AI開発に必須のPython!学習法を5つのステップで徹底解説

この記事では、Pythonを用いたAI開発の学習法を解説します。

現在、AI(人工知能)分野のプログラミングで最もよく使われている言語がPython(パイソン)です。

Pythonを使うと、AIに関するさまざまなプログラムやツールがインターネット上に豊富にあり簡単に利用できます。そのため、AIの仕組みを学ぶだけでなく、実際に使う際の利便性の高さも特徴です。

PythonとAIはどう関係しているの?
AI開発にはPython学習は必須なの?

この記事では、Pythonを用いたAI開発の学習手順をわかりやすく解説します。大量のデータから規則性を学習する機械学習から、高度なパターン認識であるディープラーニング(深層学習)の学習方法なども解説するので、ぜひご覧ください。

この記事の要約
  • Pythonは機械学習や深層学習などAI分野で使用される言語
  • Pythonを用いた機械学習にはライブラリ「scikit-learn」がおすすめ
  • 深層学習の開発にはライブラリ「TensorFlow」がおすすめ
目次

PythonとAIの関係性

PythonとAIの関係性

PythonはAI分野(特に機械学習やDeep Learningと言われるもの)で最も人気のあるプログラミング言語のひとつです。

パワフルなライブラリなどのツールを手軽に使えるのは、他のスクリプト言語に対してのPythonの優位点の1つです。さらに、世界中に多くのユーザーがいるPythonでは、最新のAI研究の成果がすぐに実装されて公開されます。

このような最新技術の再現しやすさや研究者による活発な情報共有も、PythonがAI分野で不動の地位を占めている要因です。最新技術を使った仕事が求められるデータサイエンティストやAIエンジニアにとっても、Pythonは必須スキルとなっています。

Pythonとは

Pythonとは、1991年に登場した汎用プログラミング言語で、AI分野だけでなくさまざまな領域で活用されている非常に人気のある言語です。主に海外(欧米)で人気の言語でしたが、日本でもAIブームで人気が出ています。

Pythonの強みは、シンプルな文法と豊富なライブラリです。シンプルな文法により、Pythonは初心者にも扱いやすい特徴があります。歴史のある言語で、海外の大学でもよく教えられています。

Pythonは、高速化・最適化されたライブラリを呼び出すことで、見通しがよく分かりやすいプログラムを書くことが可能です。

具体的には、Numpy(ナムパイ)という数値計算を行うための拡張モジュールがあります。Pythonは書きやすい代わりに速度が遅くなってしまう傾向がありますが、Numpyを使うことで、機械学習のような膨大な計算が必要なプログラムを書くことが可能です。

Numpy以外にもPythonの使いやすさはそのままに、高速に動作するコードを書く方法があります。

Cython(サイソン)Pythonとほぼ同じコードを書くだけでC言語に変換してくれる
Numba(ナンバ)JITコンパイルという方法でPythonを高速に動作させる
Boost.PythonPythonから使えるC++のコードが書ける
rust-cpython新進気鋭の人気言語RustでPython拡張を書けるツール

これらのツールを活用して、Pythonを使った科学計算プログラムが作られています。科学・研究分野でPythonがよく使われるのは、スクリプト言語の手軽さと、これらのパワフルツールのお陰です。

AI(人工知能)とは

AI(人工知能)とは人間の知能をコンピューターによって模倣し、学習、推論、問題解決などの能力を持つシステムを構築する技術のことです。AI(人工知能)は、基本的にプログラムによって動きます。プログラムが大量のデータを処理して、画像認識やチャットボットなどの判断や推測に活用されます。

たとえば、下記のようなシステムもAIがデータ処理を行っています。

データ処理の例詳細
自動運転システムの場合・複数のセンサーやカメラから情報を与える
・さまざまな道路状況や天候条件などのデータを学習させて自動運転システムを構成している
製品の不良検知の場合・さまざまな角度からの画像による情報を与える
・これまでの正常品と不良品のデータを学習させて不良検知システムを構築する

