この記事では、習得するメリットも交え、Pythonがやめとけと言われる理由を解説します。
国内におけるIT人材不足の深刻化を背景に、ITエンジニアといったプログラミングスキルがある人材の需要は増し、他の職種に比べ高い報酬を設けるケースが増えてきました。
そんななか、転職や副業での収入獲得に向けたリスキリングを目的に、プログラミングを学ぼうと考えている人もいますよね。
特に、Pythonは国外を問わず人気が高いプログラミング言語のため、習得したい人は多いでしょう。
ただ「Pythonを学ぶのはやめとけ」といった声もあるため、学習しようか悩んでいる人もいるはず。
そこで、今回は「Pythonはやめとけ」といわれる理由をわかりやすく解説します。学習するメリットも交え、Pythonは習得すべきプログラミング言語なのかも解説するので、ぜひ参考にしてください。
- 「習得に時間がかかる」「挫折しやすい」「将来性に疑問がある」などの理由から、Pythonはやめとけという意見もある
- AI開発に用いられている点から、今後もPythonには高い将来性が期待できる
- 総合的に判断するとPythonは学ぶべきプログラミング言語
本記事を読む前に、そもそもPythonとはどんなプログラミング言語なのか、その特徴をおさらいしておきたい人は次の記事を参考にしてください。
Pythonはやめとけと言われる理由3つ
さっそく「Pythonはやめとけ」といわれる理由を、3つにまとめて紹介します。
習得に時間がかかり学習の段階で挫折してしまうから
Pythonの学習には時間と努力が必要です。初心者は学習初期の段階で内容の複雑さで挫折してしまうことがあります。
Pythonは他の言語と表記が違う部分があり、混乱してしまう人も多いです。しかし、この壁を超えるには慣れるしかありません。Pythonの独自の構文は逆に可読性を高めることもあり、一度慣れれば利点になります。
また、ライブラリやフレームワークが多くあるので、何から手をつけるべきかわからない人も多いです。実際に業務で使ううちに慣れてくるものですが、覚えなければいけないことが多くて挫折してしまう人もいます。
なお、次の記事ではPythonの学習途中に挫折してしまう理由を詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
将来性がなく時代遅れと勘違いされているから
一部の人々はPythonが将来性がない言語であり、時代遅れだと誤解しています。これは、新しいプログラミング言語やフレームワークが次々と登場しているからです。
特に一部の分野ではこれらの新しい言語などがPythonの地位を脅かすとの意見があります。しかし、Pythonは柔軟性があり広範な用途で採用されていることから依然として強力な存在であり続けています。実際に、データサイエンスや機械学習・人工知能などの幅広い分野で採用されている言語です。
Pythonは常に進化し続けているため、時代遅れとは言い難いでしょう。
なお、下の記事では他の言語と比較しつつ、Pythonの将来性を現在の需要も交え詳しく解説しているので、良ければ参考にしてください。
他の言語に比べて平均収入が低く稼げないといわれるから
一部では、他言語に比べPythonを扱うITエンジニアの平均収入は低いといわれています。しかし、収入は個人の能力や経験によって異なるため、一概にそうとはいえません。
また、Pythonの需要は依然として高く、適切なスキルを持ったITエンジニアは幅広く求められているため、十分な給与を得られます。スキルを高めていけば、スキルに合った給与がもらえるでしょう。
Pythonは人気言語なので、競争相手が多い傾向にあります。幅広いスキルを身につければ競争に勝ち残りやすくなるので、収入を増やしたい人はまずスキル向上をめざしましょう。
なお、次の記事ではPythonを扱うITエンジニアの平均年収を詳しく紹介しているので、あわせて参考にしてください。
他言語と比べたPythonのスペック
ここからは、次の言語と比べつつ、Pythonの特徴を紹介します。Pythonを今後勉強するかどうかの判断材料にしてください。
平均年収
各言語の平均年収を下記の表にまとめました。
言語 | 平均年収 |
JavaScript | 630.5万円 |
Kotlin | 664.9万円 |
C++ | 599.2万円 |
Ruby | 663.5万円 |
Swift | 641.6万円 |
Python | 652.9万円 |
C# | 589.1万円 |
Java | 605.5万円 |
Visual Basic | 537.6万円 |
PHP | 617.4万円 |
実際には他の言語と比べるとPythonは若干年収が高い傾向にあります。また、これはあくまで平均年収なので、スキルを積めば平均以上の収入も十分見込めるでしょう。
将来性
PythonはAI開発の分野で多く使用される言語です。AIは今後もさらに需要が高まっていくので、Pythonの需要も高まるでしょう。
また、PythonはWebアプリ開発でも使用される言語です。なかでもECサイトをつくるのに適しています。
感染症の流行を機に、多くの人がECサイトで買い物するようになりました。その傾向は現在も継続しており、今後もECサイトの需要は高まっていくと考えられています。
ECサイト開発でも使用されるPythonは、今後も将来性が高いでしょう。
習得難易度
Pythonと比べられることが多い5つの言語と、習得難易度を比較しました。
その内容が下記の表です。
言語 | Pythonと比較した際の習得難易度 |
Java | ・Pythonよりも習得難易度が高い ・文法が複雑で覚えるのが大変 ・1つの開発で多くのコードを書かなくてはいけない |
VBA | ・Pythonよりも習得難易度が低い ・文法が比較的簡単 ・Office製品をインストールすれば環境構築ができる |
Ruby | ・Pythonと同じくらいの習得難易度 ・Rubyは日本初のプログラミング言語なので情報が多い ・文法はシンプルでわかりやすい |
PHP | ・Pythonよりも習得難易度が低い ・Webアプリに特化しているため習得する範囲が少ない ・ルールがシンプルなのでわかりやすい |
C++ | ・Pythonに比べて習得難易度が高い ・文法が複雑で習得に時間がかかる ・使える分野が広いので覚えることも多い |
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知っておきたいPythonの特徴3つ
プログラミング言語には、それぞれの特徴があります。言語の習得難易度もそうですが、開発できるシステムも違うため、勉強を始める前に理解することが大切です。
ここからは、習得する前に知っておきたいPythonの特徴を3つにまとめて紹介します。
ソースコードがシンプルでわかりやすい
Pythonの特徴の一つは、シンプルでわかりやすいソースコードです。文法やルールがわかりやすいので、初心者にとっては学習しやすい言語でしょう。
たとえば、以下のコードはPythonでHello Worldを表示する方法です。
print("Hello World!")
