を目指すのであれば、専門的な知識とスキルの獲得を目指す必要があります。
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本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。