このように、PythonはAIを動かすプログラムによく使われています。

PythonがAI開発で重宝される3つの理由

PythonがAI開発で重宝される3つの理由

PythonがAI開発で重宝されるのには、下記の3つの理由があります。

それぞれ、理由について詳しく解説します。

理由1:機械学習・深層学習に特化したライブラリが豊富にある

Pythonが人工知能(AI)開発において重要な役割を果たしている主な理由の一つは、機械学習と深層学習に特化した豊富なライブラリが利用可能なことです。

ここでは、よくPythonで利用されるTensorFlow・PyTorch・Kerasの3つの主要なAIライブラリについて紹介します。

  • Googleが作った深層学習ライブラリ、Tensorflow(テンソルフロー)
  • GPUなどを載せたアクセラレータボードで計算の高速化ができる
  • Google製のため、Deep Learningフレームワークとしてのシェアは非常に大きい

表で紹介したライブラリを活用すると、AI開発のプロセスを大幅に簡素化できます。また、多くの場合で異なるライブラリを組み合わせて使用でき、各ライブラリの強みを生かしたAI開発が可能です。

たとえば、TensorFlowは開発元であるGoogleでも活用されています。検索や翻訳、GmailなどもTensorFlowを活用して機械学習することで、個々に最適化された広告表示をしたり迷惑メールを選別したりするなどが可能です。

Pythonはライブラリ間の相互運用性と柔軟性の高さから、開発者にとって強力なツールとなっています。

なお、次の動画では機械学習に必要なツールやライブラリの使い方やインストール方法を解説しています。ぜひご覧ください。

理由2:効率よく大規模データを処理できる

AI開発において、大規模データの効率的な処理は欠かせません。効率的な処理により、AIはより多くのデータを学習できるからです。

NumPyやPandasなどのライブラリを利用することで、Pythonによる高速なデータ処理を実現できます。NumPyは多次元配列を効率的に操作するための機能を提供し、複雑な数学的演算を高速に実行可能です。

一方、Pandasはデータフレームという概念を導入し、構造化されたデータの操作や分析を容易にします。これらのライブラリを使用することで、大量のデータを迅速に加工、変換、分析することが可能になります。

AI開発において大規模データ処理が大切な理由は、使用するデータの質と量に大きく依存するためです。より多くの高品質なデータを効率的に処理して供給できれば、より精度の高い予測や分類が可能になります。また、リアルタイムAIアプリケーションでは、大量のデータを迅速に処理する能力が不可欠です。

さらに、Pythonは並列処理の機能も備えています。multiprocessingモジュールconcurrentモジュールを使用することで、マルチコアプロセッサの性能を最大限に活用し、データ処理を高速化できます。たとえば、大規模なデータセットを複数の部分に分割し、それぞれを別々のCPUコアで同時に処理することが可能です。

紹介したように、Pythonは複数の機能を組み合わせることで、大規模なデータセットを扱うAI開発プロジェクトに適したプログラミング言語となります。

理由3:複雑な数学的操作と科学計算が行いやすい

人工知能(AI)開発においてPythonが人気とされる3つ目の理由は、複雑な数学的操作と科学計算を容易に行えることです。この能力は主に、NumPyとSciPyというライブラリによって提供されています。

NumPyは、多次元配列や行列の操作を効率的に行うためのツールです。これにより、AIアルゴリズムの基礎となる線形代数の計算が大幅に簡素化されます。SciPyは科学技術計算のための高度な機能を提供します。統計学的計算、最適化、信号処理などのAI開発に不可欠な操作を簡単に実行可能です。たとえば、確率分布の計算や統計的検定などが容易に行えます。

さらに、Pythonは数学的操作の結果を視覚化するための優れたツールも提供しています。MatplotlibSeabornなどのライブラリを使用すると、複雑なデータや計算結果を直感的に理解しやすいグラフやプロットとして表現が可能です。