「print」は日本語で「印刷」の意味をもつため、わかりやすい表記です。
このように、他の言語と比べてもソースコードがシンプルなので、習得も早いでしょう。
プログラム実行までの時間が短い
Pythonは、開発中のプログラム実行までの手順が短いという特徴があります。コンパイルが不要でインタプリタ方式を採用しているため、開発効率が高いです。
たとえば、以下のコードはPythonで簡単な計算を行う方法です。
a = 2 b = 3 c = a + b print(c)
インタプリタ形式の場合、プログラムを実行する際にソースコードを直接機械語に変換するのではなく、逐次的に解釈して実行します。そのため、柔軟性があり、ソースコードを簡単に変更して実行できます。
身近なAI技術に使用されている
Pythonは、身近なAI技術に広く使用されている言語です。機械学習やデータ分析などの分野でPythonは非常に重要な役割を果たしています。
たとえば、TensorFlowやPyTorchといった機械学習のフレームワークはPythonで開発されています。
AI技術は、今後も多くの分野で使用されていくため、よりPythonの需要は高まるでしょう。
Pythonを学習する3つのメリット
ここからは、Pythonを学習するメリットを3つ紹介します。
メジャーな言語のため学習環境が整っている
Pythonは世界中で広く使用されているメジャーなプログラミング言語です。そのため、Pythonを学ぶための学習教材やオンラインコミュニティも豊富に存在し、学習環境が整っています。
たとえば、下記のようなオンライン学習プラットフォームや書籍が利用できます。
独学で勉強するとわからない部分が多くでてきます。その際にも、ネット検索をすれば情報が多く得られるので、学習しやすいでしょう。
世界的に人気が高く日本以外でも仕事ができる
Pythonは世界中で人気のあるプログラミング言語です。そのため、Pythonのスキルを持つことで、国内だけでなく、海外でも仕事の機会を広げることができます。
たとえば、以下のような分野でPythonの需要が高まっています。
- データサイエンス
- 機械学習
- Web開発
上記の分野は世界中で将来性がある分野なので、Pythonのスキルを身につけることで仕事の幅を広げることが可能です。
未経験からでも転職できる
Pythonは初心者にも学習しやすいプログラミング言語です。Pythonは文法やルールが比較的簡単です。プログラミング未経験の人でも、理解しやすい言語なので、最初に勉強するプログラミング言語に向いているでしょう。
他のプログラミング言語の経験がなくても、Pythonの学習を通じてプログラミングの基礎が身につきます。
また、Pythonの需要が高まっているため、Pythonのスキルを持つことで転職のチャンスを広げられるでしょう。
まとめ
今回は、「Pythonはやめとけ」といわれる理由や、Pythonを学習すべき理由を紹介しました。
では、この記事で紹介した「本当にやめるべき?Pythonを学習するメリット3選」を改めて紹介します。
Pythonは、AI技術やWebアプリ開発に関連するプログラミング言語なので、今後も多くの分野で使用されます。将来性も高く、今後も需要の高い言語でしょう。
本記事の解説内容に関する補足事項
本記事はプログラミングやWebデザインなど、100種類以上の教材を制作・提供する「侍テラコヤ」、4万5,000名以上の累計指導実績を持つプログラミングスクール「侍エンジニア」を運営する株式会社SAMURAIが制作しています。
また、当メディア「侍エンジニアブログ」を運営する株式会社SAMURAIは「DX認定取得事業者」に、提供コースは「教育訓練給付制度の指定講座」に選定されており、プログラミングを中心としたITに関する正確な情報提供に努めております。
記事制作の詳しい流れは「SAMURAI ENGINEER Blogのコンテンツ制作フロー」をご確認ください。
この記事の監修者
フルスタックエンジニア
音楽大学卒業後、15年間中高一貫進学校の音楽教師として勤務。40才のときからIT、WEB系の企業に勤務。livedoor(スーパーバイザー)、楽天株式会社(ディレクター)、アスキーソリューションズ(PM)などを経験。50歳の時より、専門学校でWEB・デザイン系の学科長として勤務の傍ら、副業としてフリーランス活動を開始。 2016年、株式会社SAMURAIのインストラクターを始め、その後フリーランスコースを創設。現在までに100名以上の指導を行い、未経験から活躍できるエンジニアを輩出している。また、フリーランスのノウハウを伝えるセミナーにも多数、登壇している。