視覚化は、AIモデルの性能評価や、データの分布や傾向の理解に有効です。たとえば、機械学習モデルの学習曲線を描画したり、クラスタリング結果を2次元または3次元空間にプロットしたりすることで、モデルの挙動をより深く理解して必要な改善を行えます。

これらの機能を組み合わせることで、Pythonは複雑な数学的操作と科学計算を必要とするAI開発において、強力かつ柔軟なプラットフォームとなります。開発者は、高度な数学的概念を直感的に実装し、その結果を視覚的に検証することが可能です。その結果、より効率的にAIアルゴリズムを開発し、改善に繋げられます。

AI開発におすすめのPythonライブラリ

AI開発におすすめのPythonライブラリ
AI開発におすすめのPythonライブラリ

ここからは、AI開発におすすめのPythonライブラリを5つ紹介します。

  • データサイエンス向けのPython開発環境:Jupyter Notebook
  • 機械学習手法のデパート:scikit-learn
  • Google謹製の深層学習ライブラリ:Tensorflow
  • 国産で深層学習が書きやすい:Chainer
  • ChainerライクなFacebook製深層学習ライブラリ:PyTorch

上記を順番に見ていきましょう。

データサイエンス向けのPython開発環境:Jupyter Notebook

Jupyter Notebook(ジュピターノートブック)は、データサイエンス向けのPython開発環境で、任意のブラウザにて動作します。環境構築が容易なため、初めてPythonのAI開発に挑戦する人も使いやすいでしょう。

Jupyter Notebookは、プログラム・説明・実行結果などがまとめて管理できることも特徴です。例えば、次の内容をコードとともに残しておけます。

  • どのような設定で実験を行ったのかのメモ
  • 実験結果のログやグラフをノートに貼り付け
  • 実験結果からどんな考察をしたかのメモ

これからPythonを使ったAI開発に挑戦する場合、ぜひ最初にJupyter Notebookをインストールして使ってみてください。

機械学習手法のデパート:scikit-learn

scikit-learn(サイキットラーン)は、よく利用される機械学習ライブラリのひとつです。

scikit-learnは、統計学・パターン認識・データ解析など、さまざまなツールや手法を提供しています。機械学習の実験や実装を行うときに活用されることが多いライブラリです。

scikit-learnが提供しているチートシート(早見表)を次の資料で確認しましょう。

Qiita
出典:Qiita

チートシートのスタート位置である「対象データはサンプル数が50件未満である」の問いにYes / Noで答えながら進むと、データに適したアルゴリズムが判断できます。

scikit-learnは、NumPy※1やPandas※2など、ほかのPythonライブラリと互換性も良いです。とくに、機械学習エンジニアを目指す人はscikit-learnを使いこなせるようにすると良いでしょう。

※1 数値計算をスムーズにするライブラリ
※2 データ整理・集計・変換・可視化などをスムーズにするライブラリ

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Google謹製の深層学習ライブラリ:Tensorflow

TensorFlow(テンソルフロー)は、Googleが開発するライブラリです。ディープラーニング(深層学習※1)のモデル構築・トレーニング・デプロイメント※2ができます。

TensorFlowは、GPUを活用して数値計算を高速化するため、大規模データを扱う深層学習に適しています。

例えば、画像認識などは膨大な画像データを学習に取り込むことが重要です。TensorFlowなら、画像認識のデータ並列学習が容易になり、トレーニング時間を短縮できます。

TensorFlowをAI開発に活用する場合、ある程度ディープラーニングの知識を要します。しかし、TensorFlowは多くの企業や開発者が利用しているライブラリのため、使いこなせるようになると良いでしょう。

なお、次の記事ではTensorFlowについて詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

TensorFlowとは?機械学習に必須のライブラリを分かりやすく紹介
更新日:2024年11月15日
【TensorFlow入門】機械学習フレームワークTensorFlowを学ぼう
更新日:2024年10月31日

※1 機械学習の手法の一種。画像認識・音声認識・翻訳の分野で活用されている
※2 プログラムをシステム構築したい環境に配置し、利用可能な状態にする作業

国産で深層学習が書きやすい:Chainer

Chainer(チェイナー)は日本の会社が開発した、ディープラーニング向けのフレームワークです。自然言語処理・音声処理・画像認識に活用されており、柔軟性や拡張性に優れています。

Chainerは書きやすさと開発のしやすさに定評があります。本当に深いところまでPythonできれいに実装されているので、デバッグが容易です。

また、以下で紹介するChainerの拡張機能を利用すると、各分野の実装が可能になります。

種類内容
ChainerCV(コンピュータービジョン)画像認識におすすめ
Chainer Chemistry化学・生物学分野におすすめ
ChainerRL(Reinforcement Learning)強化学習におすすめ

Chainerは日本語の関連資料や日本語版のコミュニティフォーラムも見つけやすいため、初心者も自分で調べながら活用できます。

なお、次の記事ではChainerについて詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。

Chainerとは?概要から導入方法までをわかりやすく解説!
更新日:2024年10月31日

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ChainerライクなFacebook製深層学習ライブラリ:PyTorch

PyTorch(パイトーチ)は、Facebook製のディープラーニング向けライブラリです。次の分野を得意とします。

  • 自然言語処理(文章生成・機械翻訳)
  • 画像認証
  • 画像解析
  • 音声認識
  • 物体検知

PyTorchは世界中の優秀な開発者・研究者がオープンソースに参画し、日々改良されていることが特徴です。そのため、PyTorchに関する情報を収集すると、高いレベルのAI開発が可能になります。

PyTorchはChainerやNumPyと近い操作性なので、ChainerとNumPyの扱いに慣れている人は使いこなせる確率が上がります。

Pythonを用いたAIの開発事例

Pythonを用いたAIの開発事例

ここでは、Pythonを用いたAIの開発事例を3つ紹介します。

事例1:画像認識AIの開発

画像認識のAI開発にも、Pythonを用いた機械学習が使用されています。画像認識では、画像に写っている物体が何かを判断する際にAIを活用します。物体が何かを認識するためには、顔認識や物体検出などの大量のデータを与えての学習が必要です。

たとえば、不良品を識別する機械での画像認識では「正常品」の認識のほかに「不良品」の画像を認識する必要があります。「不良品」の種類やパターンをそれぞれ学習させる際には、角度による見え方の違いもあるためさまざまな角度からの画像も必要です。画像を学習させることで識別する精度を高め、「不良品」を選別できるようになります。

このように、AIが画像を判断するための機械学習の工程でPythonは使われています。

事例2:AIチャットボットの開発

チャットボットとは、人間とのやり取りを再現するソフトウェアであり、カスタマーサポートなどに活用されています。

具体例には次のようなものが一般的です。

  • カスタマーサポート
  • 製品やサービスの案内など

過去の問い合わせデータや商品情報を学習し、商品の在庫状況や配送状況に関する質問に自動で回答したり、購入手続きをサポートしたりするなど目的にあわせて活用できます。

Pythonは、自然言語処理や機械学習に特化したライブラリが豊富に存在するため、さまざまなAIチャットボットの作成が可能です。

事例3:予測分析システムの開発

予測分析システムは、過去のデータを分析して将来の傾向や結果を予測するものです。

たとえば、製造業や小売業では、適切な在庫管理が必要なため需要予測などの予測分析システムに使用されています。Pythonを用いて、過去の販売データ、季節変動、経済指標などを分析することで、将来の製品需要を予測して過剰在庫や品切れを防止することが可能です。

予測分析システムを開発する際も、Pythonを利用すればデータ分析・機械学習・モデル評価といった各段階で役立つ豊富なライブラリを活用できます。

初心者からPythonでAIを開発する方法

初心者からPythonでAIを開発する方法

初心者のうちは、AIやPythonの学習についてどこから手を付けたらいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。ここでは、Pythonを使ってAIを開発する方法について、5つのステップ形式で解説します。

それぞれステップごとに解説していきます。

STEP1:PythonでAI開発をする目的を明確にする

まずは、開発や学習を始める前にAIエンジニアを目指す目的を明確にしましょう。

「AI分野で何を実現したいのか?」将来的なイメージを明確にできていないと学習の途中で挫折する可能性が高くなってしまいます。目的を明確にすることで、努力の方向性もブレなくなり、成長スピードや学習の継続性を高めることが可能です。

「なぜAIを学びたいと思ったのか?」という問いかけを自分にしてみましょう。

STEP2:機械学習のために必要な数学の知識を学ぶ

AIを理解するためには必須の機械学習ですが、これについてはある程度数学の知識も必要になります。実際、数学が苦手な人にとっては、AIで必要な数学は暗号のように見えてしまうかもしれません。

とはいえ、高度な数学を理解していないと習得できないというわけでもないため「必要最低限」という意識で取り組むことをおすすめします。機械学習で最低限必要とされる数学の知識は下記のとおりです。

  • 微分
  • 線形代数
  • 行列
  • ベクトル
  • 基礎統計
  • 単回帰分析
  • 重回帰分析

このほかに統計の知識として、標準偏差、分散、確率分布などが一般的です。これらの数学を学んでおけば、AIやアルゴリズムに対する理解も深まり、プログラミングでも役に立ちます。完璧主義にはならずに、大体のイメージを掴むようなイメージで要領よく学んでいきましょう。

下記の記事では、機械学習に必要な数学の知識や関数について解説しています。ぜひあわせてご覧ください。

【Python入門】よく使うmath-数学関数の使い方まとめ
更新日:2024年5月6日

STEP3:Pythonの基礎・プログラミングを学習する

続いて、Pythonの基礎を学習するステップです。プログラミングはとにかく手を動かして実践してみることが重要となります。

全くの未経験者の場合、プログラムを実行するための環境構築も必要です。まずは、Googleが無償で提供しているGoogle Colaboratory」という環境を利用してPythonを学習してみましょう。

Pythonの基礎には、データ構造、算術演算子、比較演算子、関数、クラスなどがありますが、未経験であれば「Progate」や「ドットインストール」といったプログラミング学習サイトで、Pythonの基礎を学ぶのもおすすめです。

また、前章で述べた数学の知識を理解しておけば、よりプログラムのイメージが掴みやすくなっているはずです。とにかく手を動かして、実践を意識しながら学習していきましょう。

Python学習の基本的な流れやおすすめの無料サイトは、下記で紹介しています。

Python学習におすすめの無料サイト7選!入門編から中級者向けまで
更新日:2024年11月7日

STEP4:機械学習・ディープラーニングを学ぶ

AIにおけるPython・数学の基礎知識を学んだら、機械学習とディープラーニング(深層学習)についての理解も深めていきます。機械学習に関しては、ここまで解説してきた必要な数学の知識とPythonの基礎を学習できていれば、全体像は理解できているでしょう。

さらに体系的にPythonの機械学習を勉強したいという方には、下記の書籍もおすすめです。あわせて読んでみてください。

特に、ディープラーニングで重要になる「ニューラルネットワーク」については、今後も進化していくAI分野の要素として理解が必須になるため、しっかりと学んでおくことをおすすめします。

Pythonでのサンプルコードやおすすめのライブラリについては、次の記事・動画でも紹介しています。

Pythonで機械学習!サンプルコードやおすすめのライブラリも紹介
更新日:2024年11月15日

STEP5:Kaggleで実践的に理解を深める

Kaggle(カグル)とは、世界中の機械学習・データサイエンスに関わる人たち40万人ほどが集まるコミュニティサイトです。ここでは企業や政府が分析してほしいデータを公開しており、コンペ形式でユーザーがそのデータの分析精度を競えるシステムになっています。

いわゆるAIの研究者が集まっているコミュニティサイトなので、自信がついてきたらコンペに参加して自身の理解度を把握しておくのもいいでしょう。コンペで上位3位以内に入ると、企業から賞金を獲得できる場合もあります。

また、Kaggleではコンペが最大の特徴ともいえますが、Kernels(カーネル)という機能も便利です。Kernelsでは、他の先輩ユーザーが構築したモデルやコードが公開されているため、1ラインずつその意味を理解しながら写経していくことで、最先端の知見を得ることができます。

初心者のうちはコンペに参加することはハードルが高いので、まずはKernelsを積極的に活用して、最終的にはコンペでも上位に入れるようなAIエンジニアを目指しましょう。

挫折なくPythonでAI開発するには

AI開発のために、日々プログラミングを勉強されている方が多いなか、その学習方法は本当に正しいでしょうか。目的はきちんと達成できているでしょうか。もし、あなたの学習方法が間違っていた場合、もったいない時間を浪費してしまいかねません。

あなたの目的は、AIエンジニアへの転職でしょうか?それともフリーランスとして独立することでしょうか?AIのプログラムを自分自身で組んでサービスをリリースするのが目的なのかもしれませんね。しかし、その目的は、正しい学習を行えてこそ達成できるものです。

つまり、努力して目的を達成することが大事なのではなく、どうやって目的を達成するのかが大事なのです。目的から逆算的に考えて努力の方向性が間違っていないか客観的に見ることは非常に重要です。

「現在の学習方法が正しいのか分からない…」とあなたが悩んでいるのであれば、弊社の無料カウンセリングに参加してみませんか?

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PythonとAIにまつわるFAQ

最後に、PythonとAIによくある疑問へまとめて回答します。

生成AIはプログラミングに活用できる?

ChatGPTをはじめとする生成AIは、大量のテキストデータを学習した大規模言語モデル(LLM)です。英語や日本語だけでなく、プログラミング言語にも対応しているので、コード生成やレビューに活用できます。

用途例

  • コード生成
  • コードレビュー(バグのチェック)
  • エラーメッセージの解読

ただし、情報が正確とは限らないため、実際に動作確認して正確性をチェックすることが大切です。下記の記事でも、生成AIでのコード生成について詳しく解説しています。

コード生成AIとは?プログラミングに役立つおすすめツールも紹介
更新日:2024年10月31日

AIによってプログラマーの仕事はなくならない?

生成AIでプログラミングのコードを書けるとなると、プログラマーの仕事がなくなるのでは?と不安になっている人もいるのではないでしょうか。

結論、プログラマーの仕事がすぐになくなることはありませんが、AIの活用はより進んでいくでしょう。そのため、AIを活用してプログラミングコードを書く機会も増えてくると予想できます。AIによって仕事がなくなると考えずに、AIを活用できる人材になることが大切です。

そのために、機械学習の意味や仕組みなどを理解してAIを活用できる人材を目指すようにしましょう。

WebエンジニアはAIによって無くなる?生き残る条件と知識を解説
更新日:2024年10月31日

PythonによるAI開発は今後も需要がある?

Python自体が人気の高いプログラミング言語です。またAIやデータサイエンスに関する需要は今後も増えると予想されます。

実際に、総務省の情報通信白書でも世界のAIに関連するソフトウェアの市場規模は今後拡大すると予想されています。

AI開発を含む先端技術の市場ニーズは高まっています。そのため、今後もPythonによるAI開発は需要があるでしょう。

Pythonは時代遅れ?現在の需要から今後の将来性を徹底予測
更新日:2024年11月7日

この記事の監修者

フルスタックエンジニア

金田 茂樹


音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。

この記事を書いた人

中川 大輝のアバター 中川 大輝 メディア編集長

東京都多摩市出身。前職では都内ホテルにて設備機器のメンテナンスを経験。当時から副業として行っていたWebライティングと独学でのプログラミング学習経験を活かし、「プログラミング学習の挫折をなくすためのコンテンツ作成」を心がけています。
プライベートでは双子育児に奮闘中。将来、子どもたちが侍ブログを見て、プログラミングを学びたいと思えるメディアを作ることが目標です。
今更ながら「キングダム」にドハマリ中。